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第七話 再び、ひみつ天国へ

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私、神田川マユは悩んでいた。

あれから一週間。神様からフルフルの居場所についての連絡はない。

それはいいんだけど、せっかく出入り自由になったはずの、ひみつ天国への入り方がわからないのだ。鍵はもらったけれど、その使い方を教えてもらってない。
フルフルの封印を引き受けたら、神様は何の説明もしないで、即座に私達を元いた場所に帰してしまったのだ。

私は早くマルに会いたかった。
会って、ちゃんと謝りたかった。
再会した時にも謝ったけど、あれじゃぜんぜん足りない。

私のせいで、マルは独りぼっちで……



…………ダメだ、ダメだ!学校で泣いたりしたら。
ちょうど休み時間だし、ちょっと顔を洗ってこよう。

人気のない校庭の手洗い場に行って、蛇口をひねって水に手を差し出すと誰かが駆け寄ってきた。

「マユちーん!」

レミナだ。いつもの脳天気な笑顔で私に話しかけてくる。

「ねえ、なんであれから天国に来ないの?」


……は?……はあ!?


一瞬頭が真っ白になって、手元が蛇口を半端にふさいでしまい、水がブシュッと飛び散った。

「わわわわ!!ちょっと、マユちん、気を付けてぇ。シャワーの時間にはまだ早いよ?」

慌てて飛びのくレミナ。



「なんで……って、レミナは天国に行ってるの!?」

「一昨日から、毎日行ってるよ?」

「だって、カギの使い方、教えてもらってないでしょ!?」

「え?んーと、こないだ神様が開けた天国の扉は三角だったでしょ?
だから試しにこうやってカギを持って、空中に三角を描いて、最後に真ん中をカギで、こうやってつついたら……

開いちゃった!」

レミナが言いながら実演すると、本当に白い光の三角形が現れて、天国への扉が開いた。

「じゃあ行こう!」

扉をくぐるレミナについて行こうしたら……

すぐ目の前で、扉が閉まって、私は危うく挟まりそうになってしまった。

「そうだ、扉は開けた本人しか通れないよぉ?昨日栗原さんも挟まりそうになってたから。じゃ、先に行ってるねぇ」

目の前から光る三角が消えていく。

「……それじゃ、今日まで天国に行けなかったの、私だけ?」

これまで悩んでいたのはなんだったのか。
思えば他の二人と天国の話をしようにも、いつも他のクラスメイトも側にいたから、なかなか話せなかったんだよね。

はあ、それにしてもレミナは頭がいいのか悪いのか、分かんない子だなあ。



それはさておき、私も赤いカギを持って、空中に三角を描いてみた。ああ、ホント、描ける描ける。光が線になり、扉になる。
大きく深呼吸をして、三角形の真ん中をつつくと、スッと扉が開かれた。

そして私は再び、ひみつ天国へと足を踏み入れたのだった。
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