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第2.5話 金庫職人と国王
約束
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「律儀な泥棒がいたもんじゃ。苦労をかけてしまったな。」と王は言った。
「なーに、命を助けてもらった借りがあります。逃げるついでに、そこの牢屋のカギも開けて差し上げましょうか?」
泥棒の申し出に7世は首をふった
「いやいや、ありがたいが、わしらが逃げたら王子が何をされるかわかったものではない。ワルザラース大臣は王子を人質にしているのじゃよ。泥棒よ、借りがあると思ってくれるならわしらではなく王子助けてくれんかの?」
そう言うと王は深々と頭を下げた
「王様のせっかくの頼みだが勘違いしてもらっては困ります。あっしは泥棒ですぜ?泥棒は人助けなんてしやしません。ただ、ただですぜ?王子を盗み出せっていうなら報酬次第でお受けいたしますが?」
「何が望みじゃ?今はこのようなとらわれの身、御主に満足に渡せる報酬なぞ何もないが…」
泥棒はヘッポコ7世の話しをさえぎって言った
「いただけるならポコステン超合金の製法ですかね?そもそもこの城に忍び込んだのもそれが目的でして」
ヘッポコ7世は、しばらく真剣な顔で考え込むと言った
「わかった…いいだろう。その代わり、わしらが自由になるまで王子を頼む」
「こんな泥棒ふぜいに大事な王子を託すんですかい?あっしを信用するんで?」
ヘッポコ7世は言った
「今はそうするしか道がない。こんなときヘッポコ1世ならこう言うはずじゃ。『わが友の熱きお尻に誓って、御主を信じよう』とな」
そう言って王は笑った
泥棒は答えた
「ならば世界一の金庫職人にして泥棒のこのあっしの右腕に誓ってその信用にお応えしましょう」
泥棒も笑った
こうして王と泥棒の契約は成立した。
「なーに、命を助けてもらった借りがあります。逃げるついでに、そこの牢屋のカギも開けて差し上げましょうか?」
泥棒の申し出に7世は首をふった
「いやいや、ありがたいが、わしらが逃げたら王子が何をされるかわかったものではない。ワルザラース大臣は王子を人質にしているのじゃよ。泥棒よ、借りがあると思ってくれるならわしらではなく王子助けてくれんかの?」
そう言うと王は深々と頭を下げた
「王様のせっかくの頼みだが勘違いしてもらっては困ります。あっしは泥棒ですぜ?泥棒は人助けなんてしやしません。ただ、ただですぜ?王子を盗み出せっていうなら報酬次第でお受けいたしますが?」
「何が望みじゃ?今はこのようなとらわれの身、御主に満足に渡せる報酬なぞ何もないが…」
泥棒はヘッポコ7世の話しをさえぎって言った
「いただけるならポコステン超合金の製法ですかね?そもそもこの城に忍び込んだのもそれが目的でして」
ヘッポコ7世は、しばらく真剣な顔で考え込むと言った
「わかった…いいだろう。その代わり、わしらが自由になるまで王子を頼む」
「こんな泥棒ふぜいに大事な王子を託すんですかい?あっしを信用するんで?」
ヘッポコ7世は言った
「今はそうするしか道がない。こんなときヘッポコ1世ならこう言うはずじゃ。『わが友の熱きお尻に誓って、御主を信じよう』とな」
そう言って王は笑った
泥棒は答えた
「ならば世界一の金庫職人にして泥棒のこのあっしの右腕に誓ってその信用にお応えしましょう」
泥棒も笑った
こうして王と泥棒の契約は成立した。
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