子ども泥棒 ヘッポコ・エイト2世

第2話 ヘッポコ・エイト２世 VS ヘッポコ・エイト１世

２日目

１日目に名だたる泥棒達が破れたことで挑戦する泥棒はいなくなった。そのかわり２日目は強盗やギャング達が乗り込んだ。

彼らは５００人以上の大軍団で屋敷におしかけて、重さや音など関係なしに強引に押し通ろうと殺到した。とにかく数と力で突破する作戦だ。仲間が床に押さえつけられようが、壁にへばりつこうが気にしない、むしろそいつらを足掛かりに自分が前へと進んで行った。

こうして「無重力の間」「無音の間」で約４９０人がリタイアしたが、金庫室に１０人がたどり着いた。しかもその１０人は有名なバズーカ使いに、泣く子も黙る爆弾魔、マシンガン兄弟にギャングのボスとそうそうたる顔ぶれ。

彼らは金庫室につくと「グレート・ダディ」にバズーカ、砲弾、爆弾、銃弾とそれはもうすまじい攻撃を開始した。その音と振動は地球の裏側まで届くと思うほどだった。

が、ポコステン超合金で作られた「グレート・ダディ」にはキズ1つ、ヘコミ1つつけることはできなかった。
結局、強盗とギャングの大軍団は「グレート・ダディ」に歯が立たずリタイアとなった。

こうして１日目、２日目は終わり、３日目には誰も挑戦する者はいなくなった。みんなのあいだではお別れパーティにも、１日目２日目にも顔を出さなかった愛弟子ヘッポコ・エイト２世か、１世のライバルだったチュッパ＆チャップスあたりがいよいよ登場するのではとウワサになっていたが彼らも現れることなく３日目の太陽は沈み、とうとう明日１世の頭の花が咲き永遠のお別れを悼むのみとなってしまった。大勢いた観客も帰り、ぼくは明日の記事を書くために屋敷の近くで野営の準備を始めた。