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第1.5話 ヘッポコ・エイト2世 VS チュッパ&チャップス
自己紹介
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さてと、少しだけできたページの隙間を利用して、せん越ながら僕の自己紹介を書いておきたいと思うんだ。
大学院を卒業した僕は、父のすすめで新聞社に入った。
そこは大きな新聞社だったから普通の新聞の他にも『こども新聞』とか『お母さん新聞』なんてのはもとより『お菓子職人新聞』や『ファッション新聞』って具合に色んな新聞を発行していた。
『お菓子職人新聞』には流行のお菓子の作り方とか、有名なパティシエのインタビューなんかが書いてあるし、『ファッション新聞』もそんな感じでファッションのための記事で紙面は埋まっているんだ。
僕が入社して最初に任されたのは、そう『泥棒新聞』だった。
『泥棒新聞』には、あのお宝はどこそこの金持ちが持っているとか、どこそこのお宝はあの泥棒が盗んだなんてことが書いてあって『泥棒新聞』を読まないと泥棒たちは仕事ができないってくらい大人気の新聞なんだ。
僕は、その『泥棒新聞』の記者として色んな泥棒を取材したから泥棒たちのあいだでは、ちょっとした有名人だったし、僕の書く泥棒バトルの記事はいつも大人気だった。
泥棒バトルというのは、泥棒同士が腕と名誉をかけて競い合う戦いで相手の持っているお宝を全部盗んだ方が勝ち、盗まれた方が負けってものなんだけど、僕が泥棒バトルの記事を書けば、たちまち新聞は売り切れた。
泥棒バトルの猛者といえば、なんといってもおじいさんの泥棒兄弟チュッパ&チャップスは外せない。チュッパ&チャップスはどの泥棒バトルでも連戦連勝だったから、僕はチュッパ&チャップスの大ファン
あまりに好きになり過ぎて、いつしかチュッパ&チャップスのことをまとめて1冊の本にしたいと思うようになった。
通信販売で泥棒だけに売ってた本だから君は知らないと思うけど、僕の書いた『チュッパ&チャップスはかく語りき』は泥棒たちのあいだで大ベストセラーだったんだ。一時期は泥棒学校の教科書にもなったくらい。気の利いた図書館を探せば1冊くらい見つけることができるかもしれないから、もし僕の本があったら是非手にとってみて欲しい。
少しだけのつもりが、たくさん書いてしまったね。僕の自慢と、本の宣伝はこれくらいにして、せっかくだから残りの隙間は僕の知ってるチュッパ&チャップスのとっておきのエピソードを書こうかな。
大学院を卒業した僕は、父のすすめで新聞社に入った。
そこは大きな新聞社だったから普通の新聞の他にも『こども新聞』とか『お母さん新聞』なんてのはもとより『お菓子職人新聞』や『ファッション新聞』って具合に色んな新聞を発行していた。
『お菓子職人新聞』には流行のお菓子の作り方とか、有名なパティシエのインタビューなんかが書いてあるし、『ファッション新聞』もそんな感じでファッションのための記事で紙面は埋まっているんだ。
僕が入社して最初に任されたのは、そう『泥棒新聞』だった。
『泥棒新聞』には、あのお宝はどこそこの金持ちが持っているとか、どこそこのお宝はあの泥棒が盗んだなんてことが書いてあって『泥棒新聞』を読まないと泥棒たちは仕事ができないってくらい大人気の新聞なんだ。
僕は、その『泥棒新聞』の記者として色んな泥棒を取材したから泥棒たちのあいだでは、ちょっとした有名人だったし、僕の書く泥棒バトルの記事はいつも大人気だった。
泥棒バトルというのは、泥棒同士が腕と名誉をかけて競い合う戦いで相手の持っているお宝を全部盗んだ方が勝ち、盗まれた方が負けってものなんだけど、僕が泥棒バトルの記事を書けば、たちまち新聞は売り切れた。
泥棒バトルの猛者といえば、なんといってもおじいさんの泥棒兄弟チュッパ&チャップスは外せない。チュッパ&チャップスはどの泥棒バトルでも連戦連勝だったから、僕はチュッパ&チャップスの大ファン
あまりに好きになり過ぎて、いつしかチュッパ&チャップスのことをまとめて1冊の本にしたいと思うようになった。
通信販売で泥棒だけに売ってた本だから君は知らないと思うけど、僕の書いた『チュッパ&チャップスはかく語りき』は泥棒たちのあいだで大ベストセラーだったんだ。一時期は泥棒学校の教科書にもなったくらい。気の利いた図書館を探せば1冊くらい見つけることができるかもしれないから、もし僕の本があったら是非手にとってみて欲しい。
少しだけのつもりが、たくさん書いてしまったね。僕の自慢と、本の宣伝はこれくらいにして、せっかくだから残りの隙間は僕の知ってるチュッパ&チャップスのとっておきのエピソードを書こうかな。
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