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悪夢と王城、それから休暇

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朝食を終えた時間は既に昼前に近かったが、こういったのんびりした日があっても良いのかもしれない。ゆっくりとした足取りで、庭のガゼボに出て、シルヴェルが本を読み始めるとメイドのメリアとミミラがティーセットとお菓子を持ってきてくれた。

「ありがとうございます。メリアさん、ミミラさん。」
「いえ、ごゆっくりしてください。本日のスイーツはザッハトルテです。それから、シルヴェル様には料理長のカンからプレゼントですよ。」
「プレゼント?」
「はい、ゼリーと言って、果汁を固めたスイーツだそうですよ。カン曰く『旦那が、食えるように柔らかめにしたから噛まずに食えるぞ。』だそうです。」
「ゼリー。」
「はい。」

シルヴェルは本に栞を挟んで閉じると、目の前に置かれた彼にとっての未知なるスイーツを見つめていた。スプーンを渡されてゼリーを少しつついてから、ひとすくいして口に含むと、朝と同じように少し目を見開いて美味しそうに食べ始めた。それを見ながら、俺もザッハトルテを食べ始めた。

「シルヴェルさん、美味しい?」
「ああ、このスイーツは食べられる。美味しい。」
「どんな感じなの?」
「あまり噛まなくても飲み込めて、甘くて。」
「好き?」
「....ああ、これも好きだ。」
「...話は聞いていたけれど、シルヴェル様、良かったですね。」
「...そう、そうなんだ。今日は皆が私に沢山のことを教えてくれる。これは、えと、そう。

嬉しい・・・んだ。」

そう言って、微笑むシルヴェルにメリアとミミルは少し涙ぐみながら「良かったですね。」とエメルと同じように声を返した。

ゼリーを食べ終えて、再び本を読み始めると、そよそよと優しい風が頬をなでていく。今日のシルヴェルは髪を結いておらず、銀の髪が風と共に靡いていて時折、陽の光を反射して透けるような白に輝く彼の銀は美しかった。

そのうち、シルヴェルがウトウトし始めたところに、エメルとディルアがクッションと薄いブランケットを持って来た。そしてシルヴェルの周りに敷き詰めると、そっとシルヴェルをクッションに寄りかからせて、ディルアがブランケットをかけた。

「いい、の?」
「今日は暖かいですしね。たまには平気ですよ。」
「俺たちも暫くここにいても?」
「もちろん。」
「...寝ているときが、1番酷いのですよ。」
「...魘されているから?」
「ええ、いつもなんと言って魘されているのかは分かりませんが、見ていてとても心苦しいのです。夢の中では我々には成す術がないですから...。」
「シルヴェル様は、魘されたあと目を覚ますと、大方取り乱すんです。もしくは、呆けてる。」
「...今日の朝は、呆けてる。の方が近かった。」
「今のところ魘されては...「ヒュッ...ヒュ――、ヒュ――、...ヒュ―――。」っ、シルヴェル様!!起きてください!!」

シルヴェルが顔を青白くさせて、呼吸が乱れ始めた。エメルがディルアに水やタオルの用意を頼んでシルヴェルを起こそうとした。
「...シルヴェル様、起きてください。お願いですから...。」
「エメルさん、変わります。」
「え、?」
「俺に任せてください。」

そう言って、微笑めばエメルの強張った顔が和らいだ。

「シルヴェルさん、起きて。」
「ヒュッ、ヒュ―――ッ、ヒュッ。ッハ。」
「そう、ゆっくり呼吸をして目を開けて。」

背中を擦れば少しずつ息を吸い始め、目を開けた。その瞳は今朝と同じような瞳で、一瞬こちらも恐怖のドン底に落とされそうになる。

「シルヴェルさん、俺が誰だかわかる?」
「...ッハ、ッハ。...おと、さま。」
「俺は、『お父様』じゃないよ。」
「...ねて、いません。...ねて、いないから。」
「シルヴェルさん?」
「...ぶたな、いで。、ください。...おか、さま。」
「シルヴェルさん。俺は『お父様』でも『お母様』でもないよ。」
「...?、?...だれ、?」
「ルルニアです。貴方の養子息子ですよ。」
「...むす、こ。るる、にあ?」
「そうです。ルルニアです。」
「...る、る...にあ、くん。」
「はい。」
「...また、めいわくを。えめ、ると、でぃるあも。...すまない。」
「「「迷惑じゃないですよ。」」」

見事にハモリ、シルヴェルがそれが面白かったのか、小さく微笑むとエメルとディルアは安心したような顔付きになり、シルヴェルは再び眠りについた。―――今度は俺の手を握ったまま。これでシルヴェルが魘されないのなら万々歳だ。そう思い、俺はシルヴェルの隣に座り、再び紅茶を楽しみ始めた。

シルヴェルは空が朱に染まり始めても起きる気配がなかった為、エメルに準備してもらってシルヴェルを彼の寝室に運び、寝かした。一応、医者を呼んだが、『日頃の疲労と、今日の夢で精神的にかなり疲れているのでしょう。』とのこと。そんなわけで、シルヴェルはそのまま翌日の朝まで眠った。医者が『悪夢を見ないことの方が今の伯爵様には重要です。貴方がいて落ち着くのであれば一緒に寝て差し上げてください。』なんて言い、更には『次、伯爵様が長く眠られた場合、おそらく2週間ほどは眠り続けられるでしょう。魔力もかなり枯渇してきています。早急の回復を。』なんて最早脅しだが、魔力の枯渇を出されると、そんな事は言っていられない。この世界で魔力の枯渇は生命の残量だ。魔力が尽きれば本人は昏睡状態に陥り、数日で死に至る。

シルヴェルの場合、ろくな食事を摂っておらず、休みもほぼ無い日常を過ごしていた。これでは、回復をする術がない。医者が帰ったあと、使用人一同と俺でシルヴェルをどう休ませて、食事をさせるかを話し合った。

「取り敢えず、食事に関してはルルニア様のご協力あって食べられる物も分かりましたし、栄養からの回復は見込みがありますね。」
「ああ、主食はミルク粥で補おう。」
「ええ、あと甘い物の方が『好き』なようですしね。」
「糖分はいいな。一番手っ取り早い。」
「カン、ゼリーは良かったようです。」
「お、まじか。」
「ええ、あの柔らかさと甘さが良いと、シルヴェル様が。」
「んじゃ、デザートも決まりだな。」
「飽きないとは思いますが、レパートリーを増やしておいて損はないでしょう。」

これから、厨房の3人は時間が余ったらシルヴェルの食事の考案で忙しくなるだろう。

「それにしても、シルヴェル様。可愛かったわね。」
「ええ、お可愛かったわ。ゼリーを食べられたときのお顔が本当に幼子のようで。」
「まあ、実質幼子と変わりませんね。」
「そうだな。食事や一般的なことに関してはガキと一緒だな。」
「まあ....シルヴェル様の幼少期を考えれば、」
「「「「...仕方ないですね。」」」」

ミミラとメリア、エメルとディルアがハモって言う。そんなに酷かったのかと聞けば、『お着替えになる際は、本当に体の傷が痛々しくて見ていられない。』と。更に『我々は奴隷だったからこそ、あの傷の酷さ、どういったモノなのか理解できてしまうから、....余計にですね。』と言われてしまえば、説得力があり過ぎて、何も言えなかった。

「まあ、それは置いておいて下さい。」
「ああ、あとは休みだったか?」
「ええ、どうしますか。」
「...王城で休みを取ってきてもらわなければなんとも。」
「...因みに、今日の休みって何日ぶりなんでs、の?」
「....王城で働き始めて、....5?回目ですか?」
「...違うぜ、4だろ?」
「...ええ、4じゃないかしら。」
「え、シルヴェルさんって何歳から王城勤めなn、の。」
「さっきから、頑張ってんなぁ。」
「シルヴェルさんが、敬語じゃなくて良いって言った、ので。」
「ふふ、頑張ってください。さっきの質問ですが、シルヴェル様は21歳から王城勤めですよ。」
「え"、約10年は休み無しですか?!!」
「....そう、なります、ね。」
「....うそ、だろ?」
「いえ、...。」

「...休んでいただきしょう。」

この場の全員が、満場一致で賛成した。

「明日、王城に参ります。」
「一緒にか?」
「ええ、気は向きませんが。」
「まあ、あんだけ奴隷だなんだって言われるとなぁ...。」
「じゃあ、エメルじゃなくて僕が行こう。」
「ディルア。」
「大丈夫だって、それにルルニア様にも一緒に行って貰うからな。」

急に話に出されて変な声が出たのは聞かなかったことにしてほしい。

「え、俺も...??どこに????」
「ミミラ、メリア。明日はルルニア様を王城に行けるような格好に。」
「「完璧にするわ!!」」

メイドの2人の視線が、怖い。明日にならないでくれ。という願いは儚く、ぐっすり眠り翌日の朝を迎えた。窓からは朝日が差し込んでいて少し眩しい。

そして、隣に眠るシルヴェル。魘されなかったようで、顔は歪んでいなかったが、少し寝汗をかいていた。顔を見つめていると、小さく唸ったあとに、目を覚ました。

「おはようございます。シルヴェルさん。」
「んぅ...、おは、....ん?」
「おはようございます。」
「...?なぜ、ルルニア君が、いっしょ、に?」
「魘されなかったみたいで、良かったです。」
「...私は、ルルニア君といると、魘されない?」
「はい、なので、医師の方が魘されないことが1番ということで、これからは一緒に眠るようにと...。嫌です、よね?」
「.......。」

シルヴェルは固まって動かなくなってしまった。そこに扉が叩き、ディルアが入ってきた。

「入りまーす。って、どうしました?」
「いや、一緒に寝るってことを伝えたら、動かなく....。」
「あー、シルヴェル様。」
「....でぃるあ。」
「大丈夫ですよ。そういう意味じゃないです。」
「え、.....うん。」
「ここには、そういう人は?」
「...いない。」
「...そうです。大丈夫ですよ。」
「...うん。」
「ルルニア様は、シルヴェル様がゆっくり睡眠できるように一緒に寝てあげたいんですって。」
「....めい、「迷惑じゃないです!!!」」
「だそうですよ。」
「そう、ありがとう。」
「いえ、それじゃあ、着替えてきます。」
「...?ルルニア君、どこか行くの?」
「王城ですよ。」
「え、なぜ?」
「シルヴェル様のお休みをとりに。僕とルルニア様が一緒に行きます。」
「え、でも。」
「お医者様が言うには、シルヴェル様の魔力が枯渇し始めているそうです。」
「....。」
「知ってたんですね。」
「...最近、夢見が悪いことが多かったから。」
「そういうのは、僕達にしっかり教えて下さい。」

そう言って、ディルアはシルヴェルの手を握って自分の額に寄せた。「お願いですから、僕達の前からいなくならないでください。」そう言いながら。

俺も着替えて、食堂に向かえば、シルヴェルが先に朝食を摂っていた。

「先に食べてたの?」
「そう、私はいつも食べないんだけど、食べることになったからね。」
「いいことです。」
「それで、まだ慣れていないからゆっくりになってしまう。」
「大丈夫ですよ。それで。」
「だから、先に食べていいって。カンが。」
「いいだろぉ?しかも今日は王城にいくんだろ?しっかり食ってもらわねぇとな。」
「ふふ、ほら、ルルニア君も食べて、きっとルルニア君が食べ終わる頃には私も食べ終わると思うから。」
「はい、いただきます。」

シルヴェルの予想通り、俺が食べ終わるのと同時にシルヴェルも食べ終わり、少し休んだあとに、ディルアと俺とシルヴェルは馬車に乗り込み、王城に向かった。

王城につけば、周りの貴族にジロジロと見られながら、シルヴェルの執務室に向かった。国王陛下への面会の希望を出したらしく早くてお昼頃には会えると言う。それまでの時間を、シルヴェルと共に行動をした。貴族たちに声をかけられれば、シルヴェルは俺を『息子』として紹介をしてくれた。とても嬉しかった。そんな嬉しい気持ちで過ごしていたときに、出会ってしまった。

「おや、いらない子じゃないか。」
「っっ!!」
「伯爵様、おはようございます。」
「....おはようございます。男爵。」
「いらない子はどうですか?しっかりやってますか?」
「...紹介します。私の息子のルルニアです。」

腰を抱かれ、シルヴェルに引き寄せられて紹介をしてくれた。

―――実の父親に。

耳元で小声で「挨拶をして。」と言われ、名前を名乗った。そうだ。俺は「いらない子」なんかじゃない。俺は「ルルニア」だ。シルヴェルがつけてくれたこの名前は、俺の大切な宝物だ。

腰を抱かれ、少し恥ずかしかったが、息子として紹介してくれるシルヴェルを見ていると、自分も誇らしく思えた。

「は、はは、そんな大層に、名前までもらったのか。よかったなぁ、名無し。」
「...俺の名前はルルニアですよ。男爵。」
「じっ、実の父親に対してなんだその口の聞き方は!!」

周りにはシルヴェルの伯爵より上の爵位の貴族だっているのに、なんて愚かなんだろうと思いつつ、挑発し続けると、勝手に自滅してくれた。

「3男のお前は、不要なんだよ!金になってくれて本当に嬉しいよ!しかもこんなキズモノ伯爵サマが引き取ってくれたんだ!お似合いだな!!」

なんて言いながら、高笑いするものだからシルヴェルは不快そうに顔を歪めてディルアに王国騎士を呼んで来てもらいつつ、男爵に告げた。

「男爵、私の息子のルルニアと言っているでしょう。耳が悪いのですか?」
「なっ、」
「私の息子、つまり爵位は伯爵です。貴方より上なのです。夢々お忘れなさらないように。」

そこに王国騎士をディルアが呼んできてくれて、男爵は連れて行かれた。俺たちは執務室に戻ってゆっくりお茶をしながら国王陛下に会える時間を待った。

「シルヴェルさん。あの、ありがとうございます。」
「何がだ?」
「その、息子と言ってくれて。」
「?...当たり前だろう。君は、ルルニア君は私の息子なんだから。」
「...っ、ありがとう、ございます。」

それから2時間後に国王陛下と会うことができた。なぜか謁見の間ではなくの王族の談話室に呼ばれたのだ。

「陛下、ご機嫌麗しゅう。」
「よい、.....皆、席を外せ。」

そう国王陛下が言えば、王国騎士は部屋から出ていき、残ったのは俺とシルヴェルとディルアだけだった。ディルアはシルヴェルの後ろに背筋を伸ばして立っていた。そして先に口を開いたのは国王陛下だった。

「よく来たな。シルヴェル。」
「はい、陛下。」
「して、今日は何用で?」
「...その、や、休みが欲しくて。」
「休み?...休んでいなかったのか?」
「...え?だって、上層部から書類がまわってきて。...休んでる暇があるなら仕事をしろと...。」
「は?一体誰がそんなことを?」
「...確か、侯爵家の方だったと。」
「わかった。注意しておこう。」
「...?分かりました?」
「...国王陛下、発言の許可を。」
「貴殿は?」
「伯爵家の執事、ディルアでございます。」
「ディルア、良いぞ。申してみよ。」
「はい、この度の休暇1年ほど頂きたいと思いまして、」
「なぜ?」
「...他言無用ですが、」
「かまわん。シルヴェルのことだろう。誰にも言わん。」
「はい、我が主人、シルヴェル様は昨日の休日に長い睡眠をとられました。一応お医者様に診て貰ったのですが、精神の疲労が激しく身体も疲弊しているとのことです。」
「なんと....。」
「しかし、精神の疲労は息子のルルニア様のおかげで回復し始めています。」
「...そうか。」
「そして、食事も食べられる物がわかりまして、今朝も食事をしてから王城に入りました。」
「おお!シルヴェル!食事ができたのか!!」
「はい、初めて食べるものが多くて、好きな物ができたのです。」
「...好きな物が。よかったな、シルヴェル。」
「はい、ルルニア君が息子になってくれてから私に新しいものを沢山教えてくれます。」
「そうか、ルルニア殿。」
「はい、国王陛下。」
「シルヴェルの息子になってくれてありがとう。こんなに嬉しそうなシルヴェルは初めてだ。」
「いえ、そんな。....。////」
「愛いな。」
「そうでしょう?」
「...あの、お二人は。」
「シルヴェルとは親友だ。本当にありがとう。」
「いえ、こちらこそ。俺を必要としてくださりありがとうございます。」

「国王陛下、それからもう一つ。」
「なんだ、ディルア。」
「はい、休暇を頂くに当たりお伝えしたいことが。」
「申せ。」
「シルヴェル様の魔力が枯渇し始めています。」「なっ!!!」
「なので、休暇中の招集に応えなくとも良いという書類か何かをいただけないでしょうか。」
「勿論だ!!シルヴェル!!ゆっくり休め!いいな!!!」
「分かりました。」

国王陛下から無事休暇を貰い、次の日から約2年休暇期間となった。シルヴェルはゆっくりとした日常を半年間、俺と共に過ごした。夜も共に眠るようになってから、俺とシルヴェルの距離感が恋人同士のそれに近くなっていたが、シルヴェルが新しい感情を知っていけるのなら、と使用人一同公認の距離感だ。

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