souls step

文月

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五章 彼岸と‥此岸?

1.夏だから

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「さて、夏休みだと言って、オレは勉強だけをしていていいのだろうか」
 客間には、尊、彰彦、夏の三人が揃っている。
 夏の短期講習が中休みの彰彦は、しかしながら、夏に尊の指導を任せて、今日はテストの採点をしている様だ。
 ‥ああ、ややこしいな。『夏の短期講習』の『夏』は季節で、尊の指導をしているのは夏は人名だ。
 夏と彰彦は表西遠寺の人間だ。
 ここで思い出してほしい。表西遠寺の人間は花の名前がついていると言ったことを。
 だけど、彰彦も夏も花の名前ではないし、なんなら伊吹も恭二も花の名前ではない。
 昔は、本家だろうが分家だろうが花の名前がついていた。
 だけど、今は本家の人間が「こだわって」つけているだけだ。
 今までは、分家の人間でも当主になったら改名してたんだけど、和彦は頑として拒否した。で、せめて「子供(彰彦だね)には花の名前を」って言われてたんだけど‥「もう、そんな時代じゃないって! 」ってそれも拒否したってわけ。

 因みに当主は試験と親戚による選挙で決まる。
 情報をいっぱい持ってるって点では有利だけど、本家出身の子供が必ず当主になれるわけでもない。
 産まれた時から傅かれて培われた気品とか、情報だけじゃ当主になれないってこと。
 そんなのが通る様な甘い家じゃないんだ。
 因みに変わり者だらけ頑固者だらけだから裏工作はきかないよ☆‥らしい。

 まあ‥それは置いて置いて。
 現在、夏は頭を抱えていた。
 その理由は、勿論尊の指導が難航していたからだ。
 基本的な知識も、覚えていないことが多い。しかも、尊の集中力に問題がある。
 よくこれに声を荒げることもなく耐えているな。和彦は夏をこころの中でそっとリスペクトした。
 ‥分霊だから、かな。本体に、いろいろ(というか一切合切)持ってかれて、あんまり(← 優しさ)残ってないとかか?
 つい、意地悪な感情を向けてしまいそうになる。
 でも、本人はそんなこと気に掛ける風もなく、今日も
「優磨ちゃんにまた会えたからそれで幸せ! 」
 なんて、隙あらば、しまりのない顔で惚気ている。
「ほんっと、優磨ちゃん可愛い。オレがいない間は、ほんと全然元気なかったって孝子さん言ってた。本当に可哀そうなことした。でも、オレにも‥使命ってか、定めってか‥まあしなきゃならんことはある。男ってのは、つらいね」
 ‥男絶対関係ない。
 分霊の宿命とかだろう。多分。
 それに、その顔で「男の定め」とか言うな。似合わない。そういう言葉は、もっと渋い大人の男が言ってかっこいいもんだろ。(偏見)
 彰彦は、無言でしらっとした視線を尊に向けた。
 そして、何故かそれに尊はしっかりと気付く。
「もう、彰彦兄さん。言いたいことがあるなら、直接言ってください~」
 ぷうっと膨れる高校生男子。
 絶対お前、高校生じゃないだろ。しかも、男子じゃないだろ。
 とか思う。
 男だとかいうんだったら、もうちょっと男らしくしろ。
 (‥あ、今は高校生ですらなかったな! )
 彰彦は口には出さなかったが、(多分それ故に)きっと胡乱気な顔をしていたのだろう
「ほら! また! 彰彦兄さんのむっつり! 」
 尊が、また頬を膨らまして言った。
「むっつり‥! 」
 はあ?! 誰が!
 かっと赤面して彰彦が絶句する。隣で夏が大爆笑している。
「あははははは。むっつり、彰彦兄さんがむっつり! 氷の貴公子って呼ばれてた彰彦兄さんがむっつり! あはははは。だめ、もう笑いが止まんない」
「なんだ、その「氷の貴公子」? 」
 彰彦が、眉をしかめて夏を見る。隣で尊が固まっている。
「ん? 西遠寺の女子たちの間での彰彦兄さんの別名。頭が切れて、容姿端麗。あんまり表情を変えないのが素敵‥。まさに、氷の貴公子って感じねってのが、女子の評価らしいよ」
「氷の貴公子☆ あははははは! 」
 とうとう、尊が耐えきれなくなって爆笑した。
 彰彦が赤面して
「俺が名付けたわけじゃない! もう、ほんと夏、こいつの前で変なこと言わないでくれ! 」
 激怒する。
 隣の部屋から、房子の忍び笑いが聞こえている。
 (全然忍べてないよ! )
 ‥ほんと、もう勘弁してくれ! 
 そんな彰彦と尊を、ふと冷静になって見ながら夏は
 ‥ホントに、こんな彰彦兄さん、誰に想像できたろう。‥ここ数年でましにはなったけど、昔はもっと「ひどかった」。無表情で、なんか子供心に痛々しくって。つい、声をかけてしまったほど‥。
 尊は、本当に彰彦兄さんにとって、いてくれてよかった人だ。
「で、何」
 彰彦が、一呼吸置くと、改めて尊に聞いた。
「え? 何? 貴公子」
 コテン、と首を傾げて尊が彰彦をからかう。
「は?! 追い出すぞ」
 彰彦がムッとした顔になる。
「あ、すみませんすみません。‥なんでしょう、彰彦兄さん」
 ‥弱いな。しかも、ちょろい~。
 夏は思わず吹き出してしまう。
 そんな夏をまるっと無視して、彰彦は顔をあげて尊を見た。
 で、尊は偶然彰彦と目を合わせてしまい、ほう、と思わず息をついてしまった。
「はぅ彰彦兄さん‥男前‥」
 つい声に出して呟いてしまう。
 こういうの正統派の美形っていうんだろうねえ‥。それに、‥ちょっと優磨ちゃんに似てる。目の色は‥どっちかというと‥天音ちゃんに似てる?? ああそうか、従兄妹って言ってたな。‥天音ちゃんに似てるから、(つまり)オレにも似てる。まあ。それは、オレが天音ちゃんの分霊だからなんだけど‥。
 彰彦兄さんが氷の貴公子かあ‥。
 氷の‥って感じはしないけどなあ。
 冬より、秋って感じ? ‥春とか夏程は陽気ではないけど、冬程寒々しい感じじゃない。
 シトリントパーズの瞳は、秋の色って感じだよ。紅葉した桂の並木みたいな感じ。桂とか‥ああ、カラマツ。金色の雨が降るみたいに紅葉した葉っぱが落ちてきて周り全部を金色に染め上げる‥。そっか‥カラマツの並木みたいなんだ、彰彦兄さん。
 ‥夏君は、夏って感じだけど。
 向日葵とか似合いそうだよね。砂浜でビーチフラッグ取ってそう。うん、夏君ってそんな感じ(って、どんな感じだ‥)で、ビキニの女の子に囲まれて、「え‥」とか困ってそう。全然スマートに女の子あしらえないの。不器用さも含めて夏君って感じ。
 夏君も男前だよね。彰彦兄さんとは違う感じだけど。
 ‥いいなあ。オレも早く大人っぽくなるのかなあ、まさかずっとこのままじゃないだろうな‥。童顔のおっさんにならないだろうな?! 
 そんなことをごちゃごちゃ思った。
 彰彦は、自分をガン見して百面相している尊に、ちょっと眉を寄せて怪訝な顔になると
「さっきなんか言いかけなかったか? 夏休みだからといって‥って。さぼり発言を」
 ため息をつきながら言った。
「さぼりじゃないない。至極真面目な話だよ。男子としての意味を問われる大事な発言だよ」
 ああ、そうそう。
 と、尊が言って、「失礼な」と口を尖らせた。
「ほう」
 しらっとした顔をして、ついっと顎をあげる彰彦。
 ほうほう。これか、このクールな表情。
 これが、氷の貴公子か。 
 もう、尊はさっきから「氷の貴公子」が頭から離れない。
 いやいや、今はその話ではない。
 尊はちょっと頭を振って、その言葉を頭から消す。
 そして
「つまり、オレはまあ、もう一度いうけど、‥夏休みだからといって、これでいいのかと。勉強だけしていていいものか、と」
 冒頭の言葉を真剣な顔を作って言い直した。
「いいだろうさ。むしろ、そうしないと間に合わないぞ」
 彰彦は、まだしらっとした顔のままだ。
「大検受けるんだろ? まさか、これで受かるとでも思ってるのか? 」
 夏は、その横で、また半笑いという顔をしている。あれだ、「笑いを堪えている顔」だ。
 ‥堪える必要はない、思いっきり笑ってやれ。
 何か? 真剣な顔をしている尊に遠慮してるのか? あれだぞ、こいつ多分、「真剣な顔してる」だけだぞ? 
 彰彦は、夏をも、しらっとした顔で見た。
 ‥くう~、似合う! 氷の貴公子の表情!! 
 尊は、もうさっきからこればっかりだ。
 ‥オレも、もうちょっと成長して背が高くなったら、この表情マスターするぞ! 出来る大人って感じ~! 大丈夫、きっとなる。天音ちゃんと彰彦兄さんは従兄妹同士! いいなあ~未来予想図(成功例)が近くに居ると、生活に励みが出るね! いつかはこの顔ってね! 
(‥尊には悪いが、天音は完全に芳美似で、芳美は孝子や房子と全然似ていない。
 なんてことはない。芳美は母親(優磨から言うと、祖母)似、房子と孝子は父親似って奴だ
 同じ高校生の、天音と優磨が全然違う顔をしている地点で気付かないのが、尊の残念なところだ)
 いやいやいやいや。
 今はそんな話をしている場合ではない。
「‥天音ちゃんを迎えに行かなければならないとは、思いませんか。先生(←彰彦)師匠(←夏)」
 仕切り直そう。
「天音ちゃん? なんだ、浮気相手か? 」
 笑いを堪えすぎて、うっすら涙を浮かべた夏が首を傾げて尊を見る。
「違わい。変なこと言うな。オレは優磨ちゃん一筋だ」
 尊が、むっとした顔で夏を見る。
 ‥睨んでいるつもりかもしれないが、怖くない。寧ろ、可愛い。
 もう、それを見たら、また笑いそうになるのを堪えるのが夏はもう大変だ。
「天音ちゃんっていうのは、こいつの‥まあ、双子の片割れみたいな感じだ」
 一方彰彦は、流石大人、冷静だ。
 さっきからの絶対零度のしらっとした顔のまま夏に説明した。
 だけど、よく見ると採点の方は全然進んでない。
 ‥まあ。不真面目に採点とかされたら嫌だもんね。でも、彰彦兄さん、仕事しないとまずいでしょ‥。
「へえ、兄妹がいるんだ」
 夏が頷きながら言う。
「まあ、そんなとこ。わけあって、今は恭二さんのところにいるよ」
 尊は、「そうそう」と頷いてから、説明した。
 ‥説明、雑いし、下手だなあ。「わけあって」ってなんだよ。「いろいろありまして」くらい適当な略し方だな。
 彰彦は、だけど何も言わない。
 と
「え! あの中二の‥」
 夏がそこに反応した。
「‥‥‥」
 恭二さんの夏の中での印象は、(可哀そうだが)あの論文を見たときから「中二の人」で定着していた。
 彰彦が苦笑する。
 恭二さんには全然いい思い出ないから、別にいい。
 そんなことを思った彰彦はでも、そんな風に恭二のことを思えるようになった自分に驚いた。
 ‥随分吹っ切れたんだな。
「迎えに行った方がいいんじゃない? 」
 そして、その「中二のあぶない人」の傍にいるんだったら、迎えに行った方がいいのではないか? と思った夏がちょっと真剣な顔で彰彦を見た。
 尊の兄妹は恭二のところにいる→その恭二は中二な思想を持つ危険人物→もしかしたら、ヤバい実験に利用されてるかも→心配だ。
 ‥うむ、確かに至極普通の判断だな。
 でも、‥問題は、天音ちゃんが普通の人じゃないことだ。
 心配する必要もない。
 それに、別に囚われているわけではないんだから、別に帰って来たかったら帰ってくるだろう。
 見た目はアレでも、実体は目つきの悪いおっさん(神)だし。
 ‥しかし、夏に彼女(?)のこと説明するのは難しいなあ。
 だけど、とにかく彰彦は
「‥迎えに行っても、どこに帰って来てもらう? って感じだから、‥何とも言えないし、こればっかりは、天音ちゃんの意志を聞いてみなきゃならない話しな気もするけど‥」
 とまあ、それだけ言った。
 そうそう。問題はそれ。寧ろ。
 ‥どこに帰るか。‥まあ、我が家になるんだろうなあ。
 色々考える。きっと、ちょっと珍しく黙っている尊も色々考えている。
 だけど
 尊は何も言わない。
 天音が、この世の中にはもう、籍がないこととか、天音が神だとか、まあそんな荒唐無稽な話。‥ねえ。
 そんな話したらこっちまで中二扱いされちゃうよ。
「逃げられないのかもしれないよ? 」
 ああ、夏。こんな話に真面目に対応して‥。
 彰彦は、ちょっと眉根を寄せた。
 困ってる、でも怒ってる、でもない。同情している、だ。
「あの子は、大丈夫だよ」
「彰彦兄さんとは思えないセリフだな。‥ちょっと冷たくない? 」
 あ、これは‥あれだ。同情してるとか天音に感情移入しているとかの感じではないな‥
 夏は‥「面白がってる」
 ‥こういうとこ、ホント‥。
「そうだ! 先生冷たいぞ! 」
 こうやって、尊も夏が本気だと信じてるんだか、信じたふりして乗っかってんだか知らないけど‥。
「とにかく、俺はその話には乗らない。それに、お前たちがいくのも反対だ」
 ため息をついて、彰彦は話を終えようとした。
 が、敵はしぶとい
「反対された位じゃ、止めないぞ! 天音ちゃんはオレの妹だからな! 」
 キッと真剣な視線を彰彦に向ける。
 ‥いや、寧ろ「姉」だろ。どう考えても。‥いや、兄か。
 しかし、‥どこまで本気か分からないなあ。まったく、若いってホント‥。
「わかった。俺もついて行く。勝手なことするな。‥お前一人で行かせたら、お前まで西遠寺に捕まるだけの話だ。そんなことになったら、俺が優磨ちゃんに叱られるからな。‥因みに、行くなら、優磨ちゃんも一緒だ。お前一人でとか考えるんじゃない」
 彰彦がさっきより、深いため息をつきながら言った。
 ん? と夏が首を傾げる。
「僕も行くけど? 東京かな? まあ、夏休み中兄さんのとこいる予定だから、そのうち一日が東京見物になったところで問題ないもん。‥保護者が必要ってんだったら、彰彦さんで十分じゃない? まあ、可愛い女の子が一緒の方が僕としてもいいけど‥。
 優磨ちゃんはお守(おもり)ってこと? 」
 夏が首を傾げる。
「‥まあ、そんなん感じ」
 彰彦が頷く。
 そっちの方が、まあ、納得できる。
 暴走した時のストッパーより、お守だよね‥。
 実はこのしょぼしょぼ(尊)が神の分霊で、今は落ち着いてるけど暴走したらきっと誰の手にも負えない‥とか今の尊しか知らない夏には信じられないだろうな~。
 彰彦は苦笑いするも、ホントのところ「面倒過ぎる~」って内心ため息ついてるんだ。
 そんな彰彦の苦労も知らず、
「も~。ホント、子ども扱いやめてよねえ~」
 と、尊。
 ふくれっ面しながら言うな。‥ホント説得力ゼロ!
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