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34.これから。(side 梛木)
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それから色んな事があった。
だけど‥その変化はゲームの製作に関することだけで、日常生活はびっくりするほど変わらなかった。
相変わらず、
高橋はオネエっぽい男だし、
桂ちゃんは可愛いし、
柳の兄ちゃんは頼りになって‥でも、相変わらず読めない男。
柊の兄ちゃんと楠も進展なし。‥そんなこといったら、楠にマジ切れされるかな。
‥まあ、一言で言うと
平和だ。
あ、でも変わったって言ったら、我が社の社名の認知度がちょっと上がったことかな。
そう、あのゲームのおかげで!
あのゲームの名前は「Souls gate(← 第一期)」に決まって、一応試験販売が決まったんだ! 取り敢えず限定的に発売して様子を見ようか‥って感じらしい。伊吹さんが直前まで「これを世に出して大丈夫かな」って迷ってたから。
どう限定的に販売するのかは、俺には分からない。知らされてないから分からな仕方がないんないんだけど、正直別に興味はない。
一応「スカウトが目的」のゲームだから、プレーヤー(サンプル)の情報は俺たちの事務所に送られてくる。その情報を俺たちがチェックして「これ」って思う人を楠たちが見に行くって決めたんだけど‥今のところ該当者はいないみたい。
楠や柊の兄ちゃんクラスの逸材なんてそういるものではないだろう。
まあ‥あのゲームも更なる改良を加えていきたいなとも思ってる。
あ。BMIは、最先端科学とやらを駆使して見た目にはそれと分からない様な形で採用することになった。これも、まだまだ改良の余地アリらしいがそういうのは恭二さんにお任せしようと思う。
元々は単なる暇つぶしだったゲームは、今では俺の一番の生きがいになってたり。
更に驚いたことに
「現場でリアルな声を聴いてみたいかも」
って「同年代の声」をゲットするって目的で‥また小学校に行ってもいいかなって思い始めたこと。
変わらなきゃって思ったわけでもなく、自然に‥ある日突然「それもいいかな」って思えた自分に驚いた。
そういう俺のちょっとした? こころの変化を楠が喜んでくれるのが素直に嬉しい。
だけど、楠はね。俺に、何かを強要することはあんまりないの。(ご飯を食べろ、とは言って来るけどね)
「普通が一番だよね! 」
とか絶対言わないの。
「子供らしくしろ」
とか
「子供のくせに」
って‥絶対言わないの。
嬉しいことだけど‥でもさ‥俺は楠に子供扱いされるのは別に嫌じゃないんだ。
時々さ、
子供みたいに甘えたいなってときも‥あるじゃん?
「仕方ないだろ! 子供なんだから! 」
って逃げたい時もあるじゃん?
でも‥
柊の兄ちゃんみたいに「ちょっとは大人になれよ‥」ってのも問題だと思うけどね。
今はこの‥畳八畳ほどの事務所と楠と柊の兄ちゃんと住むあの家が俺の生活の総てだ。
先のことは分からない。
だけど、
俺は、これからも色々あるだろうけど‥それでも相変わらずここで毎日過ごしていくんだろうなって、それだけは確信できる。
楠と、ついでにオマケで柊の兄ちゃん、高橋、桂ちゃん、それから‥柳の兄ちゃん
あの(生まれた)家で「取り敢えず」毎日を過ごさなくてよかった。我慢することに慣れ切って、諦めきった世界から出られてよかった。児童養護施設に引き取られてよかった。両親が俺を捨ててくれてよかった。児童養護施設がここに連絡してくれてよかった。ここが俺を引きとってくれてよかった。
楠がお節介焼きでよかった。
恭二さんが言ってたように「自分を見つけて欲しい」って待ってる人はきっと世界中にいる。
このゲームを通してそんな人が一人でも自分の殻を破って外に出てこれたらいいのになって思うのは‥ちょっと大袈裟だろうけどね。
リアルに外に出れなくても、リアルに触れ合えなくても‥
人は人とこころで触れ合える。
人と触れ合うのを諦めないで欲しいって思うんだ。
だけど‥その変化はゲームの製作に関することだけで、日常生活はびっくりするほど変わらなかった。
相変わらず、
高橋はオネエっぽい男だし、
桂ちゃんは可愛いし、
柳の兄ちゃんは頼りになって‥でも、相変わらず読めない男。
柊の兄ちゃんと楠も進展なし。‥そんなこといったら、楠にマジ切れされるかな。
‥まあ、一言で言うと
平和だ。
あ、でも変わったって言ったら、我が社の社名の認知度がちょっと上がったことかな。
そう、あのゲームのおかげで!
あのゲームの名前は「Souls gate(← 第一期)」に決まって、一応試験販売が決まったんだ! 取り敢えず限定的に発売して様子を見ようか‥って感じらしい。伊吹さんが直前まで「これを世に出して大丈夫かな」って迷ってたから。
どう限定的に販売するのかは、俺には分からない。知らされてないから分からな仕方がないんないんだけど、正直別に興味はない。
一応「スカウトが目的」のゲームだから、プレーヤー(サンプル)の情報は俺たちの事務所に送られてくる。その情報を俺たちがチェックして「これ」って思う人を楠たちが見に行くって決めたんだけど‥今のところ該当者はいないみたい。
楠や柊の兄ちゃんクラスの逸材なんてそういるものではないだろう。
まあ‥あのゲームも更なる改良を加えていきたいなとも思ってる。
あ。BMIは、最先端科学とやらを駆使して見た目にはそれと分からない様な形で採用することになった。これも、まだまだ改良の余地アリらしいがそういうのは恭二さんにお任せしようと思う。
元々は単なる暇つぶしだったゲームは、今では俺の一番の生きがいになってたり。
更に驚いたことに
「現場でリアルな声を聴いてみたいかも」
って「同年代の声」をゲットするって目的で‥また小学校に行ってもいいかなって思い始めたこと。
変わらなきゃって思ったわけでもなく、自然に‥ある日突然「それもいいかな」って思えた自分に驚いた。
そういう俺のちょっとした? こころの変化を楠が喜んでくれるのが素直に嬉しい。
だけど、楠はね。俺に、何かを強要することはあんまりないの。(ご飯を食べろ、とは言って来るけどね)
「普通が一番だよね! 」
とか絶対言わないの。
「子供らしくしろ」
とか
「子供のくせに」
って‥絶対言わないの。
嬉しいことだけど‥でもさ‥俺は楠に子供扱いされるのは別に嫌じゃないんだ。
時々さ、
子供みたいに甘えたいなってときも‥あるじゃん?
「仕方ないだろ! 子供なんだから! 」
って逃げたい時もあるじゃん?
でも‥
柊の兄ちゃんみたいに「ちょっとは大人になれよ‥」ってのも問題だと思うけどね。
今はこの‥畳八畳ほどの事務所と楠と柊の兄ちゃんと住むあの家が俺の生活の総てだ。
先のことは分からない。
だけど、
俺は、これからも色々あるだろうけど‥それでも相変わらずここで毎日過ごしていくんだろうなって、それだけは確信できる。
楠と、ついでにオマケで柊の兄ちゃん、高橋、桂ちゃん、それから‥柳の兄ちゃん
あの(生まれた)家で「取り敢えず」毎日を過ごさなくてよかった。我慢することに慣れ切って、諦めきった世界から出られてよかった。児童養護施設に引き取られてよかった。両親が俺を捨ててくれてよかった。児童養護施設がここに連絡してくれてよかった。ここが俺を引きとってくれてよかった。
楠がお節介焼きでよかった。
恭二さんが言ってたように「自分を見つけて欲しい」って待ってる人はきっと世界中にいる。
このゲームを通してそんな人が一人でも自分の殻を破って外に出てこれたらいいのになって思うのは‥ちょっと大袈裟だろうけどね。
リアルに外に出れなくても、リアルに触れ合えなくても‥
人は人とこころで触れ合える。
人と触れ合うのを諦めないで欲しいって思うんだ。
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