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43.ルミエル(side ルミエル)
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「あ! アンタはあの時の‥」
「俺をこの世界に呼んだ奴! 」
再会は結構あっさりと実現された。
この台詞より10分前。
私はお兄ちゃん(お兄ちゃんじゃないって気付いたけど‥今更だからいいや。今更「タツミさん」とか言いにくいよ)をエルサリオスに会わせることにした。
心配性な兄が妹の恋人を心配しているのは分かってたから、「いつかは会わせなければな」とは思ってたんだけど、今まで訓練やら何やらで忙しくってそれどころじゃなかったんだ。
‥まあ今も時間があるわけじゃないけど、いつまでもだらだらと延期してられないでしょ? ってことで、時間を無理やり作ったってわけ。
事前に打ち合わせなんかできなかったから、お兄ちゃん驚くだろうな~って思ったけど‥、そんなこと言ってられないでしょう?
これから一緒に戦う仲間だからちゃんと紹介しておきたい。
お兄ちゃんは、迎えてくれた家の主・ジーナ先生を見て目を見開いた。
「お~い。ルミエル。なんだよ、こんなところに呼び出して。え? ジーナ先生? 何故?
‥ジーナ先生の家なんですかここ」
ふふ、びっくりしてるびっくりしてる。
しかも‥顔真っ赤。
そうなんだよね~。家にいるジーナ先生は‥男子高校生には目の毒なお色気おねーさんだから。
わ~お兄ちゃんってば、ジーナ先生のおっぱいに目が釘付けになっちゃってるぞ☆ ふふ。いつもの「堅物真面目高校生」キャラ保ててないぞ? いや、お兄ちゃんは別に堅物真面目高校生キャラを作ってるわけじゃないんだけど‥、でも、お兄ちゃんってどういうタイプ? って10人に聞いたら確実に10人「堅物真面目」っていうだろう。
天然で、真面目。素で真面目。
まあ‥あれだ。シャイ。あと、朴念仁。それこそ、レオン様みたいな「キッス? そんなの挨拶と一緒でしょ(イメージ)」ってタイプにキスされたくらいで「わー!! 」ってなっちゃう位‥初心でシャイ。そんなお兄ちゃんが普通の高校生みたいに「綺麗なおねーさん」にドキマギ‥(嫌、そんなお兄ちゃんだから‥か? )。なんにせよ、今まで見たことないような表情新鮮。いやあ、面白いもの見た。
‥つまり、私じゃ「ヒロイン(元)可愛い‥ドギマギ」にならなかったってことか?? ‥ちょっと落ち込むなあ‥。そこそこ可愛いと思うんだが‥。
まあ‥それはそうと‥ジーナ先生の話だ。今は。
お色気おねーさんっていって、何も露出過多な格好をしているわけではない。何時もの「学校の先生仕様」の身体のラインの出にくい格好(出にくいんだけど、勿論天性のグラマラスボディは隠せていない。ただ、いやらしく見えないってだけ)じゃなくて、今着てる格好は、飾り気のない柔らかい布で作られたラフなワンピースなんだよね。生地が柔らかいから身体のラインを強調しちゃって、もう「悩殺バディ☆」って感じになっちゃっうんだ。
私も「エリサリオスが見惚れちゃったらどうしよう‥」って初めは心配したんだけど、エリサリオスがジーナ先生を見た瞬間、そのおっぱいをチラッと見て‥めっちゃスン‥って顔になったのを見て安心したんだ。
エリサリオスは巨乳派じゃない、と。
そういや、エリサリオスとグラブナ(もう一人の魔王側近、グラマラス美女)は仲が悪かった。巨乳を見るとあの人思い出すから引くわ~とかいう感じかな? それとも、巨乳だったから肉の塊キモ‥って感じで生理的に受け入れられなかったのか? 分からんが‥まあ‥巨乳好きじゃなくてよかった。私は‥どう頑張っても巨乳・お色気お姉さんにはなれないから。だけど‥貧乳好きのロリコンだったらどうしよう? (私は貧乳でもない。童顔って程でもない。‥あくまで普通なんだ)それか‥そもそも女嫌いとか?? (そうなってくると、もうどうしようもない) って心配が別に浮上して来て‥実は今も不安では‥ある。
確かめる方法ってなんでしょうね?
‥それはともあれ。
「そうなの。お兄ちゃんに一度紹介しておかないとなって‥」
ニコニコ顔になっちゃうのが止められない。今から紹介するのは、私の恋人だ。
ホントはどんなタイプが好みかは分からないけど、今は(少なくとも今は)私の恋人だ。(え?? 恋人だよね?? )‥いや、考えるのは止めよう‥。
「紹介? 」
キョトンとした顔で首を傾げるプリティーヒロイン・タツミ。可愛い‥。やっぱり、今日も可愛い。さっきまでお色気お姉さんにドギマギしてた思春期男子と同一人物だとは思えなくてよ? 。初々しい可愛い‥。
負けそう(ボソリ‥)
‥いや、負けるな私。私は元・ヒロイン。私は可愛い私は可愛い(← 自分に言い聞かせてる)エリサリオスがレオン様位惚れっぽくない限り大丈夫‥。ガチ恋愛対象が男とかだったら叶わないかもしれないけど‥
私は「ふふ」と苦笑いして、息を大きく二回深呼吸。おまけにゴホン‥と息を整え、さっきまでの弱気な自分の気持ちをリセットすると、窓辺の椅子に座るマイダーリン♡エリサリオスを手の平で指し示し、
「この人が、私の愛するエリサリオスです♡」
って紹介した。
エリサリオスがちょっと驚いた顔で振り向く。さらっとプラチナブロンドの髪が風に靡く。
キラキラした紫の瞳が不安げに私をみて、キューンとなる。
お兄ちゃんが知らない人だから不安になったのかな?
ああ‥今日も私のエリサリオスは綺麗だ‥。(そして、可愛い‥)
お兄ちゃんもきっと見惚れちゃうね☆ 惚れちゃったらどうしよう?
「え」
少なくとも真っ赤になる‥って予想したお兄ちゃんの顔が固まっている。
そして、赤くなるどころか‥みるみる顔色が青く‥そして白くなる。今にも倒れそうなお兄ちゃんにジーナ先生がびっくりして走り寄ってくる。
「え? 」
なんか想像してたのと違う反応に私も首を傾げる。
‥何? どうしたの??
真っ白な顔したお兄ちゃんが顔を恐る恐るって感じでエリサリオスに向けて‥震える口調で
「‥アンタはあの時の‥」
って呟いて、かっと目を見開くと足を踏ん張りなおして、
「俺をこの世界に呼んだ奴! 」
エリサリオスをめちゃ指さしながら叫んだ。
え? お知り合い??
俺をこの世界に呼んだ奴‥って、何???
「俺をこの世界に呼んだ奴! 」
再会は結構あっさりと実現された。
この台詞より10分前。
私はお兄ちゃん(お兄ちゃんじゃないって気付いたけど‥今更だからいいや。今更「タツミさん」とか言いにくいよ)をエルサリオスに会わせることにした。
心配性な兄が妹の恋人を心配しているのは分かってたから、「いつかは会わせなければな」とは思ってたんだけど、今まで訓練やら何やらで忙しくってそれどころじゃなかったんだ。
‥まあ今も時間があるわけじゃないけど、いつまでもだらだらと延期してられないでしょ? ってことで、時間を無理やり作ったってわけ。
事前に打ち合わせなんかできなかったから、お兄ちゃん驚くだろうな~って思ったけど‥、そんなこと言ってられないでしょう?
これから一緒に戦う仲間だからちゃんと紹介しておきたい。
お兄ちゃんは、迎えてくれた家の主・ジーナ先生を見て目を見開いた。
「お~い。ルミエル。なんだよ、こんなところに呼び出して。え? ジーナ先生? 何故?
‥ジーナ先生の家なんですかここ」
ふふ、びっくりしてるびっくりしてる。
しかも‥顔真っ赤。
そうなんだよね~。家にいるジーナ先生は‥男子高校生には目の毒なお色気おねーさんだから。
わ~お兄ちゃんってば、ジーナ先生のおっぱいに目が釘付けになっちゃってるぞ☆ ふふ。いつもの「堅物真面目高校生」キャラ保ててないぞ? いや、お兄ちゃんは別に堅物真面目高校生キャラを作ってるわけじゃないんだけど‥、でも、お兄ちゃんってどういうタイプ? って10人に聞いたら確実に10人「堅物真面目」っていうだろう。
天然で、真面目。素で真面目。
まあ‥あれだ。シャイ。あと、朴念仁。それこそ、レオン様みたいな「キッス? そんなの挨拶と一緒でしょ(イメージ)」ってタイプにキスされたくらいで「わー!! 」ってなっちゃう位‥初心でシャイ。そんなお兄ちゃんが普通の高校生みたいに「綺麗なおねーさん」にドキマギ‥(嫌、そんなお兄ちゃんだから‥か? )。なんにせよ、今まで見たことないような表情新鮮。いやあ、面白いもの見た。
‥つまり、私じゃ「ヒロイン(元)可愛い‥ドギマギ」にならなかったってことか?? ‥ちょっと落ち込むなあ‥。そこそこ可愛いと思うんだが‥。
まあ‥それはそうと‥ジーナ先生の話だ。今は。
お色気おねーさんっていって、何も露出過多な格好をしているわけではない。何時もの「学校の先生仕様」の身体のラインの出にくい格好(出にくいんだけど、勿論天性のグラマラスボディは隠せていない。ただ、いやらしく見えないってだけ)じゃなくて、今着てる格好は、飾り気のない柔らかい布で作られたラフなワンピースなんだよね。生地が柔らかいから身体のラインを強調しちゃって、もう「悩殺バディ☆」って感じになっちゃっうんだ。
私も「エリサリオスが見惚れちゃったらどうしよう‥」って初めは心配したんだけど、エリサリオスがジーナ先生を見た瞬間、そのおっぱいをチラッと見て‥めっちゃスン‥って顔になったのを見て安心したんだ。
エリサリオスは巨乳派じゃない、と。
そういや、エリサリオスとグラブナ(もう一人の魔王側近、グラマラス美女)は仲が悪かった。巨乳を見るとあの人思い出すから引くわ~とかいう感じかな? それとも、巨乳だったから肉の塊キモ‥って感じで生理的に受け入れられなかったのか? 分からんが‥まあ‥巨乳好きじゃなくてよかった。私は‥どう頑張っても巨乳・お色気お姉さんにはなれないから。だけど‥貧乳好きのロリコンだったらどうしよう? (私は貧乳でもない。童顔って程でもない。‥あくまで普通なんだ)それか‥そもそも女嫌いとか?? (そうなってくると、もうどうしようもない) って心配が別に浮上して来て‥実は今も不安では‥ある。
確かめる方法ってなんでしょうね?
‥それはともあれ。
「そうなの。お兄ちゃんに一度紹介しておかないとなって‥」
ニコニコ顔になっちゃうのが止められない。今から紹介するのは、私の恋人だ。
ホントはどんなタイプが好みかは分からないけど、今は(少なくとも今は)私の恋人だ。(え?? 恋人だよね?? )‥いや、考えるのは止めよう‥。
「紹介? 」
キョトンとした顔で首を傾げるプリティーヒロイン・タツミ。可愛い‥。やっぱり、今日も可愛い。さっきまでお色気お姉さんにドギマギしてた思春期男子と同一人物だとは思えなくてよ? 。初々しい可愛い‥。
負けそう(ボソリ‥)
‥いや、負けるな私。私は元・ヒロイン。私は可愛い私は可愛い(← 自分に言い聞かせてる)エリサリオスがレオン様位惚れっぽくない限り大丈夫‥。ガチ恋愛対象が男とかだったら叶わないかもしれないけど‥
私は「ふふ」と苦笑いして、息を大きく二回深呼吸。おまけにゴホン‥と息を整え、さっきまでの弱気な自分の気持ちをリセットすると、窓辺の椅子に座るマイダーリン♡エリサリオスを手の平で指し示し、
「この人が、私の愛するエリサリオスです♡」
って紹介した。
エリサリオスがちょっと驚いた顔で振り向く。さらっとプラチナブロンドの髪が風に靡く。
キラキラした紫の瞳が不安げに私をみて、キューンとなる。
お兄ちゃんが知らない人だから不安になったのかな?
ああ‥今日も私のエリサリオスは綺麗だ‥。(そして、可愛い‥)
お兄ちゃんもきっと見惚れちゃうね☆ 惚れちゃったらどうしよう?
「え」
少なくとも真っ赤になる‥って予想したお兄ちゃんの顔が固まっている。
そして、赤くなるどころか‥みるみる顔色が青く‥そして白くなる。今にも倒れそうなお兄ちゃんにジーナ先生がびっくりして走り寄ってくる。
「え? 」
なんか想像してたのと違う反応に私も首を傾げる。
‥何? どうしたの??
真っ白な顔したお兄ちゃんが顔を恐る恐るって感じでエリサリオスに向けて‥震える口調で
「‥アンタはあの時の‥」
って呟いて、かっと目を見開くと足を踏ん張りなおして、
「俺をこの世界に呼んだ奴! 」
エリサリオスをめちゃ指さしながら叫んだ。
え? お知り合い??
俺をこの世界に呼んだ奴‥って、何???
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