28 / 73
27.バグって言葉は便利だ。
しおりを挟む
一巡目 三人を攻略して一緒に魔王を倒す → 魔女編がプレイできるようになる。 → 二巡目 三人と会わずに、ジーナ先生に会い、魔女になる。魔女として魔界で暮らし、エリサリオスと知り合う。 → どうやら、二人は恋人同士になったらしい。(今ここ)
う~ん。なんでルミエルに一巡目の記憶があるんだ?
妹(プレーヤー)にあるのはわかるよ? だけど、ルミエルにあるのはおかしい。
それが「おかしい」ってこと‥「普通じゃないこと」はルミエルも分かってる。
だって、
三人に自分の記憶すらない、ってルミエルは言った‥。
どういうことだ?
そう俺が聞くと、ルミエルは
「知らない」
って苦笑いした。因みに三人に自分の記憶がないことも「多分そうだろうと思うだけで確かめてはいない」とのことだった。‥なんかそういうaboutさは妹っぽいなと思ったり。
しかし‥ゲーム内での「普通では起こらない様な」想定外の出来事。
‥バグって奴か。
そう納得するしかない。
二巡目の記憶がルミエルにあるのも、俺がこの世界に「ルミエルがいる状態で」ヒロインとして入れたことも‥全部「なんかのミス(バグ)」。
訳がわかんないから‥バグってことにしとくしかないし‥まあ、それで問題はない。
そんなことを考えていたら、
「あ、お兄ちゃん、まだ寝間着じゃない! もう、学校行かなきゃマズいんじゃない? 」
今だ寝間着の俺を見てルミエルが驚いた顔で言った。
そして時計を見ながら
「‥ご飯の時間‥ギリギリ大丈夫かな‥」
って手早く計算している。
ルミエルの声に俺も時計を見て‥え!! って二度見だ。
「え! もうこんな時間?! 」
焦ってベッドから飛び起きる。
いつもの通り制服をツールバーから選択して着替える。だから、妹の前で一瞬でも見苦しい格好(裸)を晒さずに済む。‥まあ、それはきっとルミエルも同じ。運悪く起きた俺が、妹の着替えを目撃してしまう‥ってこともないわけだ。
バタバタとルミエルが俺に鞄を渡してくれて、俺も靴を履いたりと大忙しだ。もう、食事は諦めて洗顔と歯磨きだけしていこう‥て頭の中で段取りをつけていたら、
「お兄ちゃん、聖女の杖は? 」
焦ったルミエルに聞かれてポカンとする。
なにその厨二アイテム。
つい手を止めて「? 」顔で首を傾げたら、「(怒)」な顔でルミエルが俺を見た。
「何ボケた顔してるの! 師匠に貰った奴だよ!? 」
誰、師匠。
「(困)」完璧に顔面が固まった俺に、ルミエルは「えええ‥」って驚愕した顔してる。
「お兄ちゃん‥何? どういうこと? 今まで何の修行してきたの?? ちょっとステータスバー見せて‥?
ウィッチマジック! ステータス強制オープン!
名前: ヒロイン・タツミ(17歳)男
ランク:C
家族構成: 両親と兄2人の5人家族。
属性: 聖魔法、水魔法(属性として認められる程に上達した。他も多少使える属性はあるが、あまりにもこの二つのレベルよりレベルが低いので使用可能属性と認められない)
HP:200(up!)
MP:500(上限)
特技: 聖女クッキング(Level13,レシピ数19(ハーブティー4種類含む))、治癒、雑学披露、狙い撃ち☆
何このステータス!
HP高! もう、ほぼ攻略対象者並みにあるじゃない‥え? 元から100あった? ‥男の子だからかな‥。
MP上限は、問題ない。私もヒロイン時代は最終的にそうなった‥。
ええ!? 聖女クッキング、Level13!? しかも‥レシピ数多くない?? そんなにいる?? クッキー量産で好感度上げまくったらいいだけだよね?? でも次第に皆飽きてきて‥で、もう何種類か種類を増やすみたいな感じだと思うんだけど‥。どこでこんなレシピ仕入れた??
治療は‥問題ない。雑学披露?? なにそれ、‥まあ、これもお兄ちゃんの個性だからどうでもいいけど‥ええ‥狙い撃ち☆って何‥。
‥ちょっと待ってよ‥
ホーリーマジックが全然ステータスに上がってきてない‥。練習してるの? ‥ねえ、お兄ちゃん、師匠‥ゼンビア様はどう言ってるの? ‥ええ?! 師匠に‥会ってすらいない!? 普通にストーリー進めたら普通に出会うはずなんだけど‥!? 」
誰ゼンビアさん。
ホーリーマジックって何。それ、さっきも言ってたよね。聖女の杖(笑)くれるんだよね。極めたら‥
あと‥それよりなにより俺びっくりしちゃったんだけど、何? 「ウイッチマジック」と、「ステータス強制オープン」。強制って‥違法感が凄いんだけど‥。
黒魔術とか‥闇魔術とかじゃないよね?
魔女って何、悪い人なの?
ルミエルは俺に対してツッコミどころ満載みたいだけど、俺もルミエルに対してツッコミどころ満載何だけど?!
「ねえ」
「なあ」
俺たちの言葉が重なる。
普通なら、どっちかが「あ、お先どうぞ」ってなるだろうけど、俺たちはお互いにそれどころじゃない。タイミング丸かぶりのまま、
「お兄ちゃん、軌道修正しなきゃ、マズいよ! 」
「お前は、今、魔王側‥いや、魔界? 側の人間なのか? 」
言いたいことを、遠慮なく続けた二人だった。
う~ん。なんでルミエルに一巡目の記憶があるんだ?
妹(プレーヤー)にあるのはわかるよ? だけど、ルミエルにあるのはおかしい。
それが「おかしい」ってこと‥「普通じゃないこと」はルミエルも分かってる。
だって、
三人に自分の記憶すらない、ってルミエルは言った‥。
どういうことだ?
そう俺が聞くと、ルミエルは
「知らない」
って苦笑いした。因みに三人に自分の記憶がないことも「多分そうだろうと思うだけで確かめてはいない」とのことだった。‥なんかそういうaboutさは妹っぽいなと思ったり。
しかし‥ゲーム内での「普通では起こらない様な」想定外の出来事。
‥バグって奴か。
そう納得するしかない。
二巡目の記憶がルミエルにあるのも、俺がこの世界に「ルミエルがいる状態で」ヒロインとして入れたことも‥全部「なんかのミス(バグ)」。
訳がわかんないから‥バグってことにしとくしかないし‥まあ、それで問題はない。
そんなことを考えていたら、
「あ、お兄ちゃん、まだ寝間着じゃない! もう、学校行かなきゃマズいんじゃない? 」
今だ寝間着の俺を見てルミエルが驚いた顔で言った。
そして時計を見ながら
「‥ご飯の時間‥ギリギリ大丈夫かな‥」
って手早く計算している。
ルミエルの声に俺も時計を見て‥え!! って二度見だ。
「え! もうこんな時間?! 」
焦ってベッドから飛び起きる。
いつもの通り制服をツールバーから選択して着替える。だから、妹の前で一瞬でも見苦しい格好(裸)を晒さずに済む。‥まあ、それはきっとルミエルも同じ。運悪く起きた俺が、妹の着替えを目撃してしまう‥ってこともないわけだ。
バタバタとルミエルが俺に鞄を渡してくれて、俺も靴を履いたりと大忙しだ。もう、食事は諦めて洗顔と歯磨きだけしていこう‥て頭の中で段取りをつけていたら、
「お兄ちゃん、聖女の杖は? 」
焦ったルミエルに聞かれてポカンとする。
なにその厨二アイテム。
つい手を止めて「? 」顔で首を傾げたら、「(怒)」な顔でルミエルが俺を見た。
「何ボケた顔してるの! 師匠に貰った奴だよ!? 」
誰、師匠。
「(困)」完璧に顔面が固まった俺に、ルミエルは「えええ‥」って驚愕した顔してる。
「お兄ちゃん‥何? どういうこと? 今まで何の修行してきたの?? ちょっとステータスバー見せて‥?
ウィッチマジック! ステータス強制オープン!
名前: ヒロイン・タツミ(17歳)男
ランク:C
家族構成: 両親と兄2人の5人家族。
属性: 聖魔法、水魔法(属性として認められる程に上達した。他も多少使える属性はあるが、あまりにもこの二つのレベルよりレベルが低いので使用可能属性と認められない)
HP:200(up!)
MP:500(上限)
特技: 聖女クッキング(Level13,レシピ数19(ハーブティー4種類含む))、治癒、雑学披露、狙い撃ち☆
何このステータス!
HP高! もう、ほぼ攻略対象者並みにあるじゃない‥え? 元から100あった? ‥男の子だからかな‥。
MP上限は、問題ない。私もヒロイン時代は最終的にそうなった‥。
ええ!? 聖女クッキング、Level13!? しかも‥レシピ数多くない?? そんなにいる?? クッキー量産で好感度上げまくったらいいだけだよね?? でも次第に皆飽きてきて‥で、もう何種類か種類を増やすみたいな感じだと思うんだけど‥。どこでこんなレシピ仕入れた??
治療は‥問題ない。雑学披露?? なにそれ、‥まあ、これもお兄ちゃんの個性だからどうでもいいけど‥ええ‥狙い撃ち☆って何‥。
‥ちょっと待ってよ‥
ホーリーマジックが全然ステータスに上がってきてない‥。練習してるの? ‥ねえ、お兄ちゃん、師匠‥ゼンビア様はどう言ってるの? ‥ええ?! 師匠に‥会ってすらいない!? 普通にストーリー進めたら普通に出会うはずなんだけど‥!? 」
誰ゼンビアさん。
ホーリーマジックって何。それ、さっきも言ってたよね。聖女の杖(笑)くれるんだよね。極めたら‥
あと‥それよりなにより俺びっくりしちゃったんだけど、何? 「ウイッチマジック」と、「ステータス強制オープン」。強制って‥違法感が凄いんだけど‥。
黒魔術とか‥闇魔術とかじゃないよね?
魔女って何、悪い人なの?
ルミエルは俺に対してツッコミどころ満載みたいだけど、俺もルミエルに対してツッコミどころ満載何だけど?!
「ねえ」
「なあ」
俺たちの言葉が重なる。
普通なら、どっちかが「あ、お先どうぞ」ってなるだろうけど、俺たちはお互いにそれどころじゃない。タイミング丸かぶりのまま、
「お兄ちゃん、軌道修正しなきゃ、マズいよ! 」
「お前は、今、魔王側‥いや、魔界? 側の人間なのか? 」
言いたいことを、遠慮なく続けた二人だった。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる