5 / 63
4.アル様。
しおりを挟む
途中で流石に諦めて、俺はアルフレット様の後ろを黙ってついて行くことにした。
と思ったら、アルフレット様が俺のペースに合わせてゆっくり歩いてくれた。
二人横並びに歩く。
‥無言で。
随分身長が違う。160㎝ちょっとしかない俺の目線のちょっと(俺の名誉の為にちょっととしておく)上にアルフレット様の肩が見える。
アルフレット様はさっきから‥ポリポリとクッキーを食べている。
小さな可愛いクッキーって‥って思ったけど、これ、この人が大きいからそう見えただけだ。
おっきなアルフレット様と普通の‥「マ●ービスケット」サイズのクッキー。
アルフレット様は、マッチョって感じじゃないけど、結構がっしりタイプ。王族って言ってたから王子様系なのかなって思ってたけど、そういう感じじゃない。詰襟タイプの制服着てるからちょっと軍人みたい。(ちなみにヒョロガリの俺は「ただの学生」って感じ)。
そんなおっきな男がポリポリとクッキーを食べている。‥なんか、ちょっと面白い。甘いものってのがちょっとカワイイ。
‥お腹空いてるのかな? 朝ごはん食べ損ねたのかな? ‥ガタイがいいからいっぱい食べないと持たないのかな?
‥それにしても、よく食べるな。
って思ってたら、
「食べる? 」
アルフレット様が俺を見下ろして聞いた。
ひぃ! じっと見ちゃってた! しかも、欲しいの? って思われちゃったっぽい! 恥ずかしい!!
ふるふる。俺は必死に首を振る。
「あんまりお腹空かないの? いいな~。魔力ってそういう感じなのかな。ライ君もそうだし」
アルフレット様が苦笑いして言った。
アルフレット様はさっきのお助け情報によると、魔法よりパワー派。だからより体力がいるってことなんだろう。
だけど、それって当たり前な気もする。
「体使ったらお腹すくのは当たり前ですよ。気にすることないです」
俺がそう言うと、ふわっとアルフレット様が笑った。
なんとなくね、アルフレット様は「自分がいっぱい食べること」を気にしてるんじゃないかな? 「なんか恥ずかしいな」って思ってるんじゃないかな? って気がしたんだ。きっとゲームの‥ヒロイン補正で。
「ありがとう。‥タツミ君は優しいね」
そう微笑んだアルフレット様はなんか恥ずかしそうで? 悲しそうで?
‥なんか寂しい気持ちになった。
四六時中なにか食べてないといけないのって‥きっと辛い。食事は本来楽しいものであるべきなのに、エネルギーを取るためだけに食べるとか‥可哀そうだ。
俯いてそんなことを考えていると、
「このことは、皆には内緒ね。タツミ君と俺の秘密」
って言ったんだ。
その笑顔が! まるで芸能人がファンサでファンの女の子に向ける笑顔(って言い方も変だけど)みたいで! 俺はびっくりした。
悪戯っぽい‥「お洒落な」笑顔?
うわ、この人‥! 恋愛慣れしてらっしゃる。
そりゃあねえ~。
ねえ‥
一つ年上なだけなのに、もうね、全然違うの。
きっと、住む世界が違うんよ。
あ。でもね、全然嫌味とか「嘘くさ~」って感じはないの。‥寧ろ「だからこそ」住む世界が違うって思ったって感じ。
同じ男と思えない‥。
ってか、同じレベルの人間じゃない。
だけど、また無言でクッキーを食べ始めたアルフレット様はなんか「育ち盛りの高校生」みたいでちょっと親近感持てた。
ふふって思わず笑ってしまうと、アルフレット様が、
「俺たち「プラス」は、エネルギー補給方法が独特なんだよ。俺みたいに食事からとるタイプはいいけど、人によってはだいぶ特殊な人もいるらしいよ。今までにあった中には「人を殴る」とかいう人もいた。人を殴ったら気持ちが高揚して‥パワーが上がるんだって。なんかムカついたから倒しといた」
って説明してくれた。
「プラス」? 俺が首を傾げていると、
「人には体力の限界やら魔力の限界があるわけじゃない? だから、それを超えてパワーを貯めることは出来ない。そして、パワーが減れば休養したり回復魔法を使う。減ればその分を補うだけで、既存のパワーゲージを超えてエネルギーを貯めることは出来ない。
だけど、「プラス」は、既存のパワーゲージプラスのパワーを貯めることが出来る。その分は‥俺だったら「戦う時用」の力で、その力は、既存のパワーゲージに移行することはない。常にそれ用の力を貯めてるってわけだね。そして、その分は「身体に必要不可欠」な力じゃないから、それを維持するために常に体力を使う。そのエネルギー源が既存のパワーゲージだ。その為に普通の人と比べて生活に必要なエネルギー量が多いんだ。その度に回復魔法とか使えない。で、プラスは生まれた時からそれを補う術を身に着けている。その貯め方が人によって違うってわけだ。これはね、ホント個人で皆違って、家族だから同じってわけじゃないんだ。
それで「たまたま」俺の貯め方が食事によるエネルギー摂取だったってわけ。ラッキーだよね? 人に迷惑かけないから。
さっき言った奴‥以前戦ったことのある相手なんだけど‥は、「人を殴らないとエネルギーが溜まらない」って奴ね? アイツは一人じゃエネルギーが貯められないタイプ。ああいうのは迷惑だよね。‥腹立ったから倒して「プラス」取り消しにしてやった。そんな奴、プラスである価値ないから。
‥ホントはね、貯め方は敵に知られたら危険だから、人には教えないのが普通なんだけど、さっきの奴や俺みたいにアカラサマニ分かりやすい奴らもいるんだ」
‥分かりやすいかもしれないけど、出来れば隠した方がいいんじゃ? 勿論俺は敵じゃないけど‥
そんな風に思ってたら、アルフレット様はちょっと笑って
「心配してくれてるんだね。大丈夫だよ。他の子たちにはこんな話してない」
って言った。
‥俺、そんなに聞きたいこと顔に出てる??
でも‥
何で俺に?
きっと俺の顔に「なんで俺にそんなこと言うんだ? 」って出てたんだろう。アルフレット様は
「だって、同じ討伐隊のメンバーとして知っててもらわないといけないことじゃない」
って言ったんだ。
へ? 同じ討伐隊のメンバーって‥何?
「学園長が君に説明する前に、僕たちには先に説明があったんだ。君のことを守ってあげて欲しいって」
俺は受けること確定なの?! ‥いや、だよね。「その為に」ここに呼ばれたんだよね。俺に拒否権なんてないよね。‥知ってます。
「守るって? 俺の役目って何なんでしょう」
治療師? なら、ポーションでよくない? 俺はさっきスキル(特技って書いてあった)見たけど「身体強化付与」みたいな能力はなかったはず‥。いやさ、補助職としてそういうのあるじゃん? ヒーラー兼付与魔法師‥みたいな? あんまり詳しくないからな~。
イメージとして、仲間の身体強化を助けて、怪我したら助ける‥って感じ。
そういうの期待されてるのかな? だから「攻撃力はないだろうから、守ってやれ」って感じ? 別枠扱いで、戦力の数には入れられてないって感じなんだろう。
‥それと多分、俺の力は把握されてない。(なんせ、俺もよくわからんしね)
だけど、まあ珍しい光魔法だからなんか出来るだろう‥的な?
開けてみないと分からないよびっくり箱的枠‥かな??
いやだな~。
「光魔法は‥攻撃魔法になりますかね」
俺が聞くと
「目くらましとか? 」
アルフレット様が凄い真面目な顔で答えてくれた。
真面目! いい! この人、人間的に好き!
答え終わったらまたもぐもぐもいい!
しかし‥!
目くらまし~!! ショボい! ショボすぎる!
「目くらましを舐めてちゃダメだよ。魔物にはかなり効く技だぞ。火やら水みたいな物理攻撃は個体によって効くきかないがあるけど、光が効かない魔物はいない」
もぐもぐ。
‥しっかし、ホントずっと食べてるね。
もっと「お腹にたまる」ものないのかね。これじゃ生活に支障をきたしかねん。よし、俺が異世界知識でつくっちゃろ! 「カロ●ーメイト」的なやつとか「一●満足バー」的な奴を!
チョコレート、ナッツ、キャラメルそういう腹持ちのイイ奴を入れりゃ出来るだろう。
きっとお役に立てる度は低いからそういうことで役に立たんとな。大して何もせんと(出来んと)男に守られるとか‥同じ男として「どう」って感じだからな。
それと‥さっきから俺は‥
「ヴァルメール様。‥すみません、俺‥凄い砕けた喋り方してました‥」
気付いたら血の気がさあっと引いた。
相手は王族。他国っていっても、俺にとってはこの国もアルフレット様の国も他国。‥王族に対してそこらの先輩に話す程度の敬語じゃダメでしょ‥。
勢いよく謝ったら、アルフレット様はポカンとした顔になった。
そして、破顔一笑して
「ああ! そんなこと! いいんだよ。名前もさ、皆みたいにアルフレットって呼んで? 」
って言った。
うわわ。笑顔、カッコい~。爽やか~。邪気がない~!
でも、さっきから気になってたんだけどね?
アルファンソ・レンブラントが名前だよね? それが「アルフレット」っておかしくない? 「言いにくいならアルフレットでいいよ? この国にはよくある名前だからいいやすいでしょ? 」ってアルフレット様が言ったから‥って言っても、おかしくない? 「万里小路って言いにくいでしょ、前田でいいよ」って言わんでしょ? そんなん、前田さんにも悪いでしょ。
俺は首を振る。
しかし‥だからといって「アルファンソ・レンブラント」は言いにくいのは確かなわけで‥。
「‥アル様でいいですか? アルファンソ・レンブラント様だから、アル様です」
さっきのアレで言うと
万里小路は言いにくいから、まで様って感じで‥どう。別な名前じゃなくて、愛称で。って提案。
‥あかんかな。
馴れ馴れしいな。更に不敬やな。
って思って「すみません、訂正します」って言おうとしたら、真っ赤な顔したアルフレット様と目が合った。
ん?
「そんなこと言われたの初めてだ。‥嬉しい。うん、アルって呼んで欲しい」
ヒロイン補正?
‥チョロすぎん? アル様(アルフレット様改めアル様に変更決定しました)。
通称 アルフレット様(俺は「アル様」と呼ぶことにした)
名前:隣国からの留学生(どうやら王族らしい)アルファンソ・レンブラント・ヴァルメール (18歳)男
ランク: 不明
NEW! 特記事項: 「プラス」 エネルギー補充方法「食事を摂る」
家族構成: 両親(王様とお后様)、兄一人、姉一人
属性: 土、盾魔法(二人の話によると、魔法は「そこそこ」で主に体術を使うらしい)
武器: ナイフ(らしいけど、使ってるのは見たことないと二人は言っていた。きっと、実戦で使うんだろうけど、実戦なんて一般の生徒は見たことないから。あと‥普段体術中心の人がナイフ使うときって‥結構「大概」じゃない? 凄いピンチなときとか)
性格: 明るく朗らか。おおらかな性格で男女問わず人気者。だけど、人間味がある愛すべき人物。
髪の色: 金茶
目の色: 赤みがかった茶色。アンバーみたいな感じかなって思ってたけど、実際に見たらもっと明るい色だった。濃いオレンジ?
俺はまだそんなにアル様と親しくないからツールバーは見えないけど、今までに知り得た情報を俺のこころのデータベースに更新しておいた。
と思ったら、アルフレット様が俺のペースに合わせてゆっくり歩いてくれた。
二人横並びに歩く。
‥無言で。
随分身長が違う。160㎝ちょっとしかない俺の目線のちょっと(俺の名誉の為にちょっととしておく)上にアルフレット様の肩が見える。
アルフレット様はさっきから‥ポリポリとクッキーを食べている。
小さな可愛いクッキーって‥って思ったけど、これ、この人が大きいからそう見えただけだ。
おっきなアルフレット様と普通の‥「マ●ービスケット」サイズのクッキー。
アルフレット様は、マッチョって感じじゃないけど、結構がっしりタイプ。王族って言ってたから王子様系なのかなって思ってたけど、そういう感じじゃない。詰襟タイプの制服着てるからちょっと軍人みたい。(ちなみにヒョロガリの俺は「ただの学生」って感じ)。
そんなおっきな男がポリポリとクッキーを食べている。‥なんか、ちょっと面白い。甘いものってのがちょっとカワイイ。
‥お腹空いてるのかな? 朝ごはん食べ損ねたのかな? ‥ガタイがいいからいっぱい食べないと持たないのかな?
‥それにしても、よく食べるな。
って思ってたら、
「食べる? 」
アルフレット様が俺を見下ろして聞いた。
ひぃ! じっと見ちゃってた! しかも、欲しいの? って思われちゃったっぽい! 恥ずかしい!!
ふるふる。俺は必死に首を振る。
「あんまりお腹空かないの? いいな~。魔力ってそういう感じなのかな。ライ君もそうだし」
アルフレット様が苦笑いして言った。
アルフレット様はさっきのお助け情報によると、魔法よりパワー派。だからより体力がいるってことなんだろう。
だけど、それって当たり前な気もする。
「体使ったらお腹すくのは当たり前ですよ。気にすることないです」
俺がそう言うと、ふわっとアルフレット様が笑った。
なんとなくね、アルフレット様は「自分がいっぱい食べること」を気にしてるんじゃないかな? 「なんか恥ずかしいな」って思ってるんじゃないかな? って気がしたんだ。きっとゲームの‥ヒロイン補正で。
「ありがとう。‥タツミ君は優しいね」
そう微笑んだアルフレット様はなんか恥ずかしそうで? 悲しそうで?
‥なんか寂しい気持ちになった。
四六時中なにか食べてないといけないのって‥きっと辛い。食事は本来楽しいものであるべきなのに、エネルギーを取るためだけに食べるとか‥可哀そうだ。
俯いてそんなことを考えていると、
「このことは、皆には内緒ね。タツミ君と俺の秘密」
って言ったんだ。
その笑顔が! まるで芸能人がファンサでファンの女の子に向ける笑顔(って言い方も変だけど)みたいで! 俺はびっくりした。
悪戯っぽい‥「お洒落な」笑顔?
うわ、この人‥! 恋愛慣れしてらっしゃる。
そりゃあねえ~。
ねえ‥
一つ年上なだけなのに、もうね、全然違うの。
きっと、住む世界が違うんよ。
あ。でもね、全然嫌味とか「嘘くさ~」って感じはないの。‥寧ろ「だからこそ」住む世界が違うって思ったって感じ。
同じ男と思えない‥。
ってか、同じレベルの人間じゃない。
だけど、また無言でクッキーを食べ始めたアルフレット様はなんか「育ち盛りの高校生」みたいでちょっと親近感持てた。
ふふって思わず笑ってしまうと、アルフレット様が、
「俺たち「プラス」は、エネルギー補給方法が独特なんだよ。俺みたいに食事からとるタイプはいいけど、人によってはだいぶ特殊な人もいるらしいよ。今までにあった中には「人を殴る」とかいう人もいた。人を殴ったら気持ちが高揚して‥パワーが上がるんだって。なんかムカついたから倒しといた」
って説明してくれた。
「プラス」? 俺が首を傾げていると、
「人には体力の限界やら魔力の限界があるわけじゃない? だから、それを超えてパワーを貯めることは出来ない。そして、パワーが減れば休養したり回復魔法を使う。減ればその分を補うだけで、既存のパワーゲージを超えてエネルギーを貯めることは出来ない。
だけど、「プラス」は、既存のパワーゲージプラスのパワーを貯めることが出来る。その分は‥俺だったら「戦う時用」の力で、その力は、既存のパワーゲージに移行することはない。常にそれ用の力を貯めてるってわけだね。そして、その分は「身体に必要不可欠」な力じゃないから、それを維持するために常に体力を使う。そのエネルギー源が既存のパワーゲージだ。その為に普通の人と比べて生活に必要なエネルギー量が多いんだ。その度に回復魔法とか使えない。で、プラスは生まれた時からそれを補う術を身に着けている。その貯め方が人によって違うってわけだ。これはね、ホント個人で皆違って、家族だから同じってわけじゃないんだ。
それで「たまたま」俺の貯め方が食事によるエネルギー摂取だったってわけ。ラッキーだよね? 人に迷惑かけないから。
さっき言った奴‥以前戦ったことのある相手なんだけど‥は、「人を殴らないとエネルギーが溜まらない」って奴ね? アイツは一人じゃエネルギーが貯められないタイプ。ああいうのは迷惑だよね。‥腹立ったから倒して「プラス」取り消しにしてやった。そんな奴、プラスである価値ないから。
‥ホントはね、貯め方は敵に知られたら危険だから、人には教えないのが普通なんだけど、さっきの奴や俺みたいにアカラサマニ分かりやすい奴らもいるんだ」
‥分かりやすいかもしれないけど、出来れば隠した方がいいんじゃ? 勿論俺は敵じゃないけど‥
そんな風に思ってたら、アルフレット様はちょっと笑って
「心配してくれてるんだね。大丈夫だよ。他の子たちにはこんな話してない」
って言った。
‥俺、そんなに聞きたいこと顔に出てる??
でも‥
何で俺に?
きっと俺の顔に「なんで俺にそんなこと言うんだ? 」って出てたんだろう。アルフレット様は
「だって、同じ討伐隊のメンバーとして知っててもらわないといけないことじゃない」
って言ったんだ。
へ? 同じ討伐隊のメンバーって‥何?
「学園長が君に説明する前に、僕たちには先に説明があったんだ。君のことを守ってあげて欲しいって」
俺は受けること確定なの?! ‥いや、だよね。「その為に」ここに呼ばれたんだよね。俺に拒否権なんてないよね。‥知ってます。
「守るって? 俺の役目って何なんでしょう」
治療師? なら、ポーションでよくない? 俺はさっきスキル(特技って書いてあった)見たけど「身体強化付与」みたいな能力はなかったはず‥。いやさ、補助職としてそういうのあるじゃん? ヒーラー兼付与魔法師‥みたいな? あんまり詳しくないからな~。
イメージとして、仲間の身体強化を助けて、怪我したら助ける‥って感じ。
そういうの期待されてるのかな? だから「攻撃力はないだろうから、守ってやれ」って感じ? 別枠扱いで、戦力の数には入れられてないって感じなんだろう。
‥それと多分、俺の力は把握されてない。(なんせ、俺もよくわからんしね)
だけど、まあ珍しい光魔法だからなんか出来るだろう‥的な?
開けてみないと分からないよびっくり箱的枠‥かな??
いやだな~。
「光魔法は‥攻撃魔法になりますかね」
俺が聞くと
「目くらましとか? 」
アルフレット様が凄い真面目な顔で答えてくれた。
真面目! いい! この人、人間的に好き!
答え終わったらまたもぐもぐもいい!
しかし‥!
目くらまし~!! ショボい! ショボすぎる!
「目くらましを舐めてちゃダメだよ。魔物にはかなり効く技だぞ。火やら水みたいな物理攻撃は個体によって効くきかないがあるけど、光が効かない魔物はいない」
もぐもぐ。
‥しっかし、ホントずっと食べてるね。
もっと「お腹にたまる」ものないのかね。これじゃ生活に支障をきたしかねん。よし、俺が異世界知識でつくっちゃろ! 「カロ●ーメイト」的なやつとか「一●満足バー」的な奴を!
チョコレート、ナッツ、キャラメルそういう腹持ちのイイ奴を入れりゃ出来るだろう。
きっとお役に立てる度は低いからそういうことで役に立たんとな。大して何もせんと(出来んと)男に守られるとか‥同じ男として「どう」って感じだからな。
それと‥さっきから俺は‥
「ヴァルメール様。‥すみません、俺‥凄い砕けた喋り方してました‥」
気付いたら血の気がさあっと引いた。
相手は王族。他国っていっても、俺にとってはこの国もアルフレット様の国も他国。‥王族に対してそこらの先輩に話す程度の敬語じゃダメでしょ‥。
勢いよく謝ったら、アルフレット様はポカンとした顔になった。
そして、破顔一笑して
「ああ! そんなこと! いいんだよ。名前もさ、皆みたいにアルフレットって呼んで? 」
って言った。
うわわ。笑顔、カッコい~。爽やか~。邪気がない~!
でも、さっきから気になってたんだけどね?
アルファンソ・レンブラントが名前だよね? それが「アルフレット」っておかしくない? 「言いにくいならアルフレットでいいよ? この国にはよくある名前だからいいやすいでしょ? 」ってアルフレット様が言ったから‥って言っても、おかしくない? 「万里小路って言いにくいでしょ、前田でいいよ」って言わんでしょ? そんなん、前田さんにも悪いでしょ。
俺は首を振る。
しかし‥だからといって「アルファンソ・レンブラント」は言いにくいのは確かなわけで‥。
「‥アル様でいいですか? アルファンソ・レンブラント様だから、アル様です」
さっきのアレで言うと
万里小路は言いにくいから、まで様って感じで‥どう。別な名前じゃなくて、愛称で。って提案。
‥あかんかな。
馴れ馴れしいな。更に不敬やな。
って思って「すみません、訂正します」って言おうとしたら、真っ赤な顔したアルフレット様と目が合った。
ん?
「そんなこと言われたの初めてだ。‥嬉しい。うん、アルって呼んで欲しい」
ヒロイン補正?
‥チョロすぎん? アル様(アルフレット様改めアル様に変更決定しました)。
通称 アルフレット様(俺は「アル様」と呼ぶことにした)
名前:隣国からの留学生(どうやら王族らしい)アルファンソ・レンブラント・ヴァルメール (18歳)男
ランク: 不明
NEW! 特記事項: 「プラス」 エネルギー補充方法「食事を摂る」
家族構成: 両親(王様とお后様)、兄一人、姉一人
属性: 土、盾魔法(二人の話によると、魔法は「そこそこ」で主に体術を使うらしい)
武器: ナイフ(らしいけど、使ってるのは見たことないと二人は言っていた。きっと、実戦で使うんだろうけど、実戦なんて一般の生徒は見たことないから。あと‥普段体術中心の人がナイフ使うときって‥結構「大概」じゃない? 凄いピンチなときとか)
性格: 明るく朗らか。おおらかな性格で男女問わず人気者。だけど、人間味がある愛すべき人物。
髪の色: 金茶
目の色: 赤みがかった茶色。アンバーみたいな感じかなって思ってたけど、実際に見たらもっと明るい色だった。濃いオレンジ?
俺はまだそんなにアル様と親しくないからツールバーは見えないけど、今までに知り得た情報を俺のこころのデータベースに更新しておいた。
10
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる