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七章 元通り
12.本家本元、恋愛脳の色気過多性人。
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「サカマキは幸せなの? 」
ちょっと口の端を上げたいたずらっぽい微笑み。
色気駄々洩れのセクシー魔王。甘ったるい口調と熱い欲情を絡めた視線を俺に向ける、恐ろしい程妖艶で秀麗な顔。
ちょっとたれ目の黒曜石みたいな真っ黒の瞳は、この至近距離で見ると微かに紫なんだ。
それが綺麗でつい見惚れてしまった俺に、アララキはそれこそ「溶ける様な」甘い微笑みを向けて来た。
かっと身体が熱くなって、
咄嗟に目を逸らすと、それを許さないっていうように‥顔を寄せて視線を合わせ‥
唇を合わせる。
その動作の自然でスマートなことといったら‥
その‥有無も言わさぬ魔力‥ともいえそうな魔性の色気っていったら‥
俺は、‥今までそれから逃れられたことはない。
色気駄々洩れのセクシー魔王
‥まったく、これ以上にない位ぴったりな表現だ、と思う。
「ん? どうしたの? 」
本人は、あくまでゆったりと微笑んでいるだけなのだ。
だけど、瞳が‥その瞳は獲物を捕らえて離さない。
‥絡めとられる。
身体はますます熱くなるし、鼓動はどんどん激しくなる。
アララキの目は‥身体に悪い。
アララキが纏う色気もまた‥身体に‥心臓に悪い。
その色気に‥俺は目を合わせてられない。
‥合わせたら、流される。
ってか、‥淫魔(いや、淫魔なんてちゃちいもんじゃないな。やっぱり魔王だ)の呪いに当てられそう‥。
‥この光景、覚えがある。
あの時も、こんなだった。
高位魔法使いの呪いが解呪された時。
あの時も、こんな感じだった。
「‥アララキ以外とあんなことするなんて想像もつかん! 」
俺の一言に、アララキが興奮して‥で、転移で強制二人っきり。
俺は、「(アララキとも)もうあんなことしない」って言ったつもりだったのに、「アララキ以外あんなことしたくない」→「アララキとだったらあんなことしたい」にいいように解釈しちゃって、脳内で勝手に飛躍させちゃうんだもんな。
で、興奮して、拉致解禁だ。(※ 犯罪です)
‥単純だよ、アララキ。
それでいいのか? って位単純だよ‥。(※ 単純だよ、では済みません)
※ 大概、サカマキも毒されてきています。
気が付いたら俺は、(前回同様)ベッドに転がされ‥否、組み敷かれている。
あの時と違って、今の俺の服装は、こっちの服装だ。今は高位魔法使いの仕事中じゃないから、貫頭衣一枚と、腰を縛る麻ひもとズボンだけだ。(今は、まだ賢者であるカツラギが皆に宣言していないから、この世界では、俺はまだ高位魔法使いのままなんだ)
地球の綿パンと違ってズボンはレギンスみたいな柔らかい生地だし、金属の付いた皮のやたら頑丈で硬いベルトも止めていない。あの、‥慣れるまでトイレ行くの大変そうな‥防御力の高い服じゃない。‥こっちの服装ってホントに防衛機能低い。女の子ともかも、そのシンプルさなんだ。ここに居るときは、それが当たり前だったから、何とも思わなかったけど、‥大丈夫なのかってレベルに簡易な服だ。
地球の女の子だったら、‥心配するレベルだろう‥って話。
こっちの女の子は‥やたら強い。護身術が‥もう、格闘家レベルに強い。
防衛本能が生まれながらにして、凄い。貞操観もしっかりしてて、「気に要らない相手に指一本触れさせるものか」っていうのが当たり前。恋人相手だろうが、伴侶相手だろうがそれは変わらない。マンガで見る様な気の強い嫁が普通に存在する。そして、社会もそれを当たり前と認めている。
それは、職場でも勿論そうで、たとえ上司相手でも、
‥こんなの、社交辞令でしょ? とか、コミュニケーションでしょ?
とか、ない。
人権とか、男女平等とかいう「今更な」議論の話ではない。
そういう‥無理矢理色っぽくない話にすり替えてるんじゃない。
女の子が魅力的、この前提は当たり前。その、魅力的なものに何とかして触れたい、アプローチしたいけど、自分に自信がない。
じゃあ、権力で‥。「同僚のよしみ」で‥。
この発想が認められてない。
だって、怖いじゃん。そんなこと強制されたら、それに、気持ち悪いじゃん?
仕事しに来てるのに、そんな危機感感じないといけないっておかしいよね?
そんな危機感感じてたら、いい仕事出来ないじゃないか。ってね。
女の子自身も強いんだけど、社会自体もしっかりしてるんだ。
地球では、‥ちょっとまだそういう感じじゃない。「そんな危機感」はまだ、女の子(‥だけではなく、男の子にも。きっと、正樹なんかそんな危機感結構感じてそう。だけど、あっさり躱してそう)にある。
あの防衛機能高めの恰好も頷ける。(※ そんな意味はない)
その割には、短いスカートだとか、女子は時々考えられない恰好をしているんだが‥。
あの、女子の「制服」も考えた方がいいね。
貞操の危機
別に実際に俺にそういう危機があったわけでもないし、桜子になってた時にもあったわけでもない。
(‥桜子にそんな目を向けようものなら、‥一生他人と関わりたくないような目に合わせてやっていただろう)
そういう、実際の話ではなく、地球の様子をみてて‥っていう感想だ。
主観じゃなく、客観だ。
だけど、まあ‥こんなに語った俺自身は、今までずっとそういう対象になり得なかったわけだから、実際のところ、自分の問題としては考えられない。今まで、「そんな危機感」感じる必要なかったから、正直他人事みたいに思ってた。‥それにしても、だ。このごろちょっと気を抜いていた。
‥そう、‥どう言い訳しても、俺はこの頃ちょっとうかつだったんだ。
ベッドに押し倒され、アララキに組み敷かれ、あっという間に下着‥パンツだけにされている。
指と唇‥熱い熱が俺の素肌の首筋に触れる。
アララキが、口づけを‥唇に一つ、首筋に一つ‥どんどん下に下がっていく。
抵抗しようにも、俺の身体も馬鹿になりかけているのか‥力が入らない。
「つ‥あぁ‥待て‥ん‥」
首筋に口づけを送りながら、アララキの左手は俺の乳首を弄んでいる。
細くて長い指が、優しい手つきで‥器用に俺の弱いところを責め上げる。
決して痛くはしない、だけど、絶妙な力加減で乳首に触れる。指でつまんで、そして、時々弾いたりしてそこを弄び、舌をはわせる。
その甘い刺激に背中がぞくぞく‥としてくる。
「ん‥やぁ‥」
その度に甘ったるい声が漏れるのが恥ずかしくて仕方が無い。
さっきから、執拗な程‥愛撫に時間をかけている。それも、‥じわじわと‥もどかしいくらいに‥じわじわと、だ。
‥ただ、気持ちがいい。
でも、気持ちが良すぎて、何時もみたいに記憶が飛ぶほどでも‥ない。
※ アララキは例の「神獣の本能」で、サカマキの意識が強制的に飛ぶギリギリのところを責めているのだ。だけど、それは、アララキにとって、理性との戦いでしかなかった‥っ。
俺は、薄れそうになる意識と必死に戦っていた。
‥今日は、記憶を飛ばしてたまるもんか‥! 。
「は‥ぁ‥。っつ‥、んん‥、や‥ぁあ‥」
‥結構、もう、負けてるんだけどね。
「可愛い‥かわいい‥サカマキ‥」
それは、アララキも同様な様だった。
冷静さを失いかけた‥余裕のない声で呟く。
お互いの吐く息が、熱い。
「はぁ‥ん‥。アララキ‥こんなことしてるまじゃない‥だろ? ‥早く、あの場所に俺を戻せ」
この部屋は‥
アララキの部屋だ。
会議をしたりすることもあるから、防音対策ばっちりのあの‥アララキの部屋だ。
「質問の答えを聞いたら返す」
甘ったるい視線と、甘ったるい口調のアララキ。
俺の乳首を弄ぶ手を止めることなく、
鎖骨の辺りから、俺を見上げる。
‥色気が超絶半端ない。
質問? なんだっけ‥質問。‥ダメだ頭も働かない。
‥ああそうか、幸せ? だっけ?
「‥幸せだよ。俺は、凄く幸せた。これでいいだろ? 」
俺は、アララキの目を睨み付けて‥やったつもりだが、顔が熱い。きっと真っ赤になっていて、‥恰好がつかない顔してるだろう。
プツン。
無理、その顔。無理。もう我慢できない‥。
真っ赤な顔して、ちょっと涙目で僕を睨み付けてる‥とか、もう僕の事、殺しにかかってるの?
僕は、下半身に熱が集まるのを感じて
にっと
凶悪な笑顔をサカマキに向けた。
「僕は、サカマキの身体に聞きたい」
‥あ、これ、ダメな奴だ‥。
逃げようとしたサカマキの身体は、さっきより強く敷布に押さえつけられるのだった。
ちょっと口の端を上げたいたずらっぽい微笑み。
色気駄々洩れのセクシー魔王。甘ったるい口調と熱い欲情を絡めた視線を俺に向ける、恐ろしい程妖艶で秀麗な顔。
ちょっとたれ目の黒曜石みたいな真っ黒の瞳は、この至近距離で見ると微かに紫なんだ。
それが綺麗でつい見惚れてしまった俺に、アララキはそれこそ「溶ける様な」甘い微笑みを向けて来た。
かっと身体が熱くなって、
咄嗟に目を逸らすと、それを許さないっていうように‥顔を寄せて視線を合わせ‥
唇を合わせる。
その動作の自然でスマートなことといったら‥
その‥有無も言わさぬ魔力‥ともいえそうな魔性の色気っていったら‥
俺は、‥今までそれから逃れられたことはない。
色気駄々洩れのセクシー魔王
‥まったく、これ以上にない位ぴったりな表現だ、と思う。
「ん? どうしたの? 」
本人は、あくまでゆったりと微笑んでいるだけなのだ。
だけど、瞳が‥その瞳は獲物を捕らえて離さない。
‥絡めとられる。
身体はますます熱くなるし、鼓動はどんどん激しくなる。
アララキの目は‥身体に悪い。
アララキが纏う色気もまた‥身体に‥心臓に悪い。
その色気に‥俺は目を合わせてられない。
‥合わせたら、流される。
ってか、‥淫魔(いや、淫魔なんてちゃちいもんじゃないな。やっぱり魔王だ)の呪いに当てられそう‥。
‥この光景、覚えがある。
あの時も、こんなだった。
高位魔法使いの呪いが解呪された時。
あの時も、こんな感じだった。
「‥アララキ以外とあんなことするなんて想像もつかん! 」
俺の一言に、アララキが興奮して‥で、転移で強制二人っきり。
俺は、「(アララキとも)もうあんなことしない」って言ったつもりだったのに、「アララキ以外あんなことしたくない」→「アララキとだったらあんなことしたい」にいいように解釈しちゃって、脳内で勝手に飛躍させちゃうんだもんな。
で、興奮して、拉致解禁だ。(※ 犯罪です)
‥単純だよ、アララキ。
それでいいのか? って位単純だよ‥。(※ 単純だよ、では済みません)
※ 大概、サカマキも毒されてきています。
気が付いたら俺は、(前回同様)ベッドに転がされ‥否、組み敷かれている。
あの時と違って、今の俺の服装は、こっちの服装だ。今は高位魔法使いの仕事中じゃないから、貫頭衣一枚と、腰を縛る麻ひもとズボンだけだ。(今は、まだ賢者であるカツラギが皆に宣言していないから、この世界では、俺はまだ高位魔法使いのままなんだ)
地球の綿パンと違ってズボンはレギンスみたいな柔らかい生地だし、金属の付いた皮のやたら頑丈で硬いベルトも止めていない。あの、‥慣れるまでトイレ行くの大変そうな‥防御力の高い服じゃない。‥こっちの服装ってホントに防衛機能低い。女の子ともかも、そのシンプルさなんだ。ここに居るときは、それが当たり前だったから、何とも思わなかったけど、‥大丈夫なのかってレベルに簡易な服だ。
地球の女の子だったら、‥心配するレベルだろう‥って話。
こっちの女の子は‥やたら強い。護身術が‥もう、格闘家レベルに強い。
防衛本能が生まれながらにして、凄い。貞操観もしっかりしてて、「気に要らない相手に指一本触れさせるものか」っていうのが当たり前。恋人相手だろうが、伴侶相手だろうがそれは変わらない。マンガで見る様な気の強い嫁が普通に存在する。そして、社会もそれを当たり前と認めている。
それは、職場でも勿論そうで、たとえ上司相手でも、
‥こんなの、社交辞令でしょ? とか、コミュニケーションでしょ?
とか、ない。
人権とか、男女平等とかいう「今更な」議論の話ではない。
そういう‥無理矢理色っぽくない話にすり替えてるんじゃない。
女の子が魅力的、この前提は当たり前。その、魅力的なものに何とかして触れたい、アプローチしたいけど、自分に自信がない。
じゃあ、権力で‥。「同僚のよしみ」で‥。
この発想が認められてない。
だって、怖いじゃん。そんなこと強制されたら、それに、気持ち悪いじゃん?
仕事しに来てるのに、そんな危機感感じないといけないっておかしいよね?
そんな危機感感じてたら、いい仕事出来ないじゃないか。ってね。
女の子自身も強いんだけど、社会自体もしっかりしてるんだ。
地球では、‥ちょっとまだそういう感じじゃない。「そんな危機感」はまだ、女の子(‥だけではなく、男の子にも。きっと、正樹なんかそんな危機感結構感じてそう。だけど、あっさり躱してそう)にある。
あの防衛機能高めの恰好も頷ける。(※ そんな意味はない)
その割には、短いスカートだとか、女子は時々考えられない恰好をしているんだが‥。
あの、女子の「制服」も考えた方がいいね。
貞操の危機
別に実際に俺にそういう危機があったわけでもないし、桜子になってた時にもあったわけでもない。
(‥桜子にそんな目を向けようものなら、‥一生他人と関わりたくないような目に合わせてやっていただろう)
そういう、実際の話ではなく、地球の様子をみてて‥っていう感想だ。
主観じゃなく、客観だ。
だけど、まあ‥こんなに語った俺自身は、今までずっとそういう対象になり得なかったわけだから、実際のところ、自分の問題としては考えられない。今まで、「そんな危機感」感じる必要なかったから、正直他人事みたいに思ってた。‥それにしても、だ。このごろちょっと気を抜いていた。
‥そう、‥どう言い訳しても、俺はこの頃ちょっとうかつだったんだ。
ベッドに押し倒され、アララキに組み敷かれ、あっという間に下着‥パンツだけにされている。
指と唇‥熱い熱が俺の素肌の首筋に触れる。
アララキが、口づけを‥唇に一つ、首筋に一つ‥どんどん下に下がっていく。
抵抗しようにも、俺の身体も馬鹿になりかけているのか‥力が入らない。
「つ‥あぁ‥待て‥ん‥」
首筋に口づけを送りながら、アララキの左手は俺の乳首を弄んでいる。
細くて長い指が、優しい手つきで‥器用に俺の弱いところを責め上げる。
決して痛くはしない、だけど、絶妙な力加減で乳首に触れる。指でつまんで、そして、時々弾いたりしてそこを弄び、舌をはわせる。
その甘い刺激に背中がぞくぞく‥としてくる。
「ん‥やぁ‥」
その度に甘ったるい声が漏れるのが恥ずかしくて仕方が無い。
さっきから、執拗な程‥愛撫に時間をかけている。それも、‥じわじわと‥もどかしいくらいに‥じわじわと、だ。
‥ただ、気持ちがいい。
でも、気持ちが良すぎて、何時もみたいに記憶が飛ぶほどでも‥ない。
※ アララキは例の「神獣の本能」で、サカマキの意識が強制的に飛ぶギリギリのところを責めているのだ。だけど、それは、アララキにとって、理性との戦いでしかなかった‥っ。
俺は、薄れそうになる意識と必死に戦っていた。
‥今日は、記憶を飛ばしてたまるもんか‥! 。
「は‥ぁ‥。っつ‥、んん‥、や‥ぁあ‥」
‥結構、もう、負けてるんだけどね。
「可愛い‥かわいい‥サカマキ‥」
それは、アララキも同様な様だった。
冷静さを失いかけた‥余裕のない声で呟く。
お互いの吐く息が、熱い。
「はぁ‥ん‥。アララキ‥こんなことしてるまじゃない‥だろ? ‥早く、あの場所に俺を戻せ」
この部屋は‥
アララキの部屋だ。
会議をしたりすることもあるから、防音対策ばっちりのあの‥アララキの部屋だ。
「質問の答えを聞いたら返す」
甘ったるい視線と、甘ったるい口調のアララキ。
俺の乳首を弄ぶ手を止めることなく、
鎖骨の辺りから、俺を見上げる。
‥色気が超絶半端ない。
質問? なんだっけ‥質問。‥ダメだ頭も働かない。
‥ああそうか、幸せ? だっけ?
「‥幸せだよ。俺は、凄く幸せた。これでいいだろ? 」
俺は、アララキの目を睨み付けて‥やったつもりだが、顔が熱い。きっと真っ赤になっていて、‥恰好がつかない顔してるだろう。
プツン。
無理、その顔。無理。もう我慢できない‥。
真っ赤な顔して、ちょっと涙目で僕を睨み付けてる‥とか、もう僕の事、殺しにかかってるの?
僕は、下半身に熱が集まるのを感じて
にっと
凶悪な笑顔をサカマキに向けた。
「僕は、サカマキの身体に聞きたい」
‥あ、これ、ダメな奴だ‥。
逃げようとしたサカマキの身体は、さっきより強く敷布に押さえつけられるのだった。
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