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五章 世界の異分子
5.「フリ」じゃなくて、リアルに無理ゲー。
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ここに来て、‥今更なんだけど‥僕は、自分の甘さを自覚した。
‥なんとか、なんてならない。
他人をあてにする気持ちなんてすっぱり捨ててしまわないといけない。
‥神様を含めて、だ。
ここは、地球とは違う。しかも、「僕の知ってる」リアルとは違うけど、どうやらリアルみたいだし、‥ゲームでもない。
ファンタジーやらゲームみたいだけど、リアルなんだ。
つまり、リアルに無理ゲー。
ゲームじゃないから、シナリオも無い。だから、「親切な人に出会ったら何とかなる」とか、ない。そんな甘い考えスッキリさっぱり忘れ去らないといけない。
だけど、‥そんなこと自覚しても、どこか甘い気持ちは抜けきらない。‥人間本当に痛い目に合わないと、本気になんてなれない、と思う。
自分のことだというのに、どこか人ごとみたいに「なんとかなる」って‥思っちゃうんだ。
実際、今までは何とかなってた。お金さえあれば‥、携帯さえがあれば。
全部、地球では‥「日本では‥」の話。
地球とは‥以前生きてきた場所とは‥違うという自覚を持たないといけない。
‥僕が色々諦めたり、認めきゃいけない事‥。
まず諦めなきゃいけない事。
暖かい寝床や、当たり前に食事をとれる生活。
‥親切な人に出会う期待を捨てる。
‥ってか、あいつが僕の事試してるって思ったから、他の人間に会うんだろう‥僕に会わせたい的な人がいるんだろう‥って思ってたけど、‥これはあれかも、ここに飛ばされたことは、あいつの嫌がらせで、もしかしたら、僕の外に人なんていないのかも。
完全に嫌がらせしてるのかも。
親切な人どころか、‥人に会える期待も捨てておいた方がいい。
次に、認めて覚悟しなきゃいけない事。
ここの獣は地球よりずっと凶暴だし、数も多い。
どうやら、魔物(?)もいるようだ。(←はっきりは見ていないがあの川にはいる。‥川から上がってこないことを祈る)
そして、僕の状況。
どうやら、若返ってるし、なんか‥魔法が使えるようになったようだ。
水を出したり火を出したりと、生活に利用してるわけだけど、‥そもそもそういうことだけじゃなく活用法みたいなものはないんだろうか? 獣を狩る攻撃的なことにつかえるとか‥(今はそんなこと位しか浮かばないな)
まずは、自分の力を確認するのが先じゃない?
って‥(なんかドキドキ‥)
「あるのかな、ステータス画面。ステータスオープン‥って、そんなわけは無いか。っておお!
名前
魔力 ★★☆☆☆
頭脳 ★★☆☆☆
体力 ★☆☆☆☆
戦闘力 ★☆☆☆☆
スキル 威圧・言霊
属性 水・風・光・闇・火
低っく! 戦闘力‥。こりゃ、ますます生命の危機だね」
誰もいないから、独り言言っても平気だ。恥ずかしくない。
寧ろ、‥話してないと話し方すら忘れる気がする。
「ステータス画面か。まさか出るとはなあ。流石異世界」
‥てか、これか? 異世界転移特典「チート」ステータス画面見れるよ~的な?? あと、魔力がおまけかな‥? 魔力はともかく、属性凄いな。全部‥的な??
どうやって使うんだ? 闇とか光。風は、便利そう‥な感じ。多分。‥乾かしたりとか。雨とか降って濡れそぼったまま寝て風邪をひいて‥って地味に怖いから、そういうのを回避できるだけでも、よしとしないとな。
その内風を操って、飛べるようになるかも。
‥何事も鍛錬だな。
というか。
この状態は、今後の鍛錬次第で成長可能って感じなのかな? それとも、このままなのかな? そこは、こまめにチェックしながらッて感じになるかな。
ってか、僕の名前欄、空白ってどうよ‥ってか、名前??
‥なんだっけ僕の「元の」名前‥。
自分一人しかいないから、自分の名前の必要性みたいなものは無い。少なくとも今のままの状況だったら、だ。名前が無いのは不自然だけど、‥それ程不便なことではない。‥でも、気持ちは悪いな。自分の土台をゴッソリ抜かれた感じがする。‥そうだな。あのダルマ落としの台をひとつスコーンって抜かれた‥そんなイメージだ。確かに立ってはいられてるけど、確実にさっきまでとは違うって状態。
抜かれたのは、名前だけなんだろうか?
顔は、顔も‥変わっているのだろうか? 。髪の色とか、目の色とかは‥前と同じ‥
‥ん? どうだっけ。前の僕ってどんな顔してたっけ。
‥不味いな。名前だけじゃなくって、顔も‥忘れてる。
でも、記憶は多分そのまま。だと思う。‥思うんだけど‥名前と同じように何段か抜かれているんだろうか??
‥抜かれてるんだろうな。
だって、あいつ(神的な奴)は、僕を試したいたいんだから。
今の僕はどういう状態なんだろう。
あいつは何を抜いたんだろう。名前と顔に対する記憶‥他には‥?
「どんなに愛しても、愛を返してくれない。そんな相手を愛する苦しみをお前も味わってみろよ!! 」
って言ったあいつ。
あいつは、この「賭け」の内容に対する記憶を僕から抜かなかった。
その記憶があることは僕にとって圧倒的有利なのに、だ。
僕が「意地でもやってやろうじゃねえか、見込みのない恋を成就させてやろうじゃねえか」って本気に‥やけになればなんとでも出来る。自分で「僕はこの人が好き」って思い込めば、そのうちだんだんホントに好き(like)になった気になる。好きになった気になって自分を催眠術師よろしく騙し続ければ、いつかはホントに好き(love)になって、いつかは相手も「ほだされる」んじゃない?(騙される、かな? ) ‥それを人は、巻き込まれるっていう‥
そういうの‥恋‥って、一種の「思い込み」じゃない? あとは‥相手にとっては「気のせい」とか「騙された」の延長。なんか流されちゃってるけど‥まあ嫌じゃないかも、なら、まあいいや‥って。‥僕は一目惚れなんて信じない。第一印象は最悪だったけど、いつの間にか‥っていうパターンも僕には、ないって言い切れる。第一印象が最悪だったらそもそもそれ以上関わり合いなんて持たない。だって、時間が無駄じゃない? 人なんてごまんといるし、第一印象が最悪じゃないやつもごまんといる。
‥ん?
もしかして、「どんなに愛しても、愛を返してくれない」子って、その子にとって僕が「第一印象が最悪でこれ以上関わり合いたくない」って思われてる奴ってこと? そういう姿勢を変える気が無い子に振り向いてもらえることはできるかってこと?? ‥ないわ。それならそうと言ってくれたら‥いくら、万民に友好的でlove&peaceな僕でも、‥それはないわ。態度に出ない自信ないわ‥。絶対、態度に出ちゃいそう。
‥だったら、そういうのって‥その子にとっても苦痛でしかないじゃない? それは、‥ないわ。そういうの、絶対ないわ。あいつも迷惑な奴だぜ。
相手も迷惑、自分も苦しい。そんな恋する奴の気が知れない。
それとも、相手の子に他にすっごく好きな人がいる‥とか? それも、‥その場合も迷惑だよな。
だけど、‥出来るか出来ないかって言われると、別にできる‥気もする。不倫とかじゃない限り、出来ないこともない。
モットーには反するけど‥出来る。
‥賭けの内容が分かってるって言うことは、そういう「ズル」も出来るってことだ。
なんで、あいつは僕からこの記憶‥賭けの内容‥を抜かなかったのか。
でも
‥心の弱い奴だったら、どんなにアピールしても振り向いてもらえなかったら、へこんで挫折する。あいつもそうだったのかもしれない。
あいにく僕はそういう根性なしじゃない。ハートも強いから、多少嫌なこと言われても「キライ」って言われても、「気にしないフリ」出来るし、自己暗示により、完全無視できる。「君は嫌いでも僕は好きだからいい」って押し通せる(←迷惑な‥)
だって、そういう「賭け」だから。
あいつは、僕を甘く見ていたね。
恋愛なんて、自分の気持ちが制御できない者には、苦しいもんだけど、常に「これ」って芯を自分の心に持ち続けていたら、そう流されたりするもんじゃない。
そんなことをつらつら考えていて、僕はまたうっかりとして油断を怠った。
ここでは、ちょっとした油断が命とりだというのに、だ。
だけど、僕の背後を取って、僕を軽々と持ち上げたのは、‥獣の鋭い牙でも、魔物の腕でもなかった。
「なんだ? こんなところに子供‥。なんと! 珍しい黒目黒髪って! こりゃついてる! うっぱらえば高い値がつくぞ! 」
下品な顔で笑う、三下って感じの、おっさんたちだった。
‥なんとか、なんてならない。
他人をあてにする気持ちなんてすっぱり捨ててしまわないといけない。
‥神様を含めて、だ。
ここは、地球とは違う。しかも、「僕の知ってる」リアルとは違うけど、どうやらリアルみたいだし、‥ゲームでもない。
ファンタジーやらゲームみたいだけど、リアルなんだ。
つまり、リアルに無理ゲー。
ゲームじゃないから、シナリオも無い。だから、「親切な人に出会ったら何とかなる」とか、ない。そんな甘い考えスッキリさっぱり忘れ去らないといけない。
だけど、‥そんなこと自覚しても、どこか甘い気持ちは抜けきらない。‥人間本当に痛い目に合わないと、本気になんてなれない、と思う。
自分のことだというのに、どこか人ごとみたいに「なんとかなる」って‥思っちゃうんだ。
実際、今までは何とかなってた。お金さえあれば‥、携帯さえがあれば。
全部、地球では‥「日本では‥」の話。
地球とは‥以前生きてきた場所とは‥違うという自覚を持たないといけない。
‥僕が色々諦めたり、認めきゃいけない事‥。
まず諦めなきゃいけない事。
暖かい寝床や、当たり前に食事をとれる生活。
‥親切な人に出会う期待を捨てる。
‥ってか、あいつが僕の事試してるって思ったから、他の人間に会うんだろう‥僕に会わせたい的な人がいるんだろう‥って思ってたけど、‥これはあれかも、ここに飛ばされたことは、あいつの嫌がらせで、もしかしたら、僕の外に人なんていないのかも。
完全に嫌がらせしてるのかも。
親切な人どころか、‥人に会える期待も捨てておいた方がいい。
次に、認めて覚悟しなきゃいけない事。
ここの獣は地球よりずっと凶暴だし、数も多い。
どうやら、魔物(?)もいるようだ。(←はっきりは見ていないがあの川にはいる。‥川から上がってこないことを祈る)
そして、僕の状況。
どうやら、若返ってるし、なんか‥魔法が使えるようになったようだ。
水を出したり火を出したりと、生活に利用してるわけだけど、‥そもそもそういうことだけじゃなく活用法みたいなものはないんだろうか? 獣を狩る攻撃的なことにつかえるとか‥(今はそんなこと位しか浮かばないな)
まずは、自分の力を確認するのが先じゃない?
って‥(なんかドキドキ‥)
「あるのかな、ステータス画面。ステータスオープン‥って、そんなわけは無いか。っておお!
名前
魔力 ★★☆☆☆
頭脳 ★★☆☆☆
体力 ★☆☆☆☆
戦闘力 ★☆☆☆☆
スキル 威圧・言霊
属性 水・風・光・闇・火
低っく! 戦闘力‥。こりゃ、ますます生命の危機だね」
誰もいないから、独り言言っても平気だ。恥ずかしくない。
寧ろ、‥話してないと話し方すら忘れる気がする。
「ステータス画面か。まさか出るとはなあ。流石異世界」
‥てか、これか? 異世界転移特典「チート」ステータス画面見れるよ~的な?? あと、魔力がおまけかな‥? 魔力はともかく、属性凄いな。全部‥的な??
どうやって使うんだ? 闇とか光。風は、便利そう‥な感じ。多分。‥乾かしたりとか。雨とか降って濡れそぼったまま寝て風邪をひいて‥って地味に怖いから、そういうのを回避できるだけでも、よしとしないとな。
その内風を操って、飛べるようになるかも。
‥何事も鍛錬だな。
というか。
この状態は、今後の鍛錬次第で成長可能って感じなのかな? それとも、このままなのかな? そこは、こまめにチェックしながらッて感じになるかな。
ってか、僕の名前欄、空白ってどうよ‥ってか、名前??
‥なんだっけ僕の「元の」名前‥。
自分一人しかいないから、自分の名前の必要性みたいなものは無い。少なくとも今のままの状況だったら、だ。名前が無いのは不自然だけど、‥それ程不便なことではない。‥でも、気持ちは悪いな。自分の土台をゴッソリ抜かれた感じがする。‥そうだな。あのダルマ落としの台をひとつスコーンって抜かれた‥そんなイメージだ。確かに立ってはいられてるけど、確実にさっきまでとは違うって状態。
抜かれたのは、名前だけなんだろうか?
顔は、顔も‥変わっているのだろうか? 。髪の色とか、目の色とかは‥前と同じ‥
‥ん? どうだっけ。前の僕ってどんな顔してたっけ。
‥不味いな。名前だけじゃなくって、顔も‥忘れてる。
でも、記憶は多分そのまま。だと思う。‥思うんだけど‥名前と同じように何段か抜かれているんだろうか??
‥抜かれてるんだろうな。
だって、あいつ(神的な奴)は、僕を試したいたいんだから。
今の僕はどういう状態なんだろう。
あいつは何を抜いたんだろう。名前と顔に対する記憶‥他には‥?
「どんなに愛しても、愛を返してくれない。そんな相手を愛する苦しみをお前も味わってみろよ!! 」
って言ったあいつ。
あいつは、この「賭け」の内容に対する記憶を僕から抜かなかった。
その記憶があることは僕にとって圧倒的有利なのに、だ。
僕が「意地でもやってやろうじゃねえか、見込みのない恋を成就させてやろうじゃねえか」って本気に‥やけになればなんとでも出来る。自分で「僕はこの人が好き」って思い込めば、そのうちだんだんホントに好き(like)になった気になる。好きになった気になって自分を催眠術師よろしく騙し続ければ、いつかはホントに好き(love)になって、いつかは相手も「ほだされる」んじゃない?(騙される、かな? ) ‥それを人は、巻き込まれるっていう‥
そういうの‥恋‥って、一種の「思い込み」じゃない? あとは‥相手にとっては「気のせい」とか「騙された」の延長。なんか流されちゃってるけど‥まあ嫌じゃないかも、なら、まあいいや‥って。‥僕は一目惚れなんて信じない。第一印象は最悪だったけど、いつの間にか‥っていうパターンも僕には、ないって言い切れる。第一印象が最悪だったらそもそもそれ以上関わり合いなんて持たない。だって、時間が無駄じゃない? 人なんてごまんといるし、第一印象が最悪じゃないやつもごまんといる。
‥ん?
もしかして、「どんなに愛しても、愛を返してくれない」子って、その子にとって僕が「第一印象が最悪でこれ以上関わり合いたくない」って思われてる奴ってこと? そういう姿勢を変える気が無い子に振り向いてもらえることはできるかってこと?? ‥ないわ。それならそうと言ってくれたら‥いくら、万民に友好的でlove&peaceな僕でも、‥それはないわ。態度に出ない自信ないわ‥。絶対、態度に出ちゃいそう。
‥だったら、そういうのって‥その子にとっても苦痛でしかないじゃない? それは、‥ないわ。そういうの、絶対ないわ。あいつも迷惑な奴だぜ。
相手も迷惑、自分も苦しい。そんな恋する奴の気が知れない。
それとも、相手の子に他にすっごく好きな人がいる‥とか? それも、‥その場合も迷惑だよな。
だけど、‥出来るか出来ないかって言われると、別にできる‥気もする。不倫とかじゃない限り、出来ないこともない。
モットーには反するけど‥出来る。
‥賭けの内容が分かってるって言うことは、そういう「ズル」も出来るってことだ。
なんで、あいつは僕からこの記憶‥賭けの内容‥を抜かなかったのか。
でも
‥心の弱い奴だったら、どんなにアピールしても振り向いてもらえなかったら、へこんで挫折する。あいつもそうだったのかもしれない。
あいにく僕はそういう根性なしじゃない。ハートも強いから、多少嫌なこと言われても「キライ」って言われても、「気にしないフリ」出来るし、自己暗示により、完全無視できる。「君は嫌いでも僕は好きだからいい」って押し通せる(←迷惑な‥)
だって、そういう「賭け」だから。
あいつは、僕を甘く見ていたね。
恋愛なんて、自分の気持ちが制御できない者には、苦しいもんだけど、常に「これ」って芯を自分の心に持ち続けていたら、そう流されたりするもんじゃない。
そんなことをつらつら考えていて、僕はまたうっかりとして油断を怠った。
ここでは、ちょっとした油断が命とりだというのに、だ。
だけど、僕の背後を取って、僕を軽々と持ち上げたのは、‥獣の鋭い牙でも、魔物の腕でもなかった。
「なんだ? こんなところに子供‥。なんと! 珍しい黒目黒髪って! こりゃついてる! うっぱらえば高い値がつくぞ! 」
下品な顔で笑う、三下って感じの、おっさんたちだった。
応援ありがとうございます!
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