Happy nation

文月

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四章 物語の主人公

4.隣人と、共生。

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 Happy nationと地球が「重なって」数ヶ月たった。

 異世界人の存在にも慣れ、ようやく皆も「落ち着いてきた」気がする。
 ‥勿論表面だけの事だ。
 地球人が、潜在的に、科学力や生活水準が低い異世界人を馬鹿にしているのは(態度や表情に表さなくても)明らかだ。
 魔物退治でお世話になっているといっても、もともとあっちが持ち込んだものだろう、そりゃ、あっちが対処して然りだ、位しかその実、思っていない。

 地球人は異世界人を、体力は圧倒的に勝るが、頭脳は地球に及ばない未発達な国だと侮っている。‥体面的には、見目が相対的に整っている彼らを持ち上げてはいるが、だ。
 
 国を(世界を)運営していくうえで同じテーブルに就かせる気は全くなく、物珍しい、国民の人気取りのイロモノスターの様な役割だけを彼らに求めている。

 地球人のHappy nation人に対する地球人の心象は
 a 科学力が低く、(即ち)知能の低い異界人。魔物対策に利用するために、おだてておけばいい
 b 寧ろ、魔物を連れて来た災厄。関わり合いたくない。
 c 協力し合えればそれに越したことは無い。
 d 興味本位。未知の美男美女は大歓迎だ。(鑑賞対象)異世界の美男美女と恋愛してみたい
 と、‥まあ、そんなところだろうか。
 基本的に、印象はそう「良くない」。
 これは、あくまで「地球から見たHappy nation」であり。勿論、Happy nation側の真実ではない。

 同じく、Happy nation側はHappy nation側で、地球についての見解がある。

 Happy nation側からしたら、そもそも「地球」は、Happy nationの素材置き場で、スペアの国だったわけだから、下に見ている。
 (地球人はこっちに)科学力が無いというが、Happy nation側からしたら、科学力は所詮魔法の代わりに発展したものに過ぎない。
 科学なんて「無いものを補う為に発展した学問」に過ぎず、初めから「魔法がある」Happy nation側には不必要な学問だと思っている。

 今に始まったことではない。

 昔からHappy nation側の地球の位置づけはそれで、これからも別に変ることは無いだろう。
 今回のことで初めてHappy nationを知った地球と違って、Happy nationは、初めから地球を知っていた。
 しかし、今まで地球人と関わって来たのは、外交神官だけで、それも「素材回収」の為に関わていたのみだった。まさか、「素材として、そちらの人間を差し出して欲しい」という外交を地球とするわけはない。そもそも、そんな敬意を「素材置き場」に払う国民じゃない。
 ‥必要なものを、その都度調達するだけのことだ。
 彼らにとって、地球人をさらって帰ることなんて、森に行って薬草を摘んでくるのと何ら変わりのない行動だ。
 地球側に自分たちの姿を見せることすらしない。
 つまり、外交神官とは、そういう技術を訓練により身に着けてきた特別な者たちだった。
 それを略奪を連想させる軍隊にやらせないのは、Happy nation側の国民に対する「安心度アピール」だ。

 略奪じゃないですよ。これは、神聖な行為で、彼は、今回の目的を果たすための異世界からの神聖なる生贄です‥的な?

 これが、ほかの国(異世界)であったら‥地球で言うところの「異世界召喚」的なやつになっていたかもしれないけれど‥この国においてはこんな感じ‥。
 急に連れてこられるっていうところは変わらないが、神的なものが関与しているわけでもないから、異世界チートとか美形とのlove゚♡があるわけでもなく、‥結構すぐ殺される。
 
 一年に一人あるかないか‥ってくらい。
 素材置場っていいながら、それ位の交流頻度だったんだ。
 だが、ここに来て、騎士や軍人などといった「今まで関わってこなかった」メンバーが地球にことになった。
 異世界人として、だ。
 今までの外交神官たちの様に、地球人のフリをして、なるべく浮かない様に‥なんて器用な芸当を彼らは出来ない。そんな知識も、訓練を受ける時間も‥自分の素性を隠す魔力もない。
 だけど、騎士や軍人は、「やることをさっさとやる」だけで、「自分が地球人にどのように見られているか」ということには無頓着な者たちが多い。

 ‥自分を見る地球人の視線をやたら気にするのは、気位の高い貴族階級‥古き時代の上層部の人間だけだ。
 そして、神官たちの多くもまたそんな貴族たちの一員だった。
 相手を立てて、相手の権利・人権を尊重し、紳士的に対応する高貴で上品、麗しく理性的な人々。
 が、その実、
 素材置き場‥スペアの国の人間の分際で‥!
 彼らの本音なんか、Happy nationの人間ならみんな知っている。
 その麗しく上品で、世の中の暗部なんて微塵も知らない‥みたいな「お綺麗な」顔の裏側‥
 彼らは、驚くほど保守的で、後衛的だ。

 地球と協力し合う気なんてさらさらない彼らは今、「地球人に如きに興味と蔑みの目でもって見られるのは耐えがたい」「奴らが魔物に食われようが殺されようが知ったことではない。もう一層のこと放っておいたらどうだ」とと、アララキ率いる新体制に不満ばかりを押し付けている。
 一部の国民からも、自国の民が好奇の目にさらされ、侮蔑ともとれる扱いを受けてることで、貴族たち同様「魔物の餌にしてしまえばいいんじゃない? 」「放って置けばいい」という不満も普通に出ている。
 
 地球に関わることに対して消極的な意見が多数を占めているものの、地球に積極的に関わろうという一部の意見もあることはある。

 学者たちだ。

 研究熱心な学者は、今まで神官しか行けなかった地球にいけるかもしれない‥という「滅多にないチャンス」に色めきだっていた。

 だけど、所詮彼らにとっても、地球は知的好奇心の対象でしかない。
 つまりは、実験動物を見る様な感じってわけ。
 どっちにしても‥
 ‥とてもじゃないけど、「異界人とラブ♡」みたいな雰囲気は皆無で、それどころか「友好的な関係を望む」意思なんて初めからないのだ。


 地球人の‥それも、政治云々に無関係な一般人‥なかでも、オタクな人たちからしたら、Happy nationの人の人たちは垂涎ものの存在だった。

 整った容姿、優れた運動神経、紳士的な態度(Happy nationでも「貴族」的な人は本心は兎も角見た目だけはそんな感じだからね)、そして、魔法(使えない人もいるけど、使えない人は地球には来れないから、地球に来ている人は全員魔法が使える)。
 まさに、オタクの憧れの塊、だ。
 その感情は、一般的な地球人の心境a~dともちょっと違っていた。
 憧れているけど、ミーハー目的だけじゃない。(≠d)、どちらかというと、cが一番近い。
 興味を持って、好意的に付き合いたい。そして、交流を深めてお互いの知識を高めあい、有効な関係を築いていきたい。
 オタクは、割と考え方が柔軟で、好奇心も大せいだし、何より‥興味があることに勉強熱心だ。

 Happy nationの住民の中にも、僅かだが先進的で柔軟な思想を持つ者もいる。
「地球人に混じって、地球に潜伏して、地球の様子を調べる」
 という案が出た時、真っ先に名乗りを上げたのもそんな者たちだった。
 曰く。
「もし、この先、膜が完全に消失して、地球とHappy nationが一体となる日が来るかもしれない。その日の為に、地球のことをもっと知っておきたい」
 というのだ。
 彼らは、学者のように地球に興味を持っているが、学者とは違い、地球人を実験動物だとは思っていない。‥貴族たちには到底理解できない人種だろう。

 膜が完全に消失して、地球とHappy nationが一体となる日が来る?

 ‥そんな日が来るかと思ったら、ゾッとするが、‥備えておいて悪いことは無い。
 そんなこんなで「地球潜伏班」に選ばれたのは、
 a  地球に対して、悪い固定概念を持っていない
 b しかしながらHappy nationの民である誇りをもって、国に不利益をもたらすような行いをしない
 c 知的好奇心でもって、地球の知識をHappy nationに持ち帰り、国に利益をもたらせうる
「比較的顔が地味な」(←これ重要。目立ったらダメだからね)メンバーだった。
 地球には多民族が暮らしている。だから、Happy nation「地球潜伏班」が留学生として地球に潜伏して、地球人に混じるのは難しいことではなかった。

 でも、あるモノに対する行動において、確実にHappy nationの人ってわかることがある。
 ‥魔物が出た時に対応できるか否か、
 だ。
 魔物が出て、「きゃー」ではなく、非力なりにも、最初の一手がでたり、腰を抜かすことなく逃げられるのがHappy nationの民だ。なんといっても、見慣れてるから。それに、‥驚いて一歩が遅れるということは、死活問題なのだ。
 だから、Happy nationの民は、条件反射で最初の一歩が出る。悲鳴を上げる前に、その場からとりあえず逃げることができる。
 だけど、Happy nationの出身者とはいえ、勿論、皆が魔物を倒せるわけではない。倒せるのは、Happy nationの軍部の人たちだけだ。


 魔物を倒すのはHappy nationの人。

 その、「暗黙の了解」ルールを真っ向から否定したのは、勝手に決めつけられた側であるHappy nationの人ではなく、地球の‥そういう既存の考えにこだわらない、コアでアグレッシブで、柔軟な思想を持った、ある分野に対する情熱がやたらに凄い者たちだった。

 ‥先にあげた、所謂「オタク」という人種である。

 格闘オタク、ゲームオタクといった分野でオタクな人たち。
 自分の筋肉で、ある程度のことはできるって信じて疑わない「心の強い」人たち。
 彼らはそのパッションに突き動かされて、Happy nationの軍人たちに「弟子入り」して、自分たちの力で色々対抗しようとしているというのだ。

 ‥オタクは凄いな。何事でも、パッションを持って追及するってことは‥凄い。


 が。
 今、俺の目の前で魔物に狙われているのは‥
 Happy nationの人ではない。アグレッシブでパッション溢れるオタクな脳筋でもない。
 地球のか弱い一般女性だ。
 彼女は‥、俺の親友の嫁さんであり、かっては同じ学校で机を並べた同級生で10年来の知り合いである遠野‥ああ、今は牧野だった‥桜子さん。
 今は一児の母親をしている普通の主婦だ。
 驚き過ぎて動けないのだろう。彼女の足は地面に縫い付けられたかのように動かない。
 大声を上げることも出来ず、自分の丈ほどもある魔物を見上げている。
 俺の位置からは彼女の表情までは見えないが、きっと絶望に染まった表情をしているのだろう。
 右手に自分の息子、左手の子供は‥彼女の知り合いの娘であるらしい息子と同級生の女の子。両手がふさがっているうえに、子供連れだったら、速く走ることも出来ないだろう。
 まさに絶体絶命の状態だった。
 
 危ない‥っ!

 だけど、‥動けないのは彼女だけではなかった。俺もまた、声を出すことも出来ず、手どころか、足も出すことが出来ずにその場で立ち尽くしていた。
 魔物も、‥魔物に襲われる人も、そんな光景も、見慣れたつもりでいた。だけど、‥「見ないふりをすることに」慣れただけだったのだ。だから、今、自分の足で一歩踏み出そうとしても、‥俺の足は固まったようにそこから動けなかった。
 今動いたら、魔物の関心は自分に移り、桜子さんを逃がすことは出来るかもしれない。
 顔を知っているよしみとして‥それ以前に男ならそうするべきだろう。
 ‥そう思っているのに、‥動けない。
 もしかして、これが自分の事だったら、‥狙われているのが自分だったら、それでもあがこうと、‥足ぐらいは動いたんだろうか。
 ‥だとしたら、嫌だな。
 ‥こういう時、自分の「汚さ」「弱さ」を再認識させられる。

 魔物の手が振り上げられ‥そのまま下に勢いよく振り下ろされる。

 俺は、思わず目を瞑った。
 思わずというか‥条件反射だった。
 魔物も見慣れて来たし、‥魔物の血にも耐性は出来た。
 だけど、やっぱり目の前で知り合いが魔物に殺される瞬間は見てられなかった、
 条件反射で、‥必死に目を瞑った。
 何なら、耳も塞いで、「終わるの」を待った。
 俺は、‥いつでも、余りにも無力だったんだ。

 やっぱり。
 ‥悲鳴一つ出なかった。

 次に目を開けると、そこは血の海‥ではなかった。
 口元を血に染めた魔物の姿も‥見えない。
 そもそも、魔物の跡形も、ない。
 そこにいたのは、拳を血で染めた女の子‥何故か恍惚とした表情を浮かべていた‥と、ゴボウを手に持った親友の嫁。その後ろで、無表情でただ立っている親友の息子だった。

 幼いその少女の恍惚とした表情‥それは、まるで血に飢えた獣が久し振りに獲物を得た様な‥心底満足した様な表情だった。
 ニヤリ‥と獰猛な肉食動物の視線をを自らの血だらけの拳に向け、満足そうにそれをフェイスタオルでふき取っている。親友の息子‥たしか「翔君」だ‥は女児のその動作に眉を寄せて、だけど「後で手を洗っておけよ」とまるで何でもない様な顔で言うと、何の興味もないように、またさっきまで読んでいた本に視線を戻した。
 親友の嫁は、それすら興味がないといった顔で、二三回ゴボウを振ると、買い物袋にしまった。

 ‥何があったんだ?

 気のせいだったのか?

 ふと、俺は親友が何日か前に、ぼそり、と俺に漏らした愚痴を思い出していた。

「子供が生まれた後から、妻が女ではない様な気がして来て、生理的に受け付けない‥」

 彼は言っていたではないか。
 だけど、俺は何て言った? 

「まあ、子供が産まれたら妻も母親って感じになって、女として感じられなくなるわなあ」
 って
「よくあることさ」
 って‥。

 あれは、‥女というか‥、地球の人間なんだろうか?
 それは、彼女だけでなく、彼女の子供も、だ。
 血に汚れた拳を見つめ、恍惚とした表情を浮かべる少女。そして、表情一つ変えない少年。動じない桜子。そう‥三人は、悲鳴一つ上げなかった。
 ‥不気味だ。余りにも、‥不気味だ。

 彼女のことは、俺だって学生時代から知っている。顔だけは、だけど。
 成績が優秀で、いつでも笑顔で明るくて真面目。世間の評判がいい普通の学生だった。
 だけど、‥苦手だった。
 目を細めて笑う‥笑っている形をとっていて、だけど、ちっとも「笑っていない」瞳が苦手だった。
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