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三章 高遠 桜子
4.‥軽はずみでお願いなんて‥聞くもんじゃない。
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あのあと、もう‥困ったってもんじゃなかった。
授業とか勿論ついていけないし、クラスメイトとか分からないし‥。
サカマキさんの入れ替わり(?)当時の苦労を身をもって体感した。‥ってか‥そんなレベルじゃないよね??
結局1時間位で頭がショートして、移動教室で立とうとした途端に、バタンだ。
‥薄れゆく意識の中私が強く思ったのは‥
‥自分のことだのに、自分でどうにもできないなんて‥。
‥私、このままだったら、サカマキさんに乗っ取られる‥。
だった。
‥サカマキさんが私の方(← なんかおかしい)が‥皆にとって幸せなんじゃ‥なんて、
‥絶対言わないぞ!!
言うもんか。‥それを言った瞬間、‥自分が自分であることを諦めた瞬間、今までの人生なんだったんだ! ってなる。諦めるなんて言葉、絶対自分で言ってはいけない。
サカマキさんが、「私」だったのなんて、たかが8年弱。私が私だった時期の10年より短いんだからね!!
‥中身の濃さで言ったら、サカマキさんin私の方がずっと濃かったのは‥悔しいけど認めるわ‥。
だけど、‥3歳までとか、自分じゃなんにもできないんだから仕方がない‥よね‥?
そ‥そういう話をしてるわけじゃない。
水泳のこととか‥サカマキさんと私との違いは、そういうことじゃなくって‥努力をする気持ち、だ。
子供でなんにも知らなかった‥とかいうんだったら、サカマキさんなんてこの世界の常識すら知らなかったんだ。
サカマキさんにできたのに、私にできないはずがない。
それに‥水泳とか、空手?? とか、知識だけじゃなくって、体に記憶されてるものもある。
ちょっとコツをつかめば使えるようになるだろう。(← そうかなあ‥)
サカマキさんに騙されて利用されそうになってたなら、こっちも後腐れなく利用してやる‥位のこと思わなきゃね!!
利用‥。
そういえば、よくわかんないけど‥よく覚えてないんだけど、‥サカマキさんなんか言ってた。あの時、私が交通事故に遭って病院に運ばれて、意識が無くなりそうになった私に、‥私の意識に‥「お願い事を聞いて欲しい」って。
‥なんだっけ、お願い事。
ふと、「あの時のこと」を思い出した。
あの時、私は確かに、死にかけていたんだ。
お医者さんの
「植物状態になるかも‥」
って声が微かに聞こえた気がしたから、肉体ではなく、精神的に死にそうになっていたんだろう。
‥いや、違うな。精神的に、じゃない。精神と脳が一時的にリンクできなくなってた?? ‥サカマキさんは、「魂が傷ついている」って言ってたっけ。
このままだったら、死ぬよ~って。
私も、‥だろうな、って思った。
でも、諦めてない自分が確かに居たんだろう。
だから、私は、‥あんまり深く考えずにサカマキさんと「契約」した。(ってか、‥悪魔みたいだな、契約なんていったら)
でも、‥あながち間違った表現ではないだろう。だって‥
「これは‥でも、人助けではない。私は、主に頼みがあるのだ。それを聞いてくれるのであったら、私はお前の魂をお前が再びこの肉体とつながれるまで守ろう」
ってサカマキさんは言ったんだから。
交換条件ってやつだ。
「‥願いって? 」
幼く純真で、弱り切った私が首を傾げた。
ああ、この後、サカマキさんは何のお願いを私にしたのだっけ‥。あの、幼気で、人を疑うことなんてしない様な純粋可憐な少女の私に‥何のお願いをしたんだっけ。
「‥肉体を私に貸してほしいんだ」
そして、その理由が‥
「うん。何。結婚して、子供を二人産むだけのことだ」
‥これだ。
‥さっきも、言ってたね。結婚して子供が二人ほしいって‥。
はあぁあぁ~!?
うん。問題なく、いかがわしい。(※いや、問題はありまくりだ)
なんだ、肉体を貸すって。
なんだ、子供を産むって。‥しかも、私を孕ませるって宣言したよね? 子供になんてこと言うんだ。10歳じゃ子供は産めないから、自分で育てる‥的なことを言われてたのか?!
サカマキさんとの子供を産むってことか??
(ってことは、‥あの人は男の人ってこと?? ‥女の人みたいに綺麗だけど、男の人‥とかって、すごくいいよね!! )
私はあの時プロポーズをされてたってわけか??
ん~。いいかも? あんな綺麗な旦那様なら‥。
ってか、‥サカマキさんって、人間じゃないんだよね?? じゃあ、結婚とかできないんじゃ??
結婚はできないけど、子供だけってこと‥? それはちょっと‥。
ん? 違うな‥。子供を産む‥ん‥なんか違和感が‥。
あの時、サカマキさんはどんな顔してただろう。
そんな、‥下心満載ってか、‥いかがわしいこと言う様な顔をしてただろうか?
そして、‥私の脳裏に突如よみがえって来た、あのときの、サカマキさんの声。‥サカマキさんの泣きそうな顔。小さく震えたほっそい身体。
「正式には、‥子供として、二つの魂をこの世界に産み直す‥。頼む!! 大事な私の幼馴染たちなんだ!! 私のせいで‥私を庇って死んでしまって、なんとか魂だけは守ったが‥肉体は死滅させてしまった。‥あいつらに‥また再び会いたいんだ‥! 我が儘だって分かってる、だけど、‥あいつらがいなかったら私は‥」
その声は、悲壮で‥血を吐きそうな感じに聞こえた。
俯いて絞り出すように言うと、サカマキさんが顔を上げた。
サカマキさんの綺麗な‥綺麗な目が、不安そうに私を見上げた。
すがる様に‥
助けを請うように‥。
私はこの目に弱い。
‥あの時は、「あんなとき」だったし、‥ちょっと正常な判断なんかできなかったってのもあるんだけど‥でも、あんな目をされちゃ‥私は、正常な状態の時だったとしても‥きっと、「いいよ‥」って言ってしまっただろう。
あんな目、断れない。
私は‥っていうか、絶対あの目を断れる人間なんていないと思う。あの目を断れる人間なんて、すっごい冷たい奴だと思う。それこそ、人の心なんて持ち合わせてない、冷酷な悪魔(あとは、うちの母親みたいな「歴戦の主婦」。主婦のセールスマンに対する「いりません」「やりません」スキルはすごいよね)みたいな人間だけだと思う。
それっくらいの、レベル。
プロの刺客 VS 小学生 って感じ。
勝てるか!! て感じでしょ!?
ずるいよねえ‥。
でも、後悔はしてないんだよね~。
サカマキさん、「友達を助けたい‥」って言ってた。きっと私に生涯、自分の為にあんな顔してくれる様な友達なんて出来ないだろうし、きっと、友達のことであんな顔しないだろう。‥美佳ちゃんがそんなことになったら、きっと凄く悲しいし泣くだろうけど‥私に何かできることがあるとして‥あんな風に、他人に頼んだりできるだろうか。
絶対断られるって分かってる、そんな「お願い事」。
断られるの、怖いのに‥嫌だのに‥、だけどそんなことお構いなしに、がむしゃらに‥。
もしね、それが自分一人が頑張ればできることなら、やると思うの。でも、その為に誰か‥全然知らない誰かを巻き込まなくちゃならない‥ってなったら。‥私はきっと、言えない。
迷惑かけたくない、ってのは勿論だけど‥自分の身勝手を人に押し付けて、そしてそのことでその人に‥非難されるのが、‥怖い。
きっと、それが一番の理由。
「なんであんたの友達の為に私が何かをしなくちゃなんないのよ。‥私にそんな義理ないよね? だのに、断ったら、なんか「冷たかったかな」って私は罪悪感感じなきゃなんないのよ? 最悪じゃない? 」
って言われるの、嫌だよ‥。
「私は確かにそんなことでは死なない。だけど、アンタの言い分だったら、あなたが我慢すればさえ、その子は助かるのに、あなたは冷たい人ね。っていうことになるよね? ‥私が悪いの? 」
‥その子は、きっとそう思うし、‥言う。
‥怖いよ。
最悪だ。
でも、そんなことサカマキさんは考えなかった。
‥考えられない程に友達のことで心がいっぱいだった。(※ただ単に、そんなこと考えもつかなかっただけ)きっと、眠る私を見て罪悪感も感じただろう。(※勿論感じていない)
羨ましいや。
‥リア充ってか、ホントの友情万歳って感じだ。
あの時、流された私‥悪いことじゃない。
冷静な‥通常の状態だったら絶対断ってた。それこそ、咄嗟に。普通に。それで、‥きっと後悔してた。後悔して、でも、冷たい奴って自分の事認めたくないから「当たり前じゃん。みんな断る」って言い訳して‥、そのサカマキさんの死んでしまうであろう友達を想像して、‥罪悪感感じたりしただろう。
でも、罪悪感は感じるけど、「私は冷たくない。だって、後悔してる。ホントに冷たい人だったら、絶対公開もしない」とか自分に言い聞かせたりするんだ。
‥ってか、断ったら死んでたか。
ああ、そうだった。断ったら死んでた。死んでた‥ってか、予定通り植物人間コースだった。サカマキさんは、お願いを聞いてくれるほかの人間を探しに行って‥、そうしてる間に私は、out。で、‥サカマキさんもきっと、時間切れでout。
最悪の事態じゃないか‥。
私は、咄嗟にいい決断をした。
子供かあ‥。
子供っていったら‥一人じゃ出来ないわなあ。‥で、結婚。
私は、私とサカマキさんの子供だって思ったんだけど、‥どうやら違うみたいだな。今みたいな感じで‥私inサカマキさんって状態で「産む」って言ってるんだよね? なんでだろ??
それで、その相手をサカマキさんは「優しくって、ちっちゃくて、あんまり身長が大きくなくって、草食系」がいいって言った。(で、やたらマッチョは嫌だと)‥マッチョ、よっぽどやなんだね。
‥そういうことするのに、マッチョが嫌だ。サカマキさんの趣味の話なんだろう。‥それども、生まれた子供の顔の話かな?? お友達は、ちっちゃくて可愛いタイプの子だったってことかな??
‥てか、友達を産み直すって、‥どうやるんだ? 遺伝子レベルの話か? 私の胎内にいる間に、友達の魂的なものをいれるのか?? 男とか女とかの産み分けどうする気だ??
いや‥どういうことかさっぱ‥わからんが。なんか嫌だ‥。
じわじわ嫌な気持ちになってきた。
普通に当たり前に、嫌だ。
人体実験とか‥(だって、そうだよね!? そうとしか思えない‥)どう考えても、‥嫌だ。
さっき、腹を決めた的なことを言ったが‥無理だ。
絶対、絶対無理だ~(泣)。
私は、あの時契約した相手が神様ではなく、悪魔だったってことにようやく気付いた。
授業とか勿論ついていけないし、クラスメイトとか分からないし‥。
サカマキさんの入れ替わり(?)当時の苦労を身をもって体感した。‥ってか‥そんなレベルじゃないよね??
結局1時間位で頭がショートして、移動教室で立とうとした途端に、バタンだ。
‥薄れゆく意識の中私が強く思ったのは‥
‥自分のことだのに、自分でどうにもできないなんて‥。
‥私、このままだったら、サカマキさんに乗っ取られる‥。
だった。
‥サカマキさんが私の方(← なんかおかしい)が‥皆にとって幸せなんじゃ‥なんて、
‥絶対言わないぞ!!
言うもんか。‥それを言った瞬間、‥自分が自分であることを諦めた瞬間、今までの人生なんだったんだ! ってなる。諦めるなんて言葉、絶対自分で言ってはいけない。
サカマキさんが、「私」だったのなんて、たかが8年弱。私が私だった時期の10年より短いんだからね!!
‥中身の濃さで言ったら、サカマキさんin私の方がずっと濃かったのは‥悔しいけど認めるわ‥。
だけど、‥3歳までとか、自分じゃなんにもできないんだから仕方がない‥よね‥?
そ‥そういう話をしてるわけじゃない。
水泳のこととか‥サカマキさんと私との違いは、そういうことじゃなくって‥努力をする気持ち、だ。
子供でなんにも知らなかった‥とかいうんだったら、サカマキさんなんてこの世界の常識すら知らなかったんだ。
サカマキさんにできたのに、私にできないはずがない。
それに‥水泳とか、空手?? とか、知識だけじゃなくって、体に記憶されてるものもある。
ちょっとコツをつかめば使えるようになるだろう。(← そうかなあ‥)
サカマキさんに騙されて利用されそうになってたなら、こっちも後腐れなく利用してやる‥位のこと思わなきゃね!!
利用‥。
そういえば、よくわかんないけど‥よく覚えてないんだけど、‥サカマキさんなんか言ってた。あの時、私が交通事故に遭って病院に運ばれて、意識が無くなりそうになった私に、‥私の意識に‥「お願い事を聞いて欲しい」って。
‥なんだっけ、お願い事。
ふと、「あの時のこと」を思い出した。
あの時、私は確かに、死にかけていたんだ。
お医者さんの
「植物状態になるかも‥」
って声が微かに聞こえた気がしたから、肉体ではなく、精神的に死にそうになっていたんだろう。
‥いや、違うな。精神的に、じゃない。精神と脳が一時的にリンクできなくなってた?? ‥サカマキさんは、「魂が傷ついている」って言ってたっけ。
このままだったら、死ぬよ~って。
私も、‥だろうな、って思った。
でも、諦めてない自分が確かに居たんだろう。
だから、私は、‥あんまり深く考えずにサカマキさんと「契約」した。(ってか、‥悪魔みたいだな、契約なんていったら)
でも、‥あながち間違った表現ではないだろう。だって‥
「これは‥でも、人助けではない。私は、主に頼みがあるのだ。それを聞いてくれるのであったら、私はお前の魂をお前が再びこの肉体とつながれるまで守ろう」
ってサカマキさんは言ったんだから。
交換条件ってやつだ。
「‥願いって? 」
幼く純真で、弱り切った私が首を傾げた。
ああ、この後、サカマキさんは何のお願いを私にしたのだっけ‥。あの、幼気で、人を疑うことなんてしない様な純粋可憐な少女の私に‥何のお願いをしたんだっけ。
「‥肉体を私に貸してほしいんだ」
そして、その理由が‥
「うん。何。結婚して、子供を二人産むだけのことだ」
‥これだ。
‥さっきも、言ってたね。結婚して子供が二人ほしいって‥。
はあぁあぁ~!?
うん。問題なく、いかがわしい。(※いや、問題はありまくりだ)
なんだ、肉体を貸すって。
なんだ、子供を産むって。‥しかも、私を孕ませるって宣言したよね? 子供になんてこと言うんだ。10歳じゃ子供は産めないから、自分で育てる‥的なことを言われてたのか?!
サカマキさんとの子供を産むってことか??
(ってことは、‥あの人は男の人ってこと?? ‥女の人みたいに綺麗だけど、男の人‥とかって、すごくいいよね!! )
私はあの時プロポーズをされてたってわけか??
ん~。いいかも? あんな綺麗な旦那様なら‥。
ってか、‥サカマキさんって、人間じゃないんだよね?? じゃあ、結婚とかできないんじゃ??
結婚はできないけど、子供だけってこと‥? それはちょっと‥。
ん? 違うな‥。子供を産む‥ん‥なんか違和感が‥。
あの時、サカマキさんはどんな顔してただろう。
そんな、‥下心満載ってか、‥いかがわしいこと言う様な顔をしてただろうか?
そして、‥私の脳裏に突如よみがえって来た、あのときの、サカマキさんの声。‥サカマキさんの泣きそうな顔。小さく震えたほっそい身体。
「正式には、‥子供として、二つの魂をこの世界に産み直す‥。頼む!! 大事な私の幼馴染たちなんだ!! 私のせいで‥私を庇って死んでしまって、なんとか魂だけは守ったが‥肉体は死滅させてしまった。‥あいつらに‥また再び会いたいんだ‥! 我が儘だって分かってる、だけど、‥あいつらがいなかったら私は‥」
その声は、悲壮で‥血を吐きそうな感じに聞こえた。
俯いて絞り出すように言うと、サカマキさんが顔を上げた。
サカマキさんの綺麗な‥綺麗な目が、不安そうに私を見上げた。
すがる様に‥
助けを請うように‥。
私はこの目に弱い。
‥あの時は、「あんなとき」だったし、‥ちょっと正常な判断なんかできなかったってのもあるんだけど‥でも、あんな目をされちゃ‥私は、正常な状態の時だったとしても‥きっと、「いいよ‥」って言ってしまっただろう。
あんな目、断れない。
私は‥っていうか、絶対あの目を断れる人間なんていないと思う。あの目を断れる人間なんて、すっごい冷たい奴だと思う。それこそ、人の心なんて持ち合わせてない、冷酷な悪魔(あとは、うちの母親みたいな「歴戦の主婦」。主婦のセールスマンに対する「いりません」「やりません」スキルはすごいよね)みたいな人間だけだと思う。
それっくらいの、レベル。
プロの刺客 VS 小学生 って感じ。
勝てるか!! て感じでしょ!?
ずるいよねえ‥。
でも、後悔はしてないんだよね~。
サカマキさん、「友達を助けたい‥」って言ってた。きっと私に生涯、自分の為にあんな顔してくれる様な友達なんて出来ないだろうし、きっと、友達のことであんな顔しないだろう。‥美佳ちゃんがそんなことになったら、きっと凄く悲しいし泣くだろうけど‥私に何かできることがあるとして‥あんな風に、他人に頼んだりできるだろうか。
絶対断られるって分かってる、そんな「お願い事」。
断られるの、怖いのに‥嫌だのに‥、だけどそんなことお構いなしに、がむしゃらに‥。
もしね、それが自分一人が頑張ればできることなら、やると思うの。でも、その為に誰か‥全然知らない誰かを巻き込まなくちゃならない‥ってなったら。‥私はきっと、言えない。
迷惑かけたくない、ってのは勿論だけど‥自分の身勝手を人に押し付けて、そしてそのことでその人に‥非難されるのが、‥怖い。
きっと、それが一番の理由。
「なんであんたの友達の為に私が何かをしなくちゃなんないのよ。‥私にそんな義理ないよね? だのに、断ったら、なんか「冷たかったかな」って私は罪悪感感じなきゃなんないのよ? 最悪じゃない? 」
って言われるの、嫌だよ‥。
「私は確かにそんなことでは死なない。だけど、アンタの言い分だったら、あなたが我慢すればさえ、その子は助かるのに、あなたは冷たい人ね。っていうことになるよね? ‥私が悪いの? 」
‥その子は、きっとそう思うし、‥言う。
‥怖いよ。
最悪だ。
でも、そんなことサカマキさんは考えなかった。
‥考えられない程に友達のことで心がいっぱいだった。(※ただ単に、そんなこと考えもつかなかっただけ)きっと、眠る私を見て罪悪感も感じただろう。(※勿論感じていない)
羨ましいや。
‥リア充ってか、ホントの友情万歳って感じだ。
あの時、流された私‥悪いことじゃない。
冷静な‥通常の状態だったら絶対断ってた。それこそ、咄嗟に。普通に。それで、‥きっと後悔してた。後悔して、でも、冷たい奴って自分の事認めたくないから「当たり前じゃん。みんな断る」って言い訳して‥、そのサカマキさんの死んでしまうであろう友達を想像して、‥罪悪感感じたりしただろう。
でも、罪悪感は感じるけど、「私は冷たくない。だって、後悔してる。ホントに冷たい人だったら、絶対公開もしない」とか自分に言い聞かせたりするんだ。
‥ってか、断ったら死んでたか。
ああ、そうだった。断ったら死んでた。死んでた‥ってか、予定通り植物人間コースだった。サカマキさんは、お願いを聞いてくれるほかの人間を探しに行って‥、そうしてる間に私は、out。で、‥サカマキさんもきっと、時間切れでout。
最悪の事態じゃないか‥。
私は、咄嗟にいい決断をした。
子供かあ‥。
子供っていったら‥一人じゃ出来ないわなあ。‥で、結婚。
私は、私とサカマキさんの子供だって思ったんだけど、‥どうやら違うみたいだな。今みたいな感じで‥私inサカマキさんって状態で「産む」って言ってるんだよね? なんでだろ??
それで、その相手をサカマキさんは「優しくって、ちっちゃくて、あんまり身長が大きくなくって、草食系」がいいって言った。(で、やたらマッチョは嫌だと)‥マッチョ、よっぽどやなんだね。
‥そういうことするのに、マッチョが嫌だ。サカマキさんの趣味の話なんだろう。‥それども、生まれた子供の顔の話かな?? お友達は、ちっちゃくて可愛いタイプの子だったってことかな??
‥てか、友達を産み直すって、‥どうやるんだ? 遺伝子レベルの話か? 私の胎内にいる間に、友達の魂的なものをいれるのか?? 男とか女とかの産み分けどうする気だ??
いや‥どういうことかさっぱ‥わからんが。なんか嫌だ‥。
じわじわ嫌な気持ちになってきた。
普通に当たり前に、嫌だ。
人体実験とか‥(だって、そうだよね!? そうとしか思えない‥)どう考えても、‥嫌だ。
さっき、腹を決めた的なことを言ったが‥無理だ。
絶対、絶対無理だ~(泣)。
私は、あの時契約した相手が神様ではなく、悪魔だったってことにようやく気付いた。
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