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26.僕の周りの人。
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そんな‥嫌な感じで目が覚めた。
クラシルさんはまだ眠っている。
穏やかで‥安心しきった寝顔がいつも通り麗しい‥。
その顔を見て、安心して‥昨日の夢を想い出し、むかむかした。
歪んだ小さい子の話だ。
言い訳を言ったり、人のせいにしたり‥、自分より能力の劣る人間を探して‥馬鹿にしたり、安心したり。
人は自分を守る為に人を見下したり、陥れたりする‥。
‥むかむかしたけど、でも、これは特別な話でもない。
よくある話だ。
機会やタイミング、財力、マンパワー‥それらが一つでもかけていると実現不可能なことではあるが、こころの中では皆一度は思ったことがあるだろう。
成功している人を憎らしく思い気持ち、‥それを邪魔して‥成り代わってやりたいって思う気持ち。
そして、もうひとつ思い出した昨日のあの子の言葉‥。
貴方がいなくなって悲しくて悲しくて仕方ない子。それこそ‥貴方を追いかけて死んでしまいたいって思ってるくらいにね。きっと、貴方に会えるって言ったら、ここに来る
‥そんな子いるかな。
しかも、その子は僕に対して恋愛感情なんてこれっぽっちもないらしい。
‥幼馴染の高崎?
あいつなら、僕に恋愛感情なんてこれっぽっちもないに当てはまる‥
けど‥同時に、アイツは絶対に僕を追いかけて死んでしまいたいなんて思わない。‥思う理由がない。
ってことは‥家族?
母さん‥は違うかな。
僕がいなくなっても‥兄さんたちがいる。兄さんたちの為にも絶対死ねないって思うタイプだ。
死んでしまった僕より、生きてる兄さんたち。
当たり前だよ。
っていうか‥母さんは‥多分僕が苦手。
母さんも‥母さんは僕に隠してるんだろうけど‥隠せてるって思ってるんだろうけど‥隠せてない。上の兄さんや下の兄さんに対しては見せない‥僕に対する「ごめんね」って顔。知ってるんだよ。分かるんだ。「こんな顔に産んでしまってごめんね」? それとも「ちょっと違和感があるわ‥って顔してしまった‥ごめんね」? ‥どっちでもいい、隠されるのが‥「僕に悪い」って思われるのが一番傷つくよ。
「目はお父さんに似てる。顔の丸さと髪の毛の色はお母さん似ね。俊哉はお父さんともお母さんとも似てるのね」
ってばあちゃんが言ってくれたの。‥ホントに嬉しかった。
ばあちゃんは死んじゃったけど、‥一番好きだった。ばあちゃんも僕のこと一番可愛がってくれた。(末っ子でどん臭くて‥きっと一番可愛げがあったから)
きっと、ばあちゃんなら僕が死んじゃったら「老い先短い私を置いて行くなんて‥」って「追いかけて死んでしまいたい」って思ってもおかしくない感じ。
でも、ばあちゃんはもう死んじゃってる。
それに、ばあちゃんじゃ王子様のお相手にはならないよね。
兄さんたちは‥僕がいなくても関係なさそう。(僕が死んで号泣する二人なんて想像できない。嫌いではなかっただろうが、きっとそこまでではない)
父さんは‥どうだろ。普通に寂しがるかな。
だけど‥気付けば
あの国に僕のことを‥ホントに「大好き」って言ってくれる人なんて、居なかったんだなあ‥。
「俊哉? おはよう。起きてたんだな」
目を覚まして、僕と目が合って、にっこり微笑むクラシルさん。
僕は慌ててフードを被って、クラシルさんに抱きつく。
「おはようございます‥! 」
寝ころんだまま抱き合うのって凄く好き。
全身で触れ合えてるって感じがするし、あったかくって、安心する。
‥好き。大好き。
顔も勿論大好きだけど‥身体中好き。
そう思って‥もっとぎゅっと抱きついた。
クラシルさんは
「どうした? 」
って微笑み、フード越しに僕の頭を撫ぜてくれた。顔を隠すために頭からフードをかぶってるんだから仕方がないけど‥撫ぜられるのもフード越し‥それはちょっともどかしい。
クラシルさんからは
「俺の前ではフードを被らないでもいいのに」
っていつも言われるけど‥これはもう僕の習慣だ。
好きな人には綺麗な姿を見せたい。って女の子が化粧をするのと、多分同じ感覚。
クラシルさんには「ありのままの自分」が見せたいんじゃなくて、顔じゃなくて‥こころを見て欲しい。
やっぱり「‥こけしだな」とか一瞬でも思われたくない。
クラシルさんの頭から僕の顔の記憶なんて‥ホントに消えてしまって欲しい。
顔が綺麗だったら誰かに愛されたかな、とか‥もう考えたくない。
こんな顔だから皆に正当に評価されない‥とか、もう悔みたくない。
だけど、僕はクラシルさんの顔が大好きだってことはこれからも伝えていきたい。
だってそれは僕にとっては真実なわけだから。
悪口じゃなくって、それがいい言葉で、心からの言葉だったら‥どんどん伝えた方がいいもんね。
僕はこの先も‥容姿のことでは褒められたりすることはない。
異世界に来てもそれは変わらなかった。それはちょっと残念だったのは‥でもホントだ。
僕だって
「カッコイイ」
とか言われてみたい。
「可愛い」
は‥ちょっと微妙だけどね。(兄さんが可愛いって言われて嫌がってたのを見てきて「確かに男としてそれはどうかな」って思ったから、多分、僕も可愛いって言われるよりかは‥カッコイイって言われたいかな)
だけど、もういい。
皆に褒めてもらえなくても‥愛する人にさえも言われなくても‥僕はもう、悲しくない。
だって‥兄さんじゃないけど、年取って顔なんか関係なくなった時も一緒に居たいって言われる方が最高じゃないかって‥そんな人を見つけたからこそ思えるんだ。
クラシルさんはまだ眠っている。
穏やかで‥安心しきった寝顔がいつも通り麗しい‥。
その顔を見て、安心して‥昨日の夢を想い出し、むかむかした。
歪んだ小さい子の話だ。
言い訳を言ったり、人のせいにしたり‥、自分より能力の劣る人間を探して‥馬鹿にしたり、安心したり。
人は自分を守る為に人を見下したり、陥れたりする‥。
‥むかむかしたけど、でも、これは特別な話でもない。
よくある話だ。
機会やタイミング、財力、マンパワー‥それらが一つでもかけていると実現不可能なことではあるが、こころの中では皆一度は思ったことがあるだろう。
成功している人を憎らしく思い気持ち、‥それを邪魔して‥成り代わってやりたいって思う気持ち。
そして、もうひとつ思い出した昨日のあの子の言葉‥。
貴方がいなくなって悲しくて悲しくて仕方ない子。それこそ‥貴方を追いかけて死んでしまいたいって思ってるくらいにね。きっと、貴方に会えるって言ったら、ここに来る
‥そんな子いるかな。
しかも、その子は僕に対して恋愛感情なんてこれっぽっちもないらしい。
‥幼馴染の高崎?
あいつなら、僕に恋愛感情なんてこれっぽっちもないに当てはまる‥
けど‥同時に、アイツは絶対に僕を追いかけて死んでしまいたいなんて思わない。‥思う理由がない。
ってことは‥家族?
母さん‥は違うかな。
僕がいなくなっても‥兄さんたちがいる。兄さんたちの為にも絶対死ねないって思うタイプだ。
死んでしまった僕より、生きてる兄さんたち。
当たり前だよ。
っていうか‥母さんは‥多分僕が苦手。
母さんも‥母さんは僕に隠してるんだろうけど‥隠せてるって思ってるんだろうけど‥隠せてない。上の兄さんや下の兄さんに対しては見せない‥僕に対する「ごめんね」って顔。知ってるんだよ。分かるんだ。「こんな顔に産んでしまってごめんね」? それとも「ちょっと違和感があるわ‥って顔してしまった‥ごめんね」? ‥どっちでもいい、隠されるのが‥「僕に悪い」って思われるのが一番傷つくよ。
「目はお父さんに似てる。顔の丸さと髪の毛の色はお母さん似ね。俊哉はお父さんともお母さんとも似てるのね」
ってばあちゃんが言ってくれたの。‥ホントに嬉しかった。
ばあちゃんは死んじゃったけど、‥一番好きだった。ばあちゃんも僕のこと一番可愛がってくれた。(末っ子でどん臭くて‥きっと一番可愛げがあったから)
きっと、ばあちゃんなら僕が死んじゃったら「老い先短い私を置いて行くなんて‥」って「追いかけて死んでしまいたい」って思ってもおかしくない感じ。
でも、ばあちゃんはもう死んじゃってる。
それに、ばあちゃんじゃ王子様のお相手にはならないよね。
兄さんたちは‥僕がいなくても関係なさそう。(僕が死んで号泣する二人なんて想像できない。嫌いではなかっただろうが、きっとそこまでではない)
父さんは‥どうだろ。普通に寂しがるかな。
だけど‥気付けば
あの国に僕のことを‥ホントに「大好き」って言ってくれる人なんて、居なかったんだなあ‥。
「俊哉? おはよう。起きてたんだな」
目を覚まして、僕と目が合って、にっこり微笑むクラシルさん。
僕は慌ててフードを被って、クラシルさんに抱きつく。
「おはようございます‥! 」
寝ころんだまま抱き合うのって凄く好き。
全身で触れ合えてるって感じがするし、あったかくって、安心する。
‥好き。大好き。
顔も勿論大好きだけど‥身体中好き。
そう思って‥もっとぎゅっと抱きついた。
クラシルさんは
「どうした? 」
って微笑み、フード越しに僕の頭を撫ぜてくれた。顔を隠すために頭からフードをかぶってるんだから仕方がないけど‥撫ぜられるのもフード越し‥それはちょっともどかしい。
クラシルさんからは
「俺の前ではフードを被らないでもいいのに」
っていつも言われるけど‥これはもう僕の習慣だ。
好きな人には綺麗な姿を見せたい。って女の子が化粧をするのと、多分同じ感覚。
クラシルさんには「ありのままの自分」が見せたいんじゃなくて、顔じゃなくて‥こころを見て欲しい。
やっぱり「‥こけしだな」とか一瞬でも思われたくない。
クラシルさんの頭から僕の顔の記憶なんて‥ホントに消えてしまって欲しい。
顔が綺麗だったら誰かに愛されたかな、とか‥もう考えたくない。
こんな顔だから皆に正当に評価されない‥とか、もう悔みたくない。
だけど、僕はクラシルさんの顔が大好きだってことはこれからも伝えていきたい。
だってそれは僕にとっては真実なわけだから。
悪口じゃなくって、それがいい言葉で、心からの言葉だったら‥どんどん伝えた方がいいもんね。
僕はこの先も‥容姿のことでは褒められたりすることはない。
異世界に来てもそれは変わらなかった。それはちょっと残念だったのは‥でもホントだ。
僕だって
「カッコイイ」
とか言われてみたい。
「可愛い」
は‥ちょっと微妙だけどね。(兄さんが可愛いって言われて嫌がってたのを見てきて「確かに男としてそれはどうかな」って思ったから、多分、僕も可愛いって言われるよりかは‥カッコイイって言われたいかな)
だけど、もういい。
皆に褒めてもらえなくても‥愛する人にさえも言われなくても‥僕はもう、悲しくない。
だって‥兄さんじゃないけど、年取って顔なんか関係なくなった時も一緒に居たいって言われる方が最高じゃないかって‥そんな人を見つけたからこそ思えるんだ。
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