この世界では僕が思うイケメンはイケメンとは言われない様です。

文月

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3.理解は早い方なんです。

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 って思ったのに、‥気が付いたら知らないところにいる。
 頬に当たる風とか、街の匂いがリアルで、ここが夢の中でないってすぐ実感できた。
 周りに容姿が整った人たちがたくさんいる‥所謂外国人系の(所謂って何じゃ)世界らしい。
 目が青い、緑‥赤とかもいる。
 髪が金、銀、‥青とか赤もいる。
 絶対染めてない。これ全部地毛。
 異世界確定。

 何、これ昨今流行りの異世界転移? 
 ‥どっちかというと異世界転生で別の人間として生まれ変わりたかったなあ。

 僕は、昔からああいう状態だったから、理解も早いし‥何より、諦めるのも早いんだ。
 18年もああいう状態で生きてきて、理解も諦めも遅いとかじゃ、もう地獄だよ。
 速やかに状況把握、嘆かず、変に騒がず。多くを求めず諦めて、自分にとって「ホントに大事なことなにか」って考える。‥人の気持ち‥特に「自分に求められてる役割」なんか推測したって仕方ないからね。
 そんなことしてたら「じゃあ、僕なんてここから消えてしまった方がいいよね」って極論にすぐに達しちゃうよ!
 見苦しい僕は‥家族の中で異分子の僕は消えますねって。それがみんなの望みだから。 
 だけどね、それで僕が家出とかしたら、家族に迷惑かける。
 そんなのは、嫌だ。
 僕が大事なのは「他の皆」じゃなくて、家族だ。
 諦めるのと、自暴自棄になるのは違う。絶望と、思考放棄は違う。
 多くは望まないけど、自棄にならず、何をするのが正しいのか正確な判断をする。それも、悪目立ちしないようにひっそりと速やかに、だ。
 結局それが一番いいんだ。

 誰かに助けてもらいたい、なんて‥考えても無駄なんだ。

 そんな練習(メントレ)しておいてよかった。そのおかげで、今も僕は大して取り乱したりせず、次の行動を考えられている。
 死んで、なぜかこんなところに飛ばされてる。‥じゃあ、仕方ないから何とかするかあって‥
 状況把握して、今後のことを考えることが出来てる。

 状況把握:ここは異世界で、僕は転移してきた異世界人だけど‥どうやら、まだここの人たちは僕に気付いていない様だ。
 あと‥髪の色その他は違うものの、そう姿かたちに違いは無いよう。‥獣人やらエルフみたいな「異種族」も‥ぱっと見はいないみたい。
 つまり、僕は地球と同様「容姿は良くないものの、別に種族的には変わりない」って状況だってことだ。

 問題は‥どれくらい目立つか、だな。

 日本のド田舎のじいちゃんばあちゃんしかいないところに若い外国人が一人来たら‥「あ、外国の人だ‥若い人だね」ってめちゃ目立つけど、都会に外国人がいても‥全然目立たない。
 そのどちらだ? って話だ。
 見たところ‥黒はいないが、茶色の髪の者はいる。年齢的にそう偏りもない様だ。
 良かった~僕は「なんだこの色! 異世界人だな!? 」って身バレするような色じゃない‥けど、まあ‥周りよりずっと「あっさりした」顔だから‥問題はそこだな。
「こんな顔の奴、見たことない。‥突然変異か異世界人か? 」
 ってなるかも。そうなったら
「醜いけど、異世界人は珍しい。売れば金になる」
 とかになる‥かも??
 ありそう。‥絶対嫌だ。見世物とか、絶対嫌だ。絶対、飽きたら捨てられるんだろ?? 「物珍しさで買って来たけど、世話すんのも面倒くせいな、殺すか」ってなるのは‥困る! 
 だから、僕は慌てて人が沢山いるメインストリート(多分)から離れ、路地に飛び込んだ。
 ダウンタウンって感じかな? ここは、さっきの場所と比べて、明らかに治安が悪そうだ。
 ローブで顔を隠した人間が沢山いる。さっきは気が付かなかったけど、ここの人たちはさっきいた青やら赤やらの人たちよりずいぶんとガタイが良さそう。身長も大きいし、体型も「マッチョ」って人ばかりだ。きっと、ガテン系の仕事をしてる人たちなんだろう。筋肉隆々の‥山の様な大男たちだ。‥ちょっと怖い。絶対目を合わせたくない。ってか、‥僕もローブが欲しい。周りを見回して僕はそこら辺の足元で酔っ払って寝ていた兄ちゃんからローブをかっぱらった。

 ごめんなさい! 
 絶対お金を稼いで自分でローブを買ってから貴方に返しに来ますから! いや、勿論買った方をお返ししますよ!? そりゃあ! 

 だけど‥今は‥ごめんなさい! 
 慌ててローブを被る。
 はい、あっという間にここらの人に‥うん、分かる混じれてない。
 顔は隠せても体型が違うわ~。
 ‥子供。子供判定でお願いします。
 ここらの子どもですよ~。
 そんな感じで行こう‥
 兎に角この酔っ払いが起き出すうちに離れよう‥
 ‥と思ったら、さっきまで転がってた酔っ払いに‥酔っぱらって、ない! 寝てただけ?? え、でも、ホームレスじゃない感じ。お風呂入ってそう。それに‥え!? 見たことないくらいイケメン!!

「坊主、いい度胸だな。寝てる奴からローブをかっぱらうとか‥」

 イケメンがため息をついて、僕に横に座るよう指示する。‥だよね、腕を引っ張ってるから。そういうことだよね。説教しますよって話だよね?? 
 横に座ると、ちょっと驚いたような表情をされた。
 あれ、横に座れ、じゃなかった? どういう意味だったんだろ。‥まあ、いいや。謝ろう。まず謝ろう。

「すいませんでした! 僕‥顔を隠したかったんですけど、ローブっていうんですか? これ‥持ってなくて‥お金もないから買えなくて! 悪いのは分かってたんですけど! ホントにすみません! 僕がお金を稼いで買えるようになるまで貸していただけないでしょうか!? 」
 因みに、どうやってお金を稼ぐか‥とか現在はNOプラン。
 まあ‥だって、無理だよね? 来て数分でそんなの、無理だ。
 だけど、大人として持ち逃げとか‥出来ないよね。
 正直に話すしかないでしょ。
 その結果、
「知るか! 返せ! 」って言われても仕方ない‥って思ったら、イケメンはまたさっきより更に目を見開いて
「驚いた‥。子供かと思ったら‥ずいぶんとしっかり喋るんだな。坊主、何歳だ? 」 
 って聞いて来たんだ。
 ‥ここ、未成年はちょっと減刑とかある??
 いやいやいやいや‥
 ここは男らしく‥
「18です」
「え! 大人なの!? 18でその身長‥」
 信じられん‥と何度も呟く。
 放っておいて! 
 見ると、イケメン兄さんは‥高身長。
 190とかありそう。
 良かった、このローブがポーカーと同じような長さで、この兄さんのくるぶしまであるタイプとかだったら、絶対引きずってた。
 いやいや、そんな話してる間じゃない‥。
「‥顔を隠したくて、とっさに寝ておられたあなたから奪ってしまいました。‥すみません。僕は実はここの者では無くて、ここのことを何も知らないんです。お金も持ってないし、どこで働けばいいか‥とかもわからなくて。‥とにかく、顔を晒しているのが不安で、つい‥魔が差したんです」
 僕は誠実に正直に事情を話した。
 まさか、異世界から来たとは言えないけど、ここの者じゃない、嘘言ってない。嘘言って、後々嘘がバレて‥とか最悪なパターンだし、そもそもそういうの良くない。下の兄ちゃんが一番嫌うやつだ。上の兄ちゃんは、「嘘も用意周到につけば大丈夫」ってタイプだったけど。「そのためには、ちゃんと設定を細部まで考えておかないといけない」って言ってた。上の兄ちゃんはそういうのしっかりしてた。

 兄ちゃんたち‥。もう‥会えない。

 そんなこと考えてたら、涙が出て来た。
 涙を拭おうと目をこすったら
「泣くなよ‥怒ってない」
 ってイケメンは困った顔。
 そうだよね。泣かれても、困るよね‥。
 すみませんって何度も謝ってたら、
「俺の事、怖いよな‥? 」
 って誤解された。
 いいえ! 怖くなんかありません! というか‥悪いことしたの僕なのに、勝手に泣いて挙句気を使わせるとか、ない。あり得ない!
「怖くないです! ただ、‥自分が情けなくて。いい年こいて、とっさにとはいえ、人様のもの奪うなんて! ホントに、どうお詫びしたらいいか‥! ホントにすみません!  」
 更に平謝り。
 あんまり謝ってた僕が面白かったのか、イケメンは「ははは! なんかそういう玩具みたいだな! 」って笑い出した。
 ‥ありそうですよね、米つきバッタみたいな玩具‥いや、誰が買うんだ。
「いいよ、顔隠したいって気持ち、わかる。俺は‥別にもうどうでもいいやって思ってるけど、やっぱり‥目の前で顔色悪くする奴みたら、流石にいい気分にならないしな」
 それ、僕のことだよね? 
 僕の気持ちを想像して僕を許してくれてるんだ‥。この人、イケメンな上にいい人だ‥。
 でも、‥僕の顔は‥そこまでだって思われてるってことなんだよね? そりゃ、人のもの咄嗟に奪っちゃうほど、顔隠したいって思うなら‥そう思われても仕方ないか‥。
 だけど‥気分悪くなるほどの顔だとは‥正直そこまでは思ってない‥。
 でも、(目の前の)イケメンさんを「1」だとしたら、そりゃあ、僕なんて「気分が悪くなる」レベルかも。‥そういえば生前(生前って! 自分で言ったら笑えるな)「白玉みたいな真っ白なもち肌で切れ長の細め‥ちょっと『こけし』っぽい。『こけし』は人形だからいいんであって、実際にリアルこけしってちょっと‥」って言われてた。誰だっけ。‥そうだ。幼馴染だ。奴は幼馴染の気安さから、更に「ってか、睫毛も長いし、目の形もいい。歯並びもいい。青い目の色もキレイ。パーツは悪くないけど、なんか‥違うんだよな。あの目は啓史さん(長男)にはぴったりだけど‥ああそうか‥基本が修斗さん(次男)なのに目だけ啓史さんだから、なんか気持ちが悪いのか‥。‥なんていうかね、あれは二人がbestバランスだから、なんかが微妙に違う俊哉は‥「なんか違う」って余計気になっちゃうって訳。‥不幸だよね。あと‥全体的には、日本風の顔だけど‥髪の毛が西洋スタイルの茶髪猫毛ってのも‥俺的には、ちょっと‥ないっていうか‥」って言われてた。
 皆には流石にそこまでずばずば言われなかったけど‥多分似たようなこと思われてたんだろうなあ‥。
 正直に言ってくれる奴がいるってのも、良かったのかもな。
 待てよ‥。日本人はこけしを見慣れてる分まだましで‥海外の人だったら「おお! リアルこけし怖い! 」ってなるかも。日本人形ってちょっと怖いイメージある‥かもしれん。「OH! ホラー」ってなるやもしれん‥。
 ならなおさら隠して正解だよな。アブナイアブナイ‥。
「そ‥そうなんです。‥だと思います。僕、自分の顔見られてないようにって必死に逃げたから、キモチワルイって顔されずに済みました。兄さんのおかげです」
「うん? そうか‥兄さん‥なんかいい響きだな。俺に弟はいるけど、アイツは俺の事兄だとは思ってないだろうからな~」
 弟さん、反抗期って奴ですね。分かります。あれかもしれませんよ。僕みたいに、「比べられるの嫌だから、兄弟だってバレたくない」って奴。兄さんホントイケメンですもんね。
「兄さん、うん、いい響きだ」
 イケメンさん、照れ照れ。
 何それ、イケメンは照れてもカッコイイ。
 ズルいよね、イケメンはどうしてもイケメンだから。
「うん! いいな! お前、俺の弟に成れ‥じゃない。俺の嫁になれ。‥いや、まずは恋人か。勿論、恋人の振りって奴だ。恋人位作れって両親から嫌味を言われるのがいい加減うっとおしかったんだ。
 義母親なんか、出来ないって決めつけてるくせに言ってくるから質が悪い‥いや、そんなのどうでもいい。
 決めた! ローブの窃盗黙ってる代わりに、暫くお前、俺の恋人役の振りしろ! 」

 なんですと? 

「いや、僕‥男なんです。
 背も小さいし、身体もひょろいんですけど、‥男なんです」
「そんなの、もうどうでもいいって! 
 どこから来たのか知らないけど、俺の事知らない、俺の事怖がらない。完璧だ! お前を置いてこんな適役いない! 」
 ローブ‥返そう。
 そっとローブに手を伸ばそうとした僕の手をイケメンが抑える。
「大丈夫だ。悪いようにはしないし、振りだから、手も出さない。覚悟を決めようとか‥無理に思わないでいい」
 そんな心配はしてませんが?
 もしかして何か? 僕がローブを脱ごうとしたの、覚悟を決めて「煮るなり焼くなり‥」的な風に解釈した? 
 ないだろ。
 絶対ない。
 それとも、ここではローブを脱ぐ = 裸 位の感じなの? いや、さっきメインストリートの人たちはローブなんて着てなかったな。
 ‥ああ、あの人たちはもうはっちゃけちゃって「昔の風習なんてどうでもいいぜ! 俺たちは俺たちのしたいことをするぜ! 」な感じの「今どきの若者」だった‥的な? 
 ‥いや、ないない。(年寄りもいた)
 あれかな。高貴な人たち = ローブ着ない。ローブ着てるような貧困層は、だけど、恋人の前だけはローブ脱ぐ的な? ‥在り得そう。だって、脱がなきゃ、色々と不便だもんな。キスとか出来ないしな(‥いや、何言ってんだ)
 いや。だけど‥おかげで何か法則性がわかったぞ? まあ‥あれだ。ちょっと小金持ちがローブを着ないで表通りを闊歩できる。ローブを強いられてるような貧乏人は肉体労働する‥から、マッチョだし路地裏に住む‥。
 成程。納得。
「‥ローブは、お前が脱いでもいいって思った時まで脱がないでいい。‥そりゃ、お前が俺に気持ちを許してくれたらそれはきっと嬉しいことだって思うけど‥無理することはない」
 ‥いや、アンタ。手は出さないって言ったじゃん、さっき。それに、あくまでも振りってアンタが再三言ってたじゃん?? それに、アンタみたいなイケメン、僕じゃなくても誰にでも頼めるでしょ?? 

 そっか‥僕に気を使ってくれてるんだ。
 
 僕が気を使わないでいい様に。‥気にしないでいいって言ってくれてるわけか‥。
 僕は小さく頷いて、

「よろしく‥お願いします」
 (人がいい)イケメン兄ちゃんの変な申し出に乗ることにしたんだ。
 地球だったら、いくら何でもこんな展開あり得ないけど‥異世界転移してるって地点であり得ないし‥もう、「なるようになれ」って奴だな!

 珍しくちょっと投げやりになる僕だった。
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