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十五章 メレディアと桔梗とヒジリとミチル
14.この前と一緒。
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(side ヒジリ)
「桔梗。私は貴女が‥好きだ」
頬をバラ色に染めた美青年が黒髪の少女の手を取る。
黒髪の少女も頬をバラ色に染めて、青年の手を握り返し‥
でも
「あた‥私も好き。でも、‥あた‥私は‥」
って慌てて手を放す。
あたしって言いかけて、「なんか私とか言わなきゃ、ダメなんじゃない? 」って私って言いなおしたけどやっぱりなれなくて、あたしって言ってしまうって感じ。
無理しないでいいのに‥って思うけど、
彼女は‥この見るからに高貴そうな青年に対して「引け目」を感じてるんだ。引け目と‥あと、「身分違い」って感情? 分かる。
ってか、身分云々より、相手はキラキラしてるのに、自分はなんか‥服とかみすぼらしい‥ってのが嫌なんだろう。
もじもじって、自分のみすぼらしい格好を気にして‥距離を取ろうとして、青年がそんな少女を引き寄せ‥抱きしめる。
「離れないで‥。桔梗は‥桔梗も‥私が怖い? 」
って‥
寂しそうな声で聞く。
色男が「恋の駆け引き」で気障なセリフはいてるわけでは無い。
青年‥メレディア王は‥マジで言ってるんだ。
マジで‥「自分は皆に怖がられてる」って‥悩んでるんだ。
まあ‥そうだよな。
そう思っても仕方が無いよ。
魔法使いやらリバーシやら‥「今までこの国にはいなかった」未知なる生命体の兄弟だもん。
桔梗だけは‥彼をそんな目で見なかった。
桔梗といる時が彼は一番安心して‥楽しい時間を過ごせた。
彼にとって桔梗は唯一無二の稀有な存在だった。
そんな桔梗の事をメレディア王が好きになってもそれは仕方が無い話だ。(ラノベなんかでよくある展開だ。‥多分)
「なんで‥あたしがメル様のこと怖いなんて!
そんなことあり合えない! ‥あたしもって?! メル様のこと誰か怖いなんて言う人いるの?! 」
って怒ったような声で叫ぶ。
自分の好きな人の事悪いように言われたら、嫌だよね。
メレディア王もそれが分かったみたいでふわって‥すっごい嬉しそうな顔をした。
「皆が言いますよ」
って、すっごい「壊滅的に最悪なこと」をその顔のままで言うのは‥でもどうだろう。
桔梗が泣きそうな顔をする。
「何で? それじゃ‥まるであたしと同じじゃない‥」
「桔梗と同じ? 誰かが桔梗のことを悪く言うのか? 」
メレディア王が眉を寄せて‥不快そうな顔をする。俺が見てる限り、メレディア王がこんな表情をしたのは初めて見た。
「‥あたしの国ではね‥あたしの‥この目の色が珍しいんだ。だから、皆奇異なものを見るようにあたしを見るよ」
桔梗がへへ、って「平気な振りして」笑う。
きっと、彼女はいつもこうして「平気な振りして」親しい人に笑いかけるんだろう。
心配かけないように‥
‥だろうけど、そんな笑顔されちゃ、余計に心配になる。
心配されたくないんだろうな、って思ったら‥心配そうな顔すらできなくなる。
あの笑顔は‥ちょっと「酷い」ね。
「桔梗の目が? 」
メレディア王の驚いた顔。
そりゃ、この国では色んな目の色があるから、きっと紫だろうが青だろうが赤だろうが珍しくないだろうね~。でもね、桔梗さんの国‥つまり地球の多分「昔の日本」では珍しい‥どころか絶対にいない色だ。奇異なものを見るような目で見られただろう。‥もしかしたら幽鬼の類の扱いをされてきたかもしれない。
だけど、メレディア王にはそこまでの扱いされてるかも‥って想像は出来ないかもね。
俺がそんなことを思ってる間にも桔梗の話は続いていた。
「それに、あたしは‥皆には言ってないけど、‥眠らないんだ。眠れないんだ。それで、一晩中ずっと起きてるんだ。目を瞑っていよう‥とかいろいろしたけど、結局は無理で‥。この頃は諦めて一晩中縄をなったりしてるんだ」
一晩中家の仕事する。うん。‥気が狂いそう。
‥まあ、でも‥ぼーとしてても時間も無駄だしね。
時間の有効活用大事だよね。
そっか~そうだよね~。今の時代みたいにスマホとかないから、時間を持て余すよね~。
ってか‥なんで「今までは」この国に飛ばされなかったんだろうか?
そういえばナラフィスさんが
「別の場所に飛ばされる理由を探るために聞き取り調査をしたんだ。結論から言えば、「これ」って理由は見つからなかった。だけど、多数意見っていうのはあった。
不安。不安から逃げ出すためにとか、漠然とした不安を感じて‥ってパターン。
退屈。これが結構多かった。初めは一晩中起きて家の中で遊んでたけど、退屈になって‥ってパターン。
それから‥安心。意外とこれも多かった。「ここに身体を置いておいても大丈夫」って思った瞬間気が付いたら別の場所にいた‥っていうパターン。この感情に行きつくまでにいろんな感情があったんだろうってことは‥でも想像に難くないよね」
って言ってた。
桔梗の場合はどれなんだろう。
不安から‥現実逃避でここに来た‥ってタイプには見えないんだよね~。
退屈、これはもっとも違う。
安心‥。これも違うっぽい。
桔梗は、少数派意見って奴なのかも‥。
因みに俺は、その他だな。とてつもなく「疲れた」ら、気が付いたら飛ばされてた。‥まあ、疲れた~もういや~っていう‥現実逃避だったのかもしれないけどね。
「ここにはどうして? ‥ここに来る以前に、他の場所に行かれたことは? 」
お、メレディア王気になったね。気になるよね。好きな人のことだもんね。
桔梗が首を振る。
「それが‥こういうことは初めてだったから‥驚いて‥
風邪を初めて引いたからそれが原因かなって思ってるんだ」
へへ、って笑う。
異世界に渡ったことどころか「こういうこと」精神が身体から離れたことが「初めて」だったから、凄く驚いた、と。(まあ、そうだわな)
それより‥
初めて風邪を引いた。
つまり、今までは風邪一つ引かなかった。
‥丈夫なんだね。
美人だけど、‥日焼けしてるし、丈夫そう。でも‥やせ過ぎてる。栄養状態がいいって訳ではなさそうなのに、丈夫なんだね。風邪とかひいてられないって気力で頑張ってた系かな。‥健気だね。
‥そういう時代だったのかも。
医者とかきっと高くて庶民(きっとそうなんだろう)には診てもらう金なんてない‥とかなんだろう。
俺は恵まれてる。
俺も丈夫だけど、風邪位はひくもんな。
‥ひいたことあったけ。
いや、あった‥あったと思う。多分。‥大人になってからはひいてないけど、子供の頃はひいてた‥だろうと思う。多分。今度母さんに聞いてみよう‥。
あ、ミチルも首を傾げてる。(そういえばいたんだねミチル)
首を傾げてるってことは‥ミチルも風邪とかひいた覚えがないんだね。
俺たちがそんなこと考えてる間も、メレディア王と桔梗のじれじれ劇場(ぬるい恋愛編)は続いていた。
「‥奇跡みたいなものだね。
偶然桔梗が風邪をひいて、偶然ここに飛ばされて、偶然私と出会った。
その偶然が無かったら、私たちは会うこともなかった‥、神様がくれた最高の贈り物だって思った」
メレディア王が桔梗の手を握って、感激したような顔してる。
神様からの贈り物とか! オーバーな。
でも、‥まあそうかも。
奇跡クラスの偶然の一致かも。広い世界でたった一人の人間がたった一人の人間と出会って恋に落ちる。しかも異世界人‥って確かにすごい確率かも。
桔梗は「奇跡? 」って首を傾げてる。
奇跡か? って首を傾げてるんじゃない。きっと奇跡って言葉が分からないんだ。
きっと江戸時代(多分)の農民の(多分)桔梗にとっては普段使わない類の言葉だろう。でも、それを知られるのが恥ずかしかったのか、メレディア王に聞かないで‥独り言のように「神様の下さっためぐりあわせって感じの意味かな? 」って呟いた。うん、それで間違いないと思うよ。
でも、‥ホントに偶然かな。
もしかしたら、ホントに「神の采配」って奴かも。
お話の「いい神様」なら『メレディア王と桔梗を救うため、‥メレディア王と桔梗の悲しい心を聞いた「神的な存在」が願いをかなえた』って感じだろう。
夢がある。
いい話だ。
そんないい神がいるなら、メレディア王みたいな悲しい存在を生み出さなければよかったのに。
そこまで「いい神様」じゃなかったのかな。
世界を統べる神として「こんな存在はいなければいけない存在だったから生み出したのよ~。ごめんね~。お詫びに、最高の恋人に会わせてあげますよ~」‥って感じかも?
‥だとしたら、ないわ~。割が合わんっちゅうか‥なんか‥ないわ~。
そもそも、「正解」がわからんから、イラっとするわ~。モヤモヤするわ~。
‥とまあ、俺は今回もそんな風に、メレディア王と桔梗の「小さな恋」を観客させられるのだった。
観客である俺(と、今回はミチルも)に発言権はない。そして、多分メレディア王と桔梗に俺(俺たち)は見えてない。完全に空気。
いや、別にもう慣れましたよ。
慣れた‥っていうか、「そういうもん」って納得してますよ?
俺に‥何かを伝えようとしてるんですよね? (誰が、かは分かりませんが)
俺は、自分でその「メッセージ」を見つけ出して‥なんとかしなきゃならないんですよね? これは、その為の下準備‥ってか、状況説明なんですよね?
結局今回も何が言いたいのか分かんなかったけど‥。
ええと‥「寂しい悲しい境遇の美男美女が出会って恋に落ちたのは必然なんだけど、二人とも億手で焦れ焦れ? 」じゃないわな‥ええと他にもあったな「この二人が出会ったのは、神の采配」「全部神の引いた図面」‥これかな??
そんなことをあれこれ考えてる俺の横で、
「‥え。
何。
俺は一体何を見せられてるんだ?? 他人の生ぬるい恋愛を見せられても‥」
思いっきり不思議顔MAXなミチルだった。
「桔梗。私は貴女が‥好きだ」
頬をバラ色に染めた美青年が黒髪の少女の手を取る。
黒髪の少女も頬をバラ色に染めて、青年の手を握り返し‥
でも
「あた‥私も好き。でも、‥あた‥私は‥」
って慌てて手を放す。
あたしって言いかけて、「なんか私とか言わなきゃ、ダメなんじゃない? 」って私って言いなおしたけどやっぱりなれなくて、あたしって言ってしまうって感じ。
無理しないでいいのに‥って思うけど、
彼女は‥この見るからに高貴そうな青年に対して「引け目」を感じてるんだ。引け目と‥あと、「身分違い」って感情? 分かる。
ってか、身分云々より、相手はキラキラしてるのに、自分はなんか‥服とかみすぼらしい‥ってのが嫌なんだろう。
もじもじって、自分のみすぼらしい格好を気にして‥距離を取ろうとして、青年がそんな少女を引き寄せ‥抱きしめる。
「離れないで‥。桔梗は‥桔梗も‥私が怖い? 」
って‥
寂しそうな声で聞く。
色男が「恋の駆け引き」で気障なセリフはいてるわけでは無い。
青年‥メレディア王は‥マジで言ってるんだ。
マジで‥「自分は皆に怖がられてる」って‥悩んでるんだ。
まあ‥そうだよな。
そう思っても仕方が無いよ。
魔法使いやらリバーシやら‥「今までこの国にはいなかった」未知なる生命体の兄弟だもん。
桔梗だけは‥彼をそんな目で見なかった。
桔梗といる時が彼は一番安心して‥楽しい時間を過ごせた。
彼にとって桔梗は唯一無二の稀有な存在だった。
そんな桔梗の事をメレディア王が好きになってもそれは仕方が無い話だ。(ラノベなんかでよくある展開だ。‥多分)
「なんで‥あたしがメル様のこと怖いなんて!
そんなことあり合えない! ‥あたしもって?! メル様のこと誰か怖いなんて言う人いるの?! 」
って怒ったような声で叫ぶ。
自分の好きな人の事悪いように言われたら、嫌だよね。
メレディア王もそれが分かったみたいでふわって‥すっごい嬉しそうな顔をした。
「皆が言いますよ」
って、すっごい「壊滅的に最悪なこと」をその顔のままで言うのは‥でもどうだろう。
桔梗が泣きそうな顔をする。
「何で? それじゃ‥まるであたしと同じじゃない‥」
「桔梗と同じ? 誰かが桔梗のことを悪く言うのか? 」
メレディア王が眉を寄せて‥不快そうな顔をする。俺が見てる限り、メレディア王がこんな表情をしたのは初めて見た。
「‥あたしの国ではね‥あたしの‥この目の色が珍しいんだ。だから、皆奇異なものを見るようにあたしを見るよ」
桔梗がへへ、って「平気な振りして」笑う。
きっと、彼女はいつもこうして「平気な振りして」親しい人に笑いかけるんだろう。
心配かけないように‥
‥だろうけど、そんな笑顔されちゃ、余計に心配になる。
心配されたくないんだろうな、って思ったら‥心配そうな顔すらできなくなる。
あの笑顔は‥ちょっと「酷い」ね。
「桔梗の目が? 」
メレディア王の驚いた顔。
そりゃ、この国では色んな目の色があるから、きっと紫だろうが青だろうが赤だろうが珍しくないだろうね~。でもね、桔梗さんの国‥つまり地球の多分「昔の日本」では珍しい‥どころか絶対にいない色だ。奇異なものを見るような目で見られただろう。‥もしかしたら幽鬼の類の扱いをされてきたかもしれない。
だけど、メレディア王にはそこまでの扱いされてるかも‥って想像は出来ないかもね。
俺がそんなことを思ってる間にも桔梗の話は続いていた。
「それに、あたしは‥皆には言ってないけど、‥眠らないんだ。眠れないんだ。それで、一晩中ずっと起きてるんだ。目を瞑っていよう‥とかいろいろしたけど、結局は無理で‥。この頃は諦めて一晩中縄をなったりしてるんだ」
一晩中家の仕事する。うん。‥気が狂いそう。
‥まあ、でも‥ぼーとしてても時間も無駄だしね。
時間の有効活用大事だよね。
そっか~そうだよね~。今の時代みたいにスマホとかないから、時間を持て余すよね~。
ってか‥なんで「今までは」この国に飛ばされなかったんだろうか?
そういえばナラフィスさんが
「別の場所に飛ばされる理由を探るために聞き取り調査をしたんだ。結論から言えば、「これ」って理由は見つからなかった。だけど、多数意見っていうのはあった。
不安。不安から逃げ出すためにとか、漠然とした不安を感じて‥ってパターン。
退屈。これが結構多かった。初めは一晩中起きて家の中で遊んでたけど、退屈になって‥ってパターン。
それから‥安心。意外とこれも多かった。「ここに身体を置いておいても大丈夫」って思った瞬間気が付いたら別の場所にいた‥っていうパターン。この感情に行きつくまでにいろんな感情があったんだろうってことは‥でも想像に難くないよね」
って言ってた。
桔梗の場合はどれなんだろう。
不安から‥現実逃避でここに来た‥ってタイプには見えないんだよね~。
退屈、これはもっとも違う。
安心‥。これも違うっぽい。
桔梗は、少数派意見って奴なのかも‥。
因みに俺は、その他だな。とてつもなく「疲れた」ら、気が付いたら飛ばされてた。‥まあ、疲れた~もういや~っていう‥現実逃避だったのかもしれないけどね。
「ここにはどうして? ‥ここに来る以前に、他の場所に行かれたことは? 」
お、メレディア王気になったね。気になるよね。好きな人のことだもんね。
桔梗が首を振る。
「それが‥こういうことは初めてだったから‥驚いて‥
風邪を初めて引いたからそれが原因かなって思ってるんだ」
へへ、って笑う。
異世界に渡ったことどころか「こういうこと」精神が身体から離れたことが「初めて」だったから、凄く驚いた、と。(まあ、そうだわな)
それより‥
初めて風邪を引いた。
つまり、今までは風邪一つ引かなかった。
‥丈夫なんだね。
美人だけど、‥日焼けしてるし、丈夫そう。でも‥やせ過ぎてる。栄養状態がいいって訳ではなさそうなのに、丈夫なんだね。風邪とかひいてられないって気力で頑張ってた系かな。‥健気だね。
‥そういう時代だったのかも。
医者とかきっと高くて庶民(きっとそうなんだろう)には診てもらう金なんてない‥とかなんだろう。
俺は恵まれてる。
俺も丈夫だけど、風邪位はひくもんな。
‥ひいたことあったけ。
いや、あった‥あったと思う。多分。‥大人になってからはひいてないけど、子供の頃はひいてた‥だろうと思う。多分。今度母さんに聞いてみよう‥。
あ、ミチルも首を傾げてる。(そういえばいたんだねミチル)
首を傾げてるってことは‥ミチルも風邪とかひいた覚えがないんだね。
俺たちがそんなこと考えてる間も、メレディア王と桔梗のじれじれ劇場(ぬるい恋愛編)は続いていた。
「‥奇跡みたいなものだね。
偶然桔梗が風邪をひいて、偶然ここに飛ばされて、偶然私と出会った。
その偶然が無かったら、私たちは会うこともなかった‥、神様がくれた最高の贈り物だって思った」
メレディア王が桔梗の手を握って、感激したような顔してる。
神様からの贈り物とか! オーバーな。
でも、‥まあそうかも。
奇跡クラスの偶然の一致かも。広い世界でたった一人の人間がたった一人の人間と出会って恋に落ちる。しかも異世界人‥って確かにすごい確率かも。
桔梗は「奇跡? 」って首を傾げてる。
奇跡か? って首を傾げてるんじゃない。きっと奇跡って言葉が分からないんだ。
きっと江戸時代(多分)の農民の(多分)桔梗にとっては普段使わない類の言葉だろう。でも、それを知られるのが恥ずかしかったのか、メレディア王に聞かないで‥独り言のように「神様の下さっためぐりあわせって感じの意味かな? 」って呟いた。うん、それで間違いないと思うよ。
でも、‥ホントに偶然かな。
もしかしたら、ホントに「神の采配」って奴かも。
お話の「いい神様」なら『メレディア王と桔梗を救うため、‥メレディア王と桔梗の悲しい心を聞いた「神的な存在」が願いをかなえた』って感じだろう。
夢がある。
いい話だ。
そんないい神がいるなら、メレディア王みたいな悲しい存在を生み出さなければよかったのに。
そこまで「いい神様」じゃなかったのかな。
世界を統べる神として「こんな存在はいなければいけない存在だったから生み出したのよ~。ごめんね~。お詫びに、最高の恋人に会わせてあげますよ~」‥って感じかも?
‥だとしたら、ないわ~。割が合わんっちゅうか‥なんか‥ないわ~。
そもそも、「正解」がわからんから、イラっとするわ~。モヤモヤするわ~。
‥とまあ、俺は今回もそんな風に、メレディア王と桔梗の「小さな恋」を観客させられるのだった。
観客である俺(と、今回はミチルも)に発言権はない。そして、多分メレディア王と桔梗に俺(俺たち)は見えてない。完全に空気。
いや、別にもう慣れましたよ。
慣れた‥っていうか、「そういうもん」って納得してますよ?
俺に‥何かを伝えようとしてるんですよね? (誰が、かは分かりませんが)
俺は、自分でその「メッセージ」を見つけ出して‥なんとかしなきゃならないんですよね? これは、その為の下準備‥ってか、状況説明なんですよね?
結局今回も何が言いたいのか分かんなかったけど‥。
ええと‥「寂しい悲しい境遇の美男美女が出会って恋に落ちたのは必然なんだけど、二人とも億手で焦れ焦れ? 」じゃないわな‥ええと他にもあったな「この二人が出会ったのは、神の采配」「全部神の引いた図面」‥これかな??
そんなことをあれこれ考えてる俺の横で、
「‥え。
何。
俺は一体何を見せられてるんだ?? 他人の生ぬるい恋愛を見せられても‥」
思いっきり不思議顔MAXなミチルだった。
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