リバーシ!

文月

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十四章 デュカとリゼリア

6.デュカとリゼリア ③

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(side ラルシュ)


「平等‥白のインフルエンサーそのものの考え方だね」
 私が呟くと、ナラフィスも頷いた。
「リゼリアが白のインフルエンサーだったのは間違いはない」
 そして、革新的な兄のデュカが黒のインフルエンサーだ。

「デュカとリゼリアの戦いは、史実に残るような「魔法大戦」的なものじゃなかったってことだ」
 ナラフィスが大きく息をつき、「デュカとリゼリアの真実の話」を終えた。

 だけど、勿論この話は終わりじゃない。さっきので「真実の話 デュカとリゼリアの出会い編」が終わっただけに過ぎない。
 これからが肝心なんだろう。
「続きは‥どうなったの? 」
 私は聞きたくない‥という気持ちをこらえて、ナラフィスに先を促した。

「デュカ軍とリゼリア軍の戦いは熾烈を極め、最後にはデュカ軍の降参という形で終わった。リゼリアsideは、コンサンティの引退を要求した。
 そして、和平のしるしとしてデュカとリゼリアの結婚が提案された」
 誰に。
 ‥提案したのは誰なのだろうか? 史実によると「風の人」だが‥。
「‥誰っていう記録はない」
 ‥ない?
 誰かが隠したってことか‥。
 誰かって‥多分「提案した本人が」だ。
 その人物は、新王朝に災いをなすものだったのだろう。
「コンサンティはどうしたんだ? もうこうなったら、黙ってられないだろう。反対したんだよな? 」
「コンサンティは殺されている。いつとも、誰にとも記録はない」
 ‥和平を持ちかけた奴‥ということか?
 その人物が、影からずっとこの国を操ってきたってことじゃないだろうか? もしかしたら、占い師もその人物の手の者かもしれない‥。

 それは分からない。
 分かるのは、
 デュカとリゼリアの結婚が決まった‥ということだ。

 だから、新王国の初代王は兄妹の間に生まれた子供ということになる。
 どこぞの国には近親婚はそう珍しいことではなかったと聞くが‥我が国は違う。
 否、魔力という存在がある我が国において、近親婚は倫理感情抜きにしても‥危険なのだ。

「遺伝子の研究は僕もそう詳しい分野じゃないから詳しいことは分からないけど、昔からタブー視されてきたし、根拠が合って悪いことなんだろう。
 そもそも‥魔法使いは「自分とは全く違うタイプの魔力」を「相性のいい魔力」と感じる様だから、「自分と似たタイプの魔力」というのは、きっと本能的に「相性の合わない、子孫存続の為に良くない魔力」だと感じているのだろう。
 だから
 兄妹、しかも双子だったら、「魔力の相性が最悪」ということもあり得る」

 ゾッとした。
 話しがどんどん暗い方にいく‥そんな予感がしたんだ。
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