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五章 王家の秘密
1.白と黒のインフルエンサー
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(side ミチル)
「資本主義とか‥社会主義って感じ? 」
中学生のミチルが中学社会の教科書を開いてラルシュに見せる。
「ん? 何それ」
ラルシュが教科書をのぞき込むが‥
勿論何が書いてあるのかは読めない。
言語チートは「異世界渡りのリバーシ」特定の能力であるらしい。
この出来事は‥
今の話じゃない。結構前‥俺が中学生の時の話だ。
中学生っていったら、他の奴らの興味は部活だとか恋愛、で、悩みは成績とか? だろうけど、俺は‥俺だけはみんなと時間の流れ方が違うのか? って位、「別物」だった。
同級生の女の子には、興味はなかった。
男子が「可愛い! 」っていう子も、俺の眠り姫ヒジリと比べたら「まあ、可愛いかな? 」って程度でしかなかったし、俺のこと「カッコイイ! 」って褒められても「君等はホントのイケメン(ラルシュ)を見れないんだもんな~。かわいそうに‥」としか思えなかった。
まあ、365日、24時間起きてたら人間そんな風に「ひねくれた人間」にもなるだろう。
で、そんなひねくれ者‥当時の俺の(※ 今でもひねくれてるって自覚はある)、あの頃の関心事は「リバーシって何」だった。
前にも一度聞いたことがあるけど、あの時はラルシュに何となくごまかされた感があって、もやもやしてたんだ。
でも、そういう話を議論しあえるようになった今では、「あの時はラルシュもわかってなかったのかも」って思うようになった。分からなくても、王族だから「分からない」って言えなかったのかな‥? って。
まあ、真実は分からないんだけどね。
ラルシュが言うには
「この世界には、インフルエンサーと呼ばれる人間が時々生まれる。その人間はその名の通り「周りに影響を与えうる人間」なんだ。
だけど、インフルエンサーは二種類に分類される。
白のインフルエンサーと黒のインフルエンサーだ。
‥勿論、便宜上そう呼ばれてるわけなんだけど」
ってことらしい。
インフルエンサー・白の影響を受ければ、もともと黒っぽい考えの人でも白になる。インフルエンサー・黒の影響を受ければ、もともと白っぽい考えを持ってる人でも黒になる‥
そういうのがボードゲームの「リバーシ」に似てるから、「この世界はまるで、リバーシゲームのようだ」って昔の王様が言ったとか言わないとか。
リバーシってもともとそういう意味だったらしい。
だけど、その「インフルエンサー」が今でいう「リバーシ(24時間ずっと寝ないで起きてる睡眠障害者)」だったからインフルエンサーの事をリバーシって呼ぶようになった‥ってことらしい。
まあ、「特別な存在の人間の言う事」の方がなんか聞く気になる‥ってことかな。
ところで、白と黒って‥?
俺が首を傾げて、
「白と黒って、悪人と善人って感じ?
白が善人で黒が悪人」
って聞くと、ラルシュが首を振った。
「違う。あくまでも便宜上って言っただろ? 別に白の考え方が良くて、黒が悪いってわけではない。
ただ‥今
城は、どちらかというと白寄り、反社会的勢力が黒寄りだから、白が良くて黒は悪いっていう人間は‥相当数いるね」
力いっぱい否定した割に後半歯切れがよくなったラルシュに「ああ、自分の意見と王族としての立場って奴か」って心の中だけで納得した。
「つまり、ラルシュはどっちが悪い‥とかは思わないってことか。
俺は、別に国の人間でもないし、誰にもそんな話しないから気にせず話せよ。
白はどういう考え方の人間で、黒はどういう考え方の人間なんだ? 」
俺が聞くと、ラルシュは二、三度きょろきょろと周りを見回し‥少し声のトーンを落として言った。
「白っていうのは、「全体でみんなの幸せを願う」っていう考え方。
白のインフルエンサーに傾倒する人間は、聖職者が多くって、「個人の利益のみを追求して、弱きを助けない考えは悪の所業。老若男女、強きものは弱きものを助ける。弱きものや生まれが貧しい者も、平等に幸せになる権利がある。助け合い‥相互扶助こそ世界の平和」って利己主義的な印象がある黒を忌諱する傾向にある。
黒のインフルエンサーに傾倒する人間は、商人が多い。「努力した人間が得をするのは当たり前。たとえ生まれのせいでその後の獲得年収に差が出来たとしても、それは運命‥自分の持って産まれた「運」ってもんだから仕方が無い」って、仲良しこよしで横並びな印象のある白を貶しているところがある」
それを聞いたときの俺の感想が、冒頭の台詞ってわけ。
「資本主義、社会主義? 何それ」
ラルシュが首を傾げる。
俺は頷く
「つまりね、自分の利益なんかを追求することによって、人々が努力して、結果社会が発展していきますよ‥っていうのが「資本主義社会」の考え方。
で、自分の利益より、社会の平等を優先しますよ。一人はみんなの為に、の精神‥世界平和っていいよね‥っていうのが社会主義。
‥ちょっと違うかもしれないけど、俺はそういうふうに理解してる。
だとしたら‥
‥確かに、白が良くて黒が悪いって考えではないね。
寧ろ、どっちかに傾倒しすぎて、もう一方はダメって排除しちゃう方が弊害がある‥って感じがする。
日本‥って俺が住んでる国だけど、日本は資本主義国家だけど、法律だとか社会制度だとか、個人の権利なんかも国で保障されてるんだ。
個人の経済活動によって得られた利益は国によって保障されてるけれど、その利益に対して税金の納税義務があり、その集まった税金は社会的な制度に利用される。その中には、貧民の扶助みたいなものも含まれてる‥みたいな感じなんだ。
つまり、白一辺倒でも、黒一辺倒でもないってこと。
成程確かに、白が良くって黒が悪いってわけではないね」
俺がいうと、ラルシュが頷いた。
「そのバランスを取るのが王なんだ」
「王? 王家や‥国家じゃなくって? 」
ラルシュの言葉が何か引っかかった。
「王だけ。
だから、国は白寄りって言ったでしょ? 国と王家‥特に王は別なんだ」
王と、国が別?
「王は、国を監視し、バランス良くなるように‥調整をする者。
国は、その政策が「どのように作用しているかの結果」ってわけ」
あの時、ラルシュの言ってることはよくわからなかった。(今でもよくわからない)
「つまり、王様はインフルエンサーであるリバーシをオセロのコマのように配置するのが仕事ってこと? じゃあ、王様自体が白寄りだから、国家が白寄りってこと? 」
俺が首を傾げると、ラルシュがまた首を振った。
「王は、公平だ。
唯一、公平な目を持ち続けるのが、王のつとめなんだ。
今、国が白寄りになって、黒寄りの商人らから不満が出始めているから、王は今黒のインフルエンサーの探索を急がせてるってわけ」
「なんでバランスが取れてないの? 白のインフルエンサーが多いってこと? 」
‥っていうか、国が‥国のお偉いさんが白寄りだから、黒を排除しちゃって、国政に立ち入らないように妨害してるってこと‥なのかな~。
「あれは‥人数じゃなくって、パワーバランスなんだ。
‥まあ、でも、今はそう強いインフルエンサーもいないから、‥人数の問題なんだろうね」
つまり、一人で5人ぐらい分の影響力をもつ「強いインフルエンサー」もいるってこと?? なんかカッコイイ! カリスマ的な感じ? 論理オバケで、頭キレッキレの天才って感じなのかな。それとも、織田信長タイプの迫力ワンマン指導者??
憧れる~!!
って‥思ったもんだったなあ~。若かったな~。中坊の俺。
でも、違うんだ。
ホントの「強いインフルエンサー」ってのは。
無自覚・天然の「文句ない」カワイ子ちゃん「ヒジリ」は、計算なしに「いい奴」だし、ついなんでも頷いちゃうくらいの可愛さなんだ。
可愛いって正義だし、天然って神なんだ。(←何言ってるんだ)
影響って、別に論理的に説得されなくても、力で屈服されなくても、受けるんだ。
好きって感情は、今までの自分を全部忘れてその人色に染まっても惜しくない‥って感情なんだ。
ヒジリは‥俺にとって、間違いなく「インフルエンサー」なんだ。
「資本主義とか‥社会主義って感じ? 」
中学生のミチルが中学社会の教科書を開いてラルシュに見せる。
「ん? 何それ」
ラルシュが教科書をのぞき込むが‥
勿論何が書いてあるのかは読めない。
言語チートは「異世界渡りのリバーシ」特定の能力であるらしい。
この出来事は‥
今の話じゃない。結構前‥俺が中学生の時の話だ。
中学生っていったら、他の奴らの興味は部活だとか恋愛、で、悩みは成績とか? だろうけど、俺は‥俺だけはみんなと時間の流れ方が違うのか? って位、「別物」だった。
同級生の女の子には、興味はなかった。
男子が「可愛い! 」っていう子も、俺の眠り姫ヒジリと比べたら「まあ、可愛いかな? 」って程度でしかなかったし、俺のこと「カッコイイ! 」って褒められても「君等はホントのイケメン(ラルシュ)を見れないんだもんな~。かわいそうに‥」としか思えなかった。
まあ、365日、24時間起きてたら人間そんな風に「ひねくれた人間」にもなるだろう。
で、そんなひねくれ者‥当時の俺の(※ 今でもひねくれてるって自覚はある)、あの頃の関心事は「リバーシって何」だった。
前にも一度聞いたことがあるけど、あの時はラルシュに何となくごまかされた感があって、もやもやしてたんだ。
でも、そういう話を議論しあえるようになった今では、「あの時はラルシュもわかってなかったのかも」って思うようになった。分からなくても、王族だから「分からない」って言えなかったのかな‥? って。
まあ、真実は分からないんだけどね。
ラルシュが言うには
「この世界には、インフルエンサーと呼ばれる人間が時々生まれる。その人間はその名の通り「周りに影響を与えうる人間」なんだ。
だけど、インフルエンサーは二種類に分類される。
白のインフルエンサーと黒のインフルエンサーだ。
‥勿論、便宜上そう呼ばれてるわけなんだけど」
ってことらしい。
インフルエンサー・白の影響を受ければ、もともと黒っぽい考えの人でも白になる。インフルエンサー・黒の影響を受ければ、もともと白っぽい考えを持ってる人でも黒になる‥
そういうのがボードゲームの「リバーシ」に似てるから、「この世界はまるで、リバーシゲームのようだ」って昔の王様が言ったとか言わないとか。
リバーシってもともとそういう意味だったらしい。
だけど、その「インフルエンサー」が今でいう「リバーシ(24時間ずっと寝ないで起きてる睡眠障害者)」だったからインフルエンサーの事をリバーシって呼ぶようになった‥ってことらしい。
まあ、「特別な存在の人間の言う事」の方がなんか聞く気になる‥ってことかな。
ところで、白と黒って‥?
俺が首を傾げて、
「白と黒って、悪人と善人って感じ?
白が善人で黒が悪人」
って聞くと、ラルシュが首を振った。
「違う。あくまでも便宜上って言っただろ? 別に白の考え方が良くて、黒が悪いってわけではない。
ただ‥今
城は、どちらかというと白寄り、反社会的勢力が黒寄りだから、白が良くて黒は悪いっていう人間は‥相当数いるね」
力いっぱい否定した割に後半歯切れがよくなったラルシュに「ああ、自分の意見と王族としての立場って奴か」って心の中だけで納得した。
「つまり、ラルシュはどっちが悪い‥とかは思わないってことか。
俺は、別に国の人間でもないし、誰にもそんな話しないから気にせず話せよ。
白はどういう考え方の人間で、黒はどういう考え方の人間なんだ? 」
俺が聞くと、ラルシュは二、三度きょろきょろと周りを見回し‥少し声のトーンを落として言った。
「白っていうのは、「全体でみんなの幸せを願う」っていう考え方。
白のインフルエンサーに傾倒する人間は、聖職者が多くって、「個人の利益のみを追求して、弱きを助けない考えは悪の所業。老若男女、強きものは弱きものを助ける。弱きものや生まれが貧しい者も、平等に幸せになる権利がある。助け合い‥相互扶助こそ世界の平和」って利己主義的な印象がある黒を忌諱する傾向にある。
黒のインフルエンサーに傾倒する人間は、商人が多い。「努力した人間が得をするのは当たり前。たとえ生まれのせいでその後の獲得年収に差が出来たとしても、それは運命‥自分の持って産まれた「運」ってもんだから仕方が無い」って、仲良しこよしで横並びな印象のある白を貶しているところがある」
それを聞いたときの俺の感想が、冒頭の台詞ってわけ。
「資本主義、社会主義? 何それ」
ラルシュが首を傾げる。
俺は頷く
「つまりね、自分の利益なんかを追求することによって、人々が努力して、結果社会が発展していきますよ‥っていうのが「資本主義社会」の考え方。
で、自分の利益より、社会の平等を優先しますよ。一人はみんなの為に、の精神‥世界平和っていいよね‥っていうのが社会主義。
‥ちょっと違うかもしれないけど、俺はそういうふうに理解してる。
だとしたら‥
‥確かに、白が良くて黒が悪いって考えではないね。
寧ろ、どっちかに傾倒しすぎて、もう一方はダメって排除しちゃう方が弊害がある‥って感じがする。
日本‥って俺が住んでる国だけど、日本は資本主義国家だけど、法律だとか社会制度だとか、個人の権利なんかも国で保障されてるんだ。
個人の経済活動によって得られた利益は国によって保障されてるけれど、その利益に対して税金の納税義務があり、その集まった税金は社会的な制度に利用される。その中には、貧民の扶助みたいなものも含まれてる‥みたいな感じなんだ。
つまり、白一辺倒でも、黒一辺倒でもないってこと。
成程確かに、白が良くって黒が悪いってわけではないね」
俺がいうと、ラルシュが頷いた。
「そのバランスを取るのが王なんだ」
「王? 王家や‥国家じゃなくって? 」
ラルシュの言葉が何か引っかかった。
「王だけ。
だから、国は白寄りって言ったでしょ? 国と王家‥特に王は別なんだ」
王と、国が別?
「王は、国を監視し、バランス良くなるように‥調整をする者。
国は、その政策が「どのように作用しているかの結果」ってわけ」
あの時、ラルシュの言ってることはよくわからなかった。(今でもよくわからない)
「つまり、王様はインフルエンサーであるリバーシをオセロのコマのように配置するのが仕事ってこと? じゃあ、王様自体が白寄りだから、国家が白寄りってこと? 」
俺が首を傾げると、ラルシュがまた首を振った。
「王は、公平だ。
唯一、公平な目を持ち続けるのが、王のつとめなんだ。
今、国が白寄りになって、黒寄りの商人らから不満が出始めているから、王は今黒のインフルエンサーの探索を急がせてるってわけ」
「なんでバランスが取れてないの? 白のインフルエンサーが多いってこと? 」
‥っていうか、国が‥国のお偉いさんが白寄りだから、黒を排除しちゃって、国政に立ち入らないように妨害してるってこと‥なのかな~。
「あれは‥人数じゃなくって、パワーバランスなんだ。
‥まあ、でも、今はそう強いインフルエンサーもいないから、‥人数の問題なんだろうね」
つまり、一人で5人ぐらい分の影響力をもつ「強いインフルエンサー」もいるってこと?? なんかカッコイイ! カリスマ的な感じ? 論理オバケで、頭キレッキレの天才って感じなのかな。それとも、織田信長タイプの迫力ワンマン指導者??
憧れる~!!
って‥思ったもんだったなあ~。若かったな~。中坊の俺。
でも、違うんだ。
ホントの「強いインフルエンサー」ってのは。
無自覚・天然の「文句ない」カワイ子ちゃん「ヒジリ」は、計算なしに「いい奴」だし、ついなんでも頷いちゃうくらいの可愛さなんだ。
可愛いって正義だし、天然って神なんだ。(←何言ってるんだ)
影響って、別に論理的に説得されなくても、力で屈服されなくても、受けるんだ。
好きって感情は、今までの自分を全部忘れてその人色に染まっても惜しくない‥って感情なんだ。
ヒジリは‥俺にとって、間違いなく「インフルエンサー」なんだ。
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