俊哉君は無自覚美人。

文月

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40.凸凹コンビってww

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 凸凹コンビ。
 上手いこと言った。
 
 確かにその通り。
 クラシル君と俊哉は身長差が20‥もしかしたら、30㎝位ありそう。
 俺とビクターも30とまではいかないけど、結構身長差がある。
 身体つきも、華奢な俊哉とマッチョなクラシル君だったら全然違う。(それはそのまんま俺たちにも言える)
 
 まさに凸凹コンビ! 
 そして、さっき来た子たちもそんな感じ。
 見るからに騎士タイプの男と、小柄な女子。
 小柄な女子は‥「こっち寄りの美人タイプ」だな。あっさり風味。若干目は大きいけど。

 そんなことを思いながら観察していると、小柄な女子と目が合った。
 俺のことじっと見てる。きっとあれだ。
「不細工! 」
 って思ってるんだろう。
 ここの美的感覚なんぞ知らん。勝手に何でも思ってろ。
 って思ったら
「可愛い! 」
 って言われた。
 可愛い??
 思いっきり「?? 」って顔をしてる俺に俊哉がこそっと耳打ちしてきた。
「この子は、ここの美的感覚とちょっと違う子なんだ」
 って。
 へえ‥
 そんな子もいるんだ。
 って驚いた。そういうのって、異世界から来た人限定‥かと思ってた。
 リリアンというらしいその子は、笑顔の可愛い「普通の子」なんだけど、この世界では珍しい「醜い子に耐性がある」(※ っていうか、醜い子が好み)子で、政府主導の「優秀な醜い子の遺伝子を残そうプロジェクト」によって政府公認の結婚相談所に集められた「特別な乙女」らしい。(この子は自ら志願して来たらしいが)

 ‥なにそのプロジェクト。舐めてんの。

 そんなことを思いながらリリアンを見ていると、リリアンは俺ににこっと笑いかけ、
「可愛い! なあに? この子! 俊哉の弟? 」
 って言ったんだ。
 その瞬間‥クラシル君の目が‥! 
「なんで俊哉の関係者だって思った? 」
 かって開いた。
 今まで客とかそんなに興味ないって風に俊哉ばっかり見てたクラシル君の目が今はリリアンを見ている。
 射殺しそうな視線‥とまではいかない。流石にそこまではいかないが‥アレだ。「刑事の第六感」みたいな目。
 アレだ。「素人は騙せても、俺の目は騙されねぇぜ? 」の目。
 口調は普通なのに‥っ! リリアン! 気付いて!? 
 俺の願いは虚しく、リリアンは気にする様子もなく相変わらず笑顔だ。にこっと俊哉を見て、
「だって、俊哉と顔が似て‥(は! )」
 言いかけて、止まる。きっと、自分がヤバいことを言ってしまったことに気付いたんだ。そして、チラリと視線だけでクラシル君を振り返り‥固まる。
 ‥何? 何に気付いた? さっきまでの会話におかしいところあった?? 
 思考をフル回転させて考える俺。
 さっきまでの会話‥
 リリアンが「可愛い! なあに? この子! 俊哉の弟? 」って言った。これか? 「何だと? 俊哉の方が老けてるとでも言いたいのか? 」って感じで怒ったの?? いや‥違う。その後のクラシル君は「なんで俊哉の関係者だって思った? 」って言ったんだ。いや、見たら分かるだろ。俊哉と俺はそんなにそっくりじゃないにしても、そこそこ似てるぞ。
 だけど、そういえば俊哉はいつもフードを被ってるな。(今も被ってる)‥そういう意味? 「俊哉はいつもフードを被っててお前たちには顔を見せてないはずだが、‥なぜ知ってる? なぜ俊哉と似てるって思った? 見たのか? お前‥俊哉の顔を見たのか? 」って意味‥!? 

 ええ~!? 

 クラシル君、まさかアンタ、俊哉の顔も人には見せません、俊哉を独り占めしたいんです。
 ってこと?! ええ~!? 
 目を見開いて‥若干(ゴメン、嘘。若干じゃない)ドン引きする俺。‥だけど、命が惜しいから突っ込みません。
 すると、リリアンより空気が読めなさそうなリリアンの恋人な騎士君(この世界顔の細マッチョ)
「あ、そうなんだ。リリアンは俊哉君の顔見たことあるんだ~。そりゃそうだよね。親友だもんね」
 なんてほのぼのとリリアンに微笑みかけて‥フリーズしている明らかにただ事じゃない彼女の様子に、流石にただ事じゃない雰囲気を感じ取り‥リリアンの視線の先にいる、笑顔のクラシル君を恐る恐る振り返る。
 そして、仲良くフリーズ。

 ‥地獄絵図。

 どうしよう‥この地獄絵図。何とかしないと‥
 ちらりとビクターに助け舟を求めると(俺も全然正気じゃなかった。助け舟を出す相手を間違えた)ビクターがニコッと笑った。
 ‥なんで笑った? 
「どした? 修斗」「ん? どうしたんですか? 団長、ベルクさん、リリアンさん? 何見つめ合って固まってるんです?? 」「団長、顔がいつに増して怖いっすよ? 」
 ‥もう、黙ってろ。ビクター。助け舟を求めた本人が言うのもなんだが‥君には無理だ。
「黙ってろ。ビクター」 
 クラシル君の、にやりと怖い笑顔に‥
「へ? あ、はい (゚Д゚;)」
 しょっぼい。ショボいよ、ビクター‥。
 耳が垂れた犬みたいになってるよ‥。
 ガクブルコンビ(リリアン、騎士君)としょんぼりビクターと、笑顔が怖い魔王・クラシル君。
 そんな空気を破ったのは、俊哉だった。‥ってか、この空気は俊哉にしか何とかできなかっただろう。寧ろ、もう少し早く気付いて対処しろ。その狂犬(クラシル君)の飼い主だろ。
「え?? どうしたの? リリアン、ベルクさん?? ‥クラシルさん? 」
 コテンと首を傾げる俊哉。フードを被ってるから余計に小動物っぽい。可愛い。
 ふにゃっと笑みがこぼれる、俺と‥魔王・クラシル君。
 クラシル君は俊哉を見ながら
「何でもないよ? 」
 って微笑んだ。
 ‥何でもないとか言いやがったよ。この男。
 苦笑いする俺を無視して、クラシル君が俊哉に駆け寄る。駆け寄るっていうか、大股で三歩だ。このある程度ある距離を、その長い脚だったら三歩なんだ。‥凄いな。
 それにしても‥その速度たるや! 瞬間移動したのかって思ったくらいだ。
 こっちも犬っぽい。ビクターとは違う種類の犬っぽい。
 ‥しっぽだ。しっぽが見える。
「リリアンが怖がってるよ? クラシルさん。リリアンは騎士団の人じゃないから、騎士団モードで接したらダメです。女の子には優しく接してあげてください。‥クラシルさんが怖い人って誤解されるのは‥僕も嫌だし」
「ああ、ごめんね」
 俊哉に注意されて、もう‥蕩ける様な表情を浮かべてるクラシル君。‥男前だけど、ちょっと気持ち悪いぞ。
 アレだ。チョット病んでる匂いがするぞ。ヤンデレってやつか? 
 う~ん。俊哉、兄ちゃんは心配だぞ? 大丈夫なのかクラシル君。
 俊哉がリリアンの背中を労わるようにポンポンしながら‥
「ってか‥リリアン、僕の顔見たことあったんだね?? 」
 爆弾発言を落とした。
 ああ! それ‥言っちゃう!? 今言っちゃう?! 完璧クラシル君、目がギンってなったよ!? 大型犬の身体の毛全部ぶわって逆立ったって感じしたよ??! 
 リリアンの毛もぶわって逆立つ。
 アレだ。大型犬に睨まれた子猫って感じ。
 だけど、リリアンは思ったより強かった。引きつった笑顔で
「‥ゴメン、俊哉。あれよ。偶然だったの。偶然、寝てる時にチラッと見ただけなの‥」
 って言った。(思いっきりクラシル君から視線を外しながら)
「あ‥そうなんだ。‥というか‥大丈夫だよ? 怒ってないよ? 僕も怒ってないし‥だから、クラシルさんもその怖い笑顔止めてあげて? リリアン怖がっちゃってるでしょ! 」
 めってもう一度クラシル君を窘めて、リリアンを振り返り、こそっと
「見ても楽しいもんじゃないでしょ? 大丈夫だった? 具合悪くならなかった? 一度クラシルさんに顔を見せた時クラシルさん固まっちゃったから‥気にしてたんだよね」
 って言った。苦笑いして。

 え?!

「ええ!? クラシル君、俊哉の顔見て固まったの!? 酷い! 」
 今度は、俺がぴくってなったね。
 なんだと!? クラシル君‥固まっただと!? どういうことだ。俊哉を悲しませちゃってるじゃないか!! 可愛すぎて固まった!? そういうこともあるかもしれんが‥その場合はちゃんとそうフォローするのが普通じゃない!? どういうこと!! 俊哉思いっきり誤解してるじゃん!? 
 睨みつける俺に、たじたじになるクラシル君。
 どう言い訳するつもりだ。「誤解だ」って言えるか!? さっきの俊哉の言葉を聞いても言い訳できるか!? 
「なんでそんなことしたのさ! 俊哉を悲しませるような奴に、俊哉を任せることは出来ないな! 」
 更に詰め寄った俺に、クラシル君は眉を寄せ‥この世の終わりって顔してる。「俊哉を任せることは出来ない」に思いっきりショック受けちゃってる。
 よし! 効いたぞ! あと一押しするか!? 
 あと一押し‥「俊哉は連れて帰る! 」‥は、無理か。物理的に。‥出来るなら、絶対するけどね!!
「‥~っ! ゴメン! 俊哉! あの時俺が驚いたのは‥俊哉があんまり可愛かったからなんだ‥。
 俊哉が勘違いして‥自分のこと可愛くないって思ったってこと‥俺が俊哉のこと可愛くないって思ったって‥分かったけど‥でも、言えなかった。俊哉の劣等感を利用して‥俊哉のこと閉じ込めてた。
 誰にも見せたくなかったんだ‥。
 俊哉のこと‥誰にも。
 ‥ゴメン。ホントにゴメン。だけど‥俊哉に嫌われたくない‥」
 俊哉の手を握りしめて、ほろほろ涙を流しながら懇願する超絶イケメン。パワーバランスが狂っちゃってる。言うならば‥ネズミに命乞いするライオンみたいな光景だった。

 ‥なにこの光景カオス。

「え? 」
 俊哉が目を見開く。
 そして、次の瞬間ぼんって火がついたみたいに真っ赤になって。
「‥嫌いになんて‥」
 顔をあげて、クラシル君を見る。
 真剣な目でクラシル君を見つめ、俊哉がクラシル君の手を握り返し、
「なるわけないじゃない。僕はクラシルさんが‥一番好きなんだから‥」
 って言った。
「俊哉‥」
 手を取り合って見つめ合う二人。もう完全に二人の世界だ。

 見てられん!! 

 目の前で弟のことデレデレと惚気られるのはキツイってこの前思ったけど‥目の前で弟と恋人が見つめ合う今の状況よりずっとマシだった!! なにこれ、恥ずかしい!! 
 でも‥
 パシャリ。
 いい写真が撮れた。
 こころは‥驚くほど穏やかだ。

「‥並んで。家族写真撮るから」

 俺は小さく息を吐くと、ダイニングの椅子を引っ張って来て部屋の真ん中に置いた。
 二人が頷きあって椅子に座る。
「俊哉、フード取って」
 俊哉がフードを丁寧にとって、俊哉の髪を愛おしそうにクラシル君が手櫛で梳かす。
 ほ‥と、感嘆するようなため息をついたのは、ベルクかビクターか。リリアンは穏やかに微笑んでいる。
 俺は息を整えて、小さく息を吸うと
「撮りますよ! 」
 手をパっと上げて「こっち見て」の仕草をする。俊哉がにこっと微笑んで俺の手を見る。それを見て、クラシル君も俊哉に習うように、俺の手の方を見る。
 パシャリ。
 室内は思ったより明るかったから、フラッシュはなしで行けるだろう。(きっと、光らせたら驚かせるだろ? )
「もう一枚! 」
 言いながら、
 パシャリ。パシャリ。
 何枚か連続で映す。
 きっと‥幸せな家族写真が撮れているだろう。予定とはだいぶ違う感じになったけど‥

 この二人にこれからも幸せが続きますように‥。
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