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2.博愛主義者って僕は今まで万人に対して無関心な人だって思ってました。(ロゼッタの場合)
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面接官に後で
「一目見た瞬間、女神とはかくあらん‥って思った」
って言わしめた新人‥ロゼッタ。
ロゼッタは、
「美の基準がこの国一般の人と違うとかいう問題以前に、私には‥美醜の基準そのものが無いんです。誰を見ても、ただ人間としか認識しないし、顔の違いなんて個人を識別する以外に意味をなさないのです」
って言った。
啓史兄さんと同じタイプだ~って思って聞いていると、彼女は一際真面目な顔をして
「美醜なんて‥何の意味があります? 」
って聞いた。
ロゼッタさんに対する僕の第一印象は、凛とした美人。
花の名前には詳しくないんだけど、花弁が多重じゃないスッキリした紫の花って感じ。桔梗とかって言う感じより‥アヤメとかって感じかな? (僕は花の名前はそんなくらいしか知らないんだ。あと、バラとチューリップ、サクラ、キクとか? ウメとモモの花の違いもわかんないんだ)
紫ってのは‥だけど、目の色に引っ張られたわけじゃない。ロゼッタさんの目の色は黄緑っぽい黄色だった。
その目も、そう存在感を主張しているわけでもない。
ロゼッタさんは、すっとした切れ長の目をしていた。吊り目がちなんだけど、決してキツイ印象を与えないのは、彼女の独島の雰囲気のせいだ。
ふんわりとした丸顔。低い鼻、小さな口‥全部が控えめに配置されている。
昔の日本の子どもが好んで遊んだ姉さん人形のような容姿だって思った。
(ここの美の基準はやっぱりよくわからないから)女神かどうかはよくわからないけど、雰囲気があるなって思った。
きっと、選ばれた特別な人ってこんな感じなんだろうって思わせるオーラ。
僕は、隣の部屋で彼女を見て‥そう思った。
リリアンには感じられる親しみやすい、癒されるような雰囲気は、彼女には微塵も感じられない。
だからといって、取り付く島もないつっけんどんな印象なのかと聞かれれると、それも違う。
孤高‥それも違う。
彼女は‥。
そんなことを考えているうちに彼女の面接が終わり、
「まるで人形みたいな人だな。いや、‥その‥悪い意味じゃなくてね。現実味がないって感じ」
彼女が部屋から出て行った瞬間、面接官の一人がボソリ‥と呟いた。
「失礼なこと言うなよ‥。でも、‥私もそれは‥思った。あの容姿だから、余計にね。なんだか生きて動いてるイメージが無いって言うか‥ね。
でも、彼女を不合格にするのはもったいない。
総ては俊哉君の判断に任せるほかないな」
‥急に話が僕に振られ、びっくりした。
いつもは、全員まとめて一日分あとで返事って感じなんだけど‥それっ位インパクトあったってことだろう。
だけど‥まあ、そうだろう。彼女は‥それ位特別だった。
雰囲気がある。非凡ではない‥そんな感じ。
う~ん。何だろ、この感じ。
彼女のこと、もう少し知りたい。
恋とかとは違う興味で、僕はそう思った。
その機会は結構早くやってきた。
リリアンの結婚が決まり(結婚式はまだ。だけど、結婚式の準備やら新居探しで忙しいから‥と彼女は早々に退職していった)早く来る人もいなかった早朝の「つぼみ姫、花姫控室」に彼女はいた。
「家にあまりいたくないので」
彼女は言い訳のように僕に言って、
「‥お掃除の邪魔になりますか? この部屋から出た方がいいかとは思うのですが‥あの‥良かったら手伝わせてください」
って提案してくれた。
僕はやっぱり掃除の人って認識されてるみたいです。
無理ないけどね。
‥っていうか、着替えとかは別の部屋でするとは言え、女性のプライベートな部屋に入るのは良くないかも? でも、くつろぎスペースだからこそ綺麗にしておきたいって感じもするんだよね‥。
ここは言うならば従業員(つぼみ姫、花姫)の談話室って感じの部屋だ。
経営や取次その他雑用をこなすスタッフと、つぼみ姫、花姫たち従業員はまったく立場が違うんだ。
そうだな‥つぼみ姫、花姫たちは芸能人で、その他スタッフは裏方とかマネージャーって感じ。
スタッフと芸能人であるつぼみ姫、花姫たちたちは休憩する部屋も当たり前に違うってわけ。
つぼみ姫、花姫たちは、言うならばここの所属タレントなんだけど、スタッフが
「この人と会ってみるおつもりはありますか? 」
って伺いを立てても、マジックミラー越しに客を見て気に入らなければ会わないことも可能なんだ。
会わないってことは、今までなかったけどね。
つぼみ姫も花姫も凄くいい子ばっかりだし、そもそも、お客さんも変な人はいないよね。そういうのは、スタッフが事前にチェックしてるんだ。例えば、どこそこの飲み屋で問題を起こしまくってる‥とか、酒癖が悪いって人たちはアウト、みたいな? 顔も、僕的にはイケメンばっかりだし。それは彼女たち「ここの世界とはちょっと趣味嗜好が違う」子たちにとってもそうみたい。
「え! あんなかっこいい人! 」
って顔を真っ赤にして喜んでる子たちを想像したら、ほんわかする。(実際には、僕は開店後は例の面接室隣に引っ込んじゃうから、そんな様子を直接見たことはないから、多分そうだろうって想像するだけ)
リリアンは朝からハイテンションで僕にそんな話してくれたしね。(リリアンとは毎朝会うからすっかり仲良くなったんだ)「昨日凄いかっこいい人とお出かけしちゃった~! 」とか話してたな。
ここだけは地球と同じって感じで面白いなって思った。
‥あ、話が脱線した。
ロゼッタが「掃除を手伝わせてください」って言ったって話だったね。
勿論断ったよ。ロゼッタの手が荒れたりしたら大変だから。ロゼッタがここの所属タレントだからっていうのが一番の理由なんだけど、それよりは‥ロゼッタの手は白くってすべすべで今までそんな仕事したことなんてないって手をしてたから‥かな。
ロゼッタは
「父親が貴族なんです」
って自分の身の上話をしてくれた。
「凄く面食いで、平民だったけれど美人で評判だった母さんの噂を聞きつけて、母さんが働く飲み屋に見に来て‥母さんを愛人にしたの。
それで、時々母さんの一人住まいの家に泊まっていった。
父親が有名な遊び人ってことは母さんも知ってたんだけど、母さんは‥惚れてたんでしょうね。父親は評判の色男だったから‥」
評判の色男でも、僕は女ったらしなんて問題外だけどね。そんなことを思いながら僕も相槌を打つ。‥勿論、掃除の手を止めないで、だ。
彼女は、まるで木やなんか相手に独り言を言うかのように‥ぽつぽつと語り続けた。
「そのうち、姉と私が産まれ‥だけど、私たちが大きくなるころには、父親は年がとって容姿の衰えた母さんに対する興味を失っていた。
私たち姉妹は‥自分でこう言うのも憚られますが、その‥容姿が美しかった母親似で父親のお気に召したのでしょう。「使い道がある」と引き取られました。‥勿論政略結婚をさせる為です。
それから、私たちは貴族としての勉強をさせられ‥成人したら社交界に出さされました。
皆が私たちの容姿を褒めるのですが、‥それを聞くたびに私は馬鹿馬鹿しい気持ちになった。
‥容姿なんて何の意味があるのかって」
ポツリと最後に付け加えた言葉は、面接の時にロゼッタが言った言葉。
「どうせ、綺麗なのは今だけだ。歳をとれば容姿は衰える。‥私の価値はそんな見かけだけのものだけなのかって。そんな‥自分の人生は無意味なものなのかって‥悲しかった。
そう思ったら、悔しくて‥怖かった。焦りを感じて‥それからは脇目も振らず勉強した。将来役に立ちそうな知識全部。‥誰かにとって意味がありそうな学問全部。もう、片っ端から! ‥そうでもしてないと、気が狂いそうだった。ずっと頭の片隅には、部屋の片隅で私たちが父親に連れていかれるのを黙って‥俯いてただ見送った母親の姿があった‥。
だけど‥社交界で誰かに見初められて結婚しても、その知識を使うことはない‥そう思ったら‥居てもたってもいられずに‥ここに来てた。
ここに来る人は、防衛や、建築とはいえ‥国の役に直接立ってる人たちだから‥」
ここに来ることをその父親に反対されなかったのかな? って気になったけど‥それを聞いても僕には何も出来ないから聞くのは止めた。
だけど、もしここに攻めて来たら力になってあげようって心に誓った。
それと‥
こういう人かな、って思った。
王子様の王妃様になるような人。
自分の為だけじゃなく、皆の為に‥ってロゼッタは言った。
博愛主義者って、‥僕は今まで偽善者だって思ってた。皆に愛をって結局、誰に対しても特別な感情を持ってないんじゃんって‥。でもね、王子様を知ってからは‥「皆に愛を」もあり得るのかなって思って‥今ではちょっと「世界が平和でありますように」って絵馬に書く人の気持ちが分かるようになった‥って言うか‥。
まあ‥今までの僕はひねくれてたってことだね。
皆に慈しみの目をホントに向けてる人もいるって‥今ではちょっと信じられた。
ロゼッタも‥ちょっとそんな素質があるのかも?
人の痛みを知っていて、人を容姿で判断なんてしなくて、その前提として、容姿が特別悪い王子(この国的に)に耐性がある。
自分のことだけじゃなくって、周りに対しても関心があり、人の為に出来ることを考えている。
学もあるし、向上心もある。付け焼刃かもしれないけど、貴族としての知識や所作も身についてる。
綺麗だけど、それを鼻にかけたりしない。慎み深く、平民の僕にも偉そうになんてしない。
凄く感じがいい。
なにより‥僕自身がこの子に好感を持った。(勿論、恋愛的にじゃなくてだ)
おせっかいかもしれないけど、‥今度、王子様と夢で逢ったら「ぜひ会ってみて欲しい」って提案しよう‥そう思った。
「一目見た瞬間、女神とはかくあらん‥って思った」
って言わしめた新人‥ロゼッタ。
ロゼッタは、
「美の基準がこの国一般の人と違うとかいう問題以前に、私には‥美醜の基準そのものが無いんです。誰を見ても、ただ人間としか認識しないし、顔の違いなんて個人を識別する以外に意味をなさないのです」
って言った。
啓史兄さんと同じタイプだ~って思って聞いていると、彼女は一際真面目な顔をして
「美醜なんて‥何の意味があります? 」
って聞いた。
ロゼッタさんに対する僕の第一印象は、凛とした美人。
花の名前には詳しくないんだけど、花弁が多重じゃないスッキリした紫の花って感じ。桔梗とかって言う感じより‥アヤメとかって感じかな? (僕は花の名前はそんなくらいしか知らないんだ。あと、バラとチューリップ、サクラ、キクとか? ウメとモモの花の違いもわかんないんだ)
紫ってのは‥だけど、目の色に引っ張られたわけじゃない。ロゼッタさんの目の色は黄緑っぽい黄色だった。
その目も、そう存在感を主張しているわけでもない。
ロゼッタさんは、すっとした切れ長の目をしていた。吊り目がちなんだけど、決してキツイ印象を与えないのは、彼女の独島の雰囲気のせいだ。
ふんわりとした丸顔。低い鼻、小さな口‥全部が控えめに配置されている。
昔の日本の子どもが好んで遊んだ姉さん人形のような容姿だって思った。
(ここの美の基準はやっぱりよくわからないから)女神かどうかはよくわからないけど、雰囲気があるなって思った。
きっと、選ばれた特別な人ってこんな感じなんだろうって思わせるオーラ。
僕は、隣の部屋で彼女を見て‥そう思った。
リリアンには感じられる親しみやすい、癒されるような雰囲気は、彼女には微塵も感じられない。
だからといって、取り付く島もないつっけんどんな印象なのかと聞かれれると、それも違う。
孤高‥それも違う。
彼女は‥。
そんなことを考えているうちに彼女の面接が終わり、
「まるで人形みたいな人だな。いや、‥その‥悪い意味じゃなくてね。現実味がないって感じ」
彼女が部屋から出て行った瞬間、面接官の一人がボソリ‥と呟いた。
「失礼なこと言うなよ‥。でも、‥私もそれは‥思った。あの容姿だから、余計にね。なんだか生きて動いてるイメージが無いって言うか‥ね。
でも、彼女を不合格にするのはもったいない。
総ては俊哉君の判断に任せるほかないな」
‥急に話が僕に振られ、びっくりした。
いつもは、全員まとめて一日分あとで返事って感じなんだけど‥それっ位インパクトあったってことだろう。
だけど‥まあ、そうだろう。彼女は‥それ位特別だった。
雰囲気がある。非凡ではない‥そんな感じ。
う~ん。何だろ、この感じ。
彼女のこと、もう少し知りたい。
恋とかとは違う興味で、僕はそう思った。
その機会は結構早くやってきた。
リリアンの結婚が決まり(結婚式はまだ。だけど、結婚式の準備やら新居探しで忙しいから‥と彼女は早々に退職していった)早く来る人もいなかった早朝の「つぼみ姫、花姫控室」に彼女はいた。
「家にあまりいたくないので」
彼女は言い訳のように僕に言って、
「‥お掃除の邪魔になりますか? この部屋から出た方がいいかとは思うのですが‥あの‥良かったら手伝わせてください」
って提案してくれた。
僕はやっぱり掃除の人って認識されてるみたいです。
無理ないけどね。
‥っていうか、着替えとかは別の部屋でするとは言え、女性のプライベートな部屋に入るのは良くないかも? でも、くつろぎスペースだからこそ綺麗にしておきたいって感じもするんだよね‥。
ここは言うならば従業員(つぼみ姫、花姫)の談話室って感じの部屋だ。
経営や取次その他雑用をこなすスタッフと、つぼみ姫、花姫たち従業員はまったく立場が違うんだ。
そうだな‥つぼみ姫、花姫たちは芸能人で、その他スタッフは裏方とかマネージャーって感じ。
スタッフと芸能人であるつぼみ姫、花姫たちたちは休憩する部屋も当たり前に違うってわけ。
つぼみ姫、花姫たちは、言うならばここの所属タレントなんだけど、スタッフが
「この人と会ってみるおつもりはありますか? 」
って伺いを立てても、マジックミラー越しに客を見て気に入らなければ会わないことも可能なんだ。
会わないってことは、今までなかったけどね。
つぼみ姫も花姫も凄くいい子ばっかりだし、そもそも、お客さんも変な人はいないよね。そういうのは、スタッフが事前にチェックしてるんだ。例えば、どこそこの飲み屋で問題を起こしまくってる‥とか、酒癖が悪いって人たちはアウト、みたいな? 顔も、僕的にはイケメンばっかりだし。それは彼女たち「ここの世界とはちょっと趣味嗜好が違う」子たちにとってもそうみたい。
「え! あんなかっこいい人! 」
って顔を真っ赤にして喜んでる子たちを想像したら、ほんわかする。(実際には、僕は開店後は例の面接室隣に引っ込んじゃうから、そんな様子を直接見たことはないから、多分そうだろうって想像するだけ)
リリアンは朝からハイテンションで僕にそんな話してくれたしね。(リリアンとは毎朝会うからすっかり仲良くなったんだ)「昨日凄いかっこいい人とお出かけしちゃった~! 」とか話してたな。
ここだけは地球と同じって感じで面白いなって思った。
‥あ、話が脱線した。
ロゼッタが「掃除を手伝わせてください」って言ったって話だったね。
勿論断ったよ。ロゼッタの手が荒れたりしたら大変だから。ロゼッタがここの所属タレントだからっていうのが一番の理由なんだけど、それよりは‥ロゼッタの手は白くってすべすべで今までそんな仕事したことなんてないって手をしてたから‥かな。
ロゼッタは
「父親が貴族なんです」
って自分の身の上話をしてくれた。
「凄く面食いで、平民だったけれど美人で評判だった母さんの噂を聞きつけて、母さんが働く飲み屋に見に来て‥母さんを愛人にしたの。
それで、時々母さんの一人住まいの家に泊まっていった。
父親が有名な遊び人ってことは母さんも知ってたんだけど、母さんは‥惚れてたんでしょうね。父親は評判の色男だったから‥」
評判の色男でも、僕は女ったらしなんて問題外だけどね。そんなことを思いながら僕も相槌を打つ。‥勿論、掃除の手を止めないで、だ。
彼女は、まるで木やなんか相手に独り言を言うかのように‥ぽつぽつと語り続けた。
「そのうち、姉と私が産まれ‥だけど、私たちが大きくなるころには、父親は年がとって容姿の衰えた母さんに対する興味を失っていた。
私たち姉妹は‥自分でこう言うのも憚られますが、その‥容姿が美しかった母親似で父親のお気に召したのでしょう。「使い道がある」と引き取られました。‥勿論政略結婚をさせる為です。
それから、私たちは貴族としての勉強をさせられ‥成人したら社交界に出さされました。
皆が私たちの容姿を褒めるのですが、‥それを聞くたびに私は馬鹿馬鹿しい気持ちになった。
‥容姿なんて何の意味があるのかって」
ポツリと最後に付け加えた言葉は、面接の時にロゼッタが言った言葉。
「どうせ、綺麗なのは今だけだ。歳をとれば容姿は衰える。‥私の価値はそんな見かけだけのものだけなのかって。そんな‥自分の人生は無意味なものなのかって‥悲しかった。
そう思ったら、悔しくて‥怖かった。焦りを感じて‥それからは脇目も振らず勉強した。将来役に立ちそうな知識全部。‥誰かにとって意味がありそうな学問全部。もう、片っ端から! ‥そうでもしてないと、気が狂いそうだった。ずっと頭の片隅には、部屋の片隅で私たちが父親に連れていかれるのを黙って‥俯いてただ見送った母親の姿があった‥。
だけど‥社交界で誰かに見初められて結婚しても、その知識を使うことはない‥そう思ったら‥居てもたってもいられずに‥ここに来てた。
ここに来る人は、防衛や、建築とはいえ‥国の役に直接立ってる人たちだから‥」
ここに来ることをその父親に反対されなかったのかな? って気になったけど‥それを聞いても僕には何も出来ないから聞くのは止めた。
だけど、もしここに攻めて来たら力になってあげようって心に誓った。
それと‥
こういう人かな、って思った。
王子様の王妃様になるような人。
自分の為だけじゃなく、皆の為に‥ってロゼッタは言った。
博愛主義者って、‥僕は今まで偽善者だって思ってた。皆に愛をって結局、誰に対しても特別な感情を持ってないんじゃんって‥。でもね、王子様を知ってからは‥「皆に愛を」もあり得るのかなって思って‥今ではちょっと「世界が平和でありますように」って絵馬に書く人の気持ちが分かるようになった‥って言うか‥。
まあ‥今までの僕はひねくれてたってことだね。
皆に慈しみの目をホントに向けてる人もいるって‥今ではちょっと信じられた。
ロゼッタも‥ちょっとそんな素質があるのかも?
人の痛みを知っていて、人を容姿で判断なんてしなくて、その前提として、容姿が特別悪い王子(この国的に)に耐性がある。
自分のことだけじゃなくって、周りに対しても関心があり、人の為に出来ることを考えている。
学もあるし、向上心もある。付け焼刃かもしれないけど、貴族としての知識や所作も身についてる。
綺麗だけど、それを鼻にかけたりしない。慎み深く、平民の僕にも偉そうになんてしない。
凄く感じがいい。
なにより‥僕自身がこの子に好感を持った。(勿論、恋愛的にじゃなくてだ)
おせっかいかもしれないけど、‥今度、王子様と夢で逢ったら「ぜひ会ってみて欲しい」って提案しよう‥そう思った。
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