294 / 310
286.そうだ、コーヒーを差し入れしよう。(side コリン)
しおりを挟む
団体の力で(罰則者の先輩方の犠牲の力で)あっという間に仕事は終わり、もう「いつ協会を潰しに行くか」って段階になっていた。
‥あんまりあっさりで驚くし、‥なんか嫌な気持ちになる。
いいことなんだって分かるけど‥なんかね。(わかってる。気分の問題だ)
仕事が終わったっていっても、勿論「協会を潰す以外の仕事」が終わったわけでは無い。
直接手を下す以外の仕事全部ってことだ。
「魔薬工場の場所ってどうやって見つけたんですか? 」
「薬草栽培場所の特定はどうやったんですか? 」
「魔薬の売人の特定は? 」
「魔薬購入者の名簿は手に入りましたか? 」
僕は、今まで調べて来た者として、全部知っておきたかったんだ。
しつこく色々聞く僕におやっさんも、‥意外なことに先輩たちも丁寧に教えてくれた。
先輩たちの事、今までもっと冷たいって思ってたのに‥誤解して怖がってただけなのかもしれない。
でも、
「魔薬工場の場所? 魔薬の売人に吐かせた」
ってこともなげに言った先輩の表情に
‥やっぱ怖い。この人たち、絶対売人たちを「もう殺してくれ」って目にあわせたんだろうな‥
って思った。
誓約士は、人の気持ちとか基本的にどうでもいいんだ。
売人の特定、魔薬購入者名簿なんかもそうやって吐かせた情報なんだろう。
‥その吐かされた売人は、僕が以前知り合ったシアン、マゼンタ、パープルそしてガーネットだった。(ガーネットは売人じゃないんだけどね)
僕の嘘の身の上話を信じて‥心配してくれたガーネットのことあっさり売るのもどうかって思ったけど、
「うちに捕まってる方が命は保障される」
っておやっさんに言われたからだ。
確かに、先輩は非道だけど命までは取らないもんな。
‥多分だけど。
もう殺してくれって思いを連日するのと、悪の組織に一思いに殺されるのとどっちがましかって聞かれたらきっと一思いに‥の方が楽なんだろうけど、罪は一生かけて償うべきだと思う。
自分でこの世界に望んで入ったわけでは無いのに‥って分かるから‥心は痛むんだけどねえ。
「それも含めてその人の運命だから」
ってザッカさんが言ってた。
運命って言葉は残酷だね。
あと、薬草栽培場所の特定。
これは、僕の調べた「魔素線地図」の広範囲版みたいなものと「魔物が出る」と噂が出て立ち入り禁止になった森の情報を集めて調べた‥らしい。
ホント、集団の力は素晴らしい。
「‥とまあ、ここまででも十分大変だったわけだけど‥これでもまだ下準備をしただけなわけだ」
と、おやっさんがため息をつく。
‥まあ、そうだよね。
下準備っていうか‥情報収集ね。
だけど、これじゃ協会を訴える証拠には全然ならない。
「こういうのがあるのはわかっとるんだぞ」
って言っても
「うちには関係ないです」
って言われたら終わりだ。
「協会から紹介されて働いてる人とかいたら? それで関係がある証拠にならない? 」
ならないだろうな~って思いながら、でも取り敢えず口にしてみたら‥思いっきり馬鹿にされた顔された。
「コリンならそう言われて認める? 」
って‥そんな顔しないで‥。
「孤児の村の件が一番犯罪として立件しやすいかなあ。殺人、誘拐、監禁、洗脳‥」
「問題は、協会とその村の関係を証明する何かがあるか‥だな」
先輩とおやっさんが難しい顔を寄せ合ってこそこそと打ち合わせしている。
ここの人たちの会議って‥いつも思うんだけど‥なんかこう‥暗いんだよね。
ザッカさんたちとの会議ってもっといろいろ意見を出し合ったり、こう‥活気があった。
ここの会議はおやっさんにあらかじめ調べて来たことを報告して、おやっさんがそれを聞いて、分からないことを次への宿題みたいな感じで‥指示する感じなんだよな。
もっとこの場所で
「こうやったらいいんじゃない? 」
「こういうのも調べたら? 」
とか意見出し合えばいいのに。
そんなことを思いながら‥僕は立ち上がり‥
お盆に人数分のカップを並べた。
お湯をたっぷり沸かして、コーヒー豆を挽いて‥麻袋をコーヒーフィルター代わりにコーヒードリッパーにセットして‥やかんからお湯を注ぐ。
‥ホントはドリップケトルとかいう注ぎ口が細くなっているヤカンを使うのがいいんだ。
「これをつかえば、お湯をピンポイントにそそぐことが出来る」
とかっていいながら、ザッカさんが淹れてたのを見てたから間違いない。
そうやってコーヒーを淹れるザッカさんの手つきは繊細で、何時もの「男気MAX! 」なザッカさんとは違って職人さんみたいに見えて‥かっこよかった。
あれは、憧れる。
だけど、ここにはそんな「気の利いたもの」勿論だけど、ない。ここの連中にそんな拘りなんてない。ドリッパーでさえもなかったから、僕が買って来た位だ。‥勿論3人前くらいの小さい奴だけど。
それで、ここにいる‥ゆうに10人位のコーヒーを淹れる。
粉がドリッパーから溢れそうだけど‥まあ気にしないでおく。
ここの連中に自発的に「何かしよう」って思う日が来るなんてなあ‥。
そんなこんなで入った「僕的に完ぺきとは絶対に言えないコーヒー」を皆の手元に配る。
「要らぬことをして」
って顔されるかな? って思ったけど、意外に‥皆きょとんとした表情を一瞬した後、ぼそぼそとお礼を言ってくれた。
きっとこういう経験が彼らには今までなかったんだろうな~って思った。
意外なことに、この後の会議は‥あくまでも彼らにしてはだけど‥驚くほど活気のあるものになった。
コーヒーって円滑な会議におけるコミュニケーションツールなのかもな、なんて思ったり。
今まで、僕が彼らに対して偏見を持ちすぎてたのかもな‥って思ったり。
ま、色々だ。
「協会の方から調べた方がいい‥とかかもしれませんね」
コーヒーを一口飲んで、先輩が発言した。
別に全然珍しいことでもないんだけど‥そういえばここではこういうことって珍しい。
さっきも言ったように、ここの会議はおやっさんへの一方的な報告‥が主だから。
‥そういう(意見が出たりする)の、僕はいいと思うんだけど‥おやっさん的には「ここの伝統を変えやがって」的な感じになったりして‥不快な気持ちになったりするかな?
なんて一瞬心配しておやっさんの方を盗み見たが、おやっさんにそんな様子は見られない。
「そうだろうが‥奴らがそうそうしっぽを出したりするか? 」
お代わりのコーヒーを自分で淹れながら、首を傾げる。
「奴らの事業内容を全部洗いなおすことから始めてみましょうか」
「それより、役員全員を24時間監視するってのは? 」
「そうだな。まず、素性を洗ってから‥な」
おお‥次々と意見が出て来る‥。
「俺、教会出身者なんですけど‥学生時代に俺に闇属性の魔法を勧めてきた先生がいたんだけど‥今「そういう目」でみたら、奴とか‥協会のまわし者だったんじゃないかなって思うんです」
‥あ、僕と同じような感じ‥。
「あ、俺もそれ」
「俺らはだけど優秀だから闇属性に汚染されるまでに威圧をマスターしたけど、あの過程で闇属性に汚染されて奴らの仲間になった奴とかもいたんじゃね? 」
‥先輩たちも「自分たちは優秀だから」って言うのね。‥僕も言いました。ここら辺この人たちも魔術士だったんだなって感じするよね。
「協会から教会やアカデミーの先生になった。もしくは、協会の紹介で来た先生‥まず彼らから調べていこうか‥」
三杯目のコーヒーを飲みながらおやっさんが言った。
コーヒーを飲みながら、先輩やおやっさんが意見を出し合う。
ただそれだけ‥それだけの普通の事。
僕は今日、ここにとっては「とても大きな変化の一歩」の手助けが出来た。そう思えて‥心がほんわか温かくなったのだった。(ただ、議題はまだ解決してはいない)
‥あんまりあっさりで驚くし、‥なんか嫌な気持ちになる。
いいことなんだって分かるけど‥なんかね。(わかってる。気分の問題だ)
仕事が終わったっていっても、勿論「協会を潰す以外の仕事」が終わったわけでは無い。
直接手を下す以外の仕事全部ってことだ。
「魔薬工場の場所ってどうやって見つけたんですか? 」
「薬草栽培場所の特定はどうやったんですか? 」
「魔薬の売人の特定は? 」
「魔薬購入者の名簿は手に入りましたか? 」
僕は、今まで調べて来た者として、全部知っておきたかったんだ。
しつこく色々聞く僕におやっさんも、‥意外なことに先輩たちも丁寧に教えてくれた。
先輩たちの事、今までもっと冷たいって思ってたのに‥誤解して怖がってただけなのかもしれない。
でも、
「魔薬工場の場所? 魔薬の売人に吐かせた」
ってこともなげに言った先輩の表情に
‥やっぱ怖い。この人たち、絶対売人たちを「もう殺してくれ」って目にあわせたんだろうな‥
って思った。
誓約士は、人の気持ちとか基本的にどうでもいいんだ。
売人の特定、魔薬購入者名簿なんかもそうやって吐かせた情報なんだろう。
‥その吐かされた売人は、僕が以前知り合ったシアン、マゼンタ、パープルそしてガーネットだった。(ガーネットは売人じゃないんだけどね)
僕の嘘の身の上話を信じて‥心配してくれたガーネットのことあっさり売るのもどうかって思ったけど、
「うちに捕まってる方が命は保障される」
っておやっさんに言われたからだ。
確かに、先輩は非道だけど命までは取らないもんな。
‥多分だけど。
もう殺してくれって思いを連日するのと、悪の組織に一思いに殺されるのとどっちがましかって聞かれたらきっと一思いに‥の方が楽なんだろうけど、罪は一生かけて償うべきだと思う。
自分でこの世界に望んで入ったわけでは無いのに‥って分かるから‥心は痛むんだけどねえ。
「それも含めてその人の運命だから」
ってザッカさんが言ってた。
運命って言葉は残酷だね。
あと、薬草栽培場所の特定。
これは、僕の調べた「魔素線地図」の広範囲版みたいなものと「魔物が出る」と噂が出て立ち入り禁止になった森の情報を集めて調べた‥らしい。
ホント、集団の力は素晴らしい。
「‥とまあ、ここまででも十分大変だったわけだけど‥これでもまだ下準備をしただけなわけだ」
と、おやっさんがため息をつく。
‥まあ、そうだよね。
下準備っていうか‥情報収集ね。
だけど、これじゃ協会を訴える証拠には全然ならない。
「こういうのがあるのはわかっとるんだぞ」
って言っても
「うちには関係ないです」
って言われたら終わりだ。
「協会から紹介されて働いてる人とかいたら? それで関係がある証拠にならない? 」
ならないだろうな~って思いながら、でも取り敢えず口にしてみたら‥思いっきり馬鹿にされた顔された。
「コリンならそう言われて認める? 」
って‥そんな顔しないで‥。
「孤児の村の件が一番犯罪として立件しやすいかなあ。殺人、誘拐、監禁、洗脳‥」
「問題は、協会とその村の関係を証明する何かがあるか‥だな」
先輩とおやっさんが難しい顔を寄せ合ってこそこそと打ち合わせしている。
ここの人たちの会議って‥いつも思うんだけど‥なんかこう‥暗いんだよね。
ザッカさんたちとの会議ってもっといろいろ意見を出し合ったり、こう‥活気があった。
ここの会議はおやっさんにあらかじめ調べて来たことを報告して、おやっさんがそれを聞いて、分からないことを次への宿題みたいな感じで‥指示する感じなんだよな。
もっとこの場所で
「こうやったらいいんじゃない? 」
「こういうのも調べたら? 」
とか意見出し合えばいいのに。
そんなことを思いながら‥僕は立ち上がり‥
お盆に人数分のカップを並べた。
お湯をたっぷり沸かして、コーヒー豆を挽いて‥麻袋をコーヒーフィルター代わりにコーヒードリッパーにセットして‥やかんからお湯を注ぐ。
‥ホントはドリップケトルとかいう注ぎ口が細くなっているヤカンを使うのがいいんだ。
「これをつかえば、お湯をピンポイントにそそぐことが出来る」
とかっていいながら、ザッカさんが淹れてたのを見てたから間違いない。
そうやってコーヒーを淹れるザッカさんの手つきは繊細で、何時もの「男気MAX! 」なザッカさんとは違って職人さんみたいに見えて‥かっこよかった。
あれは、憧れる。
だけど、ここにはそんな「気の利いたもの」勿論だけど、ない。ここの連中にそんな拘りなんてない。ドリッパーでさえもなかったから、僕が買って来た位だ。‥勿論3人前くらいの小さい奴だけど。
それで、ここにいる‥ゆうに10人位のコーヒーを淹れる。
粉がドリッパーから溢れそうだけど‥まあ気にしないでおく。
ここの連中に自発的に「何かしよう」って思う日が来るなんてなあ‥。
そんなこんなで入った「僕的に完ぺきとは絶対に言えないコーヒー」を皆の手元に配る。
「要らぬことをして」
って顔されるかな? って思ったけど、意外に‥皆きょとんとした表情を一瞬した後、ぼそぼそとお礼を言ってくれた。
きっとこういう経験が彼らには今までなかったんだろうな~って思った。
意外なことに、この後の会議は‥あくまでも彼らにしてはだけど‥驚くほど活気のあるものになった。
コーヒーって円滑な会議におけるコミュニケーションツールなのかもな、なんて思ったり。
今まで、僕が彼らに対して偏見を持ちすぎてたのかもな‥って思ったり。
ま、色々だ。
「協会の方から調べた方がいい‥とかかもしれませんね」
コーヒーを一口飲んで、先輩が発言した。
別に全然珍しいことでもないんだけど‥そういえばここではこういうことって珍しい。
さっきも言ったように、ここの会議はおやっさんへの一方的な報告‥が主だから。
‥そういう(意見が出たりする)の、僕はいいと思うんだけど‥おやっさん的には「ここの伝統を変えやがって」的な感じになったりして‥不快な気持ちになったりするかな?
なんて一瞬心配しておやっさんの方を盗み見たが、おやっさんにそんな様子は見られない。
「そうだろうが‥奴らがそうそうしっぽを出したりするか? 」
お代わりのコーヒーを自分で淹れながら、首を傾げる。
「奴らの事業内容を全部洗いなおすことから始めてみましょうか」
「それより、役員全員を24時間監視するってのは? 」
「そうだな。まず、素性を洗ってから‥な」
おお‥次々と意見が出て来る‥。
「俺、教会出身者なんですけど‥学生時代に俺に闇属性の魔法を勧めてきた先生がいたんだけど‥今「そういう目」でみたら、奴とか‥協会のまわし者だったんじゃないかなって思うんです」
‥あ、僕と同じような感じ‥。
「あ、俺もそれ」
「俺らはだけど優秀だから闇属性に汚染されるまでに威圧をマスターしたけど、あの過程で闇属性に汚染されて奴らの仲間になった奴とかもいたんじゃね? 」
‥先輩たちも「自分たちは優秀だから」って言うのね。‥僕も言いました。ここら辺この人たちも魔術士だったんだなって感じするよね。
「協会から教会やアカデミーの先生になった。もしくは、協会の紹介で来た先生‥まず彼らから調べていこうか‥」
三杯目のコーヒーを飲みながらおやっさんが言った。
コーヒーを飲みながら、先輩やおやっさんが意見を出し合う。
ただそれだけ‥それだけの普通の事。
僕は今日、ここにとっては「とても大きな変化の一歩」の手助けが出来た。そう思えて‥心がほんわか温かくなったのだった。(ただ、議題はまだ解決してはいない)
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる