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264.show must go on
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あの後‥フタバがナナベルと別の場所に向かった後‥、皆は「なんだなんだ? 何事だ」ってかなり興味を持った様だった。
だって、魔術士二番人気「クールな美少女」フタバが魔術士的に「ちょっとね‥」なタイプ・派手めな美女と出て行ったんだもの。
「フタバさんがいじめられてるんでは?? 」
って会場内がざわつき‥ザッカとシークが「二人は知り合いらしい」って説明するっていう‥ちょっとした騒動に発展した。
その後
「‥そういえばコーナーもいなくね? 」
「‥アンバー様も! 」
って気付いた奴がいて‥
会場内は
「実は、あの派手めの美女はアンバー様のストーカーで(注:さっきザッカが「知り合い」って説明したけど、「きっといじめられてるに違いない」って決めつけている魔術士たちは聞いていない。魔術士たちは‥けっこう人の話を聞かない)、友達想い(※いくらカッコイイアンバーと言えど、皆のアイドル・フタバと恋仲だとは思いたくない)なフタバさんが別室で窘めようとしていた。そして、アンバー様はそんなフタバさんを気にかけて‥なんて素晴しい友情(※いくらカッコイイ‥以下略)なんだ‥」
って話になった。
コリンについては、
「コーナーは‥出歯亀だろう。アイツが友達心配‥とかいう人間的な感情を持つ‥とか有り得ないだろう」
ってことで意見が一致したらしい。
で、ザッカたちがいくら「大丈夫」って言っても、会場がざわざわ‥って落ち着かない状態になったから、ザッカがあの場所に向かった‥って訳。
ザッカが例の場所に着いた時には、ナナベルはもうそこにはいなかった。‥アンバーに「お嬢さん(フタバ)とお幸せにね! 」って言った後、ナナベルはあの場所を去ったからね。
そして、ナナベルは会場に戻ると誰とも話すこともなく帰っていったらしい。(ロナウ談)
そりゃまあね。
知り合いはいないだろうし‥貴族の知り合いとかいたら嫌だしね。
だけど、ナナベルの事情なんて勿論知らないし、きっと興味もない皆は、
「どうやら、フタバさんの説得に応じた‥もしかしたら、フタバさんの優しさに打たれて「自分が間違えていた」って反省したのかも」
って話になった、とロナウが、フタバとアンバーに遅れて会場に戻ってきたザッカにこそっと説明した。
ザッカはあの後、コリンと少し話したから会場に戻るのが遅くなったんだ。
ロナウは、ザッカにおかしそうに‥コリンについての皆の予想(コリンは、アンバーとフタバを出歯亀しに行った‥という予想)を教えてやった。
ザッカは
「‥アイツの日頃の行いのせいかもしれんが‥流石に酷いな」
って苦笑いしたけど、
ちょうど戻ってきたコリンに対して皆が
「出歯亀してたコーナーも‥フタバさんの素晴らしい言葉には感動して「自分は今までなんて汚れてたんだ‥」「そして今も出歯亀なんてして‥恥ずかしい」って自らの今までの行いを恥じた。
‥あの顔は‥反省している顔だ。反省して‥恥じている顔だ。流石、フタバさん」
って小声で言ったのには‥ザッカとロナウも‥つい思いっきり吹き出してしまった。
あいつ、嫌われすぎだろ!
コリンは、会場に戻る直前位で隠密のスキルを解くと、きょろりと会場を見渡し、アンバーを探した。
幸いアンバーはフタバと共に皆に取り囲まれていて目立っていたせいで、すぐに見つけることが出来た。
コリンは、アンバーとフタバにそっと近づき、アンバーだけを「ちょっとこっちに‥」ってさりげなく呼んだ。
会場の隅でコリンがアンバーに小声で
「‥魔薬使用者は特定できた? 」
こそっと聞くと、アンバーが頷き、ロナウに視線で合図を送った。
ロナウがコリンたちに合流して、アンバーがロナウに薬物使用者を告げる。
ロナウがぐるりと会場を見回し、さっきアンバーから聞いた人物を特定し「マーク」すると、(ロナウが「マーク」したことを感じ取った)フタバがロナウを振り向き小さく頷く。
そして、フタバとロナウ、コリンというかっての共同体メンバーが揃う。
いつしか皆は話すのをやめて、ロナウたちを見た。
ロナウとコリンは一緒に立つと、目立つ。華やかだから、やっぱり目立つ。
そして‥ロナウは二人の横に立つと、何時も以上に地味になる。‥もう、空気か背景かって程存在感がなくなる。
そんな三人はだけど、在学時代から目立つ共同体だった。
何しろ‥実力が段違いだから。
「あの共同体が揃った‥しかも‥なにやらロナウが魔法を使っている様だ‥」
会場が一気に騒がしくなる。
注目される中、ロナウが鞄から無言で光沢のある藍色のローブを出す。
皆の目がロナウに集中して‥会場内が更にざわつく
「?! 」
その状況にザッカとシーク、アンバー‥数人の「共同体」未所属者が驚く。
「何? どうしたの? 」
って状況が分からない様子だ。きょろきょろと周りを見回す。
「なんでロナウが? 」
共同体所属者がざわついた理由は‥
ロナウが出した藍色のローブが「共同体のリーダー」のローブだったから。
‥え? なんで? あの共同体のリーダーはコーナーだろ???
皆の視線がロナウに集まる。
ロナウは誇らしそうに、周りをぐるりと見渡すとよく通る声で
「皆様、今日はお集りくださいましてありがとうございます。
今から、僕らの共同体で大掛かりな魔術ショーをしようと思います」
って言ったんだ。
だって、魔術士二番人気「クールな美少女」フタバが魔術士的に「ちょっとね‥」なタイプ・派手めな美女と出て行ったんだもの。
「フタバさんがいじめられてるんでは?? 」
って会場内がざわつき‥ザッカとシークが「二人は知り合いらしい」って説明するっていう‥ちょっとした騒動に発展した。
その後
「‥そういえばコーナーもいなくね? 」
「‥アンバー様も! 」
って気付いた奴がいて‥
会場内は
「実は、あの派手めの美女はアンバー様のストーカーで(注:さっきザッカが「知り合い」って説明したけど、「きっといじめられてるに違いない」って決めつけている魔術士たちは聞いていない。魔術士たちは‥けっこう人の話を聞かない)、友達想い(※いくらカッコイイアンバーと言えど、皆のアイドル・フタバと恋仲だとは思いたくない)なフタバさんが別室で窘めようとしていた。そして、アンバー様はそんなフタバさんを気にかけて‥なんて素晴しい友情(※いくらカッコイイ‥以下略)なんだ‥」
って話になった。
コリンについては、
「コーナーは‥出歯亀だろう。アイツが友達心配‥とかいう人間的な感情を持つ‥とか有り得ないだろう」
ってことで意見が一致したらしい。
で、ザッカたちがいくら「大丈夫」って言っても、会場がざわざわ‥って落ち着かない状態になったから、ザッカがあの場所に向かった‥って訳。
ザッカが例の場所に着いた時には、ナナベルはもうそこにはいなかった。‥アンバーに「お嬢さん(フタバ)とお幸せにね! 」って言った後、ナナベルはあの場所を去ったからね。
そして、ナナベルは会場に戻ると誰とも話すこともなく帰っていったらしい。(ロナウ談)
そりゃまあね。
知り合いはいないだろうし‥貴族の知り合いとかいたら嫌だしね。
だけど、ナナベルの事情なんて勿論知らないし、きっと興味もない皆は、
「どうやら、フタバさんの説得に応じた‥もしかしたら、フタバさんの優しさに打たれて「自分が間違えていた」って反省したのかも」
って話になった、とロナウが、フタバとアンバーに遅れて会場に戻ってきたザッカにこそっと説明した。
ザッカはあの後、コリンと少し話したから会場に戻るのが遅くなったんだ。
ロナウは、ザッカにおかしそうに‥コリンについての皆の予想(コリンは、アンバーとフタバを出歯亀しに行った‥という予想)を教えてやった。
ザッカは
「‥アイツの日頃の行いのせいかもしれんが‥流石に酷いな」
って苦笑いしたけど、
ちょうど戻ってきたコリンに対して皆が
「出歯亀してたコーナーも‥フタバさんの素晴らしい言葉には感動して「自分は今までなんて汚れてたんだ‥」「そして今も出歯亀なんてして‥恥ずかしい」って自らの今までの行いを恥じた。
‥あの顔は‥反省している顔だ。反省して‥恥じている顔だ。流石、フタバさん」
って小声で言ったのには‥ザッカとロナウも‥つい思いっきり吹き出してしまった。
あいつ、嫌われすぎだろ!
コリンは、会場に戻る直前位で隠密のスキルを解くと、きょろりと会場を見渡し、アンバーを探した。
幸いアンバーはフタバと共に皆に取り囲まれていて目立っていたせいで、すぐに見つけることが出来た。
コリンは、アンバーとフタバにそっと近づき、アンバーだけを「ちょっとこっちに‥」ってさりげなく呼んだ。
会場の隅でコリンがアンバーに小声で
「‥魔薬使用者は特定できた? 」
こそっと聞くと、アンバーが頷き、ロナウに視線で合図を送った。
ロナウがコリンたちに合流して、アンバーがロナウに薬物使用者を告げる。
ロナウがぐるりと会場を見回し、さっきアンバーから聞いた人物を特定し「マーク」すると、(ロナウが「マーク」したことを感じ取った)フタバがロナウを振り向き小さく頷く。
そして、フタバとロナウ、コリンというかっての共同体メンバーが揃う。
いつしか皆は話すのをやめて、ロナウたちを見た。
ロナウとコリンは一緒に立つと、目立つ。華やかだから、やっぱり目立つ。
そして‥ロナウは二人の横に立つと、何時も以上に地味になる。‥もう、空気か背景かって程存在感がなくなる。
そんな三人はだけど、在学時代から目立つ共同体だった。
何しろ‥実力が段違いだから。
「あの共同体が揃った‥しかも‥なにやらロナウが魔法を使っている様だ‥」
会場が一気に騒がしくなる。
注目される中、ロナウが鞄から無言で光沢のある藍色のローブを出す。
皆の目がロナウに集中して‥会場内が更にざわつく
「?! 」
その状況にザッカとシーク、アンバー‥数人の「共同体」未所属者が驚く。
「何? どうしたの? 」
って状況が分からない様子だ。きょろきょろと周りを見回す。
「なんでロナウが? 」
共同体所属者がざわついた理由は‥
ロナウが出した藍色のローブが「共同体のリーダー」のローブだったから。
‥え? なんで? あの共同体のリーダーはコーナーだろ???
皆の視線がロナウに集まる。
ロナウは誇らしそうに、周りをぐるりと見渡すとよく通る声で
「皆様、今日はお集りくださいましてありがとうございます。
今から、僕らの共同体で大掛かりな魔術ショーをしようと思います」
って言ったんだ。
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