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247.誓約士もやっぱり魔術士
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「何!? 魔術士協会‥そんなことやってるのか! あいつらいけすかねえと思ってたら、‥腐ってやがるな」
って額に血管を浮き上がらせたのは‥誓約士協会の唯一の「良心」おやっさんだ。
変人揃いの誓約士協会において、「この人がいいということは、世間的にも大丈夫」と言われてる。
‥ちなみに言ってるのは誓約士協会のメンバーで、ホントに世間的に大丈夫なのかは分からない。
彼らなりに「自分たちが世間的にはちょっとアレ」だって自覚はあるし、一応は世間にも合わせなきゃならないんだろうな~って考えもある。
だけどそれも彼らのいう「一応」程度だし、「出来る限り」なんだ。
彼らは別に世間に合わせようとか思ってない。
‥だって、そもそも無理だ。世間の普通‥が分かるほど世間と付き合ってない。
誓約士になるような奴は、もともと世間と上手くやっていけないような奴だ。そして、誓約士になって‥ますます世間から遠くなる。
だけど‥「それじゃダメなんだろうな」って考えは辛うじて残ってる。その考えがなくなったら、「悪人と変わらない」ってこと、分かってるんだ。
欲望のまま魔術を扱うのが悪人。
欲望のまま、だけど人の為(大義名分)に魔術を扱うのは悪人じゃない。
それの一番境界にあるのが誓約士だって彼らは自覚している。
血も涙もない‥冷血非道‥効率厨‥
影で自分たちがどう言われているか知ってる。
怖がられるのも、敵対視されるのももう慣れた。寧ろ、そういうストレートな反応される方がいい。変に笑顔で接しられたりしたら
「何コイツ後ろめたいことでもあんの? 」
「どうせ下心アルンデショ」
って思っちゃう。
でも、そう思いながらも‥ちょっと嬉しかったり。
誓約士ってそういう‥ひねくれて悲しー連中の集まりなんだ。
ひねくれて悲しー連中だけど、そこで腐ったりしない。
ここにいる奴らだけでも信じたい。逆にそこにいる奴らしか信じない。「だけど、そうだって思ってる」とこころで思ってだけで、そんなこと口にはしない。
だって、口にして相手の気持ちを確認して「違う」って言われたら‥立ち直れない。
だったら確認せずに「口にはしないだけでなんだかんだ言って奴らは自分と同類で、唯一の仲間なんだ」って心で思ってる方がずっといい。
だけど、いつか置いて行かれるかも? って不安から、確かな何か‥絆が欲しい。
それが、「誓約士の紋章」なんだ。これがある限り、僕らは永遠に仲間だよね。誇りある皆は‥そのことを忘れたりしないよね? アレだ、名門の一族が自分の「名前」に誇りや執着を持ってる‥みたいな感じだ。(よくわからんけど‥違うかも? )
仲間意識(?)が強い分、「同じ仲間として裏切るのは絶対に許されない」ってのがあって、もし裏切り(とか不正とか)が発覚したら、全員で集中砲火。
執着心が強くって‥割と単純だし喧嘩っ早い。
こういうところは魔術士っぽい。
魔術士がパワーアップして、更になんかこじれた感じ。こじれたっていうか‥熟成されたりいぶされたり‥って感じ。
素材(魔術士)がなんか加工されて味わいに深み(?)が増したよって感じ‥?
チーズとかピクルスとか‥ちょっと味に一癖ありますよねって感じ??
‥何言ってんだか。
彼らがそんな奴らだって、最近「外の世界」で暮らしてきて客観的に見えた。
外の世界に出ず、協会の仕事だけしてたら、彼らみたいになってたのかな? まあ‥でも、そういう気質は‥ある。
別に彼らの事、可哀そうだとか本気でヤバいとか「あんな風にはなりたくない」とか思わない。僕はピクルスもチーズもないバーガーなんて興味ない。
尊敬もしてるけど、僕は仕事は仕事プライベートはプライベートなんです! ってことで‥。今は‥そんな居場所が僕にも出来たんです。
でも。
変わらず。一番頼りにして‥信用してるのはここの皆、かな。
やべー奴らだけど、困った時、結局何とかしてくれる‥そんな信頼もある。
だから‥ここに来たんだ。
皆に手を貸してもらうために。
その為には、まず、僕は味方だってことを信じてもらう。裏切ってなんていないって、分かってもらう。これはもう‥精一杯謝るしかない。
説得はそれからだ。
説得の順番も大事だ。「話を聞いてみようかな」ってまずは興味を持ってもらわないといけない。‥ここの人たちは興味の無いことにはとことん冷たいから。
「つかみ」が大事って奴なんだ。
僕が選んだつかみがこれ‥「魔術士協会」の悪事に気付きました‥だったんだ。
「そもそも奴らが協会を作った時から、なんで? って思ってたんだよ。それが、あれよあれよという間に大きくなってさ!
‥そりゃ大きくもなるだろうさ。魔術士協会なんて魔術士だったらさえ誰だって! 入れるんだから!
誓約士協会は、努力して資格を持った者たちの選ばれた協会で、誰でも入れるってわけじゃない。
だけど奴ら‥魔術士協会はどうだ。ただの協会費集めの詐欺協会じゃないか」
いつも口数が少なく愛想がいいおやっさんが、いつになく饒舌になる時‥それは魔術士協会の話をする時だ。
誓約士協会は魔術士協会を軽蔑しているし、嫌悪しているんだ。
それは、騎士協会についても言えた。
騎士協会も魔術士協会についてさっきおやっさんが言ったようなことを言っている。
それもこれも‥
魔術士協会が一番加入者数が多く、その為、一番協会費を集まっているという理由で全協会組合の中で一番発言権があるからだ。
発言権があれば、希望通りに物事を進められる(全部というわけでは無いが)
‥あの例の、「魔術士が魔術士を殺した場合(協会内で判断され)司法で裁かれない」っていうとんでもない法律は数に物を言わせてごり押しして通した法律だ。
そんなこんなで、魔術士協会を快く思ってない協会は割とあり、こうやってちょっと油を注げば‥
すぐに燃え出すってことは容易に想像できてた。
待ってろよ! 魔術士協会。今に化けの皮剥がしてやんよ!!
さっきまで、コリン(たいしたことない不穏分子)に構ってた誓約士協会のメンバーは、更なる(しかもコリンを相手するよりよっぽど面白い)「皆の敵」を前に完全にイキイキしてた。
焚きつけ成功!
‥焚きつけってなんか言い方悪いな。違う、扇動したわけじゃない。協力要請? う~ん、今までひねくれた生き方してきたからどう言ったらいいかわかんないけど‥
(頭悪いいい方したら)皆でやった方が頼もしいし、楽しいでしょ?
こいつらと共同作業する日が来るとか考えたこともなかった。
‥今まで「得体しれない‥」としか思わなかった奴らだけど、こうして(あんまりいい笑顔じゃないけど)笑顔でイキイキ(あんまり健全とは言えないけど‥)してるの見たら、「ちょっと楽しみ」って思ってる自分もいる。
相変わらず、
いつも通りこの人たちは、色が白くって全然見た目は頼もしくないし、笑顔も「絶対なにか企んでるよね」っていう笑顔だし、優しい言葉も頼もしい言葉も絶対出てこないけど
頼もしいってのは、何も腕力だけじゃないなって思ったり。
別に「正義の味方」じゃなくても、世界は救えるのかもなって‥思ったり。
地味でも、陰険でも、根性悪でも、物事を何事も斜に構えて見てるひねくれ者たちだとしても‥(それどころか)ホントのとこ生きる総てを「退屈しのぎ」だとしか思ってないかもしれなくっても。
この世界をちょっと良くする一助となるかもしれない。(例え本人にその気がなくてもだ)
偶然じゃなく、積極的に‥
今まで疑心暗鬼的な先入観でこの人たちの事、色眼鏡で見てきてたのは世間だけじゃなかったんだなあ‥って思たり。
‥反省したり。
「おう、コリン。話を続けろよ。
実は魔導士協会が裏で魔薬を栽培、販売し、魔法省に賄賂を渡しあのとんでもねえ法律を作ったことは分かった。
でも、それだけじゃないんだろ? 他にも何か分かったんだろ? 」
おやっさんは、頼もしい‥というよりちょっとワクワクした顔でずいっと僕の方に顔を寄せた。
皆の目も僕を見ている。
表情では全然分からないけど、目の奥がキラッキラしてる。
ビバ、久し振りの戦争。いいんだよね?? 魔術遠慮なくぶっ放してもいいんだよね?? そんな大悪党だから退治していいんだよね??
って顔してる。
相変わらず‥やっべー奴らだ。
誓約士の「遠慮なく」はホント‥「遠慮なく」だ。
うん‥でも、それでいいと思う。
そこで僕は悪の組織が、魔薬を栽培し、その魔術士を育成するために魔術士同士の冒険者を殺害、子供を誘拐監禁して洗脳してただ働きさせていることや、魔術士の教育係に教会の生徒を洗脳、勧誘してること、魔薬は共同体のシステムを応用しており、魔薬を服用した魔術士を協会が強制的に働かせている様だ。魔薬は、魔法陣を術者に服用させるタイプで、薬としては「中毒性のある気分向上剤」だ。魔法陣を組み込んでいることを考えても薬自体の価格としては考えられない程高価でどう考えても「ぼったくっている」。魔薬には中毒性があり、購入者は心身的にも経済的にも多大なる被害を被っている。因みに、魔薬の栽培する場所は、魔獣が出た‥と偽り地元の騎士団を丸め込んで人が来ない様にしている。‥ということを説明した。
「誘拐監禁罪。殺人罪。魔薬所持、販売‥等々犯罪のオンパレードです」
僕がそう付け加えると、おやっさんの目がキラリと光った。
皆の(不健康な)笑みも凄みを増す。
「‥考えてたより悪だぜ。
こりゃあ、‥問答無用に皆殺しされても全然文句言えないレベルだ。
よし。
証拠集めて罪状を国に提出したら則‥
つぶしに行くぜ! 」
おやっさんは、今まで見たことないくらいキラッキラした「健康的な」笑顔で、少し長めの金の髪をかき上げた。
長く前髪を垂らしていた為、今まで見た事すらなかったおやっさんの素顔は思ったより若く見えた。
そっか‥おやっさん‥実は若かったんだ。
誓約士協会は、見ため年齢すら老けさせてしまう環境だったのか~。
‥気をつけよう。
何故か、そんなことをふと思ったのは‥みんなに話してちょっと安心できたからだろう。(それ以外に理由はないと思う)
って額に血管を浮き上がらせたのは‥誓約士協会の唯一の「良心」おやっさんだ。
変人揃いの誓約士協会において、「この人がいいということは、世間的にも大丈夫」と言われてる。
‥ちなみに言ってるのは誓約士協会のメンバーで、ホントに世間的に大丈夫なのかは分からない。
彼らなりに「自分たちが世間的にはちょっとアレ」だって自覚はあるし、一応は世間にも合わせなきゃならないんだろうな~って考えもある。
だけどそれも彼らのいう「一応」程度だし、「出来る限り」なんだ。
彼らは別に世間に合わせようとか思ってない。
‥だって、そもそも無理だ。世間の普通‥が分かるほど世間と付き合ってない。
誓約士になるような奴は、もともと世間と上手くやっていけないような奴だ。そして、誓約士になって‥ますます世間から遠くなる。
だけど‥「それじゃダメなんだろうな」って考えは辛うじて残ってる。その考えがなくなったら、「悪人と変わらない」ってこと、分かってるんだ。
欲望のまま魔術を扱うのが悪人。
欲望のまま、だけど人の為(大義名分)に魔術を扱うのは悪人じゃない。
それの一番境界にあるのが誓約士だって彼らは自覚している。
血も涙もない‥冷血非道‥効率厨‥
影で自分たちがどう言われているか知ってる。
怖がられるのも、敵対視されるのももう慣れた。寧ろ、そういうストレートな反応される方がいい。変に笑顔で接しられたりしたら
「何コイツ後ろめたいことでもあんの? 」
「どうせ下心アルンデショ」
って思っちゃう。
でも、そう思いながらも‥ちょっと嬉しかったり。
誓約士ってそういう‥ひねくれて悲しー連中の集まりなんだ。
ひねくれて悲しー連中だけど、そこで腐ったりしない。
ここにいる奴らだけでも信じたい。逆にそこにいる奴らしか信じない。「だけど、そうだって思ってる」とこころで思ってだけで、そんなこと口にはしない。
だって、口にして相手の気持ちを確認して「違う」って言われたら‥立ち直れない。
だったら確認せずに「口にはしないだけでなんだかんだ言って奴らは自分と同類で、唯一の仲間なんだ」って心で思ってる方がずっといい。
だけど、いつか置いて行かれるかも? って不安から、確かな何か‥絆が欲しい。
それが、「誓約士の紋章」なんだ。これがある限り、僕らは永遠に仲間だよね。誇りある皆は‥そのことを忘れたりしないよね? アレだ、名門の一族が自分の「名前」に誇りや執着を持ってる‥みたいな感じだ。(よくわからんけど‥違うかも? )
仲間意識(?)が強い分、「同じ仲間として裏切るのは絶対に許されない」ってのがあって、もし裏切り(とか不正とか)が発覚したら、全員で集中砲火。
執着心が強くって‥割と単純だし喧嘩っ早い。
こういうところは魔術士っぽい。
魔術士がパワーアップして、更になんかこじれた感じ。こじれたっていうか‥熟成されたりいぶされたり‥って感じ。
素材(魔術士)がなんか加工されて味わいに深み(?)が増したよって感じ‥?
チーズとかピクルスとか‥ちょっと味に一癖ありますよねって感じ??
‥何言ってんだか。
彼らがそんな奴らだって、最近「外の世界」で暮らしてきて客観的に見えた。
外の世界に出ず、協会の仕事だけしてたら、彼らみたいになってたのかな? まあ‥でも、そういう気質は‥ある。
別に彼らの事、可哀そうだとか本気でヤバいとか「あんな風にはなりたくない」とか思わない。僕はピクルスもチーズもないバーガーなんて興味ない。
尊敬もしてるけど、僕は仕事は仕事プライベートはプライベートなんです! ってことで‥。今は‥そんな居場所が僕にも出来たんです。
でも。
変わらず。一番頼りにして‥信用してるのはここの皆、かな。
やべー奴らだけど、困った時、結局何とかしてくれる‥そんな信頼もある。
だから‥ここに来たんだ。
皆に手を貸してもらうために。
その為には、まず、僕は味方だってことを信じてもらう。裏切ってなんていないって、分かってもらう。これはもう‥精一杯謝るしかない。
説得はそれからだ。
説得の順番も大事だ。「話を聞いてみようかな」ってまずは興味を持ってもらわないといけない。‥ここの人たちは興味の無いことにはとことん冷たいから。
「つかみ」が大事って奴なんだ。
僕が選んだつかみがこれ‥「魔術士協会」の悪事に気付きました‥だったんだ。
「そもそも奴らが協会を作った時から、なんで? って思ってたんだよ。それが、あれよあれよという間に大きくなってさ!
‥そりゃ大きくもなるだろうさ。魔術士協会なんて魔術士だったらさえ誰だって! 入れるんだから!
誓約士協会は、努力して資格を持った者たちの選ばれた協会で、誰でも入れるってわけじゃない。
だけど奴ら‥魔術士協会はどうだ。ただの協会費集めの詐欺協会じゃないか」
いつも口数が少なく愛想がいいおやっさんが、いつになく饒舌になる時‥それは魔術士協会の話をする時だ。
誓約士協会は魔術士協会を軽蔑しているし、嫌悪しているんだ。
それは、騎士協会についても言えた。
騎士協会も魔術士協会についてさっきおやっさんが言ったようなことを言っている。
それもこれも‥
魔術士協会が一番加入者数が多く、その為、一番協会費を集まっているという理由で全協会組合の中で一番発言権があるからだ。
発言権があれば、希望通りに物事を進められる(全部というわけでは無いが)
‥あの例の、「魔術士が魔術士を殺した場合(協会内で判断され)司法で裁かれない」っていうとんでもない法律は数に物を言わせてごり押しして通した法律だ。
そんなこんなで、魔術士協会を快く思ってない協会は割とあり、こうやってちょっと油を注げば‥
すぐに燃え出すってことは容易に想像できてた。
待ってろよ! 魔術士協会。今に化けの皮剥がしてやんよ!!
さっきまで、コリン(たいしたことない不穏分子)に構ってた誓約士協会のメンバーは、更なる(しかもコリンを相手するよりよっぽど面白い)「皆の敵」を前に完全にイキイキしてた。
焚きつけ成功!
‥焚きつけってなんか言い方悪いな。違う、扇動したわけじゃない。協力要請? う~ん、今までひねくれた生き方してきたからどう言ったらいいかわかんないけど‥
(頭悪いいい方したら)皆でやった方が頼もしいし、楽しいでしょ?
こいつらと共同作業する日が来るとか考えたこともなかった。
‥今まで「得体しれない‥」としか思わなかった奴らだけど、こうして(あんまりいい笑顔じゃないけど)笑顔でイキイキ(あんまり健全とは言えないけど‥)してるの見たら、「ちょっと楽しみ」って思ってる自分もいる。
相変わらず、
いつも通りこの人たちは、色が白くって全然見た目は頼もしくないし、笑顔も「絶対なにか企んでるよね」っていう笑顔だし、優しい言葉も頼もしい言葉も絶対出てこないけど
頼もしいってのは、何も腕力だけじゃないなって思ったり。
別に「正義の味方」じゃなくても、世界は救えるのかもなって‥思ったり。
地味でも、陰険でも、根性悪でも、物事を何事も斜に構えて見てるひねくれ者たちだとしても‥(それどころか)ホントのとこ生きる総てを「退屈しのぎ」だとしか思ってないかもしれなくっても。
この世界をちょっと良くする一助となるかもしれない。(例え本人にその気がなくてもだ)
偶然じゃなく、積極的に‥
今まで疑心暗鬼的な先入観でこの人たちの事、色眼鏡で見てきてたのは世間だけじゃなかったんだなあ‥って思たり。
‥反省したり。
「おう、コリン。話を続けろよ。
実は魔導士協会が裏で魔薬を栽培、販売し、魔法省に賄賂を渡しあのとんでもねえ法律を作ったことは分かった。
でも、それだけじゃないんだろ? 他にも何か分かったんだろ? 」
おやっさんは、頼もしい‥というよりちょっとワクワクした顔でずいっと僕の方に顔を寄せた。
皆の目も僕を見ている。
表情では全然分からないけど、目の奥がキラッキラしてる。
ビバ、久し振りの戦争。いいんだよね?? 魔術遠慮なくぶっ放してもいいんだよね?? そんな大悪党だから退治していいんだよね??
って顔してる。
相変わらず‥やっべー奴らだ。
誓約士の「遠慮なく」はホント‥「遠慮なく」だ。
うん‥でも、それでいいと思う。
そこで僕は悪の組織が、魔薬を栽培し、その魔術士を育成するために魔術士同士の冒険者を殺害、子供を誘拐監禁して洗脳してただ働きさせていることや、魔術士の教育係に教会の生徒を洗脳、勧誘してること、魔薬は共同体のシステムを応用しており、魔薬を服用した魔術士を協会が強制的に働かせている様だ。魔薬は、魔法陣を術者に服用させるタイプで、薬としては「中毒性のある気分向上剤」だ。魔法陣を組み込んでいることを考えても薬自体の価格としては考えられない程高価でどう考えても「ぼったくっている」。魔薬には中毒性があり、購入者は心身的にも経済的にも多大なる被害を被っている。因みに、魔薬の栽培する場所は、魔獣が出た‥と偽り地元の騎士団を丸め込んで人が来ない様にしている。‥ということを説明した。
「誘拐監禁罪。殺人罪。魔薬所持、販売‥等々犯罪のオンパレードです」
僕がそう付け加えると、おやっさんの目がキラリと光った。
皆の(不健康な)笑みも凄みを増す。
「‥考えてたより悪だぜ。
こりゃあ、‥問答無用に皆殺しされても全然文句言えないレベルだ。
よし。
証拠集めて罪状を国に提出したら則‥
つぶしに行くぜ! 」
おやっさんは、今まで見たことないくらいキラッキラした「健康的な」笑顔で、少し長めの金の髪をかき上げた。
長く前髪を垂らしていた為、今まで見た事すらなかったおやっさんの素顔は思ったより若く見えた。
そっか‥おやっさん‥実は若かったんだ。
誓約士協会は、見ため年齢すら老けさせてしまう環境だったのか~。
‥気をつけよう。
何故か、そんなことをふと思ったのは‥みんなに話してちょっと安心できたからだろう。(それ以外に理由はないと思う)
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