253 / 310
248.ダークヒーローというより、
しおりを挟む
地味で陰気で自分本位で、他人のことなんて全然興味ないっていうダークサイドな連中がキラッキラの「鬼退治」をする。
なんか想像できないけど、それは‥きっと「胸がすく様な光景」なのだろう。
「今まで悪い印象しかなかったけど、この人たち実際はキラッキラの正義のオタメン(オタクな男たち)&オタガールだったのね! 無駄にキラッキラしてなくて目に痛くないし‥っていうか、これってクールっていうのよね?! ああ! 新しいわ! ダークでクールでサイレント‥
まるで森の奥の沼みたいな存在! 」
って街の人たちの僕たちを見る目も変わる。
キラッキラな視線を僕たちに贈るんだ。
いいな! 「森の奥の沼」系ヒーロー!
いや‥
‥森の奥の沼って悪口だな。
暗い、気味悪い、怖い‥
ええと‥
「ミステリアス! まるで一歩足を踏み出したら戻れる気がしない底なし沼の様だわ! 」
‥そうそう。ミステリアス。
ダークでクールでサイレント。そしてミステリアスな沼系ヒーロー
沼メン&沼ガール。
‥まあ、もうコンセプトとかどうでもいいや。
「よし。制服を着ていこう。あの設立して100年余、一度も着たことがない制服。あんまり着ないから協会員の個人持ちじゃない制服。
サイズが合うのを着ればいい。サイズが合わなければ‥アレだ。うん。自分でサイズ調整をしろ」
「協会長。なぜ制服を着る必要が‥? 」
「歴史がある協会には、制服がある。長ったらしい協会の規則がある。協会の歴史を綴った「協会史」が残ってる。
パッと出の新生なんちゃって協会「魔術士協会」とは守ってきたもんが違うぜ。
騎士協会然り、聖協会然り‥みんな制服があるだろ? 協会規則が長いだろ? 協会史が「それで殴られたら死ぬ」レベルで分厚いだろ? 」
騎士はそりゃ制服あるわな。聖女も神官も‥勿論あるわな。
見たらそれって分かるほどの知名度だ。
でも、誓約士協会の制服とか‥着てても絶対誰も「あ! 誓約士だ! 」とかわからんぞ。‥そもそも、見た目から誓約士だってわかっちゃダメだから。
なんで作ったんだ? 制服。
今まで一度も着たの見たことないぞ? こそっと近くにいた年長者に聞いてみたら
「あれは、誓約士が法廷に呼ばれた際なんかに使うもんなんだ。だけど、この頃そういうこともないな」
って言っていた。
ああ、「誓約士だ」って分かった方がいい時は着るわけか。
「じゃあ、警察と組む誓約士が尋問する際にも着たりするんですかね? 」
って聞いたら
「昔は「死刑確定」って思われてる極悪犯を調べる際には着てたらしいね。(※ 刑期があけたら牢屋から出る犯人に誓約士だってこと知られたらヤバいから)だけど、一度「死刑確定だと思ってたら冤罪が分かった」ってことがあって‥そういうことが再びあったらなんだから‥ってことで制服を着ることはなくなったようだ」
って説明してくれた。
今まで話したことないけど、この人‥誓約士には珍しく親切。
こんな人もいるんだ~。
ホントに分からないことばかりだ。
「成程」
成程って頷いてみたけど、分からないことがある。
誓約士の制服‥顔が見えるってことかな?
僕ら誓約士は仕事をする際、皆ローブを着てるんだ。ローブの色に決まりはないし、長さにも決まりはないから、皆自分で買ってきてそれぞれ自由に着てる。僕は攻撃魔法が雷で結構動かないといけないから(水の魔法と相性が悪いから、自分の足場を水でぬらされたりしたら、素早く動かないといけなかったりする)短めのローブを着てるけど、攻撃魔法も闇(ロナウみたいな攻撃をする人)はそんなに動かないし、より闇に紛れないといけないから黒い長いローブを着てたりする。(夜に遭ったら見えないんだその人)
いや、顔が見えなくても、誓約士協会のシンボルマーク的なものがついているのかも。
騎士団とか騎士団ごとに団章(っていうのかは知らないが)あったり、色が決まってたりするよね。‥ああいうの? かっこよくない??
真紅とか群青とか‥はないだろうな。グレーとか‥ちょっと意外なところでシルバーとか!? それに協会のシンボルマークみたいなのが染め抜いてあって、見た悪人が「あああ‥誓約士‥! 俺たちゃもうおしめぇだ‥! 」って‥くー! かっこいい!! (厨二的妄想中)
顔は見せないけど、誓約士って分かる。
顔も名前も分からない謎のダークヒーロー‥
寧ろ、顔を見せないってのがいいな。ミステリアス度が増す。
く~!!
勝手に脳内で盛り上がってる僕は(勿論の事ながら)そっちのけで、おやっさんは席を立った。きっと、倉庫にその制服を探しに行ったんだろう。
そして、暫くすると黄ばんだ布にくるまれた荷物を手に戻ってきた。
「それが制服ですか? 」
皆がおやっさんの周りに集まる。
心なしかワクワクしているようにも見える。‥ホント心なし程度。
「ああ」
そう言っておやっさんはにやっと笑うと、布をほどく。すると、また布
「そう使うもんじゃないから厳重に保管しておかないいけないんだろう」
と布をほどく。
「これだ! 」
黒い。
長い。
ただの
フード付き黒のロングコート。
魔女か。いや‥死神か。
これを集団で着る。→ 黒ずくめの怪しい連中の集団。
≠ 正義の戦隊
ダメだ。こんなので行ったら絶対こっちが悪者みたくなっちゃう‥。
「‥やめませんK‥」
言いかけた僕の言葉は他の協会員が押し寄せてきたことによって遮られた。
「かっこいぃ~! 」
んなわけあるかい!!
心の中で盛大なツッコミを入れたコリンだった。
なんか想像できないけど、それは‥きっと「胸がすく様な光景」なのだろう。
「今まで悪い印象しかなかったけど、この人たち実際はキラッキラの正義のオタメン(オタクな男たち)&オタガールだったのね! 無駄にキラッキラしてなくて目に痛くないし‥っていうか、これってクールっていうのよね?! ああ! 新しいわ! ダークでクールでサイレント‥
まるで森の奥の沼みたいな存在! 」
って街の人たちの僕たちを見る目も変わる。
キラッキラな視線を僕たちに贈るんだ。
いいな! 「森の奥の沼」系ヒーロー!
いや‥
‥森の奥の沼って悪口だな。
暗い、気味悪い、怖い‥
ええと‥
「ミステリアス! まるで一歩足を踏み出したら戻れる気がしない底なし沼の様だわ! 」
‥そうそう。ミステリアス。
ダークでクールでサイレント。そしてミステリアスな沼系ヒーロー
沼メン&沼ガール。
‥まあ、もうコンセプトとかどうでもいいや。
「よし。制服を着ていこう。あの設立して100年余、一度も着たことがない制服。あんまり着ないから協会員の個人持ちじゃない制服。
サイズが合うのを着ればいい。サイズが合わなければ‥アレだ。うん。自分でサイズ調整をしろ」
「協会長。なぜ制服を着る必要が‥? 」
「歴史がある協会には、制服がある。長ったらしい協会の規則がある。協会の歴史を綴った「協会史」が残ってる。
パッと出の新生なんちゃって協会「魔術士協会」とは守ってきたもんが違うぜ。
騎士協会然り、聖協会然り‥みんな制服があるだろ? 協会規則が長いだろ? 協会史が「それで殴られたら死ぬ」レベルで分厚いだろ? 」
騎士はそりゃ制服あるわな。聖女も神官も‥勿論あるわな。
見たらそれって分かるほどの知名度だ。
でも、誓約士協会の制服とか‥着てても絶対誰も「あ! 誓約士だ! 」とかわからんぞ。‥そもそも、見た目から誓約士だってわかっちゃダメだから。
なんで作ったんだ? 制服。
今まで一度も着たの見たことないぞ? こそっと近くにいた年長者に聞いてみたら
「あれは、誓約士が法廷に呼ばれた際なんかに使うもんなんだ。だけど、この頃そういうこともないな」
って言っていた。
ああ、「誓約士だ」って分かった方がいい時は着るわけか。
「じゃあ、警察と組む誓約士が尋問する際にも着たりするんですかね? 」
って聞いたら
「昔は「死刑確定」って思われてる極悪犯を調べる際には着てたらしいね。(※ 刑期があけたら牢屋から出る犯人に誓約士だってこと知られたらヤバいから)だけど、一度「死刑確定だと思ってたら冤罪が分かった」ってことがあって‥そういうことが再びあったらなんだから‥ってことで制服を着ることはなくなったようだ」
って説明してくれた。
今まで話したことないけど、この人‥誓約士には珍しく親切。
こんな人もいるんだ~。
ホントに分からないことばかりだ。
「成程」
成程って頷いてみたけど、分からないことがある。
誓約士の制服‥顔が見えるってことかな?
僕ら誓約士は仕事をする際、皆ローブを着てるんだ。ローブの色に決まりはないし、長さにも決まりはないから、皆自分で買ってきてそれぞれ自由に着てる。僕は攻撃魔法が雷で結構動かないといけないから(水の魔法と相性が悪いから、自分の足場を水でぬらされたりしたら、素早く動かないといけなかったりする)短めのローブを着てるけど、攻撃魔法も闇(ロナウみたいな攻撃をする人)はそんなに動かないし、より闇に紛れないといけないから黒い長いローブを着てたりする。(夜に遭ったら見えないんだその人)
いや、顔が見えなくても、誓約士協会のシンボルマーク的なものがついているのかも。
騎士団とか騎士団ごとに団章(っていうのかは知らないが)あったり、色が決まってたりするよね。‥ああいうの? かっこよくない??
真紅とか群青とか‥はないだろうな。グレーとか‥ちょっと意外なところでシルバーとか!? それに協会のシンボルマークみたいなのが染め抜いてあって、見た悪人が「あああ‥誓約士‥! 俺たちゃもうおしめぇだ‥! 」って‥くー! かっこいい!! (厨二的妄想中)
顔は見せないけど、誓約士って分かる。
顔も名前も分からない謎のダークヒーロー‥
寧ろ、顔を見せないってのがいいな。ミステリアス度が増す。
く~!!
勝手に脳内で盛り上がってる僕は(勿論の事ながら)そっちのけで、おやっさんは席を立った。きっと、倉庫にその制服を探しに行ったんだろう。
そして、暫くすると黄ばんだ布にくるまれた荷物を手に戻ってきた。
「それが制服ですか? 」
皆がおやっさんの周りに集まる。
心なしかワクワクしているようにも見える。‥ホント心なし程度。
「ああ」
そう言っておやっさんはにやっと笑うと、布をほどく。すると、また布
「そう使うもんじゃないから厳重に保管しておかないいけないんだろう」
と布をほどく。
「これだ! 」
黒い。
長い。
ただの
フード付き黒のロングコート。
魔女か。いや‥死神か。
これを集団で着る。→ 黒ずくめの怪しい連中の集団。
≠ 正義の戦隊
ダメだ。こんなので行ったら絶対こっちが悪者みたくなっちゃう‥。
「‥やめませんK‥」
言いかけた僕の言葉は他の協会員が押し寄せてきたことによって遮られた。
「かっこいぃ~! 」
んなわけあるかい!!
心の中で盛大なツッコミを入れたコリンだった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
俺は魔法使いの息子らしい。
高穂もか
BL
吉村時生、高校一年生。
ある日、自分の父親と親友の父親のキスシーンを見てしまい、平穏な日常が瓦解する。
「時生くん、君は本当はぼくと勇二さんの子供なんだ」
と、親友の父から衝撃の告白。
なんと、二人は魔法使いでカップルで、魔法で子供(俺)を作ったらしい。
母ちゃん同士もカップルで、親父と母ちゃんは偽装結婚だったとか。
「でさ、魔法で生まれた子供は、絶対に魔法使いになるんだよ」
と、のほほんと言う父親。しかも、魔法の存在を知ったが最後、魔法の修業が義務付けられるらしい。
でも、魔法学園つったって、俺は魔法なんて使えたことないわけで。
同じ境遇の親友のイノリと、時生は「全寮制魔法学園」に転校することとなる。
「まー、俺はぁ。トキちゃんと一緒ならなんでもいいかなぁ」
「そおかあ? お前ってマジ呑気だよなあ」
腹黒美形×強気平凡の幼馴染BLです♡
※とても素敵な表紙は、小槻みしろさんに頂きました(*^^*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる