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234.まるで呪いが解けたように‥
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「魔力を保有していて、教会に記録の残っているが、しかしながら教会やアカデミーで学んでいない国民のデータは教会の協力のもと、または教会から盗み出して知ることが出来る。
この人たちは「共同体(仮)」として働かせる「労働力」であり、魔薬を売り付ける「カモ」だ。
魔力があれば、共同体(仮)の魔力源として利用することが出来る。だけど、共同体ってのは、
自分の意志と関係なく魔力を利用されたり、また、高額な金を請求されるわけだが、魔薬は違法だから、どこかに訴えていくことは出来ない。誰にも知られたくない。
結果、泣き寝入りするしかなかった。
そして、魔薬には依存性があり、一度使えば二度三度と欲しくなる。そして、また購入し、その度に協会には高額な金が入り、被害者は魔薬にどんどん蝕まれていく‥。
共同体(仮)として使えなくても、魔薬を売りつけられるから、資金源にはなる。
教会に届けていないことの多い冒険者は魔力の有無が分からない。
しかし、確率からいって両親が魔術士タイプである子供は魔力を保有していることが多い。
協会は両親を殺し、子供を誘拐して、未来の犯罪者にするために洗脳し‥現在こういう子供が魔薬を製造している」
コリンが一つ一つ確認するように今まで調べたことを言った。
俯いて、地面を見つめるその姿勢は、誰かに話しかけているという風には見えない。
だから、フタバとロナウは話し掛けず、黙ってそれを聞いた。
コリンが一息つくため口を閉じたとき、
「教会内でスカウトした魔術士の卵に闇属性の魔法を取得させ、卒業後に協会で働かせる。
協会って就職先は「いい働き先」だから、家族はそのことに喜びこそすれ反対することはない。
‥子供が悪の手下に成り下がったなんて気が付きはしない」
と付け加えたのはロナウだ。
「その子たちは、売り子の教育係や協会の幹部候補生みたいな扱いって訳ですわね」
これは、フタバ。
その話を同じく黙って聞いていたザッカたちは‥不機嫌そうな表情で
「何度聞いても胸糞悪い奴らだな」
ぼそりと一言呟いた。
「‥コリン。どうして「改めて」そんな話を? 何かを‥再確認したかったの? 」
ナナフルが首を傾げる。
コリンは「ん~」と小さく唸ると、
「再確認というか‥口に出すことで何か分かるかな‥と思って。
協会の性質が‥」
って俯いて考え込む姿勢のまま‥ナナフルを振り向くこともなく呟いた。
「協会の性質? 」
ナナフルがコリンの言葉を反芻する。
「僕らが所属している協会と、悪の組織としての協会の性質って‥なんか違うんじゃないかな‥って」
コリンが顔を上げてフタバとロナウを見る。
ひたり‥とフタバとコリンの視線が合う。
「私たちが所属している協会と悪の組織としての協会の性質? 」
フタバが眉を寄せてコリンの言葉を反芻する。
「僕たちが所属している協会を表の協会とすると、悪の組織としての協会は裏の協会。
表と裏はどういう関係なんだろうか。
表の仕事をしながら裏では‥ってことなのか、表の仕事をしている者と裏の仕事をしている者が全く別なのか‥。協会を潰すためにはそこら辺を調べないといけないんじゃないかって思って」
コリンが頷き、ザッカたちに説明する。
「例えば、表の仕事って? 」
ナナフルがコリンを見る。
「教会やアカデミーの生徒の魔力の質を検査し、共同体をマッチングする業務。
魔術士全員のネットワークを形成し、協会費の徴収や「ノルマ」の依頼、受付、報酬の支払いなんかをする業務。
フリーの魔術士に仕事を斡旋したり、アルバイトを紹介する業務ですね」
コリンが説明して、ナナフルが頷く。
「裏の仕事はさっき言ってたような奴だね」
コリンが頷き、
「裏の仕事は、魔術士らしい感じなんだけど‥表の仕事はどうも‥魔術士らしくないって感じなんですよね。
‥魔術士は、そんな‥他人の為に何とかしようとかいう「いい性格」の奴らは‥いない」
僕も含めてね‥そう言うと、きゅっと眉を寄せて自嘲的な笑みを浮かべ、肩をすくめ、そして
「だから‥なんか違和感がずっとあって‥」
ぼそりと付け加えた言葉に、
「え‥? 」
ナナフルが二三かい目をしばたかせた。
「あ~。そう言われてみればそうだな。魔術士は‥そんなことしないな。そういうのは寧ろ‥教会っぽい‥っ! あ‥」
同じく自嘲的な笑みを浮かべた、自身も魔術士であるロナウの言葉に、フタバとコリンが目を見開く。
「‥もしかして‥こういうこと‥?
元々教会がしていた仕事に目をつけた「野心のある魔術士」‥あるいは魔術士たちが、教会を乗っ取り、後に悪の組織を形成していく「協会」に変えた。‥表の仕事はそれを隠す隠れ蓑で‥多分、この仕事は今でも教会関係者がしている‥? 」
ボソリ‥とフタバが呟いた言葉に、コリンが重々しく相槌を打ち、
「協会創設者が目をつけたのは、まず一番に教会という「世間からの信頼度」‥ネームバリューて奴? 教会とつながりがありますよってことで、世間を信頼させた。そして、教会を取り込むことで、「教会の持っている魔力保有者の名簿」と、教会の学校としての機能を手にした。教会卒業生の情報は黙ってても入って来る‥」
と言葉を続ける。
「教会と協会の関係は、元々別々のものだったわけでは無かったってこと? 表面上は別々のもの‥「教会の協力機関ですよ」って風にみせてるけど、実は教会は協会に乗っ取られてる‥ってこと? 」
ロナウが目を見開き、ザッカたちがゴクリと唾をのむ。(ただ、アンバーだけは興味なさそうにぼんやり皆の話し合いを見てるだけなんだけど)
「表向きには、教会やアカデミーと協力し、卒業後の魔術士の就職をサポートし、魔術の更なる発展と向上を目指すために創られた‥ってことになっている協会が、実は教会を利用して乗っ取っていたなんて‥」
ナナフルは調べて来た協会の資料を見ながら驚いた声を出したが、魔術士三人は
「‥魔術師だからな‥」
苦笑いだ。
‥考えてみたら、魔術士が仲良しこよし‥なんて在り得ないことだった。
少なくとも、「優れていて」「自分に自信がある魔術士」に、そんな考えはない。そんな魔術士が望むことは、権力や地位、いかに自分が素晴らしいか‥っていう顕示欲と「面白いこと」。
魔術士は元来虚栄心が強くって、その為には手段を選ばない残酷なところがあって、何よりも「面白いこと」が大好きだ。だけど、面倒なことは嫌い。
面倒なこと。
つまり、学則に触れたり、‥法に触れたり。その結果、罪に問われたり罰則を与えられたりすること。
「だから、魔法使いだけに適応される法律を作って、面倒なことにならない様にした」
そんなことを考えていると、自分たち魔術士がいかにヤバい人種かって思い知らされる。
まっとうな人間じゃないって‥思い知らされる。
真っ暗になった目の前に、
「馬鹿と鋏は使いようっていうだろ。要は、使い方さえ間違わなければいいんだ。
コリンたちは人を傷つけたりしない。
人を傷つける様な鋏(力)の使い方はしない。
鋏(魔術士)だから危ないんじゃない。鋏(力)の使い方を間違えるから危ないんんだ」
優しいシークの笑顔にコリンはジン‥と来た。
さっきまでずっと黙って聞いてるだけだって思ってたのに、たけど実は、ずっと僕らのことを見てくれてた‥。
そんな優しさがジワリと心に染み込んで‥涙が出た。
「奴らとコリンたちは同じじゃない」
ナナフルも念を押すように言って、優しくコリンを抱きしめた。
「ああ、でも、協会にも悪い奴とそうじゃない奴がいるんじゃないって分かってスッキリしたな! 。協会の表の顔は教会職員の仕事、協会は裏の仕事しかしていない。協会をぶっ潰したところで、これからの魔術士は困ったりしない。
心置きなく、ぶっ潰してもいいってこった」
にやり、と‥今まで黙ってたアンバーが言った。
教会出身者三人がにっと‥悪い笑顔を浮かべる。
すっと、心に今までずっと蟠っていた「何かモヤモヤしたもの」が溶けてなくなった気分になった。
自分が何かすることによって、誰か「悪くない者」の未来を壊してしまうんじゃないか。自分が良かれと思ってすることが実は誰かにとっては「いらんこと」かもしれない。ただの、自己満足かもしれないっていう「恐れ」。
敵である協会にしても、悪者ってひとくくりに出来ないんじゃないか? 協会内にもいい奴はいるんじゃないか? 自分がしていることはただの思い上がりじゃないか? 自分も「やばい奴」なのに、意見が合わないってだけで、同じような「やばい奴」に対して敵意を抱いているだけじゃないか?
自分たちが悪に加担しているって自覚のない善意(=悪意 つまり、悪事を行っているって自覚のある人。善意は反対に「悪意を行ってる自覚のない人」って意味)の存在を悪の組織のメンバーだって理由だけで一緒くたにして、攻撃することに対する罪悪感。
いうけど、結構嫌なことだよ? 悪者に使われてるだけで「自分の主人が何をしてるかもしらない様な」下っ端を悪者の家来だって理由だけで殺す‥ってのと同じだもんね? 運が悪いって言ったらそこまでだけど、そこまで非情になれないよね? 普通は。
そういうの。
そんないろんなモヤモヤした思い。
それがなんか‥いっぺんに「どうでもいい」って気分になった。
ああそうか。
ずっともやもやしてたのは悪の組織っていう「巨悪」に対する恐れじゃなかったんだ。
そう思えた。
「奴らは僕らとは違う。奴らは心置きなくぶっ潰していい奴なんだ! 」
単純かもしれないけど、急にそう思えた。
急に‥「それが出来る」様に思えた。
まるで魔法が解けたように‥
ずっと手元でごそごそやってたら‥ホントに突然絡み合ったひもがほどけたように‥こころのわだかまりが溶けた。‥そんな感じがしたんだ。
この人たちは「共同体(仮)」として働かせる「労働力」であり、魔薬を売り付ける「カモ」だ。
魔力があれば、共同体(仮)の魔力源として利用することが出来る。だけど、共同体ってのは、
自分の意志と関係なく魔力を利用されたり、また、高額な金を請求されるわけだが、魔薬は違法だから、どこかに訴えていくことは出来ない。誰にも知られたくない。
結果、泣き寝入りするしかなかった。
そして、魔薬には依存性があり、一度使えば二度三度と欲しくなる。そして、また購入し、その度に協会には高額な金が入り、被害者は魔薬にどんどん蝕まれていく‥。
共同体(仮)として使えなくても、魔薬を売りつけられるから、資金源にはなる。
教会に届けていないことの多い冒険者は魔力の有無が分からない。
しかし、確率からいって両親が魔術士タイプである子供は魔力を保有していることが多い。
協会は両親を殺し、子供を誘拐して、未来の犯罪者にするために洗脳し‥現在こういう子供が魔薬を製造している」
コリンが一つ一つ確認するように今まで調べたことを言った。
俯いて、地面を見つめるその姿勢は、誰かに話しかけているという風には見えない。
だから、フタバとロナウは話し掛けず、黙ってそれを聞いた。
コリンが一息つくため口を閉じたとき、
「教会内でスカウトした魔術士の卵に闇属性の魔法を取得させ、卒業後に協会で働かせる。
協会って就職先は「いい働き先」だから、家族はそのことに喜びこそすれ反対することはない。
‥子供が悪の手下に成り下がったなんて気が付きはしない」
と付け加えたのはロナウだ。
「その子たちは、売り子の教育係や協会の幹部候補生みたいな扱いって訳ですわね」
これは、フタバ。
その話を同じく黙って聞いていたザッカたちは‥不機嫌そうな表情で
「何度聞いても胸糞悪い奴らだな」
ぼそりと一言呟いた。
「‥コリン。どうして「改めて」そんな話を? 何かを‥再確認したかったの? 」
ナナフルが首を傾げる。
コリンは「ん~」と小さく唸ると、
「再確認というか‥口に出すことで何か分かるかな‥と思って。
協会の性質が‥」
って俯いて考え込む姿勢のまま‥ナナフルを振り向くこともなく呟いた。
「協会の性質? 」
ナナフルがコリンの言葉を反芻する。
「僕らが所属している協会と、悪の組織としての協会の性質って‥なんか違うんじゃないかな‥って」
コリンが顔を上げてフタバとロナウを見る。
ひたり‥とフタバとコリンの視線が合う。
「私たちが所属している協会と悪の組織としての協会の性質? 」
フタバが眉を寄せてコリンの言葉を反芻する。
「僕たちが所属している協会を表の協会とすると、悪の組織としての協会は裏の協会。
表と裏はどういう関係なんだろうか。
表の仕事をしながら裏では‥ってことなのか、表の仕事をしている者と裏の仕事をしている者が全く別なのか‥。協会を潰すためにはそこら辺を調べないといけないんじゃないかって思って」
コリンが頷き、ザッカたちに説明する。
「例えば、表の仕事って? 」
ナナフルがコリンを見る。
「教会やアカデミーの生徒の魔力の質を検査し、共同体をマッチングする業務。
魔術士全員のネットワークを形成し、協会費の徴収や「ノルマ」の依頼、受付、報酬の支払いなんかをする業務。
フリーの魔術士に仕事を斡旋したり、アルバイトを紹介する業務ですね」
コリンが説明して、ナナフルが頷く。
「裏の仕事はさっき言ってたような奴だね」
コリンが頷き、
「裏の仕事は、魔術士らしい感じなんだけど‥表の仕事はどうも‥魔術士らしくないって感じなんですよね。
‥魔術士は、そんな‥他人の為に何とかしようとかいう「いい性格」の奴らは‥いない」
僕も含めてね‥そう言うと、きゅっと眉を寄せて自嘲的な笑みを浮かべ、肩をすくめ、そして
「だから‥なんか違和感がずっとあって‥」
ぼそりと付け加えた言葉に、
「え‥? 」
ナナフルが二三かい目をしばたかせた。
「あ~。そう言われてみればそうだな。魔術士は‥そんなことしないな。そういうのは寧ろ‥教会っぽい‥っ! あ‥」
同じく自嘲的な笑みを浮かべた、自身も魔術士であるロナウの言葉に、フタバとコリンが目を見開く。
「‥もしかして‥こういうこと‥?
元々教会がしていた仕事に目をつけた「野心のある魔術士」‥あるいは魔術士たちが、教会を乗っ取り、後に悪の組織を形成していく「協会」に変えた。‥表の仕事はそれを隠す隠れ蓑で‥多分、この仕事は今でも教会関係者がしている‥? 」
ボソリ‥とフタバが呟いた言葉に、コリンが重々しく相槌を打ち、
「協会創設者が目をつけたのは、まず一番に教会という「世間からの信頼度」‥ネームバリューて奴? 教会とつながりがありますよってことで、世間を信頼させた。そして、教会を取り込むことで、「教会の持っている魔力保有者の名簿」と、教会の学校としての機能を手にした。教会卒業生の情報は黙ってても入って来る‥」
と言葉を続ける。
「教会と協会の関係は、元々別々のものだったわけでは無かったってこと? 表面上は別々のもの‥「教会の協力機関ですよ」って風にみせてるけど、実は教会は協会に乗っ取られてる‥ってこと? 」
ロナウが目を見開き、ザッカたちがゴクリと唾をのむ。(ただ、アンバーだけは興味なさそうにぼんやり皆の話し合いを見てるだけなんだけど)
「表向きには、教会やアカデミーと協力し、卒業後の魔術士の就職をサポートし、魔術の更なる発展と向上を目指すために創られた‥ってことになっている協会が、実は教会を利用して乗っ取っていたなんて‥」
ナナフルは調べて来た協会の資料を見ながら驚いた声を出したが、魔術士三人は
「‥魔術師だからな‥」
苦笑いだ。
‥考えてみたら、魔術士が仲良しこよし‥なんて在り得ないことだった。
少なくとも、「優れていて」「自分に自信がある魔術士」に、そんな考えはない。そんな魔術士が望むことは、権力や地位、いかに自分が素晴らしいか‥っていう顕示欲と「面白いこと」。
魔術士は元来虚栄心が強くって、その為には手段を選ばない残酷なところがあって、何よりも「面白いこと」が大好きだ。だけど、面倒なことは嫌い。
面倒なこと。
つまり、学則に触れたり、‥法に触れたり。その結果、罪に問われたり罰則を与えられたりすること。
「だから、魔法使いだけに適応される法律を作って、面倒なことにならない様にした」
そんなことを考えていると、自分たち魔術士がいかにヤバい人種かって思い知らされる。
まっとうな人間じゃないって‥思い知らされる。
真っ暗になった目の前に、
「馬鹿と鋏は使いようっていうだろ。要は、使い方さえ間違わなければいいんだ。
コリンたちは人を傷つけたりしない。
人を傷つける様な鋏(力)の使い方はしない。
鋏(魔術士)だから危ないんじゃない。鋏(力)の使い方を間違えるから危ないんんだ」
優しいシークの笑顔にコリンはジン‥と来た。
さっきまでずっと黙って聞いてるだけだって思ってたのに、たけど実は、ずっと僕らのことを見てくれてた‥。
そんな優しさがジワリと心に染み込んで‥涙が出た。
「奴らとコリンたちは同じじゃない」
ナナフルも念を押すように言って、優しくコリンを抱きしめた。
「ああ、でも、協会にも悪い奴とそうじゃない奴がいるんじゃないって分かってスッキリしたな! 。協会の表の顔は教会職員の仕事、協会は裏の仕事しかしていない。協会をぶっ潰したところで、これからの魔術士は困ったりしない。
心置きなく、ぶっ潰してもいいってこった」
にやり、と‥今まで黙ってたアンバーが言った。
教会出身者三人がにっと‥悪い笑顔を浮かべる。
すっと、心に今までずっと蟠っていた「何かモヤモヤしたもの」が溶けてなくなった気分になった。
自分が何かすることによって、誰か「悪くない者」の未来を壊してしまうんじゃないか。自分が良かれと思ってすることが実は誰かにとっては「いらんこと」かもしれない。ただの、自己満足かもしれないっていう「恐れ」。
敵である協会にしても、悪者ってひとくくりに出来ないんじゃないか? 協会内にもいい奴はいるんじゃないか? 自分がしていることはただの思い上がりじゃないか? 自分も「やばい奴」なのに、意見が合わないってだけで、同じような「やばい奴」に対して敵意を抱いているだけじゃないか?
自分たちが悪に加担しているって自覚のない善意(=悪意 つまり、悪事を行っているって自覚のある人。善意は反対に「悪意を行ってる自覚のない人」って意味)の存在を悪の組織のメンバーだって理由だけで一緒くたにして、攻撃することに対する罪悪感。
いうけど、結構嫌なことだよ? 悪者に使われてるだけで「自分の主人が何をしてるかもしらない様な」下っ端を悪者の家来だって理由だけで殺す‥ってのと同じだもんね? 運が悪いって言ったらそこまでだけど、そこまで非情になれないよね? 普通は。
そういうの。
そんないろんなモヤモヤした思い。
それがなんか‥いっぺんに「どうでもいい」って気分になった。
ああそうか。
ずっともやもやしてたのは悪の組織っていう「巨悪」に対する恐れじゃなかったんだ。
そう思えた。
「奴らは僕らとは違う。奴らは心置きなくぶっ潰していい奴なんだ! 」
単純かもしれないけど、急にそう思えた。
急に‥「それが出来る」様に思えた。
まるで魔法が解けたように‥
ずっと手元でごそごそやってたら‥ホントに突然絡み合ったひもがほどけたように‥こころのわだかまりが溶けた。‥そんな感じがしたんだ。
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