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223.職業柄、咄嗟に本気の嘘をついてしまったんです。
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‥ちょっと落ち着けてから帰ろ。
事務所を前に、僕は大きく深呼吸をした。
身体的な変化‥は、ない。つまり、顔が赤いとか‥心臓が大変なことになってる‥とかはさっき走ってるときに収まった。っていうか、そう大変なことにはなってなかったし。
シークさんは‥ちょっと今すぐは帰れないんじゃないかなあ‥なんて思うけど。
ほら‥アレだ。男性的な‥ね?
あればっかりは、生理現象だからね。
魔術士は‥特に男は「そういうの」に引っ張られて、動揺したりとかして「思い通りに」魔法が使えなかったらそれこそ死活問題だから、そういう訓練を随分するんだ。だから、正規の魔術士であったら例え敵からの色仕掛けを受けても‥危機に陥るってことはない。
いうならば(下品な話)例え勃っててもそれに気をとられることなく‥、性欲に引っ張られることなく、目的の魔法を使えるんだ。
男だけが呼ばれて受けさせられる授業で「ウザいな~」って‥正直下世話だって思ってたけど、恋を知って、こうして‥「そういう関係になる」恋人が出来て、こういう状況になった今「あれは必要な授業だったな」って今更になって思ったり。
‥あの頃は、初心だったし、それ以上に冷めてたから「性欲で心も体ももう大変なことに‥! 」とかなかった。経験もないし、‥想像もつかなかった。
だから僕は、尿意をちょびっと我慢する状況を想定して訓練してたんだ。
若者にとって勃つ様な状況を想像するのが容易いように、(人間として)尿意を我慢している状況を想像するのは容易いからね。
‥尿意を我慢した状態でも正常に魔法は使えないよ? なんせ、集中力が著しく低下するから。
もう
「トイレ行きたいんだよ!! 」
に全神経が支配されちゃう一大事だよ?
まあ‥ね。身体の血流が身体の一部に集中しちゃう様な状況には変わりないよね‥。
あの授業は‥もう、ある意味地獄絵図の様な授業だった。
何かを想像して、もじもじして赤面して‥内股になってる男どもがそれに耐えて魔法を使っていたのが‥最後には(勃起したまま)堂々と(それも、勃起を隠すことなく)魔法を使えるようになるという‥女子が見たら絶対もうドン引きの‥ヤバい状況にまで進歩するという‥ね?
女子じゃないけど、僕もドン引きだったよ! だって、僕は所詮「尿意を克服した」だけだったからね!
奴らの「やり切った感」「達成感」「一体感」は理解できなかったな~。
だけど‥ちょっと違ったね。
性欲の「大変だ」は、尿意の大変さとは‥違う。物理的にはそう変わりないけど、‥決定的な何かが違う。
理性とか‥そういう問題だったんだ。
あれは‥精神統一の授業だった。
心技体ってのは、何も剣技に限ったものではない。
目の前の敵に、自分の胸の高鳴りに、身体の熱に‥もう「大変だ! 」になっても、少し立ち止まって、心を落ち着けて‥無の境地で魔法を使う。
僕は‥あの修行を成し終えた。(ちょっと違ったけど)大丈夫。‥僕は大丈夫だ。
大丈夫だ。落ち着いた。
「すみません、席を外してしまい‥」
僕だけが帰ってきたことに、事務所の皆は一瞬「ん? 」って顔をしたが、でもすぐに何事も無かったかのように頷いた。
理解した。って顔してるけど、どうせ皆銘々勝手に想像してるんだろう。そして‥これはほぼ正解だろうが‥絶対皆誤解してる。まあ‥アンバーなんかは鋭いから「どうせ何もないだろ」ってバレてるだろう。
ザッカさんは‥なんとも複雑な顔をしている。
多分「(自分なら)あの状態で絶対手を出さないでいれるわけないから、きっとシークもそうだろう」とか思ってるだろう。
で、「俺の娘に! 」って怒ってるんだけど、シークさんも息子認定したから「シークの気持ちもわかる」とか思ってるのかな?
‥だけど、結論として「それはそれ。結婚するまでは節度を持った付き合いを」に行きついたらしい。かっと僕を厳しい顔で見て
「コリン。お前は! 」
って声を荒げた。
だけど‥その次の言葉が出てこない。
だって、
「何してたんだ! 」
って言って、僕の口から聞きたくもない事実(事実は何もないんだけど)を聞かされるのも嫌だし、‥そもそも僕が口ごもって真っ赤になって「あ、察し」ってなるのも嫌だし。
って感じかな?
フタバちゃんの生暖かい笑顔も鬱陶しいし、ロナウの中途半端な顔も鬱陶しい。‥赤面して目を逸らされるとか何の罰ゲームだ。
僕はなんかもう、腹が立って
「席を外してすみませんでしたが! 僕らはちょっと話しただけで、それ以上のことなんて何もしてないんで! 」
って言い切った。
‥何もしてない訳ではないが、皆が思ってるようなこと‥最後までやった‥はしてないから!
あんまり僕が真っすぐザッカさんを見て言ったもんだから、皆は一瞬ポカンとなって‥
それぞれ「いやいや、別に下種な勘ぐりとかしてないから」とかもそもそ言い始めた。
けっっ、下種な勘ぐり以外の何だってんだ。
成人した男が何しようが勝手だろうが!
そう思ったら、余計に腹が立ってきて、もうさっきのちょっとした嘘(何もやってませんから! っていう嘘)がホントにどうってことなくなった。
僕は何も嘘なんてついてませ~ん。
って感じだ。
うん。僕は着実に悪女になってきてる。
むふん! って胸を反らしたら、いままで黙ってニヤニヤしてたアンバーが大爆笑し始めた。
それを受けて皆が「まあ‥どうでもいいが‥今度から席を立つときは許可をとってな」とかどうでもいいことを言って僕に着席を促した。
席に着いた僕を見たアンバーが、ふふ、って思わせぶりな微笑を浮かべたのには腹が立ったけどね!
なんなんだよ、アンタは! 全てお見通しみたいな顔は止めてもらおう!
‥いや、でもまあ‥。きっとアンバーには僕らのバタバタなんか「全てお見通し」なんだろうなあ。お見通しで「若いねえ」「可愛いねえ」とか思われてるんだろうなあ‥。
なんか‥ムカつく。
かーっと頭に血が上る系の「腹が立つ」じゃなくて‥、心がむかむかしてくる系の‥静かな怒り。
「それで、シークは? 」
ナナフルさんが穏やかな口調で僕に聞いた。
さっきのですっかり肝がすわった‥というか気持ちが冷めちゃった僕は
「‥ちょっと僕と言い合いになって‥、話し合いは済んだんですが、シークさんはちょっと頭を冷やしてから行くって言ってました」
って淀みのない口調で言った。
全部がうそじゃないからいいわけもスムーズだ。
そもそも‥全部が嘘でも、僕なら淀みなく言える自信がある。
どんな相手さえも‥自分さえも‥騙せるレベルで、だ。
‥今までそうしてきた。当たり前にね。
だって、僕は誓約士だ。
心‥メンタルが強くなきゃやっていけない。
ここのところ、平和にどっぷりつかりすぎてたな。
弱みを見せたり、本音で話し合ったり‥なんて誓約士の世界ではありえない話だからね。
僕が「ホントのことを言わない」って‥ナナフルさんには分かったんだろう。ふ‥とちょっと悲しそうに苦笑いして
「そう」
って頷いた。
その笑顔に‥心が痛んだ。
そうだね。皆は「家族として」「友人として」接して、‥心配してくれてるのに、僕は「仕事の顔して」それを拒絶したんだもんね。‥たかが照れ隠しにそこまでする必要は無かったね。
‥なんかさ、冷やかされるのも、生暖かく‥愛あるからかいを受けるのも‥僕はあんまりにも慣れてなくてね‥。ごめんね‥。
「シークさんが戻られる前に、私たちの知っている情報を整理しておきましょうか」
話を元に戻したのは、フタバちゃんだった。
皆がそれに異論があるわけもなく、頷いて了承した。
微妙な緊張が残るこの空間を‥ちょっと悪いって思う気持ちはあるが、これ以上僕に出来ることはない。
僕どころか‥誰にもどうしようも、ない。
誰が悪いってわけでも、ない。「僕は揶揄われるのとか嫌だから、今後はこういうことやめて欲しい」とまでは、僕も思わない。皆も「何なんだよ。ちょっと揶揄っただけじゃないか。ノリ悪いな」とかは思ってないだろう。
皆の気持ちは多分‥
僕らは親しいって思ってたのに‥君は違うの? なんか、ちょっと‥
ああ、そうか。なんかちょっと水臭いな、‥寂しいな。
だ。
事務所を前に、僕は大きく深呼吸をした。
身体的な変化‥は、ない。つまり、顔が赤いとか‥心臓が大変なことになってる‥とかはさっき走ってるときに収まった。っていうか、そう大変なことにはなってなかったし。
シークさんは‥ちょっと今すぐは帰れないんじゃないかなあ‥なんて思うけど。
ほら‥アレだ。男性的な‥ね?
あればっかりは、生理現象だからね。
魔術士は‥特に男は「そういうの」に引っ張られて、動揺したりとかして「思い通りに」魔法が使えなかったらそれこそ死活問題だから、そういう訓練を随分するんだ。だから、正規の魔術士であったら例え敵からの色仕掛けを受けても‥危機に陥るってことはない。
いうならば(下品な話)例え勃っててもそれに気をとられることなく‥、性欲に引っ張られることなく、目的の魔法を使えるんだ。
男だけが呼ばれて受けさせられる授業で「ウザいな~」って‥正直下世話だって思ってたけど、恋を知って、こうして‥「そういう関係になる」恋人が出来て、こういう状況になった今「あれは必要な授業だったな」って今更になって思ったり。
‥あの頃は、初心だったし、それ以上に冷めてたから「性欲で心も体ももう大変なことに‥! 」とかなかった。経験もないし、‥想像もつかなかった。
だから僕は、尿意をちょびっと我慢する状況を想定して訓練してたんだ。
若者にとって勃つ様な状況を想像するのが容易いように、(人間として)尿意を我慢している状況を想像するのは容易いからね。
‥尿意を我慢した状態でも正常に魔法は使えないよ? なんせ、集中力が著しく低下するから。
もう
「トイレ行きたいんだよ!! 」
に全神経が支配されちゃう一大事だよ?
まあ‥ね。身体の血流が身体の一部に集中しちゃう様な状況には変わりないよね‥。
あの授業は‥もう、ある意味地獄絵図の様な授業だった。
何かを想像して、もじもじして赤面して‥内股になってる男どもがそれに耐えて魔法を使っていたのが‥最後には(勃起したまま)堂々と(それも、勃起を隠すことなく)魔法を使えるようになるという‥女子が見たら絶対もうドン引きの‥ヤバい状況にまで進歩するという‥ね?
女子じゃないけど、僕もドン引きだったよ! だって、僕は所詮「尿意を克服した」だけだったからね!
奴らの「やり切った感」「達成感」「一体感」は理解できなかったな~。
だけど‥ちょっと違ったね。
性欲の「大変だ」は、尿意の大変さとは‥違う。物理的にはそう変わりないけど、‥決定的な何かが違う。
理性とか‥そういう問題だったんだ。
あれは‥精神統一の授業だった。
心技体ってのは、何も剣技に限ったものではない。
目の前の敵に、自分の胸の高鳴りに、身体の熱に‥もう「大変だ! 」になっても、少し立ち止まって、心を落ち着けて‥無の境地で魔法を使う。
僕は‥あの修行を成し終えた。(ちょっと違ったけど)大丈夫。‥僕は大丈夫だ。
大丈夫だ。落ち着いた。
「すみません、席を外してしまい‥」
僕だけが帰ってきたことに、事務所の皆は一瞬「ん? 」って顔をしたが、でもすぐに何事も無かったかのように頷いた。
理解した。って顔してるけど、どうせ皆銘々勝手に想像してるんだろう。そして‥これはほぼ正解だろうが‥絶対皆誤解してる。まあ‥アンバーなんかは鋭いから「どうせ何もないだろ」ってバレてるだろう。
ザッカさんは‥なんとも複雑な顔をしている。
多分「(自分なら)あの状態で絶対手を出さないでいれるわけないから、きっとシークもそうだろう」とか思ってるだろう。
で、「俺の娘に! 」って怒ってるんだけど、シークさんも息子認定したから「シークの気持ちもわかる」とか思ってるのかな?
‥だけど、結論として「それはそれ。結婚するまでは節度を持った付き合いを」に行きついたらしい。かっと僕を厳しい顔で見て
「コリン。お前は! 」
って声を荒げた。
だけど‥その次の言葉が出てこない。
だって、
「何してたんだ! 」
って言って、僕の口から聞きたくもない事実(事実は何もないんだけど)を聞かされるのも嫌だし、‥そもそも僕が口ごもって真っ赤になって「あ、察し」ってなるのも嫌だし。
って感じかな?
フタバちゃんの生暖かい笑顔も鬱陶しいし、ロナウの中途半端な顔も鬱陶しい。‥赤面して目を逸らされるとか何の罰ゲームだ。
僕はなんかもう、腹が立って
「席を外してすみませんでしたが! 僕らはちょっと話しただけで、それ以上のことなんて何もしてないんで! 」
って言い切った。
‥何もしてない訳ではないが、皆が思ってるようなこと‥最後までやった‥はしてないから!
あんまり僕が真っすぐザッカさんを見て言ったもんだから、皆は一瞬ポカンとなって‥
それぞれ「いやいや、別に下種な勘ぐりとかしてないから」とかもそもそ言い始めた。
けっっ、下種な勘ぐり以外の何だってんだ。
成人した男が何しようが勝手だろうが!
そう思ったら、余計に腹が立ってきて、もうさっきのちょっとした嘘(何もやってませんから! っていう嘘)がホントにどうってことなくなった。
僕は何も嘘なんてついてませ~ん。
って感じだ。
うん。僕は着実に悪女になってきてる。
むふん! って胸を反らしたら、いままで黙ってニヤニヤしてたアンバーが大爆笑し始めた。
それを受けて皆が「まあ‥どうでもいいが‥今度から席を立つときは許可をとってな」とかどうでもいいことを言って僕に着席を促した。
席に着いた僕を見たアンバーが、ふふ、って思わせぶりな微笑を浮かべたのには腹が立ったけどね!
なんなんだよ、アンタは! 全てお見通しみたいな顔は止めてもらおう!
‥いや、でもまあ‥。きっとアンバーには僕らのバタバタなんか「全てお見通し」なんだろうなあ。お見通しで「若いねえ」「可愛いねえ」とか思われてるんだろうなあ‥。
なんか‥ムカつく。
かーっと頭に血が上る系の「腹が立つ」じゃなくて‥、心がむかむかしてくる系の‥静かな怒り。
「それで、シークは? 」
ナナフルさんが穏やかな口調で僕に聞いた。
さっきのですっかり肝がすわった‥というか気持ちが冷めちゃった僕は
「‥ちょっと僕と言い合いになって‥、話し合いは済んだんですが、シークさんはちょっと頭を冷やしてから行くって言ってました」
って淀みのない口調で言った。
全部がうそじゃないからいいわけもスムーズだ。
そもそも‥全部が嘘でも、僕なら淀みなく言える自信がある。
どんな相手さえも‥自分さえも‥騙せるレベルで、だ。
‥今までそうしてきた。当たり前にね。
だって、僕は誓約士だ。
心‥メンタルが強くなきゃやっていけない。
ここのところ、平和にどっぷりつかりすぎてたな。
弱みを見せたり、本音で話し合ったり‥なんて誓約士の世界ではありえない話だからね。
僕が「ホントのことを言わない」って‥ナナフルさんには分かったんだろう。ふ‥とちょっと悲しそうに苦笑いして
「そう」
って頷いた。
その笑顔に‥心が痛んだ。
そうだね。皆は「家族として」「友人として」接して、‥心配してくれてるのに、僕は「仕事の顔して」それを拒絶したんだもんね。‥たかが照れ隠しにそこまでする必要は無かったね。
‥なんかさ、冷やかされるのも、生暖かく‥愛あるからかいを受けるのも‥僕はあんまりにも慣れてなくてね‥。ごめんね‥。
「シークさんが戻られる前に、私たちの知っている情報を整理しておきましょうか」
話を元に戻したのは、フタバちゃんだった。
皆がそれに異論があるわけもなく、頷いて了承した。
微妙な緊張が残るこの空間を‥ちょっと悪いって思う気持ちはあるが、これ以上僕に出来ることはない。
僕どころか‥誰にもどうしようも、ない。
誰が悪いってわけでも、ない。「僕は揶揄われるのとか嫌だから、今後はこういうことやめて欲しい」とまでは、僕も思わない。皆も「何なんだよ。ちょっと揶揄っただけじゃないか。ノリ悪いな」とかは思ってないだろう。
皆の気持ちは多分‥
僕らは親しいって思ってたのに‥君は違うの? なんか、ちょっと‥
ああ、そうか。なんかちょっと水臭いな、‥寂しいな。
だ。
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