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233.コーヒーはお仕事のお供
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食事の後は、フリートークの時間だ。
今してる仕事について、コーヒーを飲みながら自由に話すって時間。
それは会議とは違う。
何か議題があるわけでも、皆で意見を出し合わなきゃいけない訳でもない。
因みにガチな会議の時にもコーヒーを飲む。
雑談やインタビューの時は紅茶でもコーヒーでも構わないけど、ザッカたちは会議や「ちょっとでも真面目な話」をするときはコーヒーを飲んだ。
朝の目覚めはコーヒー
同様に、「目覚めてなきゃいけないとき」もコーヒー、ってわけ。
カップにコーヒーがない時はないって状態にする。
その為にコーヒーサーバーいっぱいにコーヒーを作って置いてから会議を始める。
なくなったら、淹れ足し、ついでに減ってる他人の分にも足しておく。(足された者は「要らない」とか言っちゃダメなんだ)
それはこの事務所の定番だ。
コリンが来る前から‥昔っからだった。
「コーヒーでも飲むか」
のどが渇いてたら話もしにくいし、「コーヒーでも淹れて来るか」って席を立ったら流れが止まるしね。
やるときは集中して。
そういうのにはシビアなんです。
今はそこまでスパルタな「缶詰(会議)」でもないフリートークなので、机には話しながらつまめるようにって感じでクラッカーが並んでいる。
会議だとこうはいかない。
「物を口にしたら眠くなる」
「とにかくコーヒー飲め」
「煮詰まったら氷砂糖を食え(頭に糖分的な?? )」
って感じなんだ。
ザッカさんとこは結構スパルタ☆
「教会の友達の関係者に被害者が多いってのには驚いたよな」
ロナウが言ってクラッカーに手を伸ばすと
「友達って言えるかは微妙だね。‥この頃はろくに知らない後輩や先輩なんかからも相談が来るよね」
ってコリンが苦笑いして、
「ま‥それほど切羽詰まってるってことだよね」
と言葉を続ける。フタバも頷いて
「藁にもすがるような想いなんでしょうね‥」
ってちょっと眉を寄せた。
被害者は「魔力を持っている者」らしいっていうことは、あの後の調べによって分かった。
仮の共同体として使うには魔力が必要だからだ。
魔法が使えなくても「リーダーではない限り」関係はない。
魔力の相性であって「魔法の相性」ではないから。
「誰もが魔力を持っているわけでは無い。
魔力を持ってる者は限られてる。親に魔力を持っている者がいる者か、僕みたいに突然変異で魔力紋を持って生まれた者か‥だ
貴族の場合、兄弟で魔力保有者は多いが、兄しか教会やアカデミーに行っていないってパターンは意外と多い。
そう言った場合、シャルルの様な不満や不安を抱えていることが多いので‥犠牲者になりやすかったって感じかな」
コリンがクラッカーを一つ口に放り込む。
「シャルル? 」
首を傾げるザッカたちにフタバが簡単に事情を説明する。
「成程‥。
親はよかれと思っていても、子供にそれが伝わってないってことは多いんだろうね」
ナナフルが眉を寄せた。
貴族の子女の場合、条件のいい結婚相手を探す際に、魔術士であるってのは必ずしもプラスにはならないからって理由で兄は教会に通っているけど、妹は通っていないっていうパターンは多い。
仕事が出来るのもわかるし、便利だし、だけど‥魔術士って皆気が強いし(イメージ)、‥傲慢なところある(イメージ)じゃない? 仕事相手ならともかく‥妻にはちょっとね‥って思う者も多いらしい。
だから
「将来魔法使いの子供を産める可能性は高いですよ。(これはプラス評価)この娘自身は魔法使いの教育は受けてないですよ。魔術士じゃないですよ」って状態にするために、女子を教会(やアカデミー)に入れない貴族は結構いるってわけだ。
‥馬鹿馬鹿しいね。
そして、そのことに不満を持っている女子も多い。
「そういうところに付け込まれたってわけだ」
弟の場合は圧倒的に平民が多い。
平民の場合は圧倒的に金銭面の理由が多い。
親が弟に対して、「(兄弟で魔術紋保有者であっても)弟まで教会にいれるお金はないから‥教会で学ぶ兄に勉強を教えてもらって‥」って風になることが多いんだ。
そして、就職を教会で斡旋してもらった兄が弟も‥って就職先に(個人的に)お願いする。学はそう重要じゃない、魔法が使えればいい‥って就職先もないこともないからだ。
就職先にしてみれば、魔法を使える人材が二人手に入る上に、一人(教会に行っていない弟)は魔法は使えるが協会認定の魔術士じゃないから、魔術士手当を払わないでもいい。魔術についても、兄弟だから、弟の出来ない仕事は兄がサポートするので問題はない。
弟は給料は兄に比べて少ないが、協会に対して協会費を払わないで済むから結果的に兄と給料がそう変わることはない。
‥っていう「抜け道」だ。
平民の間ではこれが「一般的」なんだけど、勿論、弟の側から見れば不満はあるって訳で‥
結果、貴族の妹と同じように付け入られるってわけだ。
はあ、ってコリンはため息をつき、
「うちは、平民だけど、両親共働きだし、母さんが高給取りだったから。‥それに、兄さんたちが働きだしてからは兄さんたちも家にお金を入れてくれてるみたいだしね」
って言った。
ロナウとフタバは(同じ貴族の話をしているからか)深刻な顔をしている。
ロナウは兄弟三人とも魔力持ちだったが、三人とも学校に行くことに両親は少しも躊躇しなかった。(思えばありがたいな)
フタバは、兄弟で一人だけ教会に行った。
魔術士になったら嫁の行きてが‥とかあの脳筋の(実)父が考えたわけない。寧ろ「嫁の貰い手がない? なら、行かなきゃいいじゃん」とか思ってそう。
養子と嫁に行く‥は感覚的に違う様だ。
とにかく、自分たちって恵まれてたんだなあ‥って思ったり。
だけど、ここで「まったり」にならないのは、飲んでるのが「仕事のお供コーヒー」だからか。
「そういうことに気付く協会。鼻が利くっていうか‥「分かってる」って言うか‥」
さすがだな、ってロナウとコリン、フタバは三人で苦い顔をする。
「教会やアカデミー関係者以外の魔力保有者の情報は? 」
ナナフルがコリンを見る。
仕事モードの真剣な表情だ。
「教会ですね。教会は魔法を教える学校としての働き以前に「教会本来」の仕事がありますからね。教師ではなく、神官が働く本来の教会の仕事‥「出生者の魔力検査」ですね。
教会には、何か事情(子供が産まれた事実を隠蔽する‥とかだね)がない限り、子供が産まれたら全員が行く。
無料で魔力の有無も調べてもらえるからだ。そして、そこで魔力があると診断されれば、将来就職にプラスになる。だけど、教会に行くのは平民だったら魔術士紋が現れた者位だけどね」
コリンの説明をナナフルはメモを取りながら真剣に聞いている。
「‥ってことは、魔力保有者の情報を‥教会がばらしたのか? 」
ザッカが目を見開いて、話に入ってきた。
コリンはザッカを視線だけで振り向き、頷き「そういうこともあるだろうし」と呟くと、ザッカの方に身体ごと振り返り、
「協会の手下が盗んだってこともあるでしょう」
って険しい表情を見せた。
ザッカも表情を険しくする。
「そして盗まれたデータから「候補者リスト」をつくり、平民貴族等に分類して、魔薬の売り子にを渡すってわけか」
はあ‥とアンバーがため息をつく。
知れば知るほど、考えれば考えるほど、悪の組織ってホント上手くできてる。
血も涙もない、血が通ってない‥
そういう色んな「嫌な」表現が全部当てはまっちゃう位‥奴らは嫌な奴らだ、って思う。
アンバーって、もともとあそこにいたんだから、やっぱりほんのちょっとでも悪の組織に対して「何か思う事位はあるのかな」って昔は思ったこともあったけど‥アンバーの事凄く分かってきた今は「今はもう全然何にも思ってないんだろうな」って思ったり。
昔から、悪の組織を「自分の場所」だって思ってなかったのかもね。
今、ここが初めてアンバーの「自分の場所」になったんだったらいいのに‥って思う。
今ここで、コーヒー飲みながら白熱した議論を交わしたり、馬鹿なこと言って騒いだり、時には一緒にお酒を飲んだり(一応皆成人済み)紅茶飲んでまったりしたり。
‥そういう時間をアンバーが、僕同様に「幸せだな」って思ってくれてたらいいのにな、って思うんだ。
今してる仕事について、コーヒーを飲みながら自由に話すって時間。
それは会議とは違う。
何か議題があるわけでも、皆で意見を出し合わなきゃいけない訳でもない。
因みにガチな会議の時にもコーヒーを飲む。
雑談やインタビューの時は紅茶でもコーヒーでも構わないけど、ザッカたちは会議や「ちょっとでも真面目な話」をするときはコーヒーを飲んだ。
朝の目覚めはコーヒー
同様に、「目覚めてなきゃいけないとき」もコーヒー、ってわけ。
カップにコーヒーがない時はないって状態にする。
その為にコーヒーサーバーいっぱいにコーヒーを作って置いてから会議を始める。
なくなったら、淹れ足し、ついでに減ってる他人の分にも足しておく。(足された者は「要らない」とか言っちゃダメなんだ)
それはこの事務所の定番だ。
コリンが来る前から‥昔っからだった。
「コーヒーでも飲むか」
のどが渇いてたら話もしにくいし、「コーヒーでも淹れて来るか」って席を立ったら流れが止まるしね。
やるときは集中して。
そういうのにはシビアなんです。
今はそこまでスパルタな「缶詰(会議)」でもないフリートークなので、机には話しながらつまめるようにって感じでクラッカーが並んでいる。
会議だとこうはいかない。
「物を口にしたら眠くなる」
「とにかくコーヒー飲め」
「煮詰まったら氷砂糖を食え(頭に糖分的な?? )」
って感じなんだ。
ザッカさんとこは結構スパルタ☆
「教会の友達の関係者に被害者が多いってのには驚いたよな」
ロナウが言ってクラッカーに手を伸ばすと
「友達って言えるかは微妙だね。‥この頃はろくに知らない後輩や先輩なんかからも相談が来るよね」
ってコリンが苦笑いして、
「ま‥それほど切羽詰まってるってことだよね」
と言葉を続ける。フタバも頷いて
「藁にもすがるような想いなんでしょうね‥」
ってちょっと眉を寄せた。
被害者は「魔力を持っている者」らしいっていうことは、あの後の調べによって分かった。
仮の共同体として使うには魔力が必要だからだ。
魔法が使えなくても「リーダーではない限り」関係はない。
魔力の相性であって「魔法の相性」ではないから。
「誰もが魔力を持っているわけでは無い。
魔力を持ってる者は限られてる。親に魔力を持っている者がいる者か、僕みたいに突然変異で魔力紋を持って生まれた者か‥だ
貴族の場合、兄弟で魔力保有者は多いが、兄しか教会やアカデミーに行っていないってパターンは意外と多い。
そう言った場合、シャルルの様な不満や不安を抱えていることが多いので‥犠牲者になりやすかったって感じかな」
コリンがクラッカーを一つ口に放り込む。
「シャルル? 」
首を傾げるザッカたちにフタバが簡単に事情を説明する。
「成程‥。
親はよかれと思っていても、子供にそれが伝わってないってことは多いんだろうね」
ナナフルが眉を寄せた。
貴族の子女の場合、条件のいい結婚相手を探す際に、魔術士であるってのは必ずしもプラスにはならないからって理由で兄は教会に通っているけど、妹は通っていないっていうパターンは多い。
仕事が出来るのもわかるし、便利だし、だけど‥魔術士って皆気が強いし(イメージ)、‥傲慢なところある(イメージ)じゃない? 仕事相手ならともかく‥妻にはちょっとね‥って思う者も多いらしい。
だから
「将来魔法使いの子供を産める可能性は高いですよ。(これはプラス評価)この娘自身は魔法使いの教育は受けてないですよ。魔術士じゃないですよ」って状態にするために、女子を教会(やアカデミー)に入れない貴族は結構いるってわけだ。
‥馬鹿馬鹿しいね。
そして、そのことに不満を持っている女子も多い。
「そういうところに付け込まれたってわけだ」
弟の場合は圧倒的に平民が多い。
平民の場合は圧倒的に金銭面の理由が多い。
親が弟に対して、「(兄弟で魔術紋保有者であっても)弟まで教会にいれるお金はないから‥教会で学ぶ兄に勉強を教えてもらって‥」って風になることが多いんだ。
そして、就職を教会で斡旋してもらった兄が弟も‥って就職先に(個人的に)お願いする。学はそう重要じゃない、魔法が使えればいい‥って就職先もないこともないからだ。
就職先にしてみれば、魔法を使える人材が二人手に入る上に、一人(教会に行っていない弟)は魔法は使えるが協会認定の魔術士じゃないから、魔術士手当を払わないでもいい。魔術についても、兄弟だから、弟の出来ない仕事は兄がサポートするので問題はない。
弟は給料は兄に比べて少ないが、協会に対して協会費を払わないで済むから結果的に兄と給料がそう変わることはない。
‥っていう「抜け道」だ。
平民の間ではこれが「一般的」なんだけど、勿論、弟の側から見れば不満はあるって訳で‥
結果、貴族の妹と同じように付け入られるってわけだ。
はあ、ってコリンはため息をつき、
「うちは、平民だけど、両親共働きだし、母さんが高給取りだったから。‥それに、兄さんたちが働きだしてからは兄さんたちも家にお金を入れてくれてるみたいだしね」
って言った。
ロナウとフタバは(同じ貴族の話をしているからか)深刻な顔をしている。
ロナウは兄弟三人とも魔力持ちだったが、三人とも学校に行くことに両親は少しも躊躇しなかった。(思えばありがたいな)
フタバは、兄弟で一人だけ教会に行った。
魔術士になったら嫁の行きてが‥とかあの脳筋の(実)父が考えたわけない。寧ろ「嫁の貰い手がない? なら、行かなきゃいいじゃん」とか思ってそう。
養子と嫁に行く‥は感覚的に違う様だ。
とにかく、自分たちって恵まれてたんだなあ‥って思ったり。
だけど、ここで「まったり」にならないのは、飲んでるのが「仕事のお供コーヒー」だからか。
「そういうことに気付く協会。鼻が利くっていうか‥「分かってる」って言うか‥」
さすがだな、ってロナウとコリン、フタバは三人で苦い顔をする。
「教会やアカデミー関係者以外の魔力保有者の情報は? 」
ナナフルがコリンを見る。
仕事モードの真剣な表情だ。
「教会ですね。教会は魔法を教える学校としての働き以前に「教会本来」の仕事がありますからね。教師ではなく、神官が働く本来の教会の仕事‥「出生者の魔力検査」ですね。
教会には、何か事情(子供が産まれた事実を隠蔽する‥とかだね)がない限り、子供が産まれたら全員が行く。
無料で魔力の有無も調べてもらえるからだ。そして、そこで魔力があると診断されれば、将来就職にプラスになる。だけど、教会に行くのは平民だったら魔術士紋が現れた者位だけどね」
コリンの説明をナナフルはメモを取りながら真剣に聞いている。
「‥ってことは、魔力保有者の情報を‥教会がばらしたのか? 」
ザッカが目を見開いて、話に入ってきた。
コリンはザッカを視線だけで振り向き、頷き「そういうこともあるだろうし」と呟くと、ザッカの方に身体ごと振り返り、
「協会の手下が盗んだってこともあるでしょう」
って険しい表情を見せた。
ザッカも表情を険しくする。
「そして盗まれたデータから「候補者リスト」をつくり、平民貴族等に分類して、魔薬の売り子にを渡すってわけか」
はあ‥とアンバーがため息をつく。
知れば知るほど、考えれば考えるほど、悪の組織ってホント上手くできてる。
血も涙もない、血が通ってない‥
そういう色んな「嫌な」表現が全部当てはまっちゃう位‥奴らは嫌な奴らだ、って思う。
アンバーって、もともとあそこにいたんだから、やっぱりほんのちょっとでも悪の組織に対して「何か思う事位はあるのかな」って昔は思ったこともあったけど‥アンバーの事凄く分かってきた今は「今はもう全然何にも思ってないんだろうな」って思ったり。
昔から、悪の組織を「自分の場所」だって思ってなかったのかもね。
今、ここが初めてアンバーの「自分の場所」になったんだったらいいのに‥って思う。
今ここで、コーヒー飲みながら白熱した議論を交わしたり、馬鹿なこと言って騒いだり、時には一緒にお酒を飲んだり(一応皆成人済み)紅茶飲んでまったりしたり。
‥そういう時間をアンバーが、僕同様に「幸せだな」って思ってくれてたらいいのにな、って思うんだ。
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