219 / 310
215.僕だけ‥(コリンside)
しおりを挟む
シークさんの方を見ない様にしようって思ったら‥
怖いけど‥
ナナフルさんの顔を見るしかない。
隣のザッカさんに視線をそらすと、どうしても(ザッカさんの隣に座ってる)シークさんが目に入ってきちゃうから。
それに、話してるのに目をそらすとか‥ないでしょ?
って他の説教されてる側をチラリ‥と確認した僕は「え?? 」って思った。
まず隣のフタバちゃんは目をキラキラさせて「ナナフルさんに心配されちゃった‥」って感激してるし、ロナウも「な」とかフタバちゃんの意見(?)に同意して一緒になって感激してる。
大丈夫か!? こいつら!
って思ったよ!
フタバちゃんは、ナナフルさんににっこり微笑むと
「大丈夫です。私たちは、敵に近づきすぎない距離を保っています。私たちがしていることは、情報集めだけです。情報が集まったら、然るべき機関に対処してもらえるでしょ?
というか‥情報を集めないと、協力を要請する機関が分からないし、‥間違えるかもしれないでしょ?
それが一番困るんです。だから、今はとにかく情報が欲しいんです。
だけど‥確かにちょっと急ぎ過ぎて‥確かに危ないことをしてたなって‥反省もしています。
でもね‥
色々したいことはあるんです。‥個人的に。
アンバー様の事とかもあるから、敵を見つけたら、個人的に痛い目にあわせたい! とか‥初めは思ってたけど‥流石に‥ちょっと現実的な規模の敵じゃないかな‥私たちには手に負えないかな‥って」
そこだけは、ちょっと小声になって、フタバちゃんが凄くがっかりしてるってのが伝わってきた。
ナナフルさんを見ると‥ちょっと驚いた顔をしている。
そりゃそうだよ。僕も驚いてる。
え? そんなあっさり諦めちゃうんだ?? って感じだよ。
だって、‥出来るもできないもしないとしょうがない‥ってか、するもんだって思ってた。
するのは大前提であとは如何に安全な方法を選ぶかって‥。
なに怖気づいてるの~!?
‥って、まあ‥僕一人ならそうなんだろうけど‥フタバちゃんたちにそれを強要することは出来ないか‥って。
納得した‥っていうか、ちょっと‥まあ‥がっかりした。はっきり言ってね。‥がっかりした。
それはきっと、ナナフルさんも同じ気持ちだと思ったのに、ナナフルさんは‥「そっか」って小さく呟くと、ふわりって優しく微笑んだ。
そして、
「よかった」
って‥ホントにしみじみ呟いた。
それは、諦めとか‥そういうのじゃなくって、本当に「よかった」っていう‥安堵の気持ちの込められた言葉だった。
ナナフルさんの表情は、まるで聖母の様に優しかった。
「どうやって説得しようって思ってた。
フタバちゃんが「ちゃんとわかってて」良かった」
ナナフルさんは、‥ちょっと涙ぐみながらしみじみと呟いた。
だけど、
「あ、でもコリンだけは納得してないみたいだぞ? 」
ってザッカさんは‥僕の顔を見て、呆れたって感じでため息をついた。
フタバちゃんとロナウが僕を見る。
「コリン。
あのね‥私たちは‥ちょっと前からこういう認識だったんだ。
だけど、一生懸命になってるコリンに‥言いにくくて‥今回は‥いい機会かなって思ってた。
コリンは私たちの言う事は聞かないけど、ナナフルさんの言う事はきくじゃない?
‥少なくとも話は聞くだろうって思って。
それに、ナナフルさん達ならそう言ってくれるだろうって思ってたんだ」
フタバちゃんが言いにくそうに言って、ロナウが「そうそう」って相槌を打った。
僕は何も言えなかった。
え‥何。僕一人だけ聞き分けの無い‥暴走してる子供だって思われてる?!
‥悔しいし、なんか‥無性に腹が立つ。
ってか、え、何。話合いとかじゃなくて、説得ってどういうこと!
勝手に決定事項とか‥在り得ないんだけど!?
もしかして、アンバーはここまで知ってたのか!? 知ってて僕を馬鹿にしてたのか!?
キッっと台所を睨むと‥
ニヤニヤしているであろうって思ってたアンバーは、
なんと
気絶した状態で椅子に縛り付けられていた!
ええ!? 何!! 賊でも押し入ったの!?
「え!? アンバー!? 何!? 」
僕がアンバーに走り寄ろうとすると、ザッカさんが
「あれは俺がした。
アンバー大変だったんだぞ。
俺たち四人で事前に、今日コリンたちを説得するためにここに呼ぶって言ったら、「コリンが今まで調べてきたことをそんなすぐに諦められるわけがない! 」「俺たちがここで「あきらめろ」って言ったら、絶対コリンは一人でやろうって思うに違いないだろ!? 」「これ以上コリンを危険な目にあわせられない! コリンがやる前に俺が‥! 」「そもそも、これは俺の問題なのに、なんで‥っ! 」って家を飛び出そうとしてたから、倒して、括り付けといた」
って‥ため息をつきながら言った。
驚いた僕だけど、
え、凄いね。ザッカさん‥。よく倒せたね? アンバーって魔法も喧嘩も負けなしだと思うよ?
‥ああ、でも、ザッカさんは敵じゃないから、ザッカさん相手にアンバーは魔法なんて使わないよね‥。(アンバーの魔法はどれもこれも物騒だから‥)
初めに思ったのは、それだった。
うん、シンプルに凄いよザッカさん。
ナナフルさんもザッカさんも絶対雑誌社なんてやってる人たちじゃないよね‥。
そして‥
アンバーってホント、僕の事分かってるなあ‥ってキュンと来たり‥。
シークさんとは違う。
落ち着いて「正解を導き出せる」わけじゃないけど‥、寧ろ間違いばっかりしてるんだけど‥僕と一緒になって熱くなって、全身で‥僕を分かってくれる人。
分かりやすくって、馬鹿で、僕の事が大好きで‥優しい人。
そりゃ‥キュンと来る‥。
ちらりと「きっと黙って僕を心配そうに見ているであろうシークさん」をみたら‥
シークさんの表情は‥
いつも通り、穏やかだった。
表情の「読み取りにくい」穏やかな無表情。
だけど、僕にとっては‥驚くほど饒舌な‥
はずだったのに‥
‥あれ‥
僕‥シークさんの表情が分からない。
‥僕は‥
怖いけど‥
ナナフルさんの顔を見るしかない。
隣のザッカさんに視線をそらすと、どうしても(ザッカさんの隣に座ってる)シークさんが目に入ってきちゃうから。
それに、話してるのに目をそらすとか‥ないでしょ?
って他の説教されてる側をチラリ‥と確認した僕は「え?? 」って思った。
まず隣のフタバちゃんは目をキラキラさせて「ナナフルさんに心配されちゃった‥」って感激してるし、ロナウも「な」とかフタバちゃんの意見(?)に同意して一緒になって感激してる。
大丈夫か!? こいつら!
って思ったよ!
フタバちゃんは、ナナフルさんににっこり微笑むと
「大丈夫です。私たちは、敵に近づきすぎない距離を保っています。私たちがしていることは、情報集めだけです。情報が集まったら、然るべき機関に対処してもらえるでしょ?
というか‥情報を集めないと、協力を要請する機関が分からないし、‥間違えるかもしれないでしょ?
それが一番困るんです。だから、今はとにかく情報が欲しいんです。
だけど‥確かにちょっと急ぎ過ぎて‥確かに危ないことをしてたなって‥反省もしています。
でもね‥
色々したいことはあるんです。‥個人的に。
アンバー様の事とかもあるから、敵を見つけたら、個人的に痛い目にあわせたい! とか‥初めは思ってたけど‥流石に‥ちょっと現実的な規模の敵じゃないかな‥私たちには手に負えないかな‥って」
そこだけは、ちょっと小声になって、フタバちゃんが凄くがっかりしてるってのが伝わってきた。
ナナフルさんを見ると‥ちょっと驚いた顔をしている。
そりゃそうだよ。僕も驚いてる。
え? そんなあっさり諦めちゃうんだ?? って感じだよ。
だって、‥出来るもできないもしないとしょうがない‥ってか、するもんだって思ってた。
するのは大前提であとは如何に安全な方法を選ぶかって‥。
なに怖気づいてるの~!?
‥って、まあ‥僕一人ならそうなんだろうけど‥フタバちゃんたちにそれを強要することは出来ないか‥って。
納得した‥っていうか、ちょっと‥まあ‥がっかりした。はっきり言ってね。‥がっかりした。
それはきっと、ナナフルさんも同じ気持ちだと思ったのに、ナナフルさんは‥「そっか」って小さく呟くと、ふわりって優しく微笑んだ。
そして、
「よかった」
って‥ホントにしみじみ呟いた。
それは、諦めとか‥そういうのじゃなくって、本当に「よかった」っていう‥安堵の気持ちの込められた言葉だった。
ナナフルさんの表情は、まるで聖母の様に優しかった。
「どうやって説得しようって思ってた。
フタバちゃんが「ちゃんとわかってて」良かった」
ナナフルさんは、‥ちょっと涙ぐみながらしみじみと呟いた。
だけど、
「あ、でもコリンだけは納得してないみたいだぞ? 」
ってザッカさんは‥僕の顔を見て、呆れたって感じでため息をついた。
フタバちゃんとロナウが僕を見る。
「コリン。
あのね‥私たちは‥ちょっと前からこういう認識だったんだ。
だけど、一生懸命になってるコリンに‥言いにくくて‥今回は‥いい機会かなって思ってた。
コリンは私たちの言う事は聞かないけど、ナナフルさんの言う事はきくじゃない?
‥少なくとも話は聞くだろうって思って。
それに、ナナフルさん達ならそう言ってくれるだろうって思ってたんだ」
フタバちゃんが言いにくそうに言って、ロナウが「そうそう」って相槌を打った。
僕は何も言えなかった。
え‥何。僕一人だけ聞き分けの無い‥暴走してる子供だって思われてる?!
‥悔しいし、なんか‥無性に腹が立つ。
ってか、え、何。話合いとかじゃなくて、説得ってどういうこと!
勝手に決定事項とか‥在り得ないんだけど!?
もしかして、アンバーはここまで知ってたのか!? 知ってて僕を馬鹿にしてたのか!?
キッっと台所を睨むと‥
ニヤニヤしているであろうって思ってたアンバーは、
なんと
気絶した状態で椅子に縛り付けられていた!
ええ!? 何!! 賊でも押し入ったの!?
「え!? アンバー!? 何!? 」
僕がアンバーに走り寄ろうとすると、ザッカさんが
「あれは俺がした。
アンバー大変だったんだぞ。
俺たち四人で事前に、今日コリンたちを説得するためにここに呼ぶって言ったら、「コリンが今まで調べてきたことをそんなすぐに諦められるわけがない! 」「俺たちがここで「あきらめろ」って言ったら、絶対コリンは一人でやろうって思うに違いないだろ!? 」「これ以上コリンを危険な目にあわせられない! コリンがやる前に俺が‥! 」「そもそも、これは俺の問題なのに、なんで‥っ! 」って家を飛び出そうとしてたから、倒して、括り付けといた」
って‥ため息をつきながら言った。
驚いた僕だけど、
え、凄いね。ザッカさん‥。よく倒せたね? アンバーって魔法も喧嘩も負けなしだと思うよ?
‥ああ、でも、ザッカさんは敵じゃないから、ザッカさん相手にアンバーは魔法なんて使わないよね‥。(アンバーの魔法はどれもこれも物騒だから‥)
初めに思ったのは、それだった。
うん、シンプルに凄いよザッカさん。
ナナフルさんもザッカさんも絶対雑誌社なんてやってる人たちじゃないよね‥。
そして‥
アンバーってホント、僕の事分かってるなあ‥ってキュンと来たり‥。
シークさんとは違う。
落ち着いて「正解を導き出せる」わけじゃないけど‥、寧ろ間違いばっかりしてるんだけど‥僕と一緒になって熱くなって、全身で‥僕を分かってくれる人。
分かりやすくって、馬鹿で、僕の事が大好きで‥優しい人。
そりゃ‥キュンと来る‥。
ちらりと「きっと黙って僕を心配そうに見ているであろうシークさん」をみたら‥
シークさんの表情は‥
いつも通り、穏やかだった。
表情の「読み取りにくい」穏やかな無表情。
だけど、僕にとっては‥驚くほど饒舌な‥
はずだったのに‥
‥あれ‥
僕‥シークさんの表情が分からない。
‥僕は‥
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる