この度、押しかけ女房に押し切られました。 ~押しかけ女房はレア職でハイスペックな超美人でした~

文月

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209.ロナウ、予想外の提案をする。

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 でも‥
 え~?
 そんな深い意味あった~??
 そこまでしても大丈夫って「お義父さん」に対して思う~?
 フタバちゃんは‥そんなにお義父さんに対して「甘えて」ないよね~。
 そんなことの為に、周りを巻き込んで‥婚約までする~?
 ふと‥
 コリンは思った。

 絶対、今適当に考えたよね‥。
 こういう結果になったから‥こういうことにしておこ‥って感じだよね~?
 そもそも‥フタバちゃんらしくないんだもん。
 つまり、さっきのは全部「辻褄合わせ」で「口から出まかせ」ってわけ。
 ‥落ち込んでるロナウには‥気の毒だけどね。

「さて‥人々に魔薬が売りつけられるのを未然に防いだ影の功労者ロナウよ‥。
 もう、うじうじするのは止めたまえ‥(うっとうしいから)」
 でも‥気の毒ではあるが‥鬱陶しいのも確かだから、ロナウにはそろそろ落ち込むのは止めてもらおうと思う。
 そんな時間ないしね!

「ロナウ宛にもそういう‥心配みたいな手紙届いてるんじゃないの? 
 コイツはフタバちゃん目当てだったからこんな文章になってるわけだけど、ロナウの友達はそうじゃない訳じゃない。ロナウの事、心配して手紙をくれる子もいるんじゃないかな‥って思ったんだけど? 」
 心の中では「どうでもいいけど」なんて思いながらもコリンはロナウを慰めるように言った。
「‥なんだかんだ言って、ロナウは僕とは違って友達が多いから」
 なんて、よいしょまでして、だ。

 あくまで、落ち込まれてたら鬱陶しいからであって、
 別にロナウが落ち込もうが‥どうでもいいんだけどね! 

「そういえば、実家から「手紙が届いてる」って連絡貰ってたけど、カールの件で手いっぱいだったから見にいってない」
 ロナウは、「そういえば‥」と気付いた様な表情で顔を上げ、コリンを見た。そして、ちらり‥とフタバを見、
「‥今日取りに行ってくる」
 ぎこちなく笑って立ち上がる。
 ちょっと‥歩き方までぎこちない。‥かわいそうに‥。
 うん‥、まあ、ちょっと気分転換に違う事した方がいいよ。(実家に帰ることがロナウにとって気分転換になるかどうかは分からないけどね)
 少なくとも‥一人で出かけるのはいい。
 今回のことだけではなく、ロナウはここの所結構忙しかったから‥。物理的にも‥だけど、それ以上に精神的に忙しかったと思う。
 「婚約者として」フタバちゃんといることも多かった。
 ‥そういうのって、いくら仮で、実はただの友達だっていっても落ち着かないし、気疲れするじゃん? (しかも、自分の事娘の婚約者だと思ってる父親と! とかもう‥)
 一人になりたいじゃない。
 僕は、例の眼鏡のことでザッカさんの事務所に行ったり結構出かけてし、本件に「ロナウたち程」関わっていない。‥相手が貴族ってのもあって「関われてない」っていう方が正しいかな。
 コリンはそんなことを考えながら‥笑顔でロナウを送り出した。

 友達‥かあ。
 僕も作ればよかったなあ。‥だけど、どれ程考えても‥作れる気がしない。
 昔は若かったから「他の奴なんてどうでもいいや」って強がってた。あれじゃ友達なんて出来るわけがない。‥全然本人に作る気がなかったんだもの。
 今なら多少の妥協だとか譲歩だとか(コリンが?? )覚えた。今の僕なら? って考えても‥「やっぱ無理だろ」って思う。昔の僕より今の僕の方が‥絶対メンタル弱い。理論だとか技術だとか処世術だとか‥鎧をいっぱい手に入れた分、肝心の本体は弱くなった‥って感じ。
 拒絶されたら‥って考えるとやっぱ無理。一人のがまし‥って思っちゃう‥かなあ。
 誰かがいてくれたら、やっぱり甘えちゃう。
 まるで子供の時のように‥家族のように僕を甘やかしてくれる優しい人たち。甘えを「思い出して」‥僕は昔よりずっと弱くなった。(家族に甘えるのって、なんか恥ずかしいじゃない? )
 だけど、‥幸せだよ。シークさんも居てくれて、ザッカさんやナナフルさん‥アンバーもいる世界。

 今の僕は‥過去の僕があったから、ある。
 あの時、一人で頑張ったから、きっと今みたいに強くなれた。
 努力もできた。
 友達がいなかったから、闇魔法なんか勉強できた(友達が居たらきっと、反対されてたりするだろう)
 友達と遊んでる時間なんかなかったから、いっぱい勉強できた。

 そんなことをしみじみ考えてたら、ロナウが振り向いて(まだいたのか)
「コリンも、来る~? 僕の家」
 そんなこと言ったんだ。
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