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190.現実味と現実
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「敵のことをもっと知る必要はあるわね」
ということで、急遽、三人で勉強会が始まった。
「まずは、教会、協会、魔法省の関係について。ロナウは、この三つの関係は分かる? 」
フタバが紙に「教会」「協会」「魔法省」と三つの単語を書いた。
「魔法省 → 教会 → 協会? もしくは、魔法省 → 「協会」 「教会」(協会と教会の立場は一緒)? 」
ロナウが首を傾げながら言うと、フタバがにやと笑った。
「外れよ」
やっぱりね~っていう‥満足げな顔だ。
ふふ、とコリンも笑って、別の紙に組織図を書き始めた。
① 国王 → ② 財務省
→ ② 法務省(この二つが行政を管轄。国では国王に次ぐ立場)
→ ④ 軍部 (騎士、兵士、警察はここに所属)
→ ④ 外務省
③ 教会(トップは② 教皇。教皇は、国王の次に偉い)その下に、神官や牧師や聖女、聖者、司祭や司教がいる。
⑤ 魔法省 → ⑥ 協会
「順番は、実際のところの順位‥って感じかな。国王が一番偉くて、行政機関が二番目に偉い。教皇がいる教会は尊重されなくちゃいけないから普通なら、2番目位の順位に来なきゃならないんだけど‥実際のところは、3番目位。でも、教皇は、国王に次いで偉い。(教会は国王と同様の権利を主張している)そして、国防の要、軍部や外務省が来て、最後が魔法省。
協会は魔法省の管轄なんだ」
コリンが「あくまで僕の感想だし‥ここだけの話だよ」と小声で言って、念を押した。
フタバとロナウが頷く。
ロナウはしみじみと組織図を覗き込み
「じゃあ‥さっきの三つの関係は
魔法省 → 協会
教会(協会と協力することもある)
ってこと? 」
言って、フタバに確認を促す。フタバが無言で頷く。
「ああ‥そうか、教皇様がいらっしゃる教会は独立している‥なんか納得。だけど、魔法省も教会同様独立してるんだ? 」
首を傾げた。コリンが苦笑いして
「そりゃ‥魔術師は嫌われもんだからね。役にはたたせたいけど、実際、胡散臭いからそう関わりたくない‥そう思うもが普通じゃない? 」
って言った。
「教会と魔法省の関係ってどうなの? 」
「無関係だね」
コリンがきっぱりと言った。
「教会が慈善事業として、魔術紋が出た子供の教育を始めたのは、でも、元々の目的は魔術紋を神官紋に進化させて、新たな神官を育成するのが目的だった。だけど、いつの頃か、教会で魔術の勉強をして魔術士として働く子供が増えて来て‥教会の方でも生徒数の獲得の為、魔術士育成路線にシフトチェンジする教会が出てき始めた‥って感じなんだ。次第に、そういうのが主流になってきて、今では教会 = 魔術士 ってイメージになってきた‥ってわけ」
「成程」
「それに目をつけた協会が、才能のある魔術士の就職にプラスになる制度ですよ‥とか何とか言って‥(実際どういう風に言ったのかは勿論知らないが)共同体の導入を勧めたんだろう‥と僕は予想している」
そして、教会に協会の者を「忍び込ませて」密かに悪の組織に協力させている‥ってことだろう。
「悪の組織と魔法省、協会がどんな関係なのかが問題だよな‥」
組織図の魔法省の下あたりに「悪の組織」という単語を書き加えながらロナウがため息をついた。
「悪の組織に脅されて‥は、ギリ「クズじゃない」だけど、悪の組織と積極的な金銭的交流があるのは、アウト「クズ」認定だな」
三人はいろんなパターンを考えて、案を出し合うことにした。
パターン1 魔法省も協会もクズじゃない。
「善良な魔法省が悪の組織に脅されて、泣く泣く法を作らされた。悪の組織はそれに満足せず、魔法省の管轄している協会が作った共同体の制度を悪用することを考えつき、今度は協会を脅し強力させた」
「う~ん。これは、悪い。悪の組織、悪いわ~。でも、魔法省や協会ってそこまで弱弱で、アホアホか? 」
ロナウがはは、って苦笑いする。
パターン2 魔法省はクズじゃないけど、協会はクズ。
「善良な魔法省が悪の組織に脅されて、泣く泣く法を作らされた。悪の組織の存在を知った協会は「これは金になる」とほくそ笑み、悪の組織に接触。共同体の制度をプレゼンし、アピール。自ら協力を希望した」
「う~ん。これも、悪い。協会最悪だわ~。だけど、これの方がさっきより、現実味あるね」
今度も提案したのは、コリンでロナウはツッコミ役。
ロナウは、うんうん、とパターン1より納得した様子で小さく頷いた。
パターン3 魔法省はクズだけど、協会はクズじゃない。
「悪の組織と結託した悪い魔法省は、ノリノリで悪の組織に有利な法律を制定。悪い魔法省は更に、悪の組織に魔法省の管轄している協会が作った共同体の制度を悪用することを提案。それに乗った悪の組織は協会を脅し、協力を要請」
「う~ん。これも現実味がないわけじゃないな。ありそう」
コリンもロナウも‥ちょっと楽しくなってきてる。
フタバは呆れたように‥二人を見た。
「最後」
パターン4 魔法省も、協会もクズ。
「悪の組織と結託した悪い魔法省は、ノリノリで悪の組織に有利な法律を制定。悪い魔法省は更に、悪の組織に魔法省の管轄している協会が作った共同体の制度を悪用することを提案。それに乗った悪の組織は協会を脅し協力を要請した。協会は「しめしめこれは金になる」とあっさりと悪の組織の要請に応じた‥」
提案し終わったコリンと黙って聞き終えたロナウは、思わず(耐えられないって感じで)大爆笑する。
「‥悪い! これは悪い! 誰もイイ人がいない世界! ここで、協会が更に「実はノリノリなんだけど‥脅しに屈したふり‥いやいやというふりをして‥」要請に応じた‥とかだったら、もっと最悪。悪いのは全部魔法省と悪の組織やで~って風に罪を擦り付けて、自分たちは被害者面‥」
ぷ~って言い終わったコリンがまた大爆笑する。
「それは悪いな! じゃあ、これはどう? 更に魔法省も「うちも元々騙されただけだし‥悪いのは悪の組織だ‥そもそも、悪の組織って名前からして悪いじゃん」」
それにロナウが乗っかって、また大爆笑。
「あるな! それは、有り得る! 悪い! 悪すぎるよ! 協会と魔法省! 」
そんな二人を見て‥
フタバの顔色が‥真っ白になる。
「‥ねえ‥私‥怖いこと考えちゃったんだけど‥」
ホントに‥「悪の組織」っているのかしら‥。
「悪者にそそのかされた‥って魔法省と協会が‥
架空の悪の組織って存在をでっちあげてるだけで‥
実は悪の組織なんていなくって‥
クズなのは協会と魔法省だったら‥どうしよう? そして‥その魔の手は教会にも伸びて行ってる‥」
「あ‥」
真っ白なフタバの顔に負けない位‥コリンとロナウの顔色が真っ白になる。
それは‥一番「現実味」がある。
脅しや誘いに乗る弱弱でアホアホな教会と魔法省は‥現実味は無いけど、脅しや誘いに「のった振りする」協会と魔法省は「現実味がある」。そして‥脅された‥誘われて魔が差した‥って後悔し、謝罪する協会と魔法省も‥「現実味がある」。
だけど、
あんな‥用意周到な「悪人の中の悪人」な計画を、協会やら魔法省が考え出す「はずがない」ってどこか‥信じてた。
悪は別にあって‥彼らはただ、流され騙され‥願わくば脅されてるだけだって「思いたかった」。
自分が出来得る想像の中で最も残酷で、最も信じがたい事態を想定する。ショックに備えるために想定した「最悪の事態」。
‥こういうこともあるかもしれないから、こういうことが急に起こっても驚かない様に‥自分は心づもりをしておく。
だけど、最悪な場合‥事実はそれ‥「最悪な事態」をも、軽く超えて来る。それがまさに「事実は小説より奇なり」の状態だ。
「‥僕たちは‥そういう‥もっとも最悪な事態ってのも、想定しておかなければいけないな。
勿論‥そんなことがあってはいけない。ないことを願う‥というか、あるわけがない。
あっていいわけがない」
そう‥自分に言い聞かせるようにつぶやいたが、コリンにはそれが、(最悪なことに)今までのどのパターンより、現実味がある‥と思えるのだった。
ということで、急遽、三人で勉強会が始まった。
「まずは、教会、協会、魔法省の関係について。ロナウは、この三つの関係は分かる? 」
フタバが紙に「教会」「協会」「魔法省」と三つの単語を書いた。
「魔法省 → 教会 → 協会? もしくは、魔法省 → 「協会」 「教会」(協会と教会の立場は一緒)? 」
ロナウが首を傾げながら言うと、フタバがにやと笑った。
「外れよ」
やっぱりね~っていう‥満足げな顔だ。
ふふ、とコリンも笑って、別の紙に組織図を書き始めた。
① 国王 → ② 財務省
→ ② 法務省(この二つが行政を管轄。国では国王に次ぐ立場)
→ ④ 軍部 (騎士、兵士、警察はここに所属)
→ ④ 外務省
③ 教会(トップは② 教皇。教皇は、国王の次に偉い)その下に、神官や牧師や聖女、聖者、司祭や司教がいる。
⑤ 魔法省 → ⑥ 協会
「順番は、実際のところの順位‥って感じかな。国王が一番偉くて、行政機関が二番目に偉い。教皇がいる教会は尊重されなくちゃいけないから普通なら、2番目位の順位に来なきゃならないんだけど‥実際のところは、3番目位。でも、教皇は、国王に次いで偉い。(教会は国王と同様の権利を主張している)そして、国防の要、軍部や外務省が来て、最後が魔法省。
協会は魔法省の管轄なんだ」
コリンが「あくまで僕の感想だし‥ここだけの話だよ」と小声で言って、念を押した。
フタバとロナウが頷く。
ロナウはしみじみと組織図を覗き込み
「じゃあ‥さっきの三つの関係は
魔法省 → 協会
教会(協会と協力することもある)
ってこと? 」
言って、フタバに確認を促す。フタバが無言で頷く。
「ああ‥そうか、教皇様がいらっしゃる教会は独立している‥なんか納得。だけど、魔法省も教会同様独立してるんだ? 」
首を傾げた。コリンが苦笑いして
「そりゃ‥魔術師は嫌われもんだからね。役にはたたせたいけど、実際、胡散臭いからそう関わりたくない‥そう思うもが普通じゃない? 」
って言った。
「教会と魔法省の関係ってどうなの? 」
「無関係だね」
コリンがきっぱりと言った。
「教会が慈善事業として、魔術紋が出た子供の教育を始めたのは、でも、元々の目的は魔術紋を神官紋に進化させて、新たな神官を育成するのが目的だった。だけど、いつの頃か、教会で魔術の勉強をして魔術士として働く子供が増えて来て‥教会の方でも生徒数の獲得の為、魔術士育成路線にシフトチェンジする教会が出てき始めた‥って感じなんだ。次第に、そういうのが主流になってきて、今では教会 = 魔術士 ってイメージになってきた‥ってわけ」
「成程」
「それに目をつけた協会が、才能のある魔術士の就職にプラスになる制度ですよ‥とか何とか言って‥(実際どういう風に言ったのかは勿論知らないが)共同体の導入を勧めたんだろう‥と僕は予想している」
そして、教会に協会の者を「忍び込ませて」密かに悪の組織に協力させている‥ってことだろう。
「悪の組織と魔法省、協会がどんな関係なのかが問題だよな‥」
組織図の魔法省の下あたりに「悪の組織」という単語を書き加えながらロナウがため息をついた。
「悪の組織に脅されて‥は、ギリ「クズじゃない」だけど、悪の組織と積極的な金銭的交流があるのは、アウト「クズ」認定だな」
三人はいろんなパターンを考えて、案を出し合うことにした。
パターン1 魔法省も協会もクズじゃない。
「善良な魔法省が悪の組織に脅されて、泣く泣く法を作らされた。悪の組織はそれに満足せず、魔法省の管轄している協会が作った共同体の制度を悪用することを考えつき、今度は協会を脅し強力させた」
「う~ん。これは、悪い。悪の組織、悪いわ~。でも、魔法省や協会ってそこまで弱弱で、アホアホか? 」
ロナウがはは、って苦笑いする。
パターン2 魔法省はクズじゃないけど、協会はクズ。
「善良な魔法省が悪の組織に脅されて、泣く泣く法を作らされた。悪の組織の存在を知った協会は「これは金になる」とほくそ笑み、悪の組織に接触。共同体の制度をプレゼンし、アピール。自ら協力を希望した」
「う~ん。これも、悪い。協会最悪だわ~。だけど、これの方がさっきより、現実味あるね」
今度も提案したのは、コリンでロナウはツッコミ役。
ロナウは、うんうん、とパターン1より納得した様子で小さく頷いた。
パターン3 魔法省はクズだけど、協会はクズじゃない。
「悪の組織と結託した悪い魔法省は、ノリノリで悪の組織に有利な法律を制定。悪い魔法省は更に、悪の組織に魔法省の管轄している協会が作った共同体の制度を悪用することを提案。それに乗った悪の組織は協会を脅し、協力を要請」
「う~ん。これも現実味がないわけじゃないな。ありそう」
コリンもロナウも‥ちょっと楽しくなってきてる。
フタバは呆れたように‥二人を見た。
「最後」
パターン4 魔法省も、協会もクズ。
「悪の組織と結託した悪い魔法省は、ノリノリで悪の組織に有利な法律を制定。悪い魔法省は更に、悪の組織に魔法省の管轄している協会が作った共同体の制度を悪用することを提案。それに乗った悪の組織は協会を脅し協力を要請した。協会は「しめしめこれは金になる」とあっさりと悪の組織の要請に応じた‥」
提案し終わったコリンと黙って聞き終えたロナウは、思わず(耐えられないって感じで)大爆笑する。
「‥悪い! これは悪い! 誰もイイ人がいない世界! ここで、協会が更に「実はノリノリなんだけど‥脅しに屈したふり‥いやいやというふりをして‥」要請に応じた‥とかだったら、もっと最悪。悪いのは全部魔法省と悪の組織やで~って風に罪を擦り付けて、自分たちは被害者面‥」
ぷ~って言い終わったコリンがまた大爆笑する。
「それは悪いな! じゃあ、これはどう? 更に魔法省も「うちも元々騙されただけだし‥悪いのは悪の組織だ‥そもそも、悪の組織って名前からして悪いじゃん」」
それにロナウが乗っかって、また大爆笑。
「あるな! それは、有り得る! 悪い! 悪すぎるよ! 協会と魔法省! 」
そんな二人を見て‥
フタバの顔色が‥真っ白になる。
「‥ねえ‥私‥怖いこと考えちゃったんだけど‥」
ホントに‥「悪の組織」っているのかしら‥。
「悪者にそそのかされた‥って魔法省と協会が‥
架空の悪の組織って存在をでっちあげてるだけで‥
実は悪の組織なんていなくって‥
クズなのは協会と魔法省だったら‥どうしよう? そして‥その魔の手は教会にも伸びて行ってる‥」
「あ‥」
真っ白なフタバの顔に負けない位‥コリンとロナウの顔色が真っ白になる。
それは‥一番「現実味」がある。
脅しや誘いに乗る弱弱でアホアホな教会と魔法省は‥現実味は無いけど、脅しや誘いに「のった振りする」協会と魔法省は「現実味がある」。そして‥脅された‥誘われて魔が差した‥って後悔し、謝罪する協会と魔法省も‥「現実味がある」。
だけど、
あんな‥用意周到な「悪人の中の悪人」な計画を、協会やら魔法省が考え出す「はずがない」ってどこか‥信じてた。
悪は別にあって‥彼らはただ、流され騙され‥願わくば脅されてるだけだって「思いたかった」。
自分が出来得る想像の中で最も残酷で、最も信じがたい事態を想定する。ショックに備えるために想定した「最悪の事態」。
‥こういうこともあるかもしれないから、こういうことが急に起こっても驚かない様に‥自分は心づもりをしておく。
だけど、最悪な場合‥事実はそれ‥「最悪な事態」をも、軽く超えて来る。それがまさに「事実は小説より奇なり」の状態だ。
「‥僕たちは‥そういう‥もっとも最悪な事態ってのも、想定しておかなければいけないな。
勿論‥そんなことがあってはいけない。ないことを願う‥というか、あるわけがない。
あっていいわけがない」
そう‥自分に言い聞かせるようにつぶやいたが、コリンにはそれが、(最悪なことに)今までのどのパターンより、現実味がある‥と思えるのだった。
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