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177.事実は簡単に「自分の想像」を超えて来る。
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(コリンside)
自分の想像なんて、たかが知れてる。
事実は、簡単に自分の拙い想像なんかを超えてくる。
想像は‥自分の経験やら本からの知識がベースになってる。材料が多ければ多いだけ「想像」は現実に近づくし、‥近づけられる。だけど、所詮驚きが小さくなる‥って位だと思う。
想定外過ぎる! どうしよう! 打つ手がない!
ってのが、
‥想定の範囲内だな‥。これくらいじゃ驚かないぞ。‥前にもこんなことあった。‥ここまでの大事件じゃなかったけど‥。そうなんだよな‥あの時はここまでの大事件じゃなかった。‥さて、困ったな。
になる位だ。
似た経験や知識は、冷静さを保つ役割だったり、対処法を考える材料の役割だったりって‥意味はあるけど、本当の力にはなり得ない。
本当の力ってのは、何度も修羅場っていうか‥「厳しい現実」と向き合った際に身についた胆力だとか、反射神経っていうの? 「身体が勝手に動く」的なやつ。そういうのなんだと思う。あとは‥これが一番大切なんだ。
自分で何とかするしかない。っていう当たり前の責任感。
そういう自覚や強さって、なかなか身につけようと思って身につくものじゃない。
コリンもロナウもフタバも、知識だけは人一倍あったけど、経験が圧倒的に不足していた。
命の危機なんて、感じたことはない。
コリンは森で魔物を相手にしていたが、「安全な場所で十分に力を得てから」森に入っている。「自分が得意なこと」をしっかり見極めてもらって、十分な訓練を安全な場所で行ってきた。そして、「猫(C肉)を倒すのにも全力を出す」っていう感じだった。
言うならば、金持ちの子供がいい道具を渡されて、管理釣り場で釣りをする‥って位の感覚だ。
シークたち冒険者はそうじゃない。
道具も自前‥つまり、訓練はなく、実践から力を得ないといけない。常に、「ぶっつけ本番」で、助けてくれる人なんてどこにもいない。
強くなれるのが凄いんじゃなくて、強くなれなきゃ死ぬんだ。
僕らは、温室育ちの甘ちゃんだ。
だから、
ちゃんと「そういうことを踏まえて」覚悟して、準備を怠らず、身構えてたんだ。
自分たち以外の人間は、全員敵だし、貴族なんて全員「腹に一物」のヤバい奴らばっかり。
たまに「ホントに」どんくさい奴らはいるだろうけど、そういう奴らは、きっと「真のヤバい奴」らの隠れ蓑だったり、泳がされてるだけの餌だったりするに違いない。
そうじゃなかったりしたら、もうこれ以上にない位「関わる必要なし」物件だ。そういうのと関わって、変に目立ったりしたら、大変だ。
つまり、そういうやつには初めから関わらない方がいいってこと。
関わる相手の選別。
一に
人当たりのいい常識人には気をつけて接すること。信用してはいけない。
二に
揉め事を起こす危険を避けるため、「身の程を知らない、中身のない、カッコばっかりの奴」には絶対に関わらないこと。
フタバのお義父さんの知人は前者(人当たりのいい常識人)ばかりだったけど、「関わる相手の選別の一」に従い、心を許さないように心掛けた。
二は‥言うならば「ナナフルの妹さん」のタイプだろう。‥会ったことないけど。
これは‥頼まれても関わらないね!!
自分の身分を笠に着て‥とか、絶対ヤバい奴じゃん。そもそも、いくら顔が良くても、「裏の世界の兄ちゃん(アンバー)」に色目使って関わっていこうとか‥ないわ~。まともな人間のすることじゃないよね。まともな人間なら絶対裏の世界の人間になんて(いくら顔が良くて、一目惚れしたとしても)関わらないね!! で、どうせヤバくなったら、手練れを連れてきて処分しちゃえばいいや。裏の人間なら消したところで誰にも咎めらないだろう‥って感じでしょ? 絶対そうだよ! 間違いないよね。‥ヤバい奴だよ。
悪女だよね。絶対、許せないよね。アンバーが無事でホント良かったよ! ま、並みの手練れじゃアンバーを倒せやしないけどね!!
‥脱線した。つい、仲間の事となるとね。
兎に角、僕ら(ロナウ、コリン、フタバ)は、十分用心して動いてた‥って話。
フタバのお義父さんにフタバが養女になるっていう紹介と御挨拶がてら、貴族社会における魔薬の実態を「それとなく」探る「だけ」が今のところのミッション。
当初考えてた魔薬を勧めてみるってプランは、「どう考えても危ない!! 」って反対された。そんな慎重なことばかり言ってはいられないって思うけど、急いては事を仕損じるっていうしね。まあ、徐々に‥って感じかな。
あと、エンヴァッハ伯爵(娘だけじゃなくてね)には関わるな、顔を見られるな、って釘を刺された(刺されまくったって感じ)
まあ、ね。
僕らだって、僕らから芋づる式にって感じでナナフルさんのことが奴らに知られることだけはしたくない。
そのためには、絶対関わっちゃいけないって分かってる。
なのに!!
なぜ‥
会ってしまうんだろう。
会ってしまったんだろう。
‥世間にはこんなに人間がいるっていうのに‥偶然会うとか‥誰が想像できる?
初めて会ったのに、
初めて会ったって思わなかった。
圧倒的な既視感っていうの? まるで、「生き別れた肉親」に会ったような気さえした。
輝く様な銀髪。
宝石の様な‥ブルーの瞳。
肌が白くって、骨格が華奢で‥
人形みたいな綺麗な人。
ナナフルさん‥。
「その人」は、本当にナナフルさんそっくり‥そのものだった。
自分の想像なんて、たかが知れてる。
事実は、簡単に自分の拙い想像なんかを超えてくる。
想像は‥自分の経験やら本からの知識がベースになってる。材料が多ければ多いだけ「想像」は現実に近づくし、‥近づけられる。だけど、所詮驚きが小さくなる‥って位だと思う。
想定外過ぎる! どうしよう! 打つ手がない!
ってのが、
‥想定の範囲内だな‥。これくらいじゃ驚かないぞ。‥前にもこんなことあった。‥ここまでの大事件じゃなかったけど‥。そうなんだよな‥あの時はここまでの大事件じゃなかった。‥さて、困ったな。
になる位だ。
似た経験や知識は、冷静さを保つ役割だったり、対処法を考える材料の役割だったりって‥意味はあるけど、本当の力にはなり得ない。
本当の力ってのは、何度も修羅場っていうか‥「厳しい現実」と向き合った際に身についた胆力だとか、反射神経っていうの? 「身体が勝手に動く」的なやつ。そういうのなんだと思う。あとは‥これが一番大切なんだ。
自分で何とかするしかない。っていう当たり前の責任感。
そういう自覚や強さって、なかなか身につけようと思って身につくものじゃない。
コリンもロナウもフタバも、知識だけは人一倍あったけど、経験が圧倒的に不足していた。
命の危機なんて、感じたことはない。
コリンは森で魔物を相手にしていたが、「安全な場所で十分に力を得てから」森に入っている。「自分が得意なこと」をしっかり見極めてもらって、十分な訓練を安全な場所で行ってきた。そして、「猫(C肉)を倒すのにも全力を出す」っていう感じだった。
言うならば、金持ちの子供がいい道具を渡されて、管理釣り場で釣りをする‥って位の感覚だ。
シークたち冒険者はそうじゃない。
道具も自前‥つまり、訓練はなく、実践から力を得ないといけない。常に、「ぶっつけ本番」で、助けてくれる人なんてどこにもいない。
強くなれるのが凄いんじゃなくて、強くなれなきゃ死ぬんだ。
僕らは、温室育ちの甘ちゃんだ。
だから、
ちゃんと「そういうことを踏まえて」覚悟して、準備を怠らず、身構えてたんだ。
自分たち以外の人間は、全員敵だし、貴族なんて全員「腹に一物」のヤバい奴らばっかり。
たまに「ホントに」どんくさい奴らはいるだろうけど、そういう奴らは、きっと「真のヤバい奴」らの隠れ蓑だったり、泳がされてるだけの餌だったりするに違いない。
そうじゃなかったりしたら、もうこれ以上にない位「関わる必要なし」物件だ。そういうのと関わって、変に目立ったりしたら、大変だ。
つまり、そういうやつには初めから関わらない方がいいってこと。
関わる相手の選別。
一に
人当たりのいい常識人には気をつけて接すること。信用してはいけない。
二に
揉め事を起こす危険を避けるため、「身の程を知らない、中身のない、カッコばっかりの奴」には絶対に関わらないこと。
フタバのお義父さんの知人は前者(人当たりのいい常識人)ばかりだったけど、「関わる相手の選別の一」に従い、心を許さないように心掛けた。
二は‥言うならば「ナナフルの妹さん」のタイプだろう。‥会ったことないけど。
これは‥頼まれても関わらないね!!
自分の身分を笠に着て‥とか、絶対ヤバい奴じゃん。そもそも、いくら顔が良くても、「裏の世界の兄ちゃん(アンバー)」に色目使って関わっていこうとか‥ないわ~。まともな人間のすることじゃないよね。まともな人間なら絶対裏の世界の人間になんて(いくら顔が良くて、一目惚れしたとしても)関わらないね!! で、どうせヤバくなったら、手練れを連れてきて処分しちゃえばいいや。裏の人間なら消したところで誰にも咎めらないだろう‥って感じでしょ? 絶対そうだよ! 間違いないよね。‥ヤバい奴だよ。
悪女だよね。絶対、許せないよね。アンバーが無事でホント良かったよ! ま、並みの手練れじゃアンバーを倒せやしないけどね!!
‥脱線した。つい、仲間の事となるとね。
兎に角、僕ら(ロナウ、コリン、フタバ)は、十分用心して動いてた‥って話。
フタバのお義父さんにフタバが養女になるっていう紹介と御挨拶がてら、貴族社会における魔薬の実態を「それとなく」探る「だけ」が今のところのミッション。
当初考えてた魔薬を勧めてみるってプランは、「どう考えても危ない!! 」って反対された。そんな慎重なことばかり言ってはいられないって思うけど、急いては事を仕損じるっていうしね。まあ、徐々に‥って感じかな。
あと、エンヴァッハ伯爵(娘だけじゃなくてね)には関わるな、顔を見られるな、って釘を刺された(刺されまくったって感じ)
まあ、ね。
僕らだって、僕らから芋づる式にって感じでナナフルさんのことが奴らに知られることだけはしたくない。
そのためには、絶対関わっちゃいけないって分かってる。
なのに!!
なぜ‥
会ってしまうんだろう。
会ってしまったんだろう。
‥世間にはこんなに人間がいるっていうのに‥偶然会うとか‥誰が想像できる?
初めて会ったのに、
初めて会ったって思わなかった。
圧倒的な既視感っていうの? まるで、「生き別れた肉親」に会ったような気さえした。
輝く様な銀髪。
宝石の様な‥ブルーの瞳。
肌が白くって、骨格が華奢で‥
人形みたいな綺麗な人。
ナナフルさん‥。
「その人」は、本当にナナフルさんそっくり‥そのものだった。
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