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151.謙遜して言ってるんですけど‥ ロナウside
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僕は貴族だ。
他人から侮られないように、堂々とした態度と、それに見合うだけの実力を有している。
‥そう躾られてきたし、そうしてきた。
例えば、
他人から陥れられないように、聞く力を身に着け、
学問を治め、
剣の腕を磨いた。
貴族としての立ち振る舞い、知識‥
だけど、それに奢ることがあってはいけない。
だって、それは「当たり前のこと」だから。
目上の者に対して、謙遜の態度は取れど‥卑屈な態度は取ってはいけない。
対等ではない、
あくまで自分は下げず、相手を一つ上にあげる。
自分を下げて対応するのは使用人のすることだ。
家族は「目上の者」ではない。
しかし父親は、家長であるから、敬うべき対象になる。
家じゅうの者が父親に敬意を払っていた。
父親、母親、そして長男‥。
一介の使用人は、父親に直接話しかけることもできなかった。
父親に話しかけることが出来るのは執事のみ。
母親に対してもそう変わらない。
僕や中の兄(次男)には使用人は親切に話しかけてくれていた。幼い頃は、それを「僕や中の兄の人柄のせい」「長兄はとっつきにくいから‥」って思ってたけど、ただ‥話しかけてはいけない「きまり」だったからなんだ。
‥それだけ、僕らと長兄の扱いには、生れた時から、差があったんだ。
だけどね、僕はそれが堅苦しかった。
長兄と僕らがどう違うんだ、って思ってたよ。だって、長兄なんて先に産まれただけで能力的にそう勝ってるわけでもなかったから。
剣の腕は僕の方が勝ってたし、頭は‥確かに良かったけど、中の兄の方が学問に対して貪欲だった。‥つまり、努力する力は中の兄の方が勝ってたってことだね。長兄は変なプライドがあって‥「俺はやらなくても出来る」って言って、人前で勉強するのを嫌がってたからね。(中の兄は対して、本の虫だった)
でも、今思えば、長兄は「長兄だから」そういう‥人前で努力したりする姿‥を見せてはいけないって思ってたのかな‥って思ったり。
長兄だから、僕らと遊んでてはいけない。
長兄だから、堂々としていなければいけない。(だから、とっつきにくいように見えたんだろう)
長兄だから‥
教会で、平民と一緒になって勉強して‥
初めは「なに平民が僕に偉そうなことを‥」って思うことも多々あったけど‥そのうち慣れて‥それどころか「こっちの方が楽だな」って思ってきて‥「そもそも、貴族が何が偉いんだ? 」って「分かった」んだ。
だから、今は「好きにしてる」
家にも必要が無いと帰らないし。
コリンやフタバが「いいように使われてるだけ‥」って言ったけど、そんなの勿論気付いてるし、‥別にどうでもいい。
家族にとって僕は「その程度の価値」しかない。だけど、‥逆に「そういう価値」はある。
助け合いって奴だ。
‥出来ないことは仕方ないし、僕が必要ならば助けてあげればいい。
ただそれを「そういう風に」僕に言わずに‥僕を騙すような形で‥しているのは‥僕もちょっと許せないかなって思っては‥いるんだよ?
それだけ。
僕はそんな‥「僕を誰だと思ってんだ! 」って程、思い上がった人間じゃない。
だけどさ‥
「計画を立てる際、僕の実力は、保険を掛け過ぎてるかな‥って位の認識で考えてもらった方がいい」
って自分の事言ったのは、
単なる謙遜と場を和ませるためのジョークだ!!
そこは「まったく、お前がそういうこというと嫌味に聞こえるな! 」って苦笑いするところだし、「はいはい」って聞き流すところ!
絶対に‥
「テイナー君、やっと自覚できるようになったんだね! ここにきて、初めてテイナー君の成長を見られた。‥なんか我がことのように嬉しいよ‥」
ってコリンに涙ぐまれるようなところじゃないし、
「‥むしろ、もっと早くその成長を見たかったわ」
ってフタバに「虫を見る様な目」で見れるようなところじゃない!!
「‥いや、自分の事きちんと理解して、更にそれを口にするのは‥誰にでも出来ることじゃない。ロナウは‥なかなか大した奴だ」
‥ザッカさん‥褒めてないよ‥。
そうして、周りを「僕の思惑通り」和やかな雰囲気にすることが出来‥
僕らの「悪者を一掃したり、過去の罪を暴いたり、過去のしがらみを取り除いたりする計画」会議は開かれたのだった。
他人から侮られないように、堂々とした態度と、それに見合うだけの実力を有している。
‥そう躾られてきたし、そうしてきた。
例えば、
他人から陥れられないように、聞く力を身に着け、
学問を治め、
剣の腕を磨いた。
貴族としての立ち振る舞い、知識‥
だけど、それに奢ることがあってはいけない。
だって、それは「当たり前のこと」だから。
目上の者に対して、謙遜の態度は取れど‥卑屈な態度は取ってはいけない。
対等ではない、
あくまで自分は下げず、相手を一つ上にあげる。
自分を下げて対応するのは使用人のすることだ。
家族は「目上の者」ではない。
しかし父親は、家長であるから、敬うべき対象になる。
家じゅうの者が父親に敬意を払っていた。
父親、母親、そして長男‥。
一介の使用人は、父親に直接話しかけることもできなかった。
父親に話しかけることが出来るのは執事のみ。
母親に対してもそう変わらない。
僕や中の兄(次男)には使用人は親切に話しかけてくれていた。幼い頃は、それを「僕や中の兄の人柄のせい」「長兄はとっつきにくいから‥」って思ってたけど、ただ‥話しかけてはいけない「きまり」だったからなんだ。
‥それだけ、僕らと長兄の扱いには、生れた時から、差があったんだ。
だけどね、僕はそれが堅苦しかった。
長兄と僕らがどう違うんだ、って思ってたよ。だって、長兄なんて先に産まれただけで能力的にそう勝ってるわけでもなかったから。
剣の腕は僕の方が勝ってたし、頭は‥確かに良かったけど、中の兄の方が学問に対して貪欲だった。‥つまり、努力する力は中の兄の方が勝ってたってことだね。長兄は変なプライドがあって‥「俺はやらなくても出来る」って言って、人前で勉強するのを嫌がってたからね。(中の兄は対して、本の虫だった)
でも、今思えば、長兄は「長兄だから」そういう‥人前で努力したりする姿‥を見せてはいけないって思ってたのかな‥って思ったり。
長兄だから、僕らと遊んでてはいけない。
長兄だから、堂々としていなければいけない。(だから、とっつきにくいように見えたんだろう)
長兄だから‥
教会で、平民と一緒になって勉強して‥
初めは「なに平民が僕に偉そうなことを‥」って思うことも多々あったけど‥そのうち慣れて‥それどころか「こっちの方が楽だな」って思ってきて‥「そもそも、貴族が何が偉いんだ? 」って「分かった」んだ。
だから、今は「好きにしてる」
家にも必要が無いと帰らないし。
コリンやフタバが「いいように使われてるだけ‥」って言ったけど、そんなの勿論気付いてるし、‥別にどうでもいい。
家族にとって僕は「その程度の価値」しかない。だけど、‥逆に「そういう価値」はある。
助け合いって奴だ。
‥出来ないことは仕方ないし、僕が必要ならば助けてあげればいい。
ただそれを「そういう風に」僕に言わずに‥僕を騙すような形で‥しているのは‥僕もちょっと許せないかなって思っては‥いるんだよ?
それだけ。
僕はそんな‥「僕を誰だと思ってんだ! 」って程、思い上がった人間じゃない。
だけどさ‥
「計画を立てる際、僕の実力は、保険を掛け過ぎてるかな‥って位の認識で考えてもらった方がいい」
って自分の事言ったのは、
単なる謙遜と場を和ませるためのジョークだ!!
そこは「まったく、お前がそういうこというと嫌味に聞こえるな! 」って苦笑いするところだし、「はいはい」って聞き流すところ!
絶対に‥
「テイナー君、やっと自覚できるようになったんだね! ここにきて、初めてテイナー君の成長を見られた。‥なんか我がことのように嬉しいよ‥」
ってコリンに涙ぐまれるようなところじゃないし、
「‥むしろ、もっと早くその成長を見たかったわ」
ってフタバに「虫を見る様な目」で見れるようなところじゃない!!
「‥いや、自分の事きちんと理解して、更にそれを口にするのは‥誰にでも出来ることじゃない。ロナウは‥なかなか大した奴だ」
‥ザッカさん‥褒めてないよ‥。
そうして、周りを「僕の思惑通り」和やかな雰囲気にすることが出来‥
僕らの「悪者を一掃したり、過去の罪を暴いたり、過去のしがらみを取り除いたりする計画」会議は開かれたのだった。
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