この度、押しかけ女房に押し切られました。 ~押しかけ女房はレア職でハイスペックな超美人でした~

文月

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130.事情を話し、協力を要請すると(娘がホントに結婚しないって分かって)大喜びだった‥はずの騎士団長に‥なんだか狙われているようです。

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「‥それで、何か? この婚約話は嘘で、フタバと君は只の同級生ってことなのかい? 」

 あの後ロナウは、興奮冷めやらず‥な現場を取り敢えず落ち着かせるのには、結構骨を折った。
 なんせ、片方は号泣してるし、片方は悦に浸ってる‥っていうか、「俺が悪かった!! 許してくれ~! 」的に自分の世界に入ってるし‥。
 ‥二人とも、濃いんだよ。‥そう思うと、僕は‥自分ではそう思ったことなかったけど、淡泊なのかな。
 ‥フタバちゃんのことを淡泊って今まで思ってたけど、あれは「フリだけ」だったらしい。
 淡泊で、聞き分けのいい振りをしてた。
 我慢して我慢して‥でも、父親が見せた弱い部分に彼の本心を見取って‥「我慢する意味なかったじゃん~! お互い意地の張り合いしてただけじゃん~! 」って号泣。で、号泣するフタバを見て、動揺して急に暴露を始める騎士団長‥(なにこのドタバタお笑い展開)

 ああいうのさ、結婚するって時に、娘に父親がぼそっと吐露するようなアレじゃない?
「嫌ってたんじゃない、‥戸惑ってただけなんだ‥、本当は父さんは‥」
 とかね。
 それ聞いて、娘が号泣するんだ。
「父さん、今まで素直になれなくて御免ね~!! 有り難う~!! お嫁に行っても、私は父さんの娘よ~!! 」
 って。

 結婚前あるあるだよ。
 ‥父親ってのは、娘に多かれ少なかれ嫌われてるって相場が決まってるからね。

「ロナウ君? 」
 ‥ああそうだ。
 今は騎士団長との話に集中しないとな。‥フタバちゃんは使い物にならない感じだから。
 ロナウがゆっくりと頷く。

「騙して申し訳ありませんでした。‥実はかれこれこういう理由がありまして‥、そして、悪の組織を釣り上げる計画の為に、ジェラルナン卿の強力がどうしても必要だったんです」
 今は、四人がゆったり座れるテーブルに移動している。応接テーブルには、フタバの父親により紅茶が用意された。
 ロナウは緊張した表情で騎士団長と向き合って事情聴取中ってわけだ。
 結局‥当初の計画(実父にはだまっておこう、ややこしいから‥というフタバの計画)変更で、全部説明することにした。だって、こうなっちゃったら今更秘密にするのもおかしい。
 父親は、ロナウの話を神妙な顔で‥時折何かを考える様な素振りをしながら‥聞いていた。
 特に、地方の騎士団が隠蔽工作に加担している‥という憶測部分には‥同じ騎士だからだろう険しい表情を見せていた。
 一方的にロナウが話しただけだったが、説明にはそれなりに時間が掛かったらしく、話し終えて、ロナウが喉を潤そうと手を伸ばした紅茶は、すでに冷めていた。
 紅茶の正しい淹れ方なんか守ってるわけもなく、香りが飛んじゃった様な紅茶を、‥普段だったら文句を言うはずのフタバが‥大事そうに飲んでいる。
 騎士団長に心なし、もたれる様に、だ。
 騎士団長はフタバの肩に腕を回すようにして、座っている。
 つまり、騎士団長の横にフタバは座っている。
 婚約者と婚約者の父親としての席順としては間違ってる? って感じなんだけど、ナニブンこっちは「なんちゃって婚約者」だ。
 全然問題はない。
 騎士団長。「なんちゃって婚約者」って話を聞く前からこの席順だったな。
 ‥結婚するまで娘は渡す気はない。
 ってやつか?
 ‥ホントにフタバちゃんと結婚する奴は大変だろうな~。
 って、まあロナウは他人事ながら思った。(← 因みにこの地点で既にロナウはフタバの結婚相手候補として騎士団長に唾をつけられていた様だ)← ‥つまり、人ごとではない。

 騎士団長は、ロナウの話を驚き半分、不信感半分って顔で聞いていたが、暫く考えて
「‥成程、荒唐無稽な話にも聞こえるが、‥危機があるのは確からしいな。そして、一連の事件が魔獣などによる天災ではなく、人災であることも理解した。憶測では動けないが、調査をする必要はあるな。
 国民の平和を守る立場の者として悪党をこれ以上のさばらしておくわけにはいかないからね」
 力強く頷いてロナウに協力の約束をしてくれた。

 が、
 娘の父親としてはまた別だったらしい。

「結婚が嘘だって分かってよかった。娘にはまだ結婚は早いからね。
 でも‥どんな事情か分からないが、フタバを危険な目に合わせるわけにはいかない
 なんとか他の方法は無いのか? 」
 ふう、と騎士団長がため息をつき、小さく首を振る。

 確かにね~。なんでフタバじゃなきゃダメなんだってことでしょ? 分かるよ。分かるけどね~
 今はそんなこと言ってられないのよ。
 フタバちゃん、言ってやって?

 ロナウがちらりと、フタバを見る。そのロナウの想いが通じたのか、
 フタバがちらりと視線だけで父親を見上げると、騎士団長がそれに気づき、優しくフタバを撫ぜた。(通じてなかった)
 ‥なんやねん、この親子。付き合い始めたカップルか。長い間の確執がやっと解けて、今はラブラブってか!?
 ロナウは若干イラっとしながらも
「‥危険な目には合わせないって約束します。‥これ以上時間を取るわけにもいかないし、これ以上‥誰が敵か分からない状態で、誰か別の人に事情を話したくない」
 と誠心誠意って口調で説得した。

 ‥って言ったものの‥
 (フタバを危険な目に合わせない、なんて)どうして言えるんだろう。
 そんな自信何処から来てるんだ‥。

 ロナウは自分で言って、自分で(心の中で)ツッコミを入れた。
「何の根拠があって‥」
 案の定、呆れた様な騎士団長の声が返って来た。

 ‥まあ、そうですよね。

 ‥でも、ここで「そうですよね」って引き下がるわけにはいかない。僕の仕事は、ジェラルナン卿に協力を仰いで、なんちゃって婿養子希望として、囮になること。
 と、
(とにかく)‥この場から無事に生還することだ。(これが今は最も重要)

「‥とにかく! 約束します! 」
 
 もう、やけっぱちだ☆
 だけど口調だけは、
 引き続き、真剣そのもの、誠心誠意だ。
 僕って、役者に成れるんじゃないかしらん。

「‥それを証明してくれ。君も騎士だって言うんなら‥」
 騎士団長がぎろり、とロナウを睨む。
 正直怖くって逃げたい。
 しかも、

 ‥きた。
 俺と手合わせしろ展開。

「見たところ、君の剣‥それは真剣だね? 模擬刀を持って来よう」
 騎士団長の視線の先は、ロナウが普段帯刀している家宝の魔剣だ。‥何かあるかも、って持って来たんだ。(っていうか、結構ロナウはこれを持ち歩いている。カッコいいからね)
 騎士団長が模擬刀を取りに行こうと立ち上がる
 のを、ロナウが止める。
「‥僕は、魔剣を使ってはじめて騎士と認められた騎士ですので‥この剣でよろしくお願いします」
 ロナウが騎士団長の目をしっかり見つめ、きっぱりとした口調で言う。
 驚いたのは
「ロナウ! 貴様‥父さんを殺す気か!? 」
 フタバだ。

 正直、剣の腕で父親が負けるとは思わない。
 だけど、ロナウの闇の魔術の腕は自分も知っている。
 魔法を使うと、(コリン程ではないが)少々えげつなくなる性格も‥だ。
 ‥そもそも、闇の魔術というのは、その性格上、使用の際に、自分の悪いところが出て来るという性質がある。
 向上心が虚栄心に、好意は執着‥といったふうに、感情が(悪いように)歪むのも特徴だ。
 闇の魔術に慣れてない者は、そこで「自分が偉くなったような気」になって、「世界すら獲れる気になる」らしいが、訓練を積むことで、闇の魔術にのまれない様になる‥らしい。
 とはいえ、普段よりは二割増し位性格が悪くなっているような気がする「闇の魔術使用時」、そして更に‥持ち主を煽る‥性格が悪い魔剣だ。
 ‥ついうっかり(にやり)
 が無いとは言い切れない。

「フタバ。父さんは、(こんなひょろひょろの若造には)負けないぞ? 」
 騎士団長がちょっと、むっとした顔をフタバに向ける。
「‥そうですね」
 フタバが苦笑いする。

 ‥うん、でも、父さんは負けない気がする。(根拠なし)
 まあ、ロナウもまさか模擬戦で、本気で相手を殺すようなことはしないだろう‥

 その日、フタバは友人に対する評価を変えることになる。

 ロナウは刀を持つと性格が変わる。
 それは‥自分に酔っちゃうんんだって思ってた。
 刃物を持つことによって、自分が強くなったと思いこんじゃうんだね。
 それも、「無意識に」だ。
 飼い犬が、門を閉めてたら外を通る犬に対して大きく吠える‥のと一緒だ。(多分)
 ロナウの剣の腕は‥はっきり言って学生時代とそう変わっていない。
 武器が、短剣から騎士が良く持つロングソードに変わった。
 それは‥大きな違いだろう。
 攻撃スタイルがまるで変わる。
 だけど、それ以上に、剣を構える‥態度? みたいなのが全然違っている。
 家宝っていってたから、「家宝を守る者」としての気負い? みたいなもんが生れたのかな? 
 あとは‥剣との相性が学生時代の模擬刀とは段違いなんだろう。
 重さは、今の剣の方がずっと重いはずだのに、(それを感じさせない)すばしっこい動きと、吸引体質を利用して懐にはいる見事な間合い。
 怖い程の集中力と、冷酷なまでの容赦ない攻撃。
 刀身が長くなった分動きにくくなるのかと思えば、単純に攻撃範囲が広がったって感じ。
 危なげなく、騎士団長の振り下ろす剣を受け止め、その勢いのまま押し返す。
 そして、その後の反撃が速い。
 攻撃に「重さ」はない(刀剣自身の重さではなく、あくまでも攻撃の重さ、だ)。だけど、ロナウの剣は、闇と雷を纏っている。(‥今のところ父親には避けられているが)きっと当たれば一撃で命を奪われるのだろう。
 ロナウは‥真剣だ。
 手加減とかする気はなさそうだ。
 否、
 格上相手に、手加減したら殺されることを本能が察知しているんだ。
 だから、手加減しようが無いんだ。
 一方の騎士団長も、‥気を抜いて、ちょこっとでも刃をその身に受ければ‥無事ではいられない。
 結果、
 お互いは、今
 ‥真剣に殺し合っている。
 
 怖い、と思った。
 このままでは、「父さんが」殺されるって‥。

 気がついたら、
 大声で止めている自分がいた。

「もう、やめて!! 二人に何かあったら私はどうしたらいいのよ‥! 」
 で、本日二度目の号泣だ。
(号泣作戦は)効果があったらしく、二人が、驚いて手を止めたのを見て、フタバは更に泣き続けた。
 恥ずかしいとか言ってられない。‥それこそ、なりふり構わず、だ。
 泣いて止められるなら、いくらでも泣きわめいてやる。
 優しい? ファザコン? ロナウlove? どれも違う。
 自分の知人が殺し合いをしているのを放っておける人間なんていようか?
 ‥少なくとも、自分には出来ない。
 この後トラウマになる‥とか勘弁してほしい。
 でも‥他に方法があるならそっちを選びたかった。私にもっと力があれば力ずくで止めたものを‥。
 フタバは心の中で小さくため息をついた。

 騎士団長がふ、と小さく微笑むと、握手を求めてロナウに手を差し出した。
 騎士団長にも、あのままやれば自分が危なかったことが分ったんだ。(流石にね)
「認めようじゃないかロナウ君。フタバをよろしく頼む」
 その手を取って、ロナウが笑いかえす。
「はい。お任せください! 必ずや守ってみせます! 」
 あのまま行けば危なかったのは、ロナウも同じだ。正直体力が限界で、最終手段(相手を感電死させる)を取るところだった。
 騎士団長を殺すとか‥マズ過ぎるだろ‥。
 

 その光景を見て、フタバは嫌な予感がした。

 ロナウは
(正規の)騎士団長に認めらえた! 嬉しい!
 と、普通に喜んでいた。
 ‥がちょっと、
 なんか結婚を申し込みに行った、恋人の父親のセリフみたいだなこれ (笑)
 って気‥したらしい。

「言質は取れた」
 にやり、騎士団長が悪い笑みを浮かべた。
 そのことに、ロナウは気付いていなかった。(フタバは長い付き合いから、なんとなく嫌な予感として感じ取っていた)

 ‥気付いてても言うもんか!! 悪いことって、言うと、ホントになるらしいし‥
 気付かないフリして、目指すは立ち消え!!(by フタバ)


 後日談

「君は俺に約束したじゃないか。フタバを守るって。一生」
 騎士団長の「約束を破るのか? 」という『疑いの』視線発動。
「一生とは言ってませんけど!? 」
 焦るロナウ。
「騎士が一度約束したことを違えるなんてあってはいけないことだと思うが!? 」
 騎士団長の「約束を破るのか!? 」という怒りの視線発動。
「騙すとかの方が問題ですけど!? 」
 ロナウの「脅迫には屈しないぞ」という決意の表情発動。
「人聞きが悪いな、君」
 騎士団長、余裕の表情。
 騎士団長、勝利を確信。
「‥‥‥‥。あの、‥私のお父様は、叔父様ですので、叔父様のお許しが出ないとそういうことは‥」
 フタバ苦笑いで、逃げの姿勢。
「え?! ロナウ君と結婚? 僕もいいと思うよ!? 」
 義父・ジェラルナン子爵乱入。
「「本人たちの気持ち、全無視か!? 」」
 フタバ・ロナウ図らずとも、声が被った~!!

「息もぴったり!! 」

 真の戦いはこれからだ‥!
 ごくりと息をのむロナウだった。
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