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128.不器用にも程がある。
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扉の向こうで突然バタバタと何人かの人が騒ぐ(?)声が聞こえ、
扉を乱暴に開けたのは
「なに!? これってどういう状態?? 」
フタバだった。
何人かが騒いでいたのではない。
明らかに騒いで(?)いたのは、フタバ一人
他の人たちは、多分「落ち着いてください! 」「団長は只今お話し中で、「誰もいれるな」とおっしゃっておられました」みたいなことを言いながら、フタバを止めていただけだろう。
フタバはそんな猛者たちを押しのけて、
珍しく声を上げて
乱暴に扉を開けたってことだ。
普段のフタバからは想像できない珍しく活発な行動に、フタバの父‥騎士団長は驚きを隠せませんって顔をフタバに向けていたが、バッて音がしそうなほど勢いよくその顔をロナウに向けた。
怒り心頭って表情。
口には出してないけど、
多分
フタバがロナウの為に、普段見ない程焦って行動してるのが憎い! って感じだろうか?
知らんがな!!
「父さん」
フタバの声に、騎士団長が視線をフタバに移す。
その表情は‥いつも通り無表情だったけど、‥目が嬉しそうだ。
はいはい。
娘が訪ねて来てくれて嬉しいんだよね?
フタバちゃんは、「親子仲は微妙」とか言ってたけど、別に普通の親子って感じじゃないか。
ん~。
お互い不器用で、気持ちを言葉にしないから、「何考えてるかわかんない」「‥嫌われてるのかな?? 」とかスレ違いになるんだろうか? だけど、それに加えて、騎士団長は顔が怖いから「怒ってる‥」「不機嫌そう‥」に見えて、一方のフタバちゃんはあの通り表情が乏しいから、「無関心」とか「いやがってる‥」っていう風に見えた。
それで、(お互いが)誤解して、ますますお互いがお互いを避けるようになる。
嫌いだから‥じゃない。
更に嫌われたくないから、だ。
まあ。単純に「あれこれ考えるのが面倒」って気持ちもあっただろうけどね。(寧ろこの二人は、そっちの理由の方が強かったって感じだな‥)
フタバちゃんは「兄二人は父さんと同じタイプ」「脳筋で真面目な騎士」って言ってた。
顔は怖いけど、単純で分かりやすい騎士団長と同じ様な二人を想像する。
きっと、三人は(見た目はどうあれ)慣れたら‥言い方悪いけど、「扱いやすい」感じなんだろう。
お母さんはきっと、三人を上手く扱っていたんだろう。
そして、「自分だけがこの三人と上手く付き合っている」っていうことに、密かな優越感を感じていたかもしれない。
‥フタバちゃんは、きっとその中では異質で、浮いていた。
そして、‥その関係はフタバが養子に出されるまで改善することは無かった。
改善されなかったんだ。
‥問題があるとしたら、母親じゃないか? 普通ならそこで「全くフタバもお父様も不器用なんだから‥」って間に入って仲を取り持ったり‥まではしなくても、誤解を解いたりするんだろうけど、母親はフタバちゃんを養子に出して、家の中の不調和分子を排除する‥っていう随分乱暴な行動をとった‥。
きっと‥その方が楽だから。
会ったことないけど、フタバちゃんの母親‥絶対仲良くなれない感じ‥。
ついあれこれ考えてしまっていたロナウを‥ちょうど挟むように、二人は向き合っている。
「フタバ‥」
戸惑ったような騎士団長の声。
そして、またロナウを見る。
怒ってる‥とかじゃない。顔だけ見たら怒ってるって感じなんだけど、だけど、視線‥というか目の表情(きっと口よりものをいう目)から察するに「おい、オマエ、娘が何で怒ってるのか教えろ」ってとこだろう。
悪い。僕は、アンタよりフタバちゃんに詳しいわけじゃない。
同級生っていっても、学生時代そう親しかったわけでもないし、
婚約者っていっても、なんちゃって‥だし。
ロナウはそっと視線を逸らした。
まきこまれたくないんでね‥。
‥おい、騎士団長さん! そこで「がーん」って顔しない! 「娘婿にまで見捨てられた‥」って‥捨てられた犬の目をしない‥っ!
この人の目、ホント雄弁だな!!
さっきから、一方的な無線通話が凄くって、もううるさい位です!!
「何、父さん!? これってどういう状況なんですか?!
‥婚約の報告が遅れたことをお怒りでしたら‥申し訳ありませんでした。
‥必要ないかな、と思いましたので‥」
フタバちゃんの勢いある声も、最後の「必要ない‥」辺りには次第に小声になっていった。俯いて‥伏目がちになって‥お腹の辺りで軽く組んだ手を、不安げにぎゅっと握った。
驚いて、すっ飛んできて、その驚きの勢いのまま話し始めたんだけど‥、我に返ったって感じ。
俯いた顔は今はすっかり、血の気を失っている。
お腹の前で組んだ手は、ぴくりとも動いてない。
怯えてるんじゃなくて、‥緊張している。
ロナウは、は~と長いため息をついた。
‥この二人、親子だのに緊張しすぎ。
フタバは「自分にとってはそう重要じゃないこと」(勿論僕にとってもね!! )だから伝えなくていいやって思ってたんだけど、伝えられなかった人(騎士団長)は(そんな重要なこと)「なんで話してくれなかったんだ‥」ってショックを受けてる‥っていうね?
‥そりゃ、結婚って全然「重要じゃないこと」じゃないよね?!
今回なんかは、「敵を釣るための、子爵令嬢のなんちゃって娘婿」っていう只の設定だけで‥、総てがなんちゃって計画だから、騎士団長には関係が無い。
わざわざ言わなかったのは、
「別にもうあんたなんて父親でも何でもないんだから「関係ない」でしょう? とかそういった話では勿論ない。
‥わざわざ「関係ない」自分なんかのことで、父親の手を煩わせたら悪い‥
っていう遠慮‥。とそれの前提になってる「だから? 」(俺にはもう関係ないだろ? 結婚でもなんでもすればいい)って言われることに対する‥怖さだ。
全部、(今までの騎士団長を見ている限り)フタバの勝手な思い込みによる‥だ。
だけど、フタバは「ずっとそう思い込んで」生きて来た。
‥今までそうだったものが、ある日急に変わる‥とかそういうのはまあない。
離れて初めて気付く親の気持ち‥とか‥そういうのって、なんか「特別なイベント」でもな無い限り感じられないだろう。
親が自分を庇って大怪我を負うとか、死ぬ‥とかね?
‥ああ、自分は実は嫌われてなかったんだ‥っ! って気付いた時には、手遅れ‥とかね?
まあ‥それっ位のことがないと自分の幼少期からの認識は変わんないって話‥。
自分が親に「自分だけ」嫌われてる。疎まれている‥。
思い込み続けるには、重すぎる‥悲しすぎる感情。
フタバは、さっき一瞬、そんなことを忘れて「つい」普通の家族みたいに、接してしまったんだ。
全然問題はない。
あの騎士団長の顔からそれは一目瞭然だった。
でも、‥フタバちゃんにとっては‥。
嫌われてる相手を更に怒らせてしまった‥さらに嫌われるようなことをしてしまった‥って思ったんだろう。
騎士団長がちょっと特殊なだけで、‥そうだよね。「だってお前関係ないじゃん、もう親じゃないし」っていう風に、知らさなかったって思うよね‥普通は思うよね。‥怒るよね‥。
‥これは、僕らが気付くべきだった‥。
無意識に、騎士団長を避けよう避けよう‥って思ってるフタバちゃんが気付かなくても‥
僕は気付くべきことだった。
ロナウは、ちらっとフタバを見て、騎士団長を見る。
フタバは青ざめた顔でうつむいたままだ。
その気持ちなんて、‥想像に容易い。
騎士団長は‥黙ってるけど‥でも、別に怒ってるじゃない。戸惑ってる‥。多分これが一番近い感情?
フタバに俯かれて「どうしたんだろ? ‥もしかして怒ってる? 急にロナウをよんだりしたから‥呆れられてちゃった? 」って焦ってる。
そこに、あの言葉‥
「必要ない!? 」
だ。(あ、騎士団長、ショックだったんだね? ‥口に出しちゃったよ‥)
フタバがびくってなったのが分かった。(ほら、余計に恐れられた‥)
思わずため息をついてしまう。
‥あ~もう、この二人イライラするわ~!
「あのですね?! 」
説明しようとして口を開いたロナウに被せる様に
「せめて‥」
騎士団長が口を開く。
扉を乱暴に開けたのは
「なに!? これってどういう状態?? 」
フタバだった。
何人かが騒いでいたのではない。
明らかに騒いで(?)いたのは、フタバ一人
他の人たちは、多分「落ち着いてください! 」「団長は只今お話し中で、「誰もいれるな」とおっしゃっておられました」みたいなことを言いながら、フタバを止めていただけだろう。
フタバはそんな猛者たちを押しのけて、
珍しく声を上げて
乱暴に扉を開けたってことだ。
普段のフタバからは想像できない珍しく活発な行動に、フタバの父‥騎士団長は驚きを隠せませんって顔をフタバに向けていたが、バッて音がしそうなほど勢いよくその顔をロナウに向けた。
怒り心頭って表情。
口には出してないけど、
多分
フタバがロナウの為に、普段見ない程焦って行動してるのが憎い! って感じだろうか?
知らんがな!!
「父さん」
フタバの声に、騎士団長が視線をフタバに移す。
その表情は‥いつも通り無表情だったけど、‥目が嬉しそうだ。
はいはい。
娘が訪ねて来てくれて嬉しいんだよね?
フタバちゃんは、「親子仲は微妙」とか言ってたけど、別に普通の親子って感じじゃないか。
ん~。
お互い不器用で、気持ちを言葉にしないから、「何考えてるかわかんない」「‥嫌われてるのかな?? 」とかスレ違いになるんだろうか? だけど、それに加えて、騎士団長は顔が怖いから「怒ってる‥」「不機嫌そう‥」に見えて、一方のフタバちゃんはあの通り表情が乏しいから、「無関心」とか「いやがってる‥」っていう風に見えた。
それで、(お互いが)誤解して、ますますお互いがお互いを避けるようになる。
嫌いだから‥じゃない。
更に嫌われたくないから、だ。
まあ。単純に「あれこれ考えるのが面倒」って気持ちもあっただろうけどね。(寧ろこの二人は、そっちの理由の方が強かったって感じだな‥)
フタバちゃんは「兄二人は父さんと同じタイプ」「脳筋で真面目な騎士」って言ってた。
顔は怖いけど、単純で分かりやすい騎士団長と同じ様な二人を想像する。
きっと、三人は(見た目はどうあれ)慣れたら‥言い方悪いけど、「扱いやすい」感じなんだろう。
お母さんはきっと、三人を上手く扱っていたんだろう。
そして、「自分だけがこの三人と上手く付き合っている」っていうことに、密かな優越感を感じていたかもしれない。
‥フタバちゃんは、きっとその中では異質で、浮いていた。
そして、‥その関係はフタバが養子に出されるまで改善することは無かった。
改善されなかったんだ。
‥問題があるとしたら、母親じゃないか? 普通ならそこで「全くフタバもお父様も不器用なんだから‥」って間に入って仲を取り持ったり‥まではしなくても、誤解を解いたりするんだろうけど、母親はフタバちゃんを養子に出して、家の中の不調和分子を排除する‥っていう随分乱暴な行動をとった‥。
きっと‥その方が楽だから。
会ったことないけど、フタバちゃんの母親‥絶対仲良くなれない感じ‥。
ついあれこれ考えてしまっていたロナウを‥ちょうど挟むように、二人は向き合っている。
「フタバ‥」
戸惑ったような騎士団長の声。
そして、またロナウを見る。
怒ってる‥とかじゃない。顔だけ見たら怒ってるって感じなんだけど、だけど、視線‥というか目の表情(きっと口よりものをいう目)から察するに「おい、オマエ、娘が何で怒ってるのか教えろ」ってとこだろう。
悪い。僕は、アンタよりフタバちゃんに詳しいわけじゃない。
同級生っていっても、学生時代そう親しかったわけでもないし、
婚約者っていっても、なんちゃって‥だし。
ロナウはそっと視線を逸らした。
まきこまれたくないんでね‥。
‥おい、騎士団長さん! そこで「がーん」って顔しない! 「娘婿にまで見捨てられた‥」って‥捨てられた犬の目をしない‥っ!
この人の目、ホント雄弁だな!!
さっきから、一方的な無線通話が凄くって、もううるさい位です!!
「何、父さん!? これってどういう状況なんですか?!
‥婚約の報告が遅れたことをお怒りでしたら‥申し訳ありませんでした。
‥必要ないかな、と思いましたので‥」
フタバちゃんの勢いある声も、最後の「必要ない‥」辺りには次第に小声になっていった。俯いて‥伏目がちになって‥お腹の辺りで軽く組んだ手を、不安げにぎゅっと握った。
驚いて、すっ飛んできて、その驚きの勢いのまま話し始めたんだけど‥、我に返ったって感じ。
俯いた顔は今はすっかり、血の気を失っている。
お腹の前で組んだ手は、ぴくりとも動いてない。
怯えてるんじゃなくて、‥緊張している。
ロナウは、は~と長いため息をついた。
‥この二人、親子だのに緊張しすぎ。
フタバは「自分にとってはそう重要じゃないこと」(勿論僕にとってもね!! )だから伝えなくていいやって思ってたんだけど、伝えられなかった人(騎士団長)は(そんな重要なこと)「なんで話してくれなかったんだ‥」ってショックを受けてる‥っていうね?
‥そりゃ、結婚って全然「重要じゃないこと」じゃないよね?!
今回なんかは、「敵を釣るための、子爵令嬢のなんちゃって娘婿」っていう只の設定だけで‥、総てがなんちゃって計画だから、騎士団長には関係が無い。
わざわざ言わなかったのは、
「別にもうあんたなんて父親でも何でもないんだから「関係ない」でしょう? とかそういった話では勿論ない。
‥わざわざ「関係ない」自分なんかのことで、父親の手を煩わせたら悪い‥
っていう遠慮‥。とそれの前提になってる「だから? 」(俺にはもう関係ないだろ? 結婚でもなんでもすればいい)って言われることに対する‥怖さだ。
全部、(今までの騎士団長を見ている限り)フタバの勝手な思い込みによる‥だ。
だけど、フタバは「ずっとそう思い込んで」生きて来た。
‥今までそうだったものが、ある日急に変わる‥とかそういうのはまあない。
離れて初めて気付く親の気持ち‥とか‥そういうのって、なんか「特別なイベント」でもな無い限り感じられないだろう。
親が自分を庇って大怪我を負うとか、死ぬ‥とかね?
‥ああ、自分は実は嫌われてなかったんだ‥っ! って気付いた時には、手遅れ‥とかね?
まあ‥それっ位のことがないと自分の幼少期からの認識は変わんないって話‥。
自分が親に「自分だけ」嫌われてる。疎まれている‥。
思い込み続けるには、重すぎる‥悲しすぎる感情。
フタバは、さっき一瞬、そんなことを忘れて「つい」普通の家族みたいに、接してしまったんだ。
全然問題はない。
あの騎士団長の顔からそれは一目瞭然だった。
でも、‥フタバちゃんにとっては‥。
嫌われてる相手を更に怒らせてしまった‥さらに嫌われるようなことをしてしまった‥って思ったんだろう。
騎士団長がちょっと特殊なだけで、‥そうだよね。「だってお前関係ないじゃん、もう親じゃないし」っていう風に、知らさなかったって思うよね‥普通は思うよね。‥怒るよね‥。
‥これは、僕らが気付くべきだった‥。
無意識に、騎士団長を避けよう避けよう‥って思ってるフタバちゃんが気付かなくても‥
僕は気付くべきことだった。
ロナウは、ちらっとフタバを見て、騎士団長を見る。
フタバは青ざめた顔でうつむいたままだ。
その気持ちなんて、‥想像に容易い。
騎士団長は‥黙ってるけど‥でも、別に怒ってるじゃない。戸惑ってる‥。多分これが一番近い感情?
フタバに俯かれて「どうしたんだろ? ‥もしかして怒ってる? 急にロナウをよんだりしたから‥呆れられてちゃった? 」って焦ってる。
そこに、あの言葉‥
「必要ない!? 」
だ。(あ、騎士団長、ショックだったんだね? ‥口に出しちゃったよ‥)
フタバがびくってなったのが分かった。(ほら、余計に恐れられた‥)
思わずため息をついてしまう。
‥あ~もう、この二人イライラするわ~!
「あのですね?! 」
説明しようとして口を開いたロナウに被せる様に
「せめて‥」
騎士団長が口を開く。
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