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124.棘があろうが、欲しいって思えるものの方がいい。
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「つまり、吸引体質のテイナー君だから出来るんであって、普通の体質の僕らには‥どんなにセンスや知識があろうとも出来ないんだ」
センスは、アンバーの方が上だし、知識はコリンが勝っていようとも、だ。
テイナーは確かに器用かもしれないけど、アンバーには既存の魔術にこだわらない(習ってきてないから、単に知らないだけなんだけどね)‥自由な発想があるし、それを実現できる腕がある。それは、器用ではなく、「(魔術の)センスがある」っていうんだと思う。
テイナーは、器用だから既存の魔術はたいして練習しなくても問題なくできる。だけど、コリンに比べて知っている魔術は少ない。自分が必要と思う魔術だけしか取得しないからだ。「覚えているべきもの」しか覚えない。
一方、コリンはそれ程器用じゃないけど、手当たり次第に取得しようとする。器用じゃないから失敗することも多いが、それゆえに学ぶことも多いし、他の魔術を取得するきっかけになったりもする。結果的に、コリンの方が沢山の魔術を知っている。
魔術マニアだから、「これ何だ? 何に使うんだ? 」ってものでも「面白そう‥」って覚えちゃってる。そして、それを悪戯やなんか(如き)に使ったりする。(取得 → 実践 上達への基本だね!! )
この前ザッカを落とし穴にはめるとみせかけて、事務所の外に転移させた魔術なんかがそれだs。
そして、それを面白がってアレンジするのが、遊び心があってセンスがあるアンバーだ。
アンバーにとって、魔術は遊び道具だ。
テイナーはそういう無駄なことはことはしない。
結果、知識が多いコリンの方がテイナーより魔術を覚えているし、センスのあるアンバーの方が魔術を使いこなせている。
アンタなんて体質だけレアなだけで、それ以外は大したことね~ぞ、と言ったんだ。
‥コリンは相変わらず中々に手厳しい。
相手がそれに気付けば‥だが。
「や~。僕ってそんなに特別なんだね~! でも、そんなにレア中のレアの特別で貴重な人間でも、僕は尊大になって君たちとの友情をないがしろにしたりしないよ? 」
めちゃ嬉しそうにロナウが言った。
それに‥相変わらずやたら上から目線。
褒めてね~よ。
「‥‥‥」
苦笑いのアンバー
「‥‥‥」
可哀そうなものをみる目になってるフタバ
「‥‥‥」
(渾身の攻撃をあっさりかわされ)呆然自失のコリン。
‥気付いて、ね~!!
‥もういいや。ぎゃふんと言わせたい~とか、諦めよう‥。
コリンはため息をつくと、アンバーに
「アンバーには‥別に要らない体質だよ。
火の魔術は瞬間的な攻撃に向かないからね。
影集めが有効になるためには、害獣を一所に集めて直ぐに処置できる「感電(強)」やら「氷結(強)」やなんかだ。
一瞬で敵の動きを止めないと、集めることによって敵の力が強くなった‥とかいうことになると困るからね。
それにね。
レア中のレアで‥特別で貴重というか‥
さっき卵の話したでしょ? あれと同じくらい「珍しいけど、‥だから? 」ってレア体質なんだ。「凄い確率でなんでだか出来ちゃった稀なバグ」って感じだな。バグだけど使い道はあるかな~って程度でそんなに需要があるもんでもない。
たまたまテイナー君の属性や攻撃スタイルには合ってた‥ってだけだな。
だけど、人相手に使う場合だったら、「他人に対する制止が許可」をもっている誓約士がいないと、使えないし。
‥ぶっちゃけ、僕たちの共同体以外使えない魔術だ」
わざわざ「必要性の薄さ」を説明した。
アンバーがロナウを見て、
「な~んだ。じゃあ要らないや。珍しいって聞いて興味湧いたけど、そんな程度の利用価値ならいらないや~」
にやりと笑って言った。
「‥フタバちゃん。言っちゃなんだけど、この黒い王子様、見かけはいいけど、性格はかなり‥アレだよね? 僕も見掛けでコリンに一目惚れしたから人のこと言えないけど‥、ああ、同じ失敗をした者として‥アドバイスしたいと思います。
‥綺麗な薔薇には棘がある」
真剣な顔でアドバイスするも‥
フタバ、ポカン。
「え? それが何? 綺麗なんだから身を守るために棘があるのって常識じゃない? 寧ろ、「毒も持つべきだろ!? 」って思う位だけど‥。
棘も含めての薔薇だと思うわ。
自分に価値があるって自覚して、自衛をしっかりしてるとか最高じゃない? 薔薇を手折る側にしたって、得難いものを得る為に努力したり、危険な想いをするってのは当たり前のことだし、より貴重度が上がっていいって思う‥けど? 」
両腕に抱える程の河原に大量に咲いてる菜の花より、手を傷だらけにして切った薔薇の一輪の方が価値がある気がするものね。
「ホントに欲しいものなら、棘があっても臆することはないし、寧ろ、棘に恐れたライバルが減ってくれて万々歳だし、苦労して手に入れた貴重なもの‥最高~! って感じだし‥
兎に角。
ホントに欲しいなら、棘位にはひるまないわ! 」
アンバーに宣戦布告するみたいに‥フタバが誇らしげに宣言する。
「う‥」
つまり、顔がよければ、性格悪かろうとなんだろうと、女の子は危険をおかしてでも寄ってきてくれるヨって話? ‥それって‥酷くない~?
ロナウがちょっと涙目になってフタバに訴える。
そんなロナウに、フタバはすっかりドン引きだ。
「そういう風にしか聞こえないって地点で‥、結構終わってる気がする」
で、ちょっと‥可哀そうなものを見る様な表情でロナウを見て、
フタバは
ロナウにきっちり、とどめを刺すのだった。
綺麗なアンバーには棘があって、やっぱり綺麗なフタバにも棘があるのだった。
センスは、アンバーの方が上だし、知識はコリンが勝っていようとも、だ。
テイナーは確かに器用かもしれないけど、アンバーには既存の魔術にこだわらない(習ってきてないから、単に知らないだけなんだけどね)‥自由な発想があるし、それを実現できる腕がある。それは、器用ではなく、「(魔術の)センスがある」っていうんだと思う。
テイナーは、器用だから既存の魔術はたいして練習しなくても問題なくできる。だけど、コリンに比べて知っている魔術は少ない。自分が必要と思う魔術だけしか取得しないからだ。「覚えているべきもの」しか覚えない。
一方、コリンはそれ程器用じゃないけど、手当たり次第に取得しようとする。器用じゃないから失敗することも多いが、それゆえに学ぶことも多いし、他の魔術を取得するきっかけになったりもする。結果的に、コリンの方が沢山の魔術を知っている。
魔術マニアだから、「これ何だ? 何に使うんだ? 」ってものでも「面白そう‥」って覚えちゃってる。そして、それを悪戯やなんか(如き)に使ったりする。(取得 → 実践 上達への基本だね!! )
この前ザッカを落とし穴にはめるとみせかけて、事務所の外に転移させた魔術なんかがそれだs。
そして、それを面白がってアレンジするのが、遊び心があってセンスがあるアンバーだ。
アンバーにとって、魔術は遊び道具だ。
テイナーはそういう無駄なことはことはしない。
結果、知識が多いコリンの方がテイナーより魔術を覚えているし、センスのあるアンバーの方が魔術を使いこなせている。
アンタなんて体質だけレアなだけで、それ以外は大したことね~ぞ、と言ったんだ。
‥コリンは相変わらず中々に手厳しい。
相手がそれに気付けば‥だが。
「や~。僕ってそんなに特別なんだね~! でも、そんなにレア中のレアの特別で貴重な人間でも、僕は尊大になって君たちとの友情をないがしろにしたりしないよ? 」
めちゃ嬉しそうにロナウが言った。
それに‥相変わらずやたら上から目線。
褒めてね~よ。
「‥‥‥」
苦笑いのアンバー
「‥‥‥」
可哀そうなものをみる目になってるフタバ
「‥‥‥」
(渾身の攻撃をあっさりかわされ)呆然自失のコリン。
‥気付いて、ね~!!
‥もういいや。ぎゃふんと言わせたい~とか、諦めよう‥。
コリンはため息をつくと、アンバーに
「アンバーには‥別に要らない体質だよ。
火の魔術は瞬間的な攻撃に向かないからね。
影集めが有効になるためには、害獣を一所に集めて直ぐに処置できる「感電(強)」やら「氷結(強)」やなんかだ。
一瞬で敵の動きを止めないと、集めることによって敵の力が強くなった‥とかいうことになると困るからね。
それにね。
レア中のレアで‥特別で貴重というか‥
さっき卵の話したでしょ? あれと同じくらい「珍しいけど、‥だから? 」ってレア体質なんだ。「凄い確率でなんでだか出来ちゃった稀なバグ」って感じだな。バグだけど使い道はあるかな~って程度でそんなに需要があるもんでもない。
たまたまテイナー君の属性や攻撃スタイルには合ってた‥ってだけだな。
だけど、人相手に使う場合だったら、「他人に対する制止が許可」をもっている誓約士がいないと、使えないし。
‥ぶっちゃけ、僕たちの共同体以外使えない魔術だ」
わざわざ「必要性の薄さ」を説明した。
アンバーがロナウを見て、
「な~んだ。じゃあ要らないや。珍しいって聞いて興味湧いたけど、そんな程度の利用価値ならいらないや~」
にやりと笑って言った。
「‥フタバちゃん。言っちゃなんだけど、この黒い王子様、見かけはいいけど、性格はかなり‥アレだよね? 僕も見掛けでコリンに一目惚れしたから人のこと言えないけど‥、ああ、同じ失敗をした者として‥アドバイスしたいと思います。
‥綺麗な薔薇には棘がある」
真剣な顔でアドバイスするも‥
フタバ、ポカン。
「え? それが何? 綺麗なんだから身を守るために棘があるのって常識じゃない? 寧ろ、「毒も持つべきだろ!? 」って思う位だけど‥。
棘も含めての薔薇だと思うわ。
自分に価値があるって自覚して、自衛をしっかりしてるとか最高じゃない? 薔薇を手折る側にしたって、得難いものを得る為に努力したり、危険な想いをするってのは当たり前のことだし、より貴重度が上がっていいって思う‥けど? 」
両腕に抱える程の河原に大量に咲いてる菜の花より、手を傷だらけにして切った薔薇の一輪の方が価値がある気がするものね。
「ホントに欲しいものなら、棘があっても臆することはないし、寧ろ、棘に恐れたライバルが減ってくれて万々歳だし、苦労して手に入れた貴重なもの‥最高~! って感じだし‥
兎に角。
ホントに欲しいなら、棘位にはひるまないわ! 」
アンバーに宣戦布告するみたいに‥フタバが誇らしげに宣言する。
「う‥」
つまり、顔がよければ、性格悪かろうとなんだろうと、女の子は危険をおかしてでも寄ってきてくれるヨって話? ‥それって‥酷くない~?
ロナウがちょっと涙目になってフタバに訴える。
そんなロナウに、フタバはすっかりドン引きだ。
「そういう風にしか聞こえないって地点で‥、結構終わってる気がする」
で、ちょっと‥可哀そうなものを見る様な表情でロナウを見て、
フタバは
ロナウにきっちり、とどめを刺すのだった。
綺麗なアンバーには棘があって、やっぱり綺麗なフタバにも棘があるのだった。
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