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97.幽霊の正体見たり枯れ尾花って話。
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「個人レッスンなんて、なんか色っぽいお誘いだね♪ 」
ってアンバーがぬかしてるのは、
‥頭に花が咲いたわけでも、浮かれているわけでもない。
あれだ。
現実逃避って奴だ。
って言って、別にコリンが暴力的に「こんなもんも分からないのか、ボケ! 」って殴ってくるわけでも、「いいのはその顔だけですか? 」って絶対零度の視線で蔑んできてるわけでもない。寧ろ、そういう態度を取られた方が、揚げ足だって取りやすかっただろう。
だけど、そうじゃない。コリンは、いたって真面目にいたって普通に分かりやすい授業をしているのだ。
それが、面白くない。
授業が‥とかじゃない。授業自体は分かりやすいし、面白い。だけど、そうじゃない。‥そういう話じゃない。
‥ただ、単純に机の前に座って話を聞くのにアンバーが慣れてないってだけの話だ。
‥例えは悪いが、今まで元気いっぱいに外で遊びまわっていた幼稚園児が小学生になって(慣らし期間も無く急に)「じゃあこれからは6時間授業みっちりやって行くからね!! 」って言われたようなもんだ。
しかも、その先生ってのが、今まで一緒になって馬鹿やって遊んでた近所の兄ちゃんなんだ。
その兄ちゃんがスーツとか着て、他人行儀に澄ました顔で教壇にたってる‥っていうね。
そりゃ‥
何で? なんだよ、どうしちゃったんだよ??
ってなるよね?
そりゃ、面白くないよね?
知り合いの兄ちゃんに教わるっていうから、もっと楽しいって思ってたのに‥ってなるよね??
ぶーたれるアンバーにザッカが苦笑いして、
「諦めろ。アンバー。聞いてろ。‥まず座ってろ」
アンバーの肩を抑えて椅子に座らせる。
渋々前を向く‥って態度を取ったアンバーは、
平和だなあ‥。
って、泣きたくなった。
恵まれた‥普通の幸せな生活。‥生まれて初めて恵まれた環境に生きてるって思う。
学校とか‥教育なんて考えたこともなかった。
自分にとって魔術は生きる術で、他者にはない力を他に誇示するための‥顕示欲そのものだった。それを使って暮らしをよくしよう‥とか思ったことないし、ましてや、それを他人の為に役立てようなんて‥考えたことも無かった。
‥今思えば、それ程魔術の事を知らなかったんだ。
魔術は‥奥が深く、いろんな可能性を秘めている。‥まだ、偉い学者ですら分からないことも多い学問だ。
そんな学問を教わる日が来るとはな~。
それも、教会(学校)を過去にない程の成績で卒業した、超一流の教師に、だ。
賢い奴って言うのは、えてして「自分が分かるから」って教えるのがヘタな奴が多い気がするが、コリンは「初めから知ってる」「分からない意味が分からない」な天才タイプではなく、人一倍努力する秀才タイプだ。
そして、親切なコリンは分からないことがあって質問しても、それはそれは親切に分かりやすく根気強く説明してくれる。一緒に「こんないい機会は無いね。興味があるから一緒に聞きたい」って授業に参加しているナナフルも、アンバーが質問する度に授業を頻繁に中断しても嫌な顔一つしない。それどころか、「よく聞いてくれた。おかげで理解が深まった」って感謝してくれる始末。
‥ここは、ホントにいい奴ばっかりで、居心地がいい。
居心地が良すぎて、「平和ボケするんじゃないか」「いざという時の覚悟が鈍るんじゃないか」って不安になる。平和ボケしたところで、敵に足をすくわれたら‥もう目もあてられない。カッコ悪すぎる。
そもそも、幸せって言葉に慣れていない。
持ってないものを強請ったりはしないし、羨ましいって思うこともない。
綺麗な服だとか、豪華な食事に興味は無かったし、
カネは‥ない形に安酒で楽しくやってたし、女は‥アレだ。不自由したことが無かった。(きっとこれを言ったら、大多数の男性にバッシングをうけるだろう‥)
親はいなかったが、親の愛情が‥って年でも‥実際の年とかじゃなくって、アンバーは年の割に冷めたところがある子供だった‥なかったし、親の仇であるロングに親の愛情を求めるわけは無かった。‥魔薬が効いていなかったからもあるだろうが、他の皆みたいに「憎い。親の仇、殺す」とも思わなかった。‥もしかしたら、(もともとの性格も)他の皆より薄情だったのかもしれないな。
身の丈に合ったものは全部持っていた。
それ以上のものは‥ないのが当たり前って奴だった。
それに、他人の事そんなに見てないし、他人と自分を比べるってこともしなかった。
‥だけど、自分が持っているものを‥気に入っているものを取られるのはきっと、嫌だ。今までそんな経験は無かったが、きっと凄く‥怖い? ‥否、憎いって思うだろう。
怖いんじゃなくて、憎い。
‥きっと自分はそう感じるだろう、と思う。その考えにしっくりきた自分は‥やっぱり明るい所‥表社会を生きる人間じゃなくって裏社会に生きる人間だって思った。
コリンは、
「闇属性の魔術は、裏社会の魔術じゃない」
って言ってた。
「忌み嫌われるものでも、怖がられるものでもない。
未知の部分は一番多い属性だとは思う。皆が研究していないからね。
だけど、今現在分かっているだけでも、闇属性の魔術が素晴らしい属性だってことは分かる。
時間という概念をもつ属性だからだ。
他の属性とは違い、光と闇だけが時間の概念を持っている。
現在に、未来を引き寄せる光と、過去を引き寄せる闇‥どっちも、万物の理に背いている。‥背徳の極みと言える禁断の属性だ。
だけどね。
未来は「分からない」「見えない」だけど、過去は「分る」。
分からない、見えないから人は希望が持てる。
だけど、分かる過去に対して人が期待するのは、「自分の都合」や「過去の栄光」だ。
尤も、「分からない未来」に希望が持てる人間は、‥めぐまれたオメデタイ人間だ。人を信じ‥世の中にホントの悪人なんていないって信じてる「オメデタイ」人間だけだ。
人々は、そのオメデタイ奴を有難がって‥輝かしい未来を期待して‥ほんの一握りの「奇跡」を有難がる。
だけど、用心深い・思慮深い金持ちは、「分かっている過去」を選ぶ。
当たるかどうかわからない一枚300円の富くじじゃなくって、既に出ている結果を買う。たとえ、300円だって、無駄な金は使わない。‥それが金持ちって奴だ。300円の遊び心を持ってる奴なんてのは、‥ホントの金持ちって言わないのかもしれない。
確かな結果を買う。‥それを手に入れるためにどんなリスクを負うとしても‥だ。金‥誰かの命‥。
誰かの命が犠牲になろうとも、刑法で裁かれないならば、問題は無い。
‥でもね。そんなの、金持ちだけの概念だ。
僕ら貧乏人にとっての光魔法は、ちょっと痛いのをすっ飛ばす有難い治療術で、闇魔法は、悪い奴の足をちょっと止めるだけの威圧だ。
確かに、この二つの属性は、万物の理に背いた禁断の属性だけど、‥大きな力を求めなければ、これらはただの「やたらよく効く薬」と「丈夫過ぎる縄」位のもんだ。
それでいいんだ。
むやみに期待したり、怖がったりするからややこしくなる。
幽霊の正体見たり枯れ尾花
っていうでしょ?
怖いな怖いな~って目で見たらなんでも怖く見えるけど、見に行ってみたら実際はなんでもないもんだって話。
怖いから、あの木切っちゃえ‥はおかしいでしょ? 」
ヒトの恐怖心をあおって、ただの「人形」を、お化けに変える奴。お化けを集めてお化け屋敷にして‥お金を取る奴。
お化け屋敷を興行するのも、お化け屋敷に招かれる客もまた金持ち。
「柳は柳であって、それ以上でもそれ以下でもない。
怖がられるいわれもないけど、祀られるものでもない。
‥周りに踊らされずに
俺たちは、真実だけを見て、真実だけを発信していかないといかない。だって、俺たちは雑誌編集者だからな」
発行部数がヤバくて、存続も危ぶまれる感じの雑誌だけどな‥。(なんせ、看板雑誌が「冒険者たち」(←社名と同じ。それ位力を入れている雑誌らしい)だもんな‥。誰が読むんだホントに‥)
ドヤ顔で、かっこいいことを言ったザッカに、シークは心の中でそっと苦笑いした。
ってアンバーがぬかしてるのは、
‥頭に花が咲いたわけでも、浮かれているわけでもない。
あれだ。
現実逃避って奴だ。
って言って、別にコリンが暴力的に「こんなもんも分からないのか、ボケ! 」って殴ってくるわけでも、「いいのはその顔だけですか? 」って絶対零度の視線で蔑んできてるわけでもない。寧ろ、そういう態度を取られた方が、揚げ足だって取りやすかっただろう。
だけど、そうじゃない。コリンは、いたって真面目にいたって普通に分かりやすい授業をしているのだ。
それが、面白くない。
授業が‥とかじゃない。授業自体は分かりやすいし、面白い。だけど、そうじゃない。‥そういう話じゃない。
‥ただ、単純に机の前に座って話を聞くのにアンバーが慣れてないってだけの話だ。
‥例えは悪いが、今まで元気いっぱいに外で遊びまわっていた幼稚園児が小学生になって(慣らし期間も無く急に)「じゃあこれからは6時間授業みっちりやって行くからね!! 」って言われたようなもんだ。
しかも、その先生ってのが、今まで一緒になって馬鹿やって遊んでた近所の兄ちゃんなんだ。
その兄ちゃんがスーツとか着て、他人行儀に澄ました顔で教壇にたってる‥っていうね。
そりゃ‥
何で? なんだよ、どうしちゃったんだよ??
ってなるよね?
そりゃ、面白くないよね?
知り合いの兄ちゃんに教わるっていうから、もっと楽しいって思ってたのに‥ってなるよね??
ぶーたれるアンバーにザッカが苦笑いして、
「諦めろ。アンバー。聞いてろ。‥まず座ってろ」
アンバーの肩を抑えて椅子に座らせる。
渋々前を向く‥って態度を取ったアンバーは、
平和だなあ‥。
って、泣きたくなった。
恵まれた‥普通の幸せな生活。‥生まれて初めて恵まれた環境に生きてるって思う。
学校とか‥教育なんて考えたこともなかった。
自分にとって魔術は生きる術で、他者にはない力を他に誇示するための‥顕示欲そのものだった。それを使って暮らしをよくしよう‥とか思ったことないし、ましてや、それを他人の為に役立てようなんて‥考えたことも無かった。
‥今思えば、それ程魔術の事を知らなかったんだ。
魔術は‥奥が深く、いろんな可能性を秘めている。‥まだ、偉い学者ですら分からないことも多い学問だ。
そんな学問を教わる日が来るとはな~。
それも、教会(学校)を過去にない程の成績で卒業した、超一流の教師に、だ。
賢い奴って言うのは、えてして「自分が分かるから」って教えるのがヘタな奴が多い気がするが、コリンは「初めから知ってる」「分からない意味が分からない」な天才タイプではなく、人一倍努力する秀才タイプだ。
そして、親切なコリンは分からないことがあって質問しても、それはそれは親切に分かりやすく根気強く説明してくれる。一緒に「こんないい機会は無いね。興味があるから一緒に聞きたい」って授業に参加しているナナフルも、アンバーが質問する度に授業を頻繁に中断しても嫌な顔一つしない。それどころか、「よく聞いてくれた。おかげで理解が深まった」って感謝してくれる始末。
‥ここは、ホントにいい奴ばっかりで、居心地がいい。
居心地が良すぎて、「平和ボケするんじゃないか」「いざという時の覚悟が鈍るんじゃないか」って不安になる。平和ボケしたところで、敵に足をすくわれたら‥もう目もあてられない。カッコ悪すぎる。
そもそも、幸せって言葉に慣れていない。
持ってないものを強請ったりはしないし、羨ましいって思うこともない。
綺麗な服だとか、豪華な食事に興味は無かったし、
カネは‥ない形に安酒で楽しくやってたし、女は‥アレだ。不自由したことが無かった。(きっとこれを言ったら、大多数の男性にバッシングをうけるだろう‥)
親はいなかったが、親の愛情が‥って年でも‥実際の年とかじゃなくって、アンバーは年の割に冷めたところがある子供だった‥なかったし、親の仇であるロングに親の愛情を求めるわけは無かった。‥魔薬が効いていなかったからもあるだろうが、他の皆みたいに「憎い。親の仇、殺す」とも思わなかった。‥もしかしたら、(もともとの性格も)他の皆より薄情だったのかもしれないな。
身の丈に合ったものは全部持っていた。
それ以上のものは‥ないのが当たり前って奴だった。
それに、他人の事そんなに見てないし、他人と自分を比べるってこともしなかった。
‥だけど、自分が持っているものを‥気に入っているものを取られるのはきっと、嫌だ。今までそんな経験は無かったが、きっと凄く‥怖い? ‥否、憎いって思うだろう。
怖いんじゃなくて、憎い。
‥きっと自分はそう感じるだろう、と思う。その考えにしっくりきた自分は‥やっぱり明るい所‥表社会を生きる人間じゃなくって裏社会に生きる人間だって思った。
コリンは、
「闇属性の魔術は、裏社会の魔術じゃない」
って言ってた。
「忌み嫌われるものでも、怖がられるものでもない。
未知の部分は一番多い属性だとは思う。皆が研究していないからね。
だけど、今現在分かっているだけでも、闇属性の魔術が素晴らしい属性だってことは分かる。
時間という概念をもつ属性だからだ。
他の属性とは違い、光と闇だけが時間の概念を持っている。
現在に、未来を引き寄せる光と、過去を引き寄せる闇‥どっちも、万物の理に背いている。‥背徳の極みと言える禁断の属性だ。
だけどね。
未来は「分からない」「見えない」だけど、過去は「分る」。
分からない、見えないから人は希望が持てる。
だけど、分かる過去に対して人が期待するのは、「自分の都合」や「過去の栄光」だ。
尤も、「分からない未来」に希望が持てる人間は、‥めぐまれたオメデタイ人間だ。人を信じ‥世の中にホントの悪人なんていないって信じてる「オメデタイ」人間だけだ。
人々は、そのオメデタイ奴を有難がって‥輝かしい未来を期待して‥ほんの一握りの「奇跡」を有難がる。
だけど、用心深い・思慮深い金持ちは、「分かっている過去」を選ぶ。
当たるかどうかわからない一枚300円の富くじじゃなくって、既に出ている結果を買う。たとえ、300円だって、無駄な金は使わない。‥それが金持ちって奴だ。300円の遊び心を持ってる奴なんてのは、‥ホントの金持ちって言わないのかもしれない。
確かな結果を買う。‥それを手に入れるためにどんなリスクを負うとしても‥だ。金‥誰かの命‥。
誰かの命が犠牲になろうとも、刑法で裁かれないならば、問題は無い。
‥でもね。そんなの、金持ちだけの概念だ。
僕ら貧乏人にとっての光魔法は、ちょっと痛いのをすっ飛ばす有難い治療術で、闇魔法は、悪い奴の足をちょっと止めるだけの威圧だ。
確かに、この二つの属性は、万物の理に背いた禁断の属性だけど、‥大きな力を求めなければ、これらはただの「やたらよく効く薬」と「丈夫過ぎる縄」位のもんだ。
それでいいんだ。
むやみに期待したり、怖がったりするからややこしくなる。
幽霊の正体見たり枯れ尾花
っていうでしょ?
怖いな怖いな~って目で見たらなんでも怖く見えるけど、見に行ってみたら実際はなんでもないもんだって話。
怖いから、あの木切っちゃえ‥はおかしいでしょ? 」
ヒトの恐怖心をあおって、ただの「人形」を、お化けに変える奴。お化けを集めてお化け屋敷にして‥お金を取る奴。
お化け屋敷を興行するのも、お化け屋敷に招かれる客もまた金持ち。
「柳は柳であって、それ以上でもそれ以下でもない。
怖がられるいわれもないけど、祀られるものでもない。
‥周りに踊らされずに
俺たちは、真実だけを見て、真実だけを発信していかないといかない。だって、俺たちは雑誌編集者だからな」
発行部数がヤバくて、存続も危ぶまれる感じの雑誌だけどな‥。(なんせ、看板雑誌が「冒険者たち」(←社名と同じ。それ位力を入れている雑誌らしい)だもんな‥。誰が読むんだホントに‥)
ドヤ顔で、かっこいいことを言ったザッカに、シークは心の中でそっと苦笑いした。
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