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73.コリン、明日について考える。 コリンside
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確かに、明日が必ず来るって確証はない。
でも、それは、冒険者や‥危険な職業に従事している人だけのことではない。人間生きてるってことは、ホントに奇跡の連続なんだって思う。
急な事故ってこともある。
でも、アンバーはそんなことを言っているんじゃないんだと思う。多分、‥そんなことだけじゃない。
人の気持ちの話。
それだって、明日にはどうなってるかわからないってぞ、って話をしているんだと思った。
今は自分の事好きだって言ってくれて彼女も、好かれてるって安心して放って置いたら、明日別な人がその彼女の事、好きだって言うかもしれない。そしたら、彼女は自分を好いてくれる人の方が好きになるかもしれない。自分の事を構ってくれない薄情な想い人なんて忘れてしまうかもしれない。
人の気持ちは、不変じゃないし、人はそんなに強くない。(‥まあ、振られた方もそれで立ち直れなくなる程弱くもないが)
‥自分の事を例えに使うのはヤだったからアンバー設定でお送りしました。
‥まあ、その例えを踏まえて何を言いたいかというと‥。
つまり、好きなら‥ちょっとでも好きなら、「この人は運命の人じゃないかもしれないし‥」とか「今はまだ恋人を作って結婚出来る様な経済状態にないし‥」とか言って、恋愛を躊躇しないほうがいい。‥躊躇してるうちに、その恋は、一生恋愛に発展することなく「縁がなかったね」って去って行ってしまう。
‥きっと、モテまくって慢心しているアンバーには過去にそういったことは沢山あっただろう。
だから、さっきの例え話だって、きっと‥例えじゃなく現実に‥そういうこともあっただろう。
生きていくことも、恋も、「いつまでも‥」ってのは通用しない。
‥躊躇してばっかりだったら、後悔する。
明日死ぬって思ったら、「今は我慢」なんて言ってられない。
今するしかない。
今、僕がしたいこと。
今‥僕が望むこと。
やりたいこと全部、
今やらないと後悔する。
‥シークさんとキスしたい。
シークさんにもっとふれたい。
一生一緒にいて欲しいって思うけど‥その未来が見えないなら、
今
シークさんともっと一緒にいたい。
時期尚早‥とか言ってると、後悔する‥。
僕らには、思っている以上に時間が無いかもしれない。
シークさんの腕を両手で取る。
そのままベッドを跳ね起きて、シークさんの腕を引っ張って、黙って‥事務所を出る。
どこに行こう‥ってあては無かったけど、ただ、二人きりになりたかった。
シークさんは驚いた顔をしていたけど
だけど、何も言わず僕にされるがままにされてくれた。
あの場に残った皆はどんな顔をしていただろう。ちょっとそんなこと思ったけど、振り向かなかった。
シークさんも‥多分そう。
引っ張った腕を通して、そんなシークさんの些細な行動が全部伝わってくる。(振り向いたりとかしたら、きっと、腕を伝って、そういうのが分かるだろう。そういうのがなかった)
シークさんは今、どんな顔をしている?
さっきみたいに驚いた顔? ‥呆れた顔?
いっぱいいっぱいな僕は、手を引いているシークさんすら振り返らなかったけど、シークさんは僕のしたいようにしてくれた。
黙って、‥ちょっと速足で
ただ、
二人とも無言で、あてもなく歩いた。
相変わらず、前を‥シークさんの腕を‥腕は途中歩き辛かったから、途中から手を引っ張ることにした‥手を引っ張りながら歩いた。
ずんずんずんずん、歩く。
事務所を出て直ぐは、開けた草原になってて、その先は、ナナフルさんが買い物に行く市場、その先は、職人の家が並んでいる街‥飾り気がない、灰色の石造りの家々が並んでいる。
道行く人が振り返る。
そりゃ、僕みたいなちっこいのが大きなシークさんを引っ張って歩いてたら、不思議に思うだろう。
何事だって思うだろう。
‥だけど、僕は歩き続けた。
職人街から向こうの、整備された石畳の道は緩やかな坂になっていて、その向こうに王都が見える。
王都が近いわけではない。ただ、王都迄ホントになだらかな坂が続いている。だから、職人街が途切れて人々が暮らす民家が立ち並ぶ住宅街、そのはずれにある小さな広場で、思わず足が止まった。
さっきまで歩いてきた道を振り返ると、まるでミニチュアみたいに街全体が見えた。
なだらかな坂でも、ここが坂の上だってことに変わらないってことだ。
すこしずつすこしずつ上って、坂の上に来た。(坂の上と言っても、王城を坂の頂上とするのなら、ここは坂の中腹だろう。
きっと王都のお城のてっぺんから見下ろしたら、この国全体が、まるでジオラマみたいに見えるんだろう。
「いい眺めだろ」
シークさんが隣に来て、一緒に街を見降ろした。
僕は無言で頷いた。
さあ、っと拭いた風が、ちょっと汗ばんだ肌に気持ちいい。
僕は、シークさんの声に振り向かずに頷いた。
ふわりとシークさんが微笑んだ気配がして、肩の力がふっと抜けた。
‥そういえば、ここ、シークさんと初めて一緒に泊まった宿屋があるあたりだ。
ここからは見えないけど、ギルドもこの近くのはずだ。
ここは、シークさんの住んでいた街だ。
僕‥気が張っててそんなことも気付かなかった。
「シークさんのお家もこの辺りにあるんですか? 」
シークさんを見上げながら聞くと、シークさんが僕を見下ろして‥僕の目を見て頷いてくれた。
‥やっぱり、(ザッカさんたちのように)視線をちょっと降ろしたら目が合うって感じじゃない。‥それはちょっと不満だったけど、下から見上げるシークさんの薄い青の瞳が優しくって綺麗で、僕はたまらずシークさんに抱き着いた。
「‥行ってみたいです。シークさんのお家に‥。‥ダメですか? 」
シークさんに抱き着いたまま‥っていうかしがみついたまま聞く。
シークさんは僕の背中に手をそっと添えて、抱きしめ返してくれた。
いいよ、ともダメだ、ともシークさんは言わなかった。
僕を宥めるみたいにゆっくり背中を撫ぜると、腕の中にいた僕をそっと離す。
優しく微笑んで僕の手をとると、ゆっくり歩き始めた。
「シークさん? 」
シークさんはさっき登ってきた道を、更に登っていく。
もと来た道‥事務所に帰るのとは反対の道。
今度はシークさんに手を引かれて黙って歩く。
シークさんの大きな、硬い手。
さっき引っ張った時は、指先を手の甲側から持った。
今は、シークさんの分厚い手のひらに包み込まれるみたいに握られている。
‥そういえば、こうやって‥手を握ってもらって歩くのって初めてだ。
握ってもらってるっていっても、手指を絡ませる、いわゆる恋人繋ぎなんかじゃない。
普通に、手を繋いでいるだけだ。
ムードも何もない‥恋人の扱いに不慣れな不器用な仕草。
それが、逆にシークさんらしくって嬉しい。
シークさんはそのまま、小さな石造りの一軒家の前で止まった。
小さな‥っていっても、単身者や若い夫婦が住むには一般的な大きさの家だ。
僕の生まれ育った家は家族向けだったから少し大きかったんだけど、母さんと父さんが結婚したばかりの頃に住んでいた家を昔教えてもらったことがあったが、ちょうどこれと同じくらいの大きさだった。
周りには同じ大きさの家が何軒も並んでいる。真四角の‥ぱっと見は、全く同じの正方形の箱が何個も集まった様な光景だ。だけど、それぞれ、家の軒に洗濯物が干してあったり鉢植えの花が置いてあったりと一軒一軒がちがうんだ。同じように見えて、(当たり前だけど)皆ちがう生活をしている。
冒険者であるシークさんは家に帰ってくることが少ないから、家に生活感がない。空き家じゃない印が扉についているだけだ。(← 表札みたいなもの)
「久し振りに帰って来たから埃が溜まっていると思うけど、‥入っていく? 」
扉に鍵をさしながら、僕を振り向かないでシークさんが言った。
後ろから見える耳が赤い。
僕はそれだけでなんだか、ふんわりしてしまった。
「うん! 」
二人きりになりたい‥とか下心なんてその時はすっかり忘れて、ただ、シークさんの家に入れることが僕にとってすっごく嬉しかった。
でも、それは、冒険者や‥危険な職業に従事している人だけのことではない。人間生きてるってことは、ホントに奇跡の連続なんだって思う。
急な事故ってこともある。
でも、アンバーはそんなことを言っているんじゃないんだと思う。多分、‥そんなことだけじゃない。
人の気持ちの話。
それだって、明日にはどうなってるかわからないってぞ、って話をしているんだと思った。
今は自分の事好きだって言ってくれて彼女も、好かれてるって安心して放って置いたら、明日別な人がその彼女の事、好きだって言うかもしれない。そしたら、彼女は自分を好いてくれる人の方が好きになるかもしれない。自分の事を構ってくれない薄情な想い人なんて忘れてしまうかもしれない。
人の気持ちは、不変じゃないし、人はそんなに強くない。(‥まあ、振られた方もそれで立ち直れなくなる程弱くもないが)
‥自分の事を例えに使うのはヤだったからアンバー設定でお送りしました。
‥まあ、その例えを踏まえて何を言いたいかというと‥。
つまり、好きなら‥ちょっとでも好きなら、「この人は運命の人じゃないかもしれないし‥」とか「今はまだ恋人を作って結婚出来る様な経済状態にないし‥」とか言って、恋愛を躊躇しないほうがいい。‥躊躇してるうちに、その恋は、一生恋愛に発展することなく「縁がなかったね」って去って行ってしまう。
‥きっと、モテまくって慢心しているアンバーには過去にそういったことは沢山あっただろう。
だから、さっきの例え話だって、きっと‥例えじゃなく現実に‥そういうこともあっただろう。
生きていくことも、恋も、「いつまでも‥」ってのは通用しない。
‥躊躇してばっかりだったら、後悔する。
明日死ぬって思ったら、「今は我慢」なんて言ってられない。
今するしかない。
今、僕がしたいこと。
今‥僕が望むこと。
やりたいこと全部、
今やらないと後悔する。
‥シークさんとキスしたい。
シークさんにもっとふれたい。
一生一緒にいて欲しいって思うけど‥その未来が見えないなら、
今
シークさんともっと一緒にいたい。
時期尚早‥とか言ってると、後悔する‥。
僕らには、思っている以上に時間が無いかもしれない。
シークさんの腕を両手で取る。
そのままベッドを跳ね起きて、シークさんの腕を引っ張って、黙って‥事務所を出る。
どこに行こう‥ってあては無かったけど、ただ、二人きりになりたかった。
シークさんは驚いた顔をしていたけど
だけど、何も言わず僕にされるがままにされてくれた。
あの場に残った皆はどんな顔をしていただろう。ちょっとそんなこと思ったけど、振り向かなかった。
シークさんも‥多分そう。
引っ張った腕を通して、そんなシークさんの些細な行動が全部伝わってくる。(振り向いたりとかしたら、きっと、腕を伝って、そういうのが分かるだろう。そういうのがなかった)
シークさんは今、どんな顔をしている?
さっきみたいに驚いた顔? ‥呆れた顔?
いっぱいいっぱいな僕は、手を引いているシークさんすら振り返らなかったけど、シークさんは僕のしたいようにしてくれた。
黙って、‥ちょっと速足で
ただ、
二人とも無言で、あてもなく歩いた。
相変わらず、前を‥シークさんの腕を‥腕は途中歩き辛かったから、途中から手を引っ張ることにした‥手を引っ張りながら歩いた。
ずんずんずんずん、歩く。
事務所を出て直ぐは、開けた草原になってて、その先は、ナナフルさんが買い物に行く市場、その先は、職人の家が並んでいる街‥飾り気がない、灰色の石造りの家々が並んでいる。
道行く人が振り返る。
そりゃ、僕みたいなちっこいのが大きなシークさんを引っ張って歩いてたら、不思議に思うだろう。
何事だって思うだろう。
‥だけど、僕は歩き続けた。
職人街から向こうの、整備された石畳の道は緩やかな坂になっていて、その向こうに王都が見える。
王都が近いわけではない。ただ、王都迄ホントになだらかな坂が続いている。だから、職人街が途切れて人々が暮らす民家が立ち並ぶ住宅街、そのはずれにある小さな広場で、思わず足が止まった。
さっきまで歩いてきた道を振り返ると、まるでミニチュアみたいに街全体が見えた。
なだらかな坂でも、ここが坂の上だってことに変わらないってことだ。
すこしずつすこしずつ上って、坂の上に来た。(坂の上と言っても、王城を坂の頂上とするのなら、ここは坂の中腹だろう。
きっと王都のお城のてっぺんから見下ろしたら、この国全体が、まるでジオラマみたいに見えるんだろう。
「いい眺めだろ」
シークさんが隣に来て、一緒に街を見降ろした。
僕は無言で頷いた。
さあ、っと拭いた風が、ちょっと汗ばんだ肌に気持ちいい。
僕は、シークさんの声に振り向かずに頷いた。
ふわりとシークさんが微笑んだ気配がして、肩の力がふっと抜けた。
‥そういえば、ここ、シークさんと初めて一緒に泊まった宿屋があるあたりだ。
ここからは見えないけど、ギルドもこの近くのはずだ。
ここは、シークさんの住んでいた街だ。
僕‥気が張っててそんなことも気付かなかった。
「シークさんのお家もこの辺りにあるんですか? 」
シークさんを見上げながら聞くと、シークさんが僕を見下ろして‥僕の目を見て頷いてくれた。
‥やっぱり、(ザッカさんたちのように)視線をちょっと降ろしたら目が合うって感じじゃない。‥それはちょっと不満だったけど、下から見上げるシークさんの薄い青の瞳が優しくって綺麗で、僕はたまらずシークさんに抱き着いた。
「‥行ってみたいです。シークさんのお家に‥。‥ダメですか? 」
シークさんに抱き着いたまま‥っていうかしがみついたまま聞く。
シークさんは僕の背中に手をそっと添えて、抱きしめ返してくれた。
いいよ、ともダメだ、ともシークさんは言わなかった。
僕を宥めるみたいにゆっくり背中を撫ぜると、腕の中にいた僕をそっと離す。
優しく微笑んで僕の手をとると、ゆっくり歩き始めた。
「シークさん? 」
シークさんはさっき登ってきた道を、更に登っていく。
もと来た道‥事務所に帰るのとは反対の道。
今度はシークさんに手を引かれて黙って歩く。
シークさんの大きな、硬い手。
さっき引っ張った時は、指先を手の甲側から持った。
今は、シークさんの分厚い手のひらに包み込まれるみたいに握られている。
‥そういえば、こうやって‥手を握ってもらって歩くのって初めてだ。
握ってもらってるっていっても、手指を絡ませる、いわゆる恋人繋ぎなんかじゃない。
普通に、手を繋いでいるだけだ。
ムードも何もない‥恋人の扱いに不慣れな不器用な仕草。
それが、逆にシークさんらしくって嬉しい。
シークさんはそのまま、小さな石造りの一軒家の前で止まった。
小さな‥っていっても、単身者や若い夫婦が住むには一般的な大きさの家だ。
僕の生まれ育った家は家族向けだったから少し大きかったんだけど、母さんと父さんが結婚したばかりの頃に住んでいた家を昔教えてもらったことがあったが、ちょうどこれと同じくらいの大きさだった。
周りには同じ大きさの家が何軒も並んでいる。真四角の‥ぱっと見は、全く同じの正方形の箱が何個も集まった様な光景だ。だけど、それぞれ、家の軒に洗濯物が干してあったり鉢植えの花が置いてあったりと一軒一軒がちがうんだ。同じように見えて、(当たり前だけど)皆ちがう生活をしている。
冒険者であるシークさんは家に帰ってくることが少ないから、家に生活感がない。空き家じゃない印が扉についているだけだ。(← 表札みたいなもの)
「久し振りに帰って来たから埃が溜まっていると思うけど、‥入っていく? 」
扉に鍵をさしながら、僕を振り向かないでシークさんが言った。
後ろから見える耳が赤い。
僕はそれだけでなんだか、ふんわりしてしまった。
「うん! 」
二人きりになりたい‥とか下心なんてその時はすっかり忘れて、ただ、シークさんの家に入れることが僕にとってすっごく嬉しかった。
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