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55.キノコと肉
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「コリン? 何か分かったか? 」
辺りを調べていたザッカがコリンを振り返る。
「何かとは」
しゃがんで土を調べていたコリンが、顔を上げてザッカを見る、
‥今、邪魔しないで欲しいんだけど‥って感じで。
と、
「え? 」
ザッカの、驚いた顔を見て、‥一瞬でコリンの顔から血の気が引いた。
「‥すみませんっ!。ちょっと真剣に調べていたものですから、ほんとに‥すみません‥っ! 」
それこそ土下座しそうな勢いで平謝りする。
夢中になっているとき、コリンはよく周りが見えなくなると学生時代から同級生に注意されてきたが、さすがに先生にそんな態度をとったことはなかったから、特に気にしてこなかった。なのに‥まさか、社会人になって上司にそれをやってしまうとは‥。
もう、冷や汗で背中が冷たい位だ。
ザッカは慌てまくるコリンに苦笑して
「‥そうか。こっちこそ、急に声を掛けて悪かった。随分真剣に調べていたものな。‥それで、何が分かったか? 」
落ち着いた口調で改めて聞き直した。
コリンは一度深呼吸すると小さく頷いて、立ち上がると、ザッカの顔を見て
「ここに、もう、以前の様な「特別な力」はないようです。ただの、森です。恐らくキノコも通常通り一年に一度、季節にしか生えることはないでしょう。‥もっとも、僕はキノコの季節が一体いつなのかはわかりませんが」
はっきりとした口調で報告をはじめた。
ただ、ちょっと本調子じゃないらしく、‥報告の優先順位がちょっとおかしい。
‥キノコ、そんなに重要じゃない。
「特別な力‥。以前はやはりあったということか‥。それは確実なのか? 」
それを(←キノコじゃねえだろってこと)、わざわざ言わないことが取材の鉄則。基本は、「しゃべりたいように喋らせる」だ。
コリンが首を振る。
「だけど、‥状況的にそういう感じだと。あとは‥特別な力は木に宿っていたというより、この場所に溜まっていた‥という感じですね。それを植物が吸い上げてそれを養分に育っていたのだと考えられます」
木に宿っていたのだったら、「ここで新しいもの(= 魔薬)」を栽培しても、その成長に関係はない。だけど、土地に溜まっているのだったら、ここで新しいものを育てたら、効果が出る。
「成程ね‥。特別な力‥というのは、水の様な形だったということか? 」
ザッカの質問に、コリンが首を振る。
「多分、魔素だと。それが空気中ではなく、土中に溶けていた‥と考えられます」
空気中に魔素が漂っていたなら、‥もしかしたら自分でもあの時気付いたかもしれない。だけど、今回、魔素は土中に溶けていた。わざわざ、土に触れるようなことでもない限り、気付かなかっただろう。
「ここにいた魔物に魔素が多く含まれていたのは、ここに生えた植物を食べた草食の小動物を直接、もしくは草食の動物を食べた中型の動物を食べたことによって摂取されていたのだと思われます。‥これも、「そう言われてみれば‥」なのですが、ここの魔物には魔素が多かった気がします」
‥ホントに、「そういえば」なんだけどね。普段から魔力量が多いから、そういうの気付きにくい。アンバーはどうだったんだろ、あいつもそこそこ多いから気付かなかった‥って感じかな?
「魔物、食べるの? 」
ちょっと驚いた顔のザッカを見て、「ああ、そうだった」って気付く。
街の人は、家畜を食べる。魔物は食べない。
そう言えばそうだったな、って。
「ええ。魔術士はわざわざギルドに依頼して買いますよ。魔物を食べれば魔素を得られますからね。あと、冒険者にとっては普通に食料ですよ」
コリンの説明に、冒険者のシークも頷く。
「‥そうなのか‥」
‥そうだよな‥。驚くよな‥。確かに、グロイ感じするよな‥。
魔物は‥食べ物って思わないわな‥。
「今は、さっき土を調べて分かったんですが、ここの土中の魔素はそう多くないようです。だから、魔物にとって魅力がなくなったんでしょう。魔物はここにはいないようです」
コリンは改めて周りを、耳を澄ますような仕草で「鑑定」して、もう一度大きく頷いた。
「うん、いないです」
「いないな」
シークも頷く。
殺気が感じられないんだろう。
「ふうん‥」
ザッカが感心したように、息を吐いた。
魔素が無い獲物より、あるもの方が魔物には魅力がある。
(以前)
魔素を養分に育った植物の成長が促進され、食料(植物)が増える→ それを食べる草食の小動物が増える →それを食べる中型の肉食動物が増える →魔物が集まる
(今の状態)
土中の魔素の含有量大幅減→ その植物を小動物が食べる(植物の量がこれから減っていくだろうから、そのうち小動物の量にも関係してくるだろう)小動物中の魔素大幅減→ 中型の肉食動物が小動物を捕食(これから小動物の量が減っていくだろうから、それに伴い中動物数も減っていくだろう)中動物中の魔素大幅減→ 魔物にとって魅力が減る。(そして、今現在いない)
「そのことを、悪の組織はもう分かっているのか? 」
「あっちには魔術士が沢山いるのでしょう? 分からないはずはないです。あちらも、この森がもうなんの魅力もないことは分かっているでしょう」
ザッカの質問に、コリンが小さく頷いてから答える。
村人に告げるのは‥気が重いけど。
‥いいや。騎士たちが踏み荒らしたからってことにしておこう。ここの(中央の騎士団ではない)騎士団、なんか悪の組織に金を握らされてるっぽいし。村人の評判も悪そうだし。
‥でも、ま、きっと僅かばかりだろうし、何の事情も聞かされてないんだろうな。なんか、哀れ。
コリンがもののあわれをしんみり感じていると、ザッカが
「以前の森のことは分かった。特別な力についても、理解した。‥それで、特別な力がなくなった理由はわかったりするのか? 」
メモを取る手を、ちょっと止めて、メモから顔を上げる。
‥ああ、それ聞きますか。‥別にいいじゃあないですか。聞いたからって現状は変わんないですよ。
「‥こ‥今回僕たちが荒らしたことが原因かと‥ホントに、それについては本当に申し訳ない限りです」
あ、ちょっとかんじゃった‥。
でも、うん。まあ‥間違いじゃない。
‥今ここで、アンバー一人を悪者にする程僕は悪人じゃない‥。
まあ、実際に僕も悪かったしね。(ちょっと暴れ過ぎた! )
「‥悪いことしたな‥村の人たちには。でも‥結果だけ見たら、そう悪くもない‥。どのみちあのままでも、森には入れなかったし、悪の組織が居座ることによって、何か弊害があったかもしれないしな」
ザッカが腕組みして「そうか~」と難しい顔をする。
「ええ」
コリンが控えめに頷く。
暫く三人で難しい顔をしていると、ふと、シークが
「‥悪の組織が持ち去ったとかは考えられないのか? ‥その、土だとか、植物‥木だとかを」
コリンを見て、首を傾げた。
ああ、成程、そういう考え方もあるのか。
コリンはにこりと微笑むと
「まず、ここの魔力について分かったことを。
一つ目は、ここの魔力が無限に生み出されているわけではないということ。(だから、あとは枯渇していくだけ)
以前は、それでも、毎日いくらばかりか生み出されていたようですが、それも、ここの森の植物を育てるのに困らない位‥だったみたいですね。
二つ目は、ここの魔力はよそに持ち運びが不可能なタイプの魔力だったということ。
です」
指を折りながら、説明を始めた。
ザッカが首を傾げる。
「持ち運び可能な魔力というのは、逆にあるのか? 」
コリンが頷く。
「‥言い方がちょっとおかしかったようですが‥、例えば魔道具。魔道具は、作ったところだけでしか使えないってことは勿論ないですよね? 」
これには、ザッカだけじゃなく、シークも頷く。
「魔物の肉もそうです。普通、魔物の肉は、購入したものでも魔素はある。だけど、ここの魔物肉には」
「魔素が、無いわけだな」
ザッカがその続きを引き受けた。
「ええ」
「シークさんと食べた思い出の魔物肉の残りを保存用に乾燥肉にしておいたんです。それをさっき鑑定してみたら、魔素は残っていませんでした」
‥思い出の魔物肉って‥。
「それに、ここを出ても魔素が残るっていうんだったら、ここのキノコはそういう点で有名になってる。でも、そういうこと聞いたことはない」
またキノコ。
「‥成程ねえ」
辺りを調べていたザッカがコリンを振り返る。
「何かとは」
しゃがんで土を調べていたコリンが、顔を上げてザッカを見る、
‥今、邪魔しないで欲しいんだけど‥って感じで。
と、
「え? 」
ザッカの、驚いた顔を見て、‥一瞬でコリンの顔から血の気が引いた。
「‥すみませんっ!。ちょっと真剣に調べていたものですから、ほんとに‥すみません‥っ! 」
それこそ土下座しそうな勢いで平謝りする。
夢中になっているとき、コリンはよく周りが見えなくなると学生時代から同級生に注意されてきたが、さすがに先生にそんな態度をとったことはなかったから、特に気にしてこなかった。なのに‥まさか、社会人になって上司にそれをやってしまうとは‥。
もう、冷や汗で背中が冷たい位だ。
ザッカは慌てまくるコリンに苦笑して
「‥そうか。こっちこそ、急に声を掛けて悪かった。随分真剣に調べていたものな。‥それで、何が分かったか? 」
落ち着いた口調で改めて聞き直した。
コリンは一度深呼吸すると小さく頷いて、立ち上がると、ザッカの顔を見て
「ここに、もう、以前の様な「特別な力」はないようです。ただの、森です。恐らくキノコも通常通り一年に一度、季節にしか生えることはないでしょう。‥もっとも、僕はキノコの季節が一体いつなのかはわかりませんが」
はっきりとした口調で報告をはじめた。
ただ、ちょっと本調子じゃないらしく、‥報告の優先順位がちょっとおかしい。
‥キノコ、そんなに重要じゃない。
「特別な力‥。以前はやはりあったということか‥。それは確実なのか? 」
それを(←キノコじゃねえだろってこと)、わざわざ言わないことが取材の鉄則。基本は、「しゃべりたいように喋らせる」だ。
コリンが首を振る。
「だけど、‥状況的にそういう感じだと。あとは‥特別な力は木に宿っていたというより、この場所に溜まっていた‥という感じですね。それを植物が吸い上げてそれを養分に育っていたのだと考えられます」
木に宿っていたのだったら、「ここで新しいもの(= 魔薬)」を栽培しても、その成長に関係はない。だけど、土地に溜まっているのだったら、ここで新しいものを育てたら、効果が出る。
「成程ね‥。特別な力‥というのは、水の様な形だったということか? 」
ザッカの質問に、コリンが首を振る。
「多分、魔素だと。それが空気中ではなく、土中に溶けていた‥と考えられます」
空気中に魔素が漂っていたなら、‥もしかしたら自分でもあの時気付いたかもしれない。だけど、今回、魔素は土中に溶けていた。わざわざ、土に触れるようなことでもない限り、気付かなかっただろう。
「ここにいた魔物に魔素が多く含まれていたのは、ここに生えた植物を食べた草食の小動物を直接、もしくは草食の動物を食べた中型の動物を食べたことによって摂取されていたのだと思われます。‥これも、「そう言われてみれば‥」なのですが、ここの魔物には魔素が多かった気がします」
‥ホントに、「そういえば」なんだけどね。普段から魔力量が多いから、そういうの気付きにくい。アンバーはどうだったんだろ、あいつもそこそこ多いから気付かなかった‥って感じかな?
「魔物、食べるの? 」
ちょっと驚いた顔のザッカを見て、「ああ、そうだった」って気付く。
街の人は、家畜を食べる。魔物は食べない。
そう言えばそうだったな、って。
「ええ。魔術士はわざわざギルドに依頼して買いますよ。魔物を食べれば魔素を得られますからね。あと、冒険者にとっては普通に食料ですよ」
コリンの説明に、冒険者のシークも頷く。
「‥そうなのか‥」
‥そうだよな‥。驚くよな‥。確かに、グロイ感じするよな‥。
魔物は‥食べ物って思わないわな‥。
「今は、さっき土を調べて分かったんですが、ここの土中の魔素はそう多くないようです。だから、魔物にとって魅力がなくなったんでしょう。魔物はここにはいないようです」
コリンは改めて周りを、耳を澄ますような仕草で「鑑定」して、もう一度大きく頷いた。
「うん、いないです」
「いないな」
シークも頷く。
殺気が感じられないんだろう。
「ふうん‥」
ザッカが感心したように、息を吐いた。
魔素が無い獲物より、あるもの方が魔物には魅力がある。
(以前)
魔素を養分に育った植物の成長が促進され、食料(植物)が増える→ それを食べる草食の小動物が増える →それを食べる中型の肉食動物が増える →魔物が集まる
(今の状態)
土中の魔素の含有量大幅減→ その植物を小動物が食べる(植物の量がこれから減っていくだろうから、そのうち小動物の量にも関係してくるだろう)小動物中の魔素大幅減→ 中型の肉食動物が小動物を捕食(これから小動物の量が減っていくだろうから、それに伴い中動物数も減っていくだろう)中動物中の魔素大幅減→ 魔物にとって魅力が減る。(そして、今現在いない)
「そのことを、悪の組織はもう分かっているのか? 」
「あっちには魔術士が沢山いるのでしょう? 分からないはずはないです。あちらも、この森がもうなんの魅力もないことは分かっているでしょう」
ザッカの質問に、コリンが小さく頷いてから答える。
村人に告げるのは‥気が重いけど。
‥いいや。騎士たちが踏み荒らしたからってことにしておこう。ここの(中央の騎士団ではない)騎士団、なんか悪の組織に金を握らされてるっぽいし。村人の評判も悪そうだし。
‥でも、ま、きっと僅かばかりだろうし、何の事情も聞かされてないんだろうな。なんか、哀れ。
コリンがもののあわれをしんみり感じていると、ザッカが
「以前の森のことは分かった。特別な力についても、理解した。‥それで、特別な力がなくなった理由はわかったりするのか? 」
メモを取る手を、ちょっと止めて、メモから顔を上げる。
‥ああ、それ聞きますか。‥別にいいじゃあないですか。聞いたからって現状は変わんないですよ。
「‥こ‥今回僕たちが荒らしたことが原因かと‥ホントに、それについては本当に申し訳ない限りです」
あ、ちょっとかんじゃった‥。
でも、うん。まあ‥間違いじゃない。
‥今ここで、アンバー一人を悪者にする程僕は悪人じゃない‥。
まあ、実際に僕も悪かったしね。(ちょっと暴れ過ぎた! )
「‥悪いことしたな‥村の人たちには。でも‥結果だけ見たら、そう悪くもない‥。どのみちあのままでも、森には入れなかったし、悪の組織が居座ることによって、何か弊害があったかもしれないしな」
ザッカが腕組みして「そうか~」と難しい顔をする。
「ええ」
コリンが控えめに頷く。
暫く三人で難しい顔をしていると、ふと、シークが
「‥悪の組織が持ち去ったとかは考えられないのか? ‥その、土だとか、植物‥木だとかを」
コリンを見て、首を傾げた。
ああ、成程、そういう考え方もあるのか。
コリンはにこりと微笑むと
「まず、ここの魔力について分かったことを。
一つ目は、ここの魔力が無限に生み出されているわけではないということ。(だから、あとは枯渇していくだけ)
以前は、それでも、毎日いくらばかりか生み出されていたようですが、それも、ここの森の植物を育てるのに困らない位‥だったみたいですね。
二つ目は、ここの魔力はよそに持ち運びが不可能なタイプの魔力だったということ。
です」
指を折りながら、説明を始めた。
ザッカが首を傾げる。
「持ち運び可能な魔力というのは、逆にあるのか? 」
コリンが頷く。
「‥言い方がちょっとおかしかったようですが‥、例えば魔道具。魔道具は、作ったところだけでしか使えないってことは勿論ないですよね? 」
これには、ザッカだけじゃなく、シークも頷く。
「魔物の肉もそうです。普通、魔物の肉は、購入したものでも魔素はある。だけど、ここの魔物肉には」
「魔素が、無いわけだな」
ザッカがその続きを引き受けた。
「ええ」
「シークさんと食べた思い出の魔物肉の残りを保存用に乾燥肉にしておいたんです。それをさっき鑑定してみたら、魔素は残っていませんでした」
‥思い出の魔物肉って‥。
「それに、ここを出ても魔素が残るっていうんだったら、ここのキノコはそういう点で有名になってる。でも、そういうこと聞いたことはない」
またキノコ。
「‥成程ねえ」
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