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48.はっきりさせたい。
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「あの森を見に行く必要性があるな」
の、発言から1時間も経ってない。
コリンは、いつものローブを着て事務所を出た。
取るものもとりあえず、思い立ったら即‥って感じだ。
「まず、現場の聞き込みだ」
と言ったコリンの表情は、凛々しくって、まさか
「アンバーが特級魔法を一発取得できたのか、はたまたA級程度の魔法だったのか、それが問題だ」
なんて馬鹿みたいなことを気にしている、なんて傍からは分からないだろう。
でも、僕の精神衛生の為には、この確認は重要なんだ!
現場は、もう騎士団による現場検証が終わっていて、今では入り口の方だけだけど、立ち入りが許可されている様だ。
まだ、魔物がいるかもしれない、と騎士団は森の出入りを渋ったんだけど、
「そんなんじゃ、生活できない! 」
って森周辺の住民の反対が多かったんだ。
「せめて、入り口辺りでいいからキノコの採取をさせてくれ! 」
ってわけで、今では森の入り口に限り、立ち入りが許可されているのだ。
森の奥に向かう獣道の入り口に、見張りの兵士が二人立っているらしい。
「悪の組織側の兵士かな? 」
コリンがこそ、とザッカに囁くと、ザッカは「どうだろうな」と首を傾げた。
悪の組織側は、あんだけコリンたちが派手に暴れたんだから、もう撤退しただろうとは思う。だけど、念のために、見張っているのかもしれないし、正規の騎士団が普通に「安全が確認されるまでは」見張っているのかもしれない。
‥どっちか、ってのを見極めるのは難しいな。
悪とそうじゃない方で、服の色が違う‥とかだったら、分かりやすいのにな~。
なんて冗談みたいなこと思いながら、コリンたちは周辺の住民に聞き込みを始めた。
「この頃は、なんか変わったことありますか? 」
聞き込みは、ナナフルだ。
世間話のついでにそれとなく聞いている。
「ないぜ? 以前と違うっていえば、時々、トレジャーハンターが襲われた商人の荷物が見つからないか、って森にはいろうとして見張りの兵士に止められたりしてるくらいかな~」
住民は、美人なナナフルに話しかけられて、もうぽ~ってなって、聞かれてないことまでペラペラしゃべっている。ナナフルとは別に、ナナフルが目に入る様なところに立っているザッカ(ザッカは目つきが悪いから威圧感があるからね)は、表面上は無表情だけど、心中は穏やかじゃないだろう。
ザッカは、心配性で、ヤキモチ焼きだから。
「商人の荷物? 以前襲われたっていう? あの時、現場から商人の行方だけじゃなく、荷物も消えたってことですか? 」
ナナフルが首を傾げると、
「そうだよ! 空の荷馬車だけが見つかったんだよ! 」
え~それじゃ、魔物に襲われたんじゃなくって、盗賊に襲われたって思わない?
ローブを着た怪しい子供(身長が低いコリンは、子供に良く間違われる)が首を傾げると、ナナフルがそれに頷いた。
「荷物が無くなってたってことは‥盗賊の犯行だったんですか? 」
中型の魔物って聞いてたけど、‥違ったかな?
って確認してみる。
「いいや? 盗賊はないだろう。というのも、商人の荷物は、生ものだった。野菜だとか、苗って言ってたな。盗賊はそんなもの盗まないだろう。転売できないしな。
もっとも、腹を空かせてたのかもしれないが」
「それに、現場が‥あれは、人の仕業じゃなかったな。荷台がバキバキに壊されてた」
「馬も食われてたしな」
「それこそ、一撃で仕留められて。肉を食い破った‥って感じだった。ありゃ、人の仕業じゃない」
わらわらと
人が増えている。
生もの。苗。
例の魔薬の苗かな。
魔物の襲撃に見せかけるため、現場をつくったって感じかな。
魔物をホントに使ったのかもしれないな。
ナナフルが聞き込みの結果わかったことを記憶しながら、考察している間、
「え? じゃあ、キノコは生えてないんですか? 」
コリンは、他の住民に、キノコのことを聞いて回っていた。
「摸倣」だったら‥真似したところに生えている分のキノコも摸倣されるはずだ。‥生えていないことはあるまい‥。
つまり、摸倣ってコピペみたいなもんで、無事な部分の森をコピーして、無事じゃなくなったところに張り付ける(ペーストする)って感じかな。
だから、コピー元の部分にキノコがあれば、ペースト先にも同じキノコがあるだろう‥ってわけ。
「ああ。森の中には入れないけど、見ただけで、以前とは違うって分かる。生えてる木からして違う」
住民が頷く。
‥生えてる木が違う?
「生えてる木‥、そこに元々生えていた木じゃないってこと? その周りに生えてる木と同じってこと? 」
つまり、摸倣か!
再生じゃないってことが分かったな!
以前と違うって言ってたもんね。
機嫌が良くなって、ちょっとテンションが上がりそうになるのを、ぐっとこらえてコリンは尋ねた。
「違うな~。あからさまに違ったから、「あれ? 」って違和感があったんだからな~」
‥あからさまに違う?
フードの下のコリンは、眉をひそめた。
「そうそう。こんな木あったか? って」
「あ。それ、俺も思った」
別の住民が話に加わる。
「だけど、あんな木が大きくなったら、パインの木が影になって枯れちまう。さっさと切っちまわないと‥」
「それで、森の中に入れてくれって頼んでんだけどなあ」
「森の木も手入れしたいしな」
あんな木が大きくなったら、パインの木が影になって枯れる?
「え? ちょっと、整理したいんだけど、そのあからさまに違う木は、珍しい木なの? 」
「いいや? 良く生えてる木だよ。パインの木とよーいドンで、一緒に生えて来るような木で、パインの木の成長の方が速いから、影になって、普通だったらそう大きくなれないような木なんだ」
つまり、パインの木と(どんな木か知らないけど)その木は両方とも森に元々あった木‥どこかから来たわけではない。
しかも、普通は影になって大きくなれない木‥。
「だけど、あのパインの大木が無事でよかった」
「ああ、あの木まで巻き込まれてたら、アウトだったな」
どうやら、今回の破壊にパインの木の大木は巻き込まれていなかったらしい。
やらなきゃやられてたから、仕方が無かったからとは言え、考えなく派手にやってしまった自分が情けない。
ちょっとまてよ‥
普通にはえてくる木‥
そこだけ、普通より早く成長して、普通だったら影になって大きくなれないのに、大きくなって、反対にパインの木の影になりそう‥。
土属性の魔法の「成長促進」か!?
く‥‥
「負けた‥」
コリンは思わずその場に座り込んだ。
‥レベル云々っていうより、アンバー‥
火属性と闇属性だけじゃなかったのか‥。土属性まで‥。
三つとかって、ズルい。
しかも、「こうしたい」ってイメージだけで出来ちゃうとか‥凄すぎる。ズルい。
「う‥」
じわっと悔し涙を浮かべてコリンは俯いた。
「どうした? なにに負けたんだ? 」
アンバーがオロオロしながら、コリンの肩を抱く。
落ち込んでる原因、張本人に慰められる‥。追い打ちだ‥。
アンバーは、‥全然悪くない。悪くはないが、憎い‥。
無自覚な‥生まれながらの天才‥。
この天才が、心から腐ったやつじゃなくって良かった。もしそうだったら、その力が悪い奴に悪用されてたのは、火を見るよりも明らかだ。まさに、天変地異級の災難を巻き起こすこと間違いなし、だ。
そうなる前に、僕が全力で(アンバーが無自覚なうちに)倒しておかないといけないところだった。一般人の僕にそこまでの責任は誰も課さないだろうが、‥悪をみすみす野放しにするのは僕の良心が咎める。
僕はそれ位の力はあるし、‥何ていってもちゃんと独学じゃなく! 勉強して来た。誰よりも勉強して来た。
僕なら出来る。僕なら、例えアンバーが天才だろうと、無自覚で訓練不足な相手に負けはしない。
そう思ったら、アンバーが今生きてるのって、僕がアンバーのこと「そんな悪い奴じゃない」って、認めてるからであって‥、つまり、アンバーは僕のお陰で生きてるってこと‥
そう思ったら、憎くもなんともないや!
僕のお陰で生きてるんだもんな。(← ヤバい妄想をすることでこころの安定を図る、やけに負けず嫌いなコリン)
無自覚な‥。可能性未知数の天才‥。
試してないだけで、もしかしたら他の属性の魔法も使えるかもしれない。この男‥どこまで恵まれてるんだ。才能あり過ぎだろ。天才って奴は‥。しかも、悪の色気過多のダークネスにーちゃんの癖に、成長促進とかいい奴な感じの魔法使えるとか、ズルい。
僕なんて、氷と雷‥どっちも破壊系だ。氷結させたり、雷でドーンで焼き畑農法‥。‥いい奴な感じは‥でないな。
待てよ‥成長促進‥アンバーがこの魔法使えるって敵側に知れたらヤバいんじゃない? 魔薬の成長促進して、栽培期間の短縮とかはかれちゃうぞ?
しかも、普通より、アンバーのレベルは上だ。
一瞬で(この森)成長促進しちゃったもんな‥!
錬金術的な「摸倣」と違って、成長促進は「既にあるもの」の成長を促進するだけの魔法だ。だけど、育てるものがある場合だたら、別に問題はない。
摸倣で増やし続ける‥って手もあるだろうが、効果の検証をしてみないと、「成分」まで摸倣できてるかどうか分からないもんな‥。
アンバーが敵側に拉致られたら、ヤバい理由が増えたな‥。さっさと、この場から離れて、アンバーをそれこそ監禁しないとな‥。
僕のしょうもない嫉妬とか‥人類レベルの危機の前ではほんの小さな出来事だもんな。
いや、でも、分からない。全部これは憶測だ。摸倣でも、再生でも、成長促進でもないかもしれない。幻影かもしれない。とにかく、先ずは現状の把握だ。現場を自分で見ない事には、確証できない。アンバーをただの勘違いで嫉妬したり、監禁しようとしたり、そういうのはいけない。
住民に一緒に来てもらったら一番いいんだけど、魔法も使えない一般人を巻き込むわけにはいかない。だから、僕が全部見ないといけない。
見に行く前に知っていないといけないことを、教わっておかないと‥。
まず、パインの木がどれか。
キノコはどんなところにはえるものなのか。
なぜ、住民は森の中に入っていないのに、キノコはないっていったのか、ってつまりそういうことなんだよね? キノコが生えるのに関係のある木が生えていないから‥とかそういうことなんだよね? もしくは森が明るすぎる‥とかそういったことなんだよね?
一応‥
「パインの木ってどの木ですか? キノコがはえるのにその木が関係あるんですか? キノコって普通どういうところに生えるんですか? 」
これは聞いておきたい。
ちょっと、噛みつきそうな勢いで聞いてしまった自覚はある。
だって、‥気が焦る。
住民はそんな僕の様子に驚き、そしてアンバーに向かって苦笑いすると
「あんちゃんの弟か? 勉強熱心なんだな、小さいのに」
って言った。
‥苦笑い!!
き~!! ってこころの中で盛大に悔しがってる僕に反して、アンバーはちょっと驚いた顔を住民に向けた後、ふわっと微笑んだ。
まさに「微笑み」今まで、見たことがない程、晴れ晴れとした、明るい笑顔‥。
そして、
「そうなんですよ~。こうして暴走するから、僕らもいつもハラハラしてるんですよ」
って言ったんだ。
‥ハラハラさせて悪かったな。だけど、それは僕のせいじゃないかもよ。それは、動悸息切れっていって、心臓病の一種じゃないかな!?
の、発言から1時間も経ってない。
コリンは、いつものローブを着て事務所を出た。
取るものもとりあえず、思い立ったら即‥って感じだ。
「まず、現場の聞き込みだ」
と言ったコリンの表情は、凛々しくって、まさか
「アンバーが特級魔法を一発取得できたのか、はたまたA級程度の魔法だったのか、それが問題だ」
なんて馬鹿みたいなことを気にしている、なんて傍からは分からないだろう。
でも、僕の精神衛生の為には、この確認は重要なんだ!
現場は、もう騎士団による現場検証が終わっていて、今では入り口の方だけだけど、立ち入りが許可されている様だ。
まだ、魔物がいるかもしれない、と騎士団は森の出入りを渋ったんだけど、
「そんなんじゃ、生活できない! 」
って森周辺の住民の反対が多かったんだ。
「せめて、入り口辺りでいいからキノコの採取をさせてくれ! 」
ってわけで、今では森の入り口に限り、立ち入りが許可されているのだ。
森の奥に向かう獣道の入り口に、見張りの兵士が二人立っているらしい。
「悪の組織側の兵士かな? 」
コリンがこそ、とザッカに囁くと、ザッカは「どうだろうな」と首を傾げた。
悪の組織側は、あんだけコリンたちが派手に暴れたんだから、もう撤退しただろうとは思う。だけど、念のために、見張っているのかもしれないし、正規の騎士団が普通に「安全が確認されるまでは」見張っているのかもしれない。
‥どっちか、ってのを見極めるのは難しいな。
悪とそうじゃない方で、服の色が違う‥とかだったら、分かりやすいのにな~。
なんて冗談みたいなこと思いながら、コリンたちは周辺の住民に聞き込みを始めた。
「この頃は、なんか変わったことありますか? 」
聞き込みは、ナナフルだ。
世間話のついでにそれとなく聞いている。
「ないぜ? 以前と違うっていえば、時々、トレジャーハンターが襲われた商人の荷物が見つからないか、って森にはいろうとして見張りの兵士に止められたりしてるくらいかな~」
住民は、美人なナナフルに話しかけられて、もうぽ~ってなって、聞かれてないことまでペラペラしゃべっている。ナナフルとは別に、ナナフルが目に入る様なところに立っているザッカ(ザッカは目つきが悪いから威圧感があるからね)は、表面上は無表情だけど、心中は穏やかじゃないだろう。
ザッカは、心配性で、ヤキモチ焼きだから。
「商人の荷物? 以前襲われたっていう? あの時、現場から商人の行方だけじゃなく、荷物も消えたってことですか? 」
ナナフルが首を傾げると、
「そうだよ! 空の荷馬車だけが見つかったんだよ! 」
え~それじゃ、魔物に襲われたんじゃなくって、盗賊に襲われたって思わない?
ローブを着た怪しい子供(身長が低いコリンは、子供に良く間違われる)が首を傾げると、ナナフルがそれに頷いた。
「荷物が無くなってたってことは‥盗賊の犯行だったんですか? 」
中型の魔物って聞いてたけど、‥違ったかな?
って確認してみる。
「いいや? 盗賊はないだろう。というのも、商人の荷物は、生ものだった。野菜だとか、苗って言ってたな。盗賊はそんなもの盗まないだろう。転売できないしな。
もっとも、腹を空かせてたのかもしれないが」
「それに、現場が‥あれは、人の仕業じゃなかったな。荷台がバキバキに壊されてた」
「馬も食われてたしな」
「それこそ、一撃で仕留められて。肉を食い破った‥って感じだった。ありゃ、人の仕業じゃない」
わらわらと
人が増えている。
生もの。苗。
例の魔薬の苗かな。
魔物の襲撃に見せかけるため、現場をつくったって感じかな。
魔物をホントに使ったのかもしれないな。
ナナフルが聞き込みの結果わかったことを記憶しながら、考察している間、
「え? じゃあ、キノコは生えてないんですか? 」
コリンは、他の住民に、キノコのことを聞いて回っていた。
「摸倣」だったら‥真似したところに生えている分のキノコも摸倣されるはずだ。‥生えていないことはあるまい‥。
つまり、摸倣ってコピペみたいなもんで、無事な部分の森をコピーして、無事じゃなくなったところに張り付ける(ペーストする)って感じかな。
だから、コピー元の部分にキノコがあれば、ペースト先にも同じキノコがあるだろう‥ってわけ。
「ああ。森の中には入れないけど、見ただけで、以前とは違うって分かる。生えてる木からして違う」
住民が頷く。
‥生えてる木が違う?
「生えてる木‥、そこに元々生えていた木じゃないってこと? その周りに生えてる木と同じってこと? 」
つまり、摸倣か!
再生じゃないってことが分かったな!
以前と違うって言ってたもんね。
機嫌が良くなって、ちょっとテンションが上がりそうになるのを、ぐっとこらえてコリンは尋ねた。
「違うな~。あからさまに違ったから、「あれ? 」って違和感があったんだからな~」
‥あからさまに違う?
フードの下のコリンは、眉をひそめた。
「そうそう。こんな木あったか? って」
「あ。それ、俺も思った」
別の住民が話に加わる。
「だけど、あんな木が大きくなったら、パインの木が影になって枯れちまう。さっさと切っちまわないと‥」
「それで、森の中に入れてくれって頼んでんだけどなあ」
「森の木も手入れしたいしな」
あんな木が大きくなったら、パインの木が影になって枯れる?
「え? ちょっと、整理したいんだけど、そのあからさまに違う木は、珍しい木なの? 」
「いいや? 良く生えてる木だよ。パインの木とよーいドンで、一緒に生えて来るような木で、パインの木の成長の方が速いから、影になって、普通だったらそう大きくなれないような木なんだ」
つまり、パインの木と(どんな木か知らないけど)その木は両方とも森に元々あった木‥どこかから来たわけではない。
しかも、普通は影になって大きくなれない木‥。
「だけど、あのパインの大木が無事でよかった」
「ああ、あの木まで巻き込まれてたら、アウトだったな」
どうやら、今回の破壊にパインの木の大木は巻き込まれていなかったらしい。
やらなきゃやられてたから、仕方が無かったからとは言え、考えなく派手にやってしまった自分が情けない。
ちょっとまてよ‥
普通にはえてくる木‥
そこだけ、普通より早く成長して、普通だったら影になって大きくなれないのに、大きくなって、反対にパインの木の影になりそう‥。
土属性の魔法の「成長促進」か!?
く‥‥
「負けた‥」
コリンは思わずその場に座り込んだ。
‥レベル云々っていうより、アンバー‥
火属性と闇属性だけじゃなかったのか‥。土属性まで‥。
三つとかって、ズルい。
しかも、「こうしたい」ってイメージだけで出来ちゃうとか‥凄すぎる。ズルい。
「う‥」
じわっと悔し涙を浮かべてコリンは俯いた。
「どうした? なにに負けたんだ? 」
アンバーがオロオロしながら、コリンの肩を抱く。
落ち込んでる原因、張本人に慰められる‥。追い打ちだ‥。
アンバーは、‥全然悪くない。悪くはないが、憎い‥。
無自覚な‥生まれながらの天才‥。
この天才が、心から腐ったやつじゃなくって良かった。もしそうだったら、その力が悪い奴に悪用されてたのは、火を見るよりも明らかだ。まさに、天変地異級の災難を巻き起こすこと間違いなし、だ。
そうなる前に、僕が全力で(アンバーが無自覚なうちに)倒しておかないといけないところだった。一般人の僕にそこまでの責任は誰も課さないだろうが、‥悪をみすみす野放しにするのは僕の良心が咎める。
僕はそれ位の力はあるし、‥何ていってもちゃんと独学じゃなく! 勉強して来た。誰よりも勉強して来た。
僕なら出来る。僕なら、例えアンバーが天才だろうと、無自覚で訓練不足な相手に負けはしない。
そう思ったら、アンバーが今生きてるのって、僕がアンバーのこと「そんな悪い奴じゃない」って、認めてるからであって‥、つまり、アンバーは僕のお陰で生きてるってこと‥
そう思ったら、憎くもなんともないや!
僕のお陰で生きてるんだもんな。(← ヤバい妄想をすることでこころの安定を図る、やけに負けず嫌いなコリン)
無自覚な‥。可能性未知数の天才‥。
試してないだけで、もしかしたら他の属性の魔法も使えるかもしれない。この男‥どこまで恵まれてるんだ。才能あり過ぎだろ。天才って奴は‥。しかも、悪の色気過多のダークネスにーちゃんの癖に、成長促進とかいい奴な感じの魔法使えるとか、ズルい。
僕なんて、氷と雷‥どっちも破壊系だ。氷結させたり、雷でドーンで焼き畑農法‥。‥いい奴な感じは‥でないな。
待てよ‥成長促進‥アンバーがこの魔法使えるって敵側に知れたらヤバいんじゃない? 魔薬の成長促進して、栽培期間の短縮とかはかれちゃうぞ?
しかも、普通より、アンバーのレベルは上だ。
一瞬で(この森)成長促進しちゃったもんな‥!
錬金術的な「摸倣」と違って、成長促進は「既にあるもの」の成長を促進するだけの魔法だ。だけど、育てるものがある場合だたら、別に問題はない。
摸倣で増やし続ける‥って手もあるだろうが、効果の検証をしてみないと、「成分」まで摸倣できてるかどうか分からないもんな‥。
アンバーが敵側に拉致られたら、ヤバい理由が増えたな‥。さっさと、この場から離れて、アンバーをそれこそ監禁しないとな‥。
僕のしょうもない嫉妬とか‥人類レベルの危機の前ではほんの小さな出来事だもんな。
いや、でも、分からない。全部これは憶測だ。摸倣でも、再生でも、成長促進でもないかもしれない。幻影かもしれない。とにかく、先ずは現状の把握だ。現場を自分で見ない事には、確証できない。アンバーをただの勘違いで嫉妬したり、監禁しようとしたり、そういうのはいけない。
住民に一緒に来てもらったら一番いいんだけど、魔法も使えない一般人を巻き込むわけにはいかない。だから、僕が全部見ないといけない。
見に行く前に知っていないといけないことを、教わっておかないと‥。
まず、パインの木がどれか。
キノコはどんなところにはえるものなのか。
なぜ、住民は森の中に入っていないのに、キノコはないっていったのか、ってつまりそういうことなんだよね? キノコが生えるのに関係のある木が生えていないから‥とかそういうことなんだよね? もしくは森が明るすぎる‥とかそういったことなんだよね?
一応‥
「パインの木ってどの木ですか? キノコがはえるのにその木が関係あるんですか? キノコって普通どういうところに生えるんですか? 」
これは聞いておきたい。
ちょっと、噛みつきそうな勢いで聞いてしまった自覚はある。
だって、‥気が焦る。
住民はそんな僕の様子に驚き、そしてアンバーに向かって苦笑いすると
「あんちゃんの弟か? 勉強熱心なんだな、小さいのに」
って言った。
‥苦笑い!!
き~!! ってこころの中で盛大に悔しがってる僕に反して、アンバーはちょっと驚いた顔を住民に向けた後、ふわっと微笑んだ。
まさに「微笑み」今まで、見たことがない程、晴れ晴れとした、明るい笑顔‥。
そして、
「そうなんですよ~。こうして暴走するから、僕らもいつもハラハラしてるんですよ」
って言ったんだ。
‥ハラハラさせて悪かったな。だけど、それは僕のせいじゃないかもよ。それは、動悸息切れっていって、心臓病の一種じゃないかな!?
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