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43.洗脳
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洗脳‥というのは、かなり広範囲の意味を持つ。
普通問題にされるのは、自分の意思とは違う感情を他者によって植え付けられる、恐ろしい‥非人道的で卑劣な闇魔術であるが、そこまでいかなくとも‥たとえば、魅了も‥洗脳の一つだ。
つまり、洗脳‥という概念は、闇魔法にも光魔法にもあるってことだ。
確かに、布教ってのも‥洗脳っぽい。
布教‥、宣教されて、信者になる。
それって、自分の意志だ。
だけど、‥自分の意志と、洗脳の境目って分からない。
傍から見たら、洗脳されてるって「わかる」こともある。
自分で選んだ‥って思うから、意志だって思っているに過ぎない‥。
‥自分が正しいって疑わない‥。
長い間時間をかけて‥それこそ‥「洗脳される側」が習慣や常識と感じる位長い時間かけて‥洗脳されるってこともある。
例えば‥監禁されたような閉鎖的な状態では、そこが「洗脳される側」にとって総てになるし、‥子供だと、他と比べるってことがないから、それが次第に習慣になって、おかしいとも思わなくなる。
さらに、第三者もいなければ、そのおかしさは誰からも指摘されない。
隠れ里で育ってきたアンバーもそうだ。
自分を育てている魔術士は、かって両親を殺害した憎い敵で、その魔術士を信用したり、親だと慕うことはないだろう。
ひねくれて育った子供は、自分で考え、自立をする為に行動する。
彼は誰にも甘えないだろう。
誰も信じないだろう。
信じるのは‥自分だけだって思うだろう。
そう、「自分で」考えて行動するだろう。それは、人から影響を受けてきたわけではない‥。
そう‥思い込むだろう。
だけど、それこそ、100人が100人同じことを考えるはずが‥そもそもないんだ。
目の前で親を殺されて‥心を閉ざしてしまい‥泣いて暮らす子供だっているだろう。
‥普通に、一緒に暮らしている内に、育ての親‥例えそれが親の仇だとしてもだ‥に何となく懐いていく子供だって‥いないとはいえない。
逆に、攻撃型魔術士だって、一緒に暮らしている内に、情がわくかもしれないし‥逆に、面倒になって世話をやめてしまうかもしれない。
そもそも、わざわざ殺されるって分かってて、育てるってのがおかしい。
さっさと、養育を誰かに任せて、自分はその子供には関わらない様にするだろう。
だけど、そうならない。
敵役の魔術士は、あくまでずっと敵役。魔術士に誘拐されてきた子供は、ずっと敵役として魔術士を恨み続ける。
親の仇は「非情」だけど、子供を育て、魔術を教える。
条件反射だ‥。
アンバーは、周りの子供と魔術士を見ながらそう思ったことがあった。
そこに愛も憎しみも‥それこそ何の感情もないのに、当たり前の様に繰り返される。
初め、‥魔術士は自責の念から子供を育ててるんだと思った。
でも、少なくともロングはそんなタイプにはみえなかった。
一緒に暮らして来たアンバーから見て、ロングは、‥一言で言えば、「いい加減」な男だった。
情の通った女だろうが、飽きたら平気で捨てる。
あんな男に、子供を自責の念から引き取る‥なんて考えがあるわけがない。
カッコウが、別の鳥の巣に我が子を産み落とす。
カッコウの雛は、先に孵って、元々いた鳥の卵を巣から落とす。
別の鳥は、カッコウの雛をカッコウ自分の子供として育てる。
親鳥は、雛の口の中の色を見ると、条件反射で餌をやらないといけないと思うらしい。
つまり、‥別の鳥はカッコウの雛の口の中を見て条件反射で餌をやっているに過ぎない。
そこに、愛情やなんかはない。
人間にそういう遺伝子はない。だから、それは洗脳なんだろう。
魔術士は、誰かに「そうするように」洗脳されているのだろう。
では、子供は?
子供もそうじゃないと言えるか?
‥自分は洗脳の‥呪いの類を掛けられた覚えはない。
自分は自分の意志で‥。
自分は、自分で選択して闇の属性を選んだ。
闇の属性は自分にあっていると‥考えた。
そう思って疑わなかったけれど‥。
「実際問題。闇属性や光属性は精神的な部分が大きい、‥倫理的に難しい属性だから、専門家がつかないと教えてはいけない属性だ。
裏に横行している「闇属性の先生」というのは、その厳しい論理試験にパスできなかったようなものが多いんだと思う。そもそも、表で教えないから、そういう試験があること自体知らなかったんだろう。
‥そこら辺は、今後もっと取り締まるべきだと思う」
と、ナナフルから聞かされたコリンとアンバーは目を見開いた。
「‥知らなかった。だけど‥そうだよね。闇やら光魔法は精神操作の分野が主だものね‥」
コリンは、眉を寄せて、うう‥と唸った。
誓約士は、倫理面が厳しく審査される職業である。
他人の時間を束縛する‥。
威圧による、一時的な行動制御。「制止」
例え、理由があるとはいえ、他人の行動と時間を支配する行為。
そして、
「誓約の終結」を期限とする行動の制御。
『疑いがあるから、拘束し、取り調べる』を強制的に、絶対に逆らえない形で行うことを可能にする職業。
自供の強制‥ではない。
精神的に追い詰めて、やってもいないことを自供させる‥わけではない。
だけど、‥人権が関わる以上、取り扱い厳禁で、人柄の吟味、厳選が重要となる「危険な」職業だ。
「先生になるにも、先生を受け入れるにもややこしいんだ。だから、教会や魔法学校も、闇魔法や光魔法にはそう積極的にはならない。‥コリンの教会の教会長は思い切ったと思うよ」
「‥いや、教会長は僕が闇属性を学びたいって言ったから、一緒に考えてくれたに過ぎない。別に教会長が僕に闇属性を勧めたわけじゃない‥」
そうだったと思う。
僕が自分の特性について悩んでて‥
僕が、闇属性の「威圧」をどこかから知って来て、
教会長に相談して
教会長が、誓約士について調べて来てくれた。
‥どこかからって、‥どこからだ?
僕は、何処で闇属性の魔術「威圧」を知ったんだろう。
だって、‥闇属性の先生が、あんなに見つからなかったんだぞ?
ひょんなことから、偶然知れる‥って知識じゃないぞ?
なんか‥誰かに聞いたんだよ‥
威圧の事を‥。
僕が、自発的に考えて知ったわけではなく、
僕が自発的に考えて知ったと思わされていた‥。
「誘導‥」
コリンは、気が付いたら口に出して呟いていた。
気持ちが、‥モヤモヤした。
「誘導‥」
アンバーも呟いた。
「親を殺した魔術士を殺すのは当たり前‥」
「え? 」
「俺たちは、自分の意思で‥そう考えていた。
恨みが魔術を学ぶ活力だった。
‥邪まな気持ちで魔術を学ぶと、邪まな魔術士になる。
そして、‥通過儀礼とばかりに、自分たちに総てを教え切り、もう現役ではなくなった‥まあ言うならば‥魔術士としては価値のなくなった‥親の仇である魔術師を殺す。
あれが、‥スイッチになるんだろう。
人を殺した後ろめたさと、自責の念と、でも親を殺されたんだ、あれは仇だって仇いう‥自己弁護で‥心を病んだ子供に、口利き屋はいつも優しかった。あれこれ世話を焼いて、傍について‥そうして、立ち直った子供に仕事を斡旋して‥
子供は、まるで口利き屋の「操り人形」みたいになる‥
そんな子供を見て来た。
だけど、今の今まで、俺は‥それをおかしいことだとは思わなかった。
それがそいつや‥自分の生活の全てなんだから仕方が無い。両親を殺され、悪の組織に拉致されて‥人を殺した。犯罪者である自分たちの生きる場所は、‥そこしかないんだって‥」
当たり前の様に、‥坂道を転がり落ちていく。
もう一生、自分たちは「表の世界」に戻ることは‥戻れることはない。
苦しさに、悲しさに負けない様に‥
悔しさと恨みをばねにして‥
自分のすべきこと‥
裏の世界で精一杯生きていく‥。
全部、自分の意志だって思ってた。唯一の生き方だとも‥。
でも‥
「誘導‥。洗脳‥」
‥隠れ里で俺たちは
「ずっと洗脳され続けていた‥」
あの時、
闇の魔術士から「呪い」をかけられる前からずっと‥
俺たち孤児が常識だと、自分たちの意志だ‥プライドだ‥って思って来たことが全部‥奴ら‥黒幕による長期的計画的な洗脳だった‥。
正しいこと‥
俺たちは、正しいことなんて、一生分からない。
普通問題にされるのは、自分の意思とは違う感情を他者によって植え付けられる、恐ろしい‥非人道的で卑劣な闇魔術であるが、そこまでいかなくとも‥たとえば、魅了も‥洗脳の一つだ。
つまり、洗脳‥という概念は、闇魔法にも光魔法にもあるってことだ。
確かに、布教ってのも‥洗脳っぽい。
布教‥、宣教されて、信者になる。
それって、自分の意志だ。
だけど、‥自分の意志と、洗脳の境目って分からない。
傍から見たら、洗脳されてるって「わかる」こともある。
自分で選んだ‥って思うから、意志だって思っているに過ぎない‥。
‥自分が正しいって疑わない‥。
長い間時間をかけて‥それこそ‥「洗脳される側」が習慣や常識と感じる位長い時間かけて‥洗脳されるってこともある。
例えば‥監禁されたような閉鎖的な状態では、そこが「洗脳される側」にとって総てになるし、‥子供だと、他と比べるってことがないから、それが次第に習慣になって、おかしいとも思わなくなる。
さらに、第三者もいなければ、そのおかしさは誰からも指摘されない。
隠れ里で育ってきたアンバーもそうだ。
自分を育てている魔術士は、かって両親を殺害した憎い敵で、その魔術士を信用したり、親だと慕うことはないだろう。
ひねくれて育った子供は、自分で考え、自立をする為に行動する。
彼は誰にも甘えないだろう。
誰も信じないだろう。
信じるのは‥自分だけだって思うだろう。
そう、「自分で」考えて行動するだろう。それは、人から影響を受けてきたわけではない‥。
そう‥思い込むだろう。
だけど、それこそ、100人が100人同じことを考えるはずが‥そもそもないんだ。
目の前で親を殺されて‥心を閉ざしてしまい‥泣いて暮らす子供だっているだろう。
‥普通に、一緒に暮らしている内に、育ての親‥例えそれが親の仇だとしてもだ‥に何となく懐いていく子供だって‥いないとはいえない。
逆に、攻撃型魔術士だって、一緒に暮らしている内に、情がわくかもしれないし‥逆に、面倒になって世話をやめてしまうかもしれない。
そもそも、わざわざ殺されるって分かってて、育てるってのがおかしい。
さっさと、養育を誰かに任せて、自分はその子供には関わらない様にするだろう。
だけど、そうならない。
敵役の魔術士は、あくまでずっと敵役。魔術士に誘拐されてきた子供は、ずっと敵役として魔術士を恨み続ける。
親の仇は「非情」だけど、子供を育て、魔術を教える。
条件反射だ‥。
アンバーは、周りの子供と魔術士を見ながらそう思ったことがあった。
そこに愛も憎しみも‥それこそ何の感情もないのに、当たり前の様に繰り返される。
初め、‥魔術士は自責の念から子供を育ててるんだと思った。
でも、少なくともロングはそんなタイプにはみえなかった。
一緒に暮らして来たアンバーから見て、ロングは、‥一言で言えば、「いい加減」な男だった。
情の通った女だろうが、飽きたら平気で捨てる。
あんな男に、子供を自責の念から引き取る‥なんて考えがあるわけがない。
カッコウが、別の鳥の巣に我が子を産み落とす。
カッコウの雛は、先に孵って、元々いた鳥の卵を巣から落とす。
別の鳥は、カッコウの雛をカッコウ自分の子供として育てる。
親鳥は、雛の口の中の色を見ると、条件反射で餌をやらないといけないと思うらしい。
つまり、‥別の鳥はカッコウの雛の口の中を見て条件反射で餌をやっているに過ぎない。
そこに、愛情やなんかはない。
人間にそういう遺伝子はない。だから、それは洗脳なんだろう。
魔術士は、誰かに「そうするように」洗脳されているのだろう。
では、子供は?
子供もそうじゃないと言えるか?
‥自分は洗脳の‥呪いの類を掛けられた覚えはない。
自分は自分の意志で‥。
自分は、自分で選択して闇の属性を選んだ。
闇の属性は自分にあっていると‥考えた。
そう思って疑わなかったけれど‥。
「実際問題。闇属性や光属性は精神的な部分が大きい、‥倫理的に難しい属性だから、専門家がつかないと教えてはいけない属性だ。
裏に横行している「闇属性の先生」というのは、その厳しい論理試験にパスできなかったようなものが多いんだと思う。そもそも、表で教えないから、そういう試験があること自体知らなかったんだろう。
‥そこら辺は、今後もっと取り締まるべきだと思う」
と、ナナフルから聞かされたコリンとアンバーは目を見開いた。
「‥知らなかった。だけど‥そうだよね。闇やら光魔法は精神操作の分野が主だものね‥」
コリンは、眉を寄せて、うう‥と唸った。
誓約士は、倫理面が厳しく審査される職業である。
他人の時間を束縛する‥。
威圧による、一時的な行動制御。「制止」
例え、理由があるとはいえ、他人の行動と時間を支配する行為。
そして、
「誓約の終結」を期限とする行動の制御。
『疑いがあるから、拘束し、取り調べる』を強制的に、絶対に逆らえない形で行うことを可能にする職業。
自供の強制‥ではない。
精神的に追い詰めて、やってもいないことを自供させる‥わけではない。
だけど、‥人権が関わる以上、取り扱い厳禁で、人柄の吟味、厳選が重要となる「危険な」職業だ。
「先生になるにも、先生を受け入れるにもややこしいんだ。だから、教会や魔法学校も、闇魔法や光魔法にはそう積極的にはならない。‥コリンの教会の教会長は思い切ったと思うよ」
「‥いや、教会長は僕が闇属性を学びたいって言ったから、一緒に考えてくれたに過ぎない。別に教会長が僕に闇属性を勧めたわけじゃない‥」
そうだったと思う。
僕が自分の特性について悩んでて‥
僕が、闇属性の「威圧」をどこかから知って来て、
教会長に相談して
教会長が、誓約士について調べて来てくれた。
‥どこかからって、‥どこからだ?
僕は、何処で闇属性の魔術「威圧」を知ったんだろう。
だって、‥闇属性の先生が、あんなに見つからなかったんだぞ?
ひょんなことから、偶然知れる‥って知識じゃないぞ?
なんか‥誰かに聞いたんだよ‥
威圧の事を‥。
僕が、自発的に考えて知ったわけではなく、
僕が自発的に考えて知ったと思わされていた‥。
「誘導‥」
コリンは、気が付いたら口に出して呟いていた。
気持ちが、‥モヤモヤした。
「誘導‥」
アンバーも呟いた。
「親を殺した魔術士を殺すのは当たり前‥」
「え? 」
「俺たちは、自分の意思で‥そう考えていた。
恨みが魔術を学ぶ活力だった。
‥邪まな気持ちで魔術を学ぶと、邪まな魔術士になる。
そして、‥通過儀礼とばかりに、自分たちに総てを教え切り、もう現役ではなくなった‥まあ言うならば‥魔術士としては価値のなくなった‥親の仇である魔術師を殺す。
あれが、‥スイッチになるんだろう。
人を殺した後ろめたさと、自責の念と、でも親を殺されたんだ、あれは仇だって仇いう‥自己弁護で‥心を病んだ子供に、口利き屋はいつも優しかった。あれこれ世話を焼いて、傍について‥そうして、立ち直った子供に仕事を斡旋して‥
子供は、まるで口利き屋の「操り人形」みたいになる‥
そんな子供を見て来た。
だけど、今の今まで、俺は‥それをおかしいことだとは思わなかった。
それがそいつや‥自分の生活の全てなんだから仕方が無い。両親を殺され、悪の組織に拉致されて‥人を殺した。犯罪者である自分たちの生きる場所は、‥そこしかないんだって‥」
当たり前の様に、‥坂道を転がり落ちていく。
もう一生、自分たちは「表の世界」に戻ることは‥戻れることはない。
苦しさに、悲しさに負けない様に‥
悔しさと恨みをばねにして‥
自分のすべきこと‥
裏の世界で精一杯生きていく‥。
全部、自分の意志だって思ってた。唯一の生き方だとも‥。
でも‥
「誘導‥。洗脳‥」
‥隠れ里で俺たちは
「ずっと洗脳され続けていた‥」
あの時、
闇の魔術士から「呪い」をかけられる前からずっと‥
俺たち孤児が常識だと、自分たちの意志だ‥プライドだ‥って思って来たことが全部‥奴ら‥黒幕による長期的計画的な洗脳だった‥。
正しいこと‥
俺たちは、正しいことなんて、一生分からない。
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