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41.羨ましい程の環境。
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「‥つまり、羨ましい程環境が整っていたと」
コリンがボソッと呟いた。
学びたいとき、学べる環境にあるというのは、素晴らしいことだ。
氷と雷の属性を持ち、魔術も優秀だったコリンは、将来魔術士として就職すると誰もが思っていた。
それは、勿論コリンにも言えた。
攻撃型の魔術士として、騎士団でもいい、給料がいい職業について早く自立して両親に仕送りしたい。
だけど、常に迷いがあった。
自分の適性だ。
まず、性格だ。
見た目に反して、直情型で、血の気が多い。
だけど、挑発に乗せられても、冷静さを失う‥って程ではない。せいぜいテンションが上がって、楽しく(←コリンが)敵を倒す‥位だ。
だけど、‥品行方正・冷静沈着を良しとする一流の騎士の器ではない。
技術だって、性格面の心配だって‥人に相談すれば「迷ってる間に、もっと努力してみろ。‥そしたら見えて来るものもある」って言われるだけ。
だけど、努力の方向が分からない。
挑発に乗らない練習‥なんて、どうやればいいか分からないし、魔術の練習をすれば、魔術の腕は上がるが‥そもそもそういうことで迷っているわけではない。
やけになって打ち込めば打ち込むほど‥「気になるところ」は更に自分の中で大きくなって、無視できなくなっていく。
だれも一緒に悩んでくれる者なんていない。‥いようはずがない。
周りは、みんなライバルだったし、先生からも、その漠然とした悩みの解決法は教えてもらえなかった。
そのときは、コリンも分からなかったんだ。
その、漠然とした不安の正体を。
周りからは、「気のせいだ。お前は何も心配することなんてない。‥心が弱いだけだ」って言われ、「完璧を求めすぎても‥人間なんだからそれは無理だ」って笑われた。
でも、そうじゃない。‥もっと根本的な欠点が自分にはある。
模範試合では、負けなしだ。
魔術は正確で、毎回お手本に選ばれる。
だけど、それだけだ。ただ「優等生」なだけだ。
潤沢な魔力と、記憶力の良さ。
それは、確かに素晴らしいものだ。「うまく利用すれば」だが。
自分はそれを上手く利用できている様に思えない。
自分は、この素晴らしいスペックを、「ない攻撃センス」を誤魔化し‥補っているに過ぎないって思いがずっと消えなかった。
自分にもっと才能があれば、これをもっと上手に有効に利用できるのに‥と。
その考え‥不満がずっと消えなかった。
センスがある人なら‥センスがある人との違いは何か‥
それで、やっとのことで「不満・不安の原因」がおぼろげながら見えて来た。
自分には、反射神経がない。勿論ないわけではないんだけど、戦士として‥は及第点が得られない位しか‥ない。
決断力が無い。決断が遅い。
技の手持ちは多いし、多数使うだけの魔力もあるが、それを瞬時に選んで使うセンスが自分にはない。決断も遅いから、一歩が出遅れる。一瞬、これでいいか? って迷いが生れる。
模擬試合では、‥所詮生死をかけて戦っているわけではないからだろう。学生相手で、その数秒の遅れで負けることは‥今のところしていない。
でも、本番や、格上相手ではそれは‥ないだろう。誤魔化せたりなんかしないだろう。
一瞬の迷い‥それって、戦闘においては致命的な欠点だ。
反射神経で負けるのは怖いから、一手目から先制をかけることになる。‥相手の出方‥相手の属性やなんかを知るために「見たい」一手目から‥先制をかけることになる。
攻撃を交わして、攻撃を打つ‥が反射的に出来ない者っていうのは、‥戦う前から半分負けているって‥コリンは思ってるんだ。
何か、それを補える新しい‥何か自分だけの強みを‥!
書物を読んだり、人に助言を求めたり‥
そして、見つけたのが、「闇属性」だった。
闇属性の魔術‥威圧。
相手に一瞬の隙をつくる‥。
‥これを戦いに組み込めば‥!
それを考えていた時、コリンに「誓約士」の道を勧めたのが、教会長だった。
教会長は、闇魔法の専門家では無かった。だけど、ずっと悩んでいたコリンを心配して、コリンに何か適性はないかと考えてくれていたのだ。
そういえば、闇属性の存在を教えて、調べる様に勧めてくれたのも、教会長で、適正審査の結果、闇属性が使えると分かったコリンに誓約士という職業があるのを教えたのもまた教会長だった。
戦闘系魔術士になることに不安を持っていたコリンのことわかってくれていたんだろう。
今まで、漠然と自分のこころの奥底にあった不安を全部払拭してもらった気がした。
周りに期待され、褒められ‥何となく、このまま自分は攻撃型の魔術士になるんだって思ってた。そして、今のところ、なんとかできていた。
‥でも本当は‥。
何を克服して攻撃型の魔術士になるのか‥ではなかった。自分が悩んでいたのは、攻撃型の魔術士に対する自分の適性‥だった。
自分は攻撃型の魔術士には向いていない。
そんなわけで、方向チェンジを決めたコリンだったが、問題が無かったわけではない。
当時コリンがいた教会には、闇属性の魔術を教える先生がいなかったということだ。
コリンがいた教会どころか、‥闇属性の魔術を「表」で教える先生自体が少なかった。(教会など、きちんとした教育機関‥が表と呼ばれていたのに対して、それら以外の非公式なものは裏と呼ばれていた)
実は給料がいい誓約士なんだけど、でもそうメジャーな職業じゃないし、難易度が高すぎて受験者が少ない。受験をしても、受かる者は本当に少ない‥。だから、全然人気の職業じゃ無かった。誓約士を目指すんでもなければ、特に理由もないのに、わざわざマイナスイメージの闇属性を学ぼうって者は少ない。
需要が少ないし、人気もない。‥はっきりいって、表だけでは食っていけないのだ。裏の社会は表で教えている先生なんて使わない。表もしかり、だ。じゃあ、需要が多い、裏の方が仕事がある‥。
闇属性の魔術は表で教えるより、裏で教える方がお金になったんだろう。闇属性の先生は裏の方が圧倒的に多かった。
「師事する先生が見つからない日々のもどかしさったらなかった。それに、教会だったから、闇魔法に対する偏見も凄かったし‥」
当時の事を思い出したら、今でも‥落ち着かないような‥なんだかつらい気持ちになる。
周りの人たちの「才能を無駄にするつもりか。そもそも、今まで君に教えてきた先生たちのお気持ちを‥」って怒りの言葉。「贅沢な悩みだよな」って中傷の言葉。学ぶことが出来ないもどかしさや、不安、‥焦り。
「コリンも、‥色々あったんだな」
アンバーが、コリンの頭にぽん、と軽く手を置いた。
‥コリンは一体、誰の話をしているんだ?
「戦闘センスが無い? だって、後ろに目がついてるのかって程の反射神経で、魔獣を倒してたじゃないか」
シークが眉を寄せて‥不満げな顔でコリンを見た。
「‥あれは、常時発動型‥結界」
コリンが言いにくそうに‥苦笑いする。
‥そういえば言ってたな。
あれって、反射神経に自信がないからって理由でつけっぱなしにしてたのか‥。
シークが「成程」と何となく納得した様な顔で頷く。
「‥そんな、常時発動させてたら、魔術士に「ここに居ます」って場所を教えてる様なものじゃないのか? 」
アンバーが怪訝な顔をする。アンバーの方は全然納得していない。
「しかも、‥さらっと言える様な魔力使用量じゃないぞ。それも、‥常時? 」
とも。
でも、これは「コリンは半端じゃない魔力があるからそれは仕方ない」と無理矢理自分を納得させた。
コリンが首を振り、
「気配遮断魔法も常時発動」
気まずそうな‥表情で言った。
あ、‥有り余る魔力があるコリンだからできる‥普通一般の人にはとてもじゃないけど出来ない奴ね‥。
‥高等魔法の常時発動‥。
‥そりゃ、周りには「厭味か」って思われるよね。やっかまれるよね‥。絶対気持ちわかってもらえないよね‥。
「‥‥‥」
‥どうしよう。コリンは‥コリンにとっては凄い悩みなんだろうけど‥
「魔力量だけはね‥。僕なんか、‥それだけしか特技はない‥」
コリンの表情は暗い。
当時を思い出したのか、辛そうだ。
でも
「‥‥‥」
‥厭味か‥。
どうしよう。俺も厭味にしか聞こえないよ‥。
コリンがボソッと呟いた。
学びたいとき、学べる環境にあるというのは、素晴らしいことだ。
氷と雷の属性を持ち、魔術も優秀だったコリンは、将来魔術士として就職すると誰もが思っていた。
それは、勿論コリンにも言えた。
攻撃型の魔術士として、騎士団でもいい、給料がいい職業について早く自立して両親に仕送りしたい。
だけど、常に迷いがあった。
自分の適性だ。
まず、性格だ。
見た目に反して、直情型で、血の気が多い。
だけど、挑発に乗せられても、冷静さを失う‥って程ではない。せいぜいテンションが上がって、楽しく(←コリンが)敵を倒す‥位だ。
だけど、‥品行方正・冷静沈着を良しとする一流の騎士の器ではない。
技術だって、性格面の心配だって‥人に相談すれば「迷ってる間に、もっと努力してみろ。‥そしたら見えて来るものもある」って言われるだけ。
だけど、努力の方向が分からない。
挑発に乗らない練習‥なんて、どうやればいいか分からないし、魔術の練習をすれば、魔術の腕は上がるが‥そもそもそういうことで迷っているわけではない。
やけになって打ち込めば打ち込むほど‥「気になるところ」は更に自分の中で大きくなって、無視できなくなっていく。
だれも一緒に悩んでくれる者なんていない。‥いようはずがない。
周りは、みんなライバルだったし、先生からも、その漠然とした悩みの解決法は教えてもらえなかった。
そのときは、コリンも分からなかったんだ。
その、漠然とした不安の正体を。
周りからは、「気のせいだ。お前は何も心配することなんてない。‥心が弱いだけだ」って言われ、「完璧を求めすぎても‥人間なんだからそれは無理だ」って笑われた。
でも、そうじゃない。‥もっと根本的な欠点が自分にはある。
模範試合では、負けなしだ。
魔術は正確で、毎回お手本に選ばれる。
だけど、それだけだ。ただ「優等生」なだけだ。
潤沢な魔力と、記憶力の良さ。
それは、確かに素晴らしいものだ。「うまく利用すれば」だが。
自分はそれを上手く利用できている様に思えない。
自分は、この素晴らしいスペックを、「ない攻撃センス」を誤魔化し‥補っているに過ぎないって思いがずっと消えなかった。
自分にもっと才能があれば、これをもっと上手に有効に利用できるのに‥と。
その考え‥不満がずっと消えなかった。
センスがある人なら‥センスがある人との違いは何か‥
それで、やっとのことで「不満・不安の原因」がおぼろげながら見えて来た。
自分には、反射神経がない。勿論ないわけではないんだけど、戦士として‥は及第点が得られない位しか‥ない。
決断力が無い。決断が遅い。
技の手持ちは多いし、多数使うだけの魔力もあるが、それを瞬時に選んで使うセンスが自分にはない。決断も遅いから、一歩が出遅れる。一瞬、これでいいか? って迷いが生れる。
模擬試合では、‥所詮生死をかけて戦っているわけではないからだろう。学生相手で、その数秒の遅れで負けることは‥今のところしていない。
でも、本番や、格上相手ではそれは‥ないだろう。誤魔化せたりなんかしないだろう。
一瞬の迷い‥それって、戦闘においては致命的な欠点だ。
反射神経で負けるのは怖いから、一手目から先制をかけることになる。‥相手の出方‥相手の属性やなんかを知るために「見たい」一手目から‥先制をかけることになる。
攻撃を交わして、攻撃を打つ‥が反射的に出来ない者っていうのは、‥戦う前から半分負けているって‥コリンは思ってるんだ。
何か、それを補える新しい‥何か自分だけの強みを‥!
書物を読んだり、人に助言を求めたり‥
そして、見つけたのが、「闇属性」だった。
闇属性の魔術‥威圧。
相手に一瞬の隙をつくる‥。
‥これを戦いに組み込めば‥!
それを考えていた時、コリンに「誓約士」の道を勧めたのが、教会長だった。
教会長は、闇魔法の専門家では無かった。だけど、ずっと悩んでいたコリンを心配して、コリンに何か適性はないかと考えてくれていたのだ。
そういえば、闇属性の存在を教えて、調べる様に勧めてくれたのも、教会長で、適正審査の結果、闇属性が使えると分かったコリンに誓約士という職業があるのを教えたのもまた教会長だった。
戦闘系魔術士になることに不安を持っていたコリンのことわかってくれていたんだろう。
今まで、漠然と自分のこころの奥底にあった不安を全部払拭してもらった気がした。
周りに期待され、褒められ‥何となく、このまま自分は攻撃型の魔術士になるんだって思ってた。そして、今のところ、なんとかできていた。
‥でも本当は‥。
何を克服して攻撃型の魔術士になるのか‥ではなかった。自分が悩んでいたのは、攻撃型の魔術士に対する自分の適性‥だった。
自分は攻撃型の魔術士には向いていない。
そんなわけで、方向チェンジを決めたコリンだったが、問題が無かったわけではない。
当時コリンがいた教会には、闇属性の魔術を教える先生がいなかったということだ。
コリンがいた教会どころか、‥闇属性の魔術を「表」で教える先生自体が少なかった。(教会など、きちんとした教育機関‥が表と呼ばれていたのに対して、それら以外の非公式なものは裏と呼ばれていた)
実は給料がいい誓約士なんだけど、でもそうメジャーな職業じゃないし、難易度が高すぎて受験者が少ない。受験をしても、受かる者は本当に少ない‥。だから、全然人気の職業じゃ無かった。誓約士を目指すんでもなければ、特に理由もないのに、わざわざマイナスイメージの闇属性を学ぼうって者は少ない。
需要が少ないし、人気もない。‥はっきりいって、表だけでは食っていけないのだ。裏の社会は表で教えている先生なんて使わない。表もしかり、だ。じゃあ、需要が多い、裏の方が仕事がある‥。
闇属性の魔術は表で教えるより、裏で教える方がお金になったんだろう。闇属性の先生は裏の方が圧倒的に多かった。
「師事する先生が見つからない日々のもどかしさったらなかった。それに、教会だったから、闇魔法に対する偏見も凄かったし‥」
当時の事を思い出したら、今でも‥落ち着かないような‥なんだかつらい気持ちになる。
周りの人たちの「才能を無駄にするつもりか。そもそも、今まで君に教えてきた先生たちのお気持ちを‥」って怒りの言葉。「贅沢な悩みだよな」って中傷の言葉。学ぶことが出来ないもどかしさや、不安、‥焦り。
「コリンも、‥色々あったんだな」
アンバーが、コリンの頭にぽん、と軽く手を置いた。
‥コリンは一体、誰の話をしているんだ?
「戦闘センスが無い? だって、後ろに目がついてるのかって程の反射神経で、魔獣を倒してたじゃないか」
シークが眉を寄せて‥不満げな顔でコリンを見た。
「‥あれは、常時発動型‥結界」
コリンが言いにくそうに‥苦笑いする。
‥そういえば言ってたな。
あれって、反射神経に自信がないからって理由でつけっぱなしにしてたのか‥。
シークが「成程」と何となく納得した様な顔で頷く。
「‥そんな、常時発動させてたら、魔術士に「ここに居ます」って場所を教えてる様なものじゃないのか? 」
アンバーが怪訝な顔をする。アンバーの方は全然納得していない。
「しかも、‥さらっと言える様な魔力使用量じゃないぞ。それも、‥常時? 」
とも。
でも、これは「コリンは半端じゃない魔力があるからそれは仕方ない」と無理矢理自分を納得させた。
コリンが首を振り、
「気配遮断魔法も常時発動」
気まずそうな‥表情で言った。
あ、‥有り余る魔力があるコリンだからできる‥普通一般の人にはとてもじゃないけど出来ない奴ね‥。
‥高等魔法の常時発動‥。
‥そりゃ、周りには「厭味か」って思われるよね。やっかまれるよね‥。絶対気持ちわかってもらえないよね‥。
「‥‥‥」
‥どうしよう。コリンは‥コリンにとっては凄い悩みなんだろうけど‥
「魔力量だけはね‥。僕なんか、‥それだけしか特技はない‥」
コリンの表情は暗い。
当時を思い出したのか、辛そうだ。
でも
「‥‥‥」
‥厭味か‥。
どうしよう。俺も厭味にしか聞こえないよ‥。
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