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27.明日や明後日
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「‥違うこと? 」
コリンは顔面から血の気が一気に引いた気がした。
恐る恐る‥シークを見る。目が‥知らず涙目になっている気がした。
一方のシークは、なんだか、驚いたような顔をしていた。
リンクに急に話を振られたからと、コリンに急に振り向かれたから、だ。
今の今まで、リンクはコリンと話していた。だから、シークは少し油断していたのだ。
油断して小休憩を取っていたのだ。
普段、そう誰かと話すことが無いシークには、今日はちょっとキャパオーバー気味だった。
聞かれたことに、その都度返事や反応を返すのって、割と反射神経と集中力、それとコミュ力が要りますよね、って話。
「やっぱり、僕が男だから? 」
コリンが涙目でシークを見上げる。
シークは、ふう、と小さく息をはいて呼吸を整えると、首を振り、コリンをしっかりと見つめる。
「そうじゃない。
‥家族って、子供が出来て‥それだけが家族じゃない。‥大事な人がいて、明日も明後日もお互いの為に生きる。‥それが家族だって俺は思う。男だからコリンは嫌だとか、まして女じゃないと‥とか俺は言う気はない。
‥寧ろ、それ以前の問題‥。
家族のカタチ‥っていうか‥家族っていう‥明日も明後日も続く幸せ自体を‥冒険者は‥少なくとも俺は‥期待したことがない気がする。
冒険者は、‥危険な職業だ。明日死ぬかもしれない。‥だから、その日その日を生きている。明日があるのが当たり前って思って暮らしたことはない。‥それは誰だってそうだろうけど、冒険者は事務職よりずっと‥死と隣り合わせだ。だから、‥俺はね、今まで恋をしたり家族を持ったりって考えたことなかった」
言葉を選ぶように、ひとことひとこと‥呟くように‥独り言の様にそれで、誰かに語って聞かすように、丁寧に発声する。
シークの言葉からは、シークの真面目な人柄がにじみ出ていた。
「俺はね、‥冒険者である俺はね、コリンに明日や明後日を保証してやれない。コリンには、家族に会って「明日や明後日が保証された生活」を思い出してほしかったんだ。
俺じゃ約束できない‥当たり前の生活をね」
子供が生まれる当たり前の結婚も‥と思いはしたが、‥今言うべきではないな(この話はさっき終わったからね)と思って‥やめた。
長い言葉を言いきって、ほっと一息をついて、小さく俯くように頷き、もう一度コリンを見る。
穏やかで優しい表情だった。
「シークさん‥」
コリンは、困った様な泣きそうな表情でシークを見つめ返す。
シークがコリンに頷く。
「‥それを、俺の口から言ったら、俺がコリンの事を嫌いで‥拒絶する為に言ってるって‥コリンは思うだけだろ? ‥そうじゃなくって、コリンに‥自分で気付いて欲しかった」
シークが自嘲気味な微笑を浮かべて、すっとコリンから視線を逸らす。コリンは黙ってシークを見つめ‥言葉の続きを待った。
シークが静かな口調で言葉を続ける。
他の皆は何も言わず黙ってその様子を穏やかに見守った。
「コリンは‥そんなこと考えたこと、ある? 明日や明後日が当たり前に来ないかもしれないってこと。
‥コリンが‥俺のこと好きになってくれた‥それは、凄く嬉しかった‥うん、‥それは普通に嬉しかった。‥最初は勿論驚いたけどね。
驚いたし、揶揄われてるって思ったし‥煩わしくも思ったけど‥コリンの事知って、コリンのいろんな顔を見て、可愛いなって思ったり、面白いなって思ったり‥幸せだなって感じてる自分に気付いて‥これは恋じゃないかって‥認めていいんじゃないかって‥思った」
初めて、シークの口から聞いた「告白」だった。
コリンは‥こんな時だけど、その言葉は素直に嬉しいって思った。
一生忘れないだろうなって、思った。
だけど、‥何も言わずにシークの言葉を待った。
「でもね」
ふ、っとシークが顔を上げて、コリンを見る。
コリンは、それだけで、顔がかーっと熱くなったのを感じた。
‥ヤバい、‥ドキッと来た‥。
こんな時に‥
そう思ったから、咄嗟に手で頬を隠して、‥顔を隠すように俯いた。シークがふふ、っと微笑む。
「‥コリンの家族に会って、幸せな家族を見て‥そのことを‥思い出した。‥我に返った。こんな幸せな家族のいるコリンと俺は住む世界が違うんだって‥改めて気付いた」
コリンは反射的に、自分の眉がきゅっと寄ったのを感じた。
‥何を言っているんだろう。
コリンは‥
むかむか‥というか、なんか胸の辺りが気持ち悪くなった。
「目を‥」
顔を上げ、き、っとシークを見る。
湧き上がって来た、怒りともつかない感情のまま、
コリンはシークを睨み付けた。
鼻の奥がつん、として、涙がでそうになった。
「‥目を」
「ん? 」
「‥目を覚ましてください。むしろ、シークさんが‥目を覚ましてください」
涙を強引に手の甲で拭って、真っ直ぐ、シークを見つめる。
ああ、これは「悲しい」んじゃない。悲しくって泣けて来たんじゃない。
怒ってるって‥自分でもはっきり分かった。シークの言葉というか‥シークがあんまりにも後ろ向きなことを言うから。
‥堪らない。そんなこと、シークの口から‥聞きたくなかった。
「え? 」
シークには、コリンが何に怒っているのか、分からなかった。ただ、よくわからずコリンを見た。
コリンは、シークを真っ直ぐ見つめる。
そして、一度大きく息を吸って、静かに吐き出すと
「明日や明後日の幸せは‥「今日」から続いてるんですよ? 今日がないと、明日も明後日も無いんです。その日その日を生きる繰り返しが‥未来なんです。
‥明日や明後日なんて意識しなくても来るんです。誰にでも!
今日を生きてて、‥今日を真面目に生き抜いて、気が付いたら明日なんです」
強い口調で言った。
「それは、当たり前のことで、わざわざ意識することじゃないんです。
神様じゃないんだから、自分の運命を自分でどうこう出来るもんじゃない、僕たちは、ただ、毎日を生きていくしかないんです! 」
「‥‥‥」
シークが目を見開いてコリンを見る。
「今日の積み重ね‥」
小さく呟く。
「だけど‥」
「だけど、僕は‥シークさんの傍にいて、楽しい今日を一緒に暮らしたいです。明日が来ないかも‥なんて、僕はそんなこと、思わないし、シークさんにも思わせたくない。
明日への保証なんて誰もありません。だけど、皆、今日を一生懸命生きるしかないんです」
「コリン‥」
呟いたシークに、コリンが優しく‥でも力強く頷く。
「大丈夫です。‥明日が例え来なくても、昨日はなくなりません。そして、‥運よく明日が来たら、さっきまで今日だった日は昨日になって、そうやって毎日奇跡みたいに‥繰り返していくんです。
そうですね‥、子供の様に‥形として明日に残していくものは僕たちの間には出来ませんが、‥でも確かに「今日」って日は、あったんです。‥僕たちはそうやって毎日一日一日明日に生きた証を残して‥受け継いでいくんです」
ああそうだ‥。
何も残せないわけじゃないんだ。
‥目には、見えない
形には残せないかもしれないけど、
だけど、何も残せないわけじゃないんだ。
‥気休めって言えばそれまでなんだけどね。
「コリン‥」
父親が微かに呟いたのを、コリンの耳が拾った。
コリンが父親を見る。
‥だから、ごめんね
は、でも、今度は声にはしなかった。
代わりに、力強く微笑んで見せた。
‥もう僕は大丈夫だよって。
言うのを我慢しなきゃいけないこととか。
言いたくないこととか。
‥これから沢山できていくんだろう。
子供は成長する。だから、そういうものかもしれないし‥でも、じっくりと聞いてあげた方がいいこともあったり。
親である前に、‥父さんは人生の先輩で、コリン‥子供たちより経験してきたことも多いだろう。もっとも、‥同じように人生を歩んできたわけではない。子供たちだけが経験して来たことだってあるだろう。でも、‥子供たちより‥子供たち自身より、父さんは君たちの事を見て来た。
「親であり」同時に「人生の先輩」である父さんだ。‥例え、畑違いの悩みだって、一緒に悩んで行ける戦力になるだろう。‥戦友になれるだろう。
「そっか。‥まあ、父さんに出来ることがあったら力になる。
‥頑張れよ」
父さんも微笑んだ。力強く、
でも、その顔はいつも通りとびっきり可愛くって、母さんはそれを見てほっこりしていた。
父さんは、口もうまくないし、力も強くない。だけど、誰よりも優しくって誰より‥強い。微笑まれたら、皆にっこりしてしまう。
そんな‥最強のひと。
‥気の利いた言葉ひとつ言えないけどね。
コリンは顔面から血の気が一気に引いた気がした。
恐る恐る‥シークを見る。目が‥知らず涙目になっている気がした。
一方のシークは、なんだか、驚いたような顔をしていた。
リンクに急に話を振られたからと、コリンに急に振り向かれたから、だ。
今の今まで、リンクはコリンと話していた。だから、シークは少し油断していたのだ。
油断して小休憩を取っていたのだ。
普段、そう誰かと話すことが無いシークには、今日はちょっとキャパオーバー気味だった。
聞かれたことに、その都度返事や反応を返すのって、割と反射神経と集中力、それとコミュ力が要りますよね、って話。
「やっぱり、僕が男だから? 」
コリンが涙目でシークを見上げる。
シークは、ふう、と小さく息をはいて呼吸を整えると、首を振り、コリンをしっかりと見つめる。
「そうじゃない。
‥家族って、子供が出来て‥それだけが家族じゃない。‥大事な人がいて、明日も明後日もお互いの為に生きる。‥それが家族だって俺は思う。男だからコリンは嫌だとか、まして女じゃないと‥とか俺は言う気はない。
‥寧ろ、それ以前の問題‥。
家族のカタチ‥っていうか‥家族っていう‥明日も明後日も続く幸せ自体を‥冒険者は‥少なくとも俺は‥期待したことがない気がする。
冒険者は、‥危険な職業だ。明日死ぬかもしれない。‥だから、その日その日を生きている。明日があるのが当たり前って思って暮らしたことはない。‥それは誰だってそうだろうけど、冒険者は事務職よりずっと‥死と隣り合わせだ。だから、‥俺はね、今まで恋をしたり家族を持ったりって考えたことなかった」
言葉を選ぶように、ひとことひとこと‥呟くように‥独り言の様にそれで、誰かに語って聞かすように、丁寧に発声する。
シークの言葉からは、シークの真面目な人柄がにじみ出ていた。
「俺はね、‥冒険者である俺はね、コリンに明日や明後日を保証してやれない。コリンには、家族に会って「明日や明後日が保証された生活」を思い出してほしかったんだ。
俺じゃ約束できない‥当たり前の生活をね」
子供が生まれる当たり前の結婚も‥と思いはしたが、‥今言うべきではないな(この話はさっき終わったからね)と思って‥やめた。
長い言葉を言いきって、ほっと一息をついて、小さく俯くように頷き、もう一度コリンを見る。
穏やかで優しい表情だった。
「シークさん‥」
コリンは、困った様な泣きそうな表情でシークを見つめ返す。
シークがコリンに頷く。
「‥それを、俺の口から言ったら、俺がコリンの事を嫌いで‥拒絶する為に言ってるって‥コリンは思うだけだろ? ‥そうじゃなくって、コリンに‥自分で気付いて欲しかった」
シークが自嘲気味な微笑を浮かべて、すっとコリンから視線を逸らす。コリンは黙ってシークを見つめ‥言葉の続きを待った。
シークが静かな口調で言葉を続ける。
他の皆は何も言わず黙ってその様子を穏やかに見守った。
「コリンは‥そんなこと考えたこと、ある? 明日や明後日が当たり前に来ないかもしれないってこと。
‥コリンが‥俺のこと好きになってくれた‥それは、凄く嬉しかった‥うん、‥それは普通に嬉しかった。‥最初は勿論驚いたけどね。
驚いたし、揶揄われてるって思ったし‥煩わしくも思ったけど‥コリンの事知って、コリンのいろんな顔を見て、可愛いなって思ったり、面白いなって思ったり‥幸せだなって感じてる自分に気付いて‥これは恋じゃないかって‥認めていいんじゃないかって‥思った」
初めて、シークの口から聞いた「告白」だった。
コリンは‥こんな時だけど、その言葉は素直に嬉しいって思った。
一生忘れないだろうなって、思った。
だけど、‥何も言わずにシークの言葉を待った。
「でもね」
ふ、っとシークが顔を上げて、コリンを見る。
コリンは、それだけで、顔がかーっと熱くなったのを感じた。
‥ヤバい、‥ドキッと来た‥。
こんな時に‥
そう思ったから、咄嗟に手で頬を隠して、‥顔を隠すように俯いた。シークがふふ、っと微笑む。
「‥コリンの家族に会って、幸せな家族を見て‥そのことを‥思い出した。‥我に返った。こんな幸せな家族のいるコリンと俺は住む世界が違うんだって‥改めて気付いた」
コリンは反射的に、自分の眉がきゅっと寄ったのを感じた。
‥何を言っているんだろう。
コリンは‥
むかむか‥というか、なんか胸の辺りが気持ち悪くなった。
「目を‥」
顔を上げ、き、っとシークを見る。
湧き上がって来た、怒りともつかない感情のまま、
コリンはシークを睨み付けた。
鼻の奥がつん、として、涙がでそうになった。
「‥目を」
「ん? 」
「‥目を覚ましてください。むしろ、シークさんが‥目を覚ましてください」
涙を強引に手の甲で拭って、真っ直ぐ、シークを見つめる。
ああ、これは「悲しい」んじゃない。悲しくって泣けて来たんじゃない。
怒ってるって‥自分でもはっきり分かった。シークの言葉というか‥シークがあんまりにも後ろ向きなことを言うから。
‥堪らない。そんなこと、シークの口から‥聞きたくなかった。
「え? 」
シークには、コリンが何に怒っているのか、分からなかった。ただ、よくわからずコリンを見た。
コリンは、シークを真っ直ぐ見つめる。
そして、一度大きく息を吸って、静かに吐き出すと
「明日や明後日の幸せは‥「今日」から続いてるんですよ? 今日がないと、明日も明後日も無いんです。その日その日を生きる繰り返しが‥未来なんです。
‥明日や明後日なんて意識しなくても来るんです。誰にでも!
今日を生きてて、‥今日を真面目に生き抜いて、気が付いたら明日なんです」
強い口調で言った。
「それは、当たり前のことで、わざわざ意識することじゃないんです。
神様じゃないんだから、自分の運命を自分でどうこう出来るもんじゃない、僕たちは、ただ、毎日を生きていくしかないんです! 」
「‥‥‥」
シークが目を見開いてコリンを見る。
「今日の積み重ね‥」
小さく呟く。
「だけど‥」
「だけど、僕は‥シークさんの傍にいて、楽しい今日を一緒に暮らしたいです。明日が来ないかも‥なんて、僕はそんなこと、思わないし、シークさんにも思わせたくない。
明日への保証なんて誰もありません。だけど、皆、今日を一生懸命生きるしかないんです」
「コリン‥」
呟いたシークに、コリンが優しく‥でも力強く頷く。
「大丈夫です。‥明日が例え来なくても、昨日はなくなりません。そして、‥運よく明日が来たら、さっきまで今日だった日は昨日になって、そうやって毎日奇跡みたいに‥繰り返していくんです。
そうですね‥、子供の様に‥形として明日に残していくものは僕たちの間には出来ませんが、‥でも確かに「今日」って日は、あったんです。‥僕たちはそうやって毎日一日一日明日に生きた証を残して‥受け継いでいくんです」
ああそうだ‥。
何も残せないわけじゃないんだ。
‥目には、見えない
形には残せないかもしれないけど、
だけど、何も残せないわけじゃないんだ。
‥気休めって言えばそれまでなんだけどね。
「コリン‥」
父親が微かに呟いたのを、コリンの耳が拾った。
コリンが父親を見る。
‥だから、ごめんね
は、でも、今度は声にはしなかった。
代わりに、力強く微笑んで見せた。
‥もう僕は大丈夫だよって。
言うのを我慢しなきゃいけないこととか。
言いたくないこととか。
‥これから沢山できていくんだろう。
子供は成長する。だから、そういうものかもしれないし‥でも、じっくりと聞いてあげた方がいいこともあったり。
親である前に、‥父さんは人生の先輩で、コリン‥子供たちより経験してきたことも多いだろう。もっとも、‥同じように人生を歩んできたわけではない。子供たちだけが経験して来たことだってあるだろう。でも、‥子供たちより‥子供たち自身より、父さんは君たちの事を見て来た。
「親であり」同時に「人生の先輩」である父さんだ。‥例え、畑違いの悩みだって、一緒に悩んで行ける戦力になるだろう。‥戦友になれるだろう。
「そっか。‥まあ、父さんに出来ることがあったら力になる。
‥頑張れよ」
父さんも微笑んだ。力強く、
でも、その顔はいつも通りとびっきり可愛くって、母さんはそれを見てほっこりしていた。
父さんは、口もうまくないし、力も強くない。だけど、誰よりも優しくって誰より‥強い。微笑まれたら、皆にっこりしてしまう。
そんな‥最強のひと。
‥気の利いた言葉ひとつ言えないけどね。
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