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第28話ノータッグ
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赤いバイクを走らせ、電波塔を目指すヤマト。
(こいつら、事件を解決しに来たのか)
サイドミラーに映るバイクに乗った2人の黒の戦士。
おそらくヤマトについて来たのだろう。
(まあいい。こいつらを利用してやる)
戦いにこの2人を巻き込んでしまえば、確実に敵を仕留めることができる。
その安心感を持って走って行くと、〈セカンド〉の覚醒催眠兵器、ハンドレッド10機が行く手を阻む。
「邪魔だー!」
眷属の力でバイクの装甲を強化、一気に加速する。
ヤマト達を敵と判断したハンドレッド達は脳を100%覚醒させ、催眠術をかける。
だがそんな物が吸血鬼の眷属であるヤマトに通じる訳もなく、そのままの勢いでハンドレッドを粉砕する。
それに着いて行くように、黒の戦士達も、ハンドレッドを踏み台にし、その場を脱した。
道路を走っていると、兵士が道路のドン真ん中に立っている。
ブレーキをかけ、一斉に止まろうとする。
だができない。
そもそもブレーキが捻ることができない。
バランスを崩し、横に倒れると、体が投げ出される。
(なんだ、体が、動かない。いや違う、そうじゃない。俺の脳に異常があるんだ)
それに感づいたところでどうにもならない。
女性だと思われる兵士はアサルトライフルの銃口をヤマトの頭に向ける。
「私の能力を教えよう、それは電波、信号をシャットアウトすると言う物。生物は脳から信号が送られ、それを元に動いている。もし信号が送られなければ、動けない。喋ることすらもなぁ」
アサルトライフルのトリガーを弾こうとした。
次の瞬間。
「その程度の能力で俺を封じられると思っているのか?」
悪魔の声で、振り返ると、腹に吸血針を刺され、血が吸われて行く。
「俺は最強だ。信号を送られずとも、この様に動けるのだ」
血を吸い切り、死体を上に高く投げると、上を向いて、口から膨大な光線を放つ。
光線は死体をチリへと変え、消滅させた。
これによって頭に信号が送られ、2人は立ち上がると、向き合う様にして、見つめる合う。
「俺は、やっぱりあんた達を許せない」
「突然なにを言い出すのかな?」
「個人的に調べさせてもらったよ。あんた達、サイコキラーなんだろ。正義を語って人を殺してるんだろ。次は誰を殺すつもりだ! 罪人を裁くのはあんた達じゃない! それが分からないのか!」
ヤマトの言動は黒の戦士、いや、セイギには戯れ言にしか聞こえない。
「やれやれ、あまりヒーローを困らせるなよ。他にも悪はいるんだろ、今は協力して、戦うべきなんじゃないか?」
「まともぶるな! もしこのテロが終わったらまた殺戮を繰り返すんだろう! ここで止めてやる! お前達の偽りの正義を!」
怒りの炎が燃え上がり、ストロンギストはヤマトを破壊しようとする。
だが、セイギに静止させられ、破壊をやめる。
「やめろストロンギスト。こいつは俺が生き地獄に送らないといけないらしい」
「分かった」
相棒の言葉を信じ、コクリと頷くと、正義の殺人の中に入った。
一方その頃、遊園地では、遊び感覚でウェポンが兵士と戦闘を行っていた。
周りには剣で刺された雇われ屋の遺体が散らばっている。
「刃を持つ武器を生成できる。なるほど。戦ったことはないが、分かるぞ。これは刃の暗示、お前はブレイドの子どもだな」
「その名を呼ぶな。能力者にしたあのバカ親のせいで、どれだけつらい目にあったか」
「分からんな、能力があることでなぜ不幸になる? まあ人間の価値感など知ったことではないがなぁ」
悪魔にとって能力は重要であり、必要不可欠な物。
それで不幸になるなんてまずありえない。
「光栄に思え、お前だけに用意したスペシャルプレゼントだ!」
ウェポンは次元の裂け目からがアーサー王が使っていたとされる伝説の剣、エクスカリバーを取り出す。
それに応戦するように、兵士は次元の裂け目からランスロットが使っていたとされる魔剣、アロンダイトを取り出す。
お互い大きく振りかぶると、剣の力を解放する。
「エクス、カリバー!」「アロンダイトー!」
ほぼ同時に放たれた閃光と暗黒。
ぶつかり合い、火花を散らす両者。
「例え優れた武器を使おうが、使いこなせなければ意味がない!」
技量の違いが響き、段々と兵士が押されて行く。
「ウヲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
叫びを上げ、気合いを入れ直す。
「それがどうしたー!」
だがその程度の事で勝敗が逆転することはなく兵士は閃光に包まれ、消し炭になった。
「お前の様な中途半端に産まれた存在にオリジナルを超えることはできない。やはり戦うならデビル同士でなければな。ハハハハハ」
笑いを上げ、その場を離れようとする。
しかし、ようやく到着した雇われ屋達が、道を塞ぎ、ハンドガンの銃口を向ける。
「せっかく敵を葬ってやったと言うのに。これでは骨折り損のくたびれ儲けだ」
呆れた様子で、ウェポンはイージス艦に搭載されているミサイルを乱射し、邪魔者達を蹴散らして行くのだった。
(こいつら、事件を解決しに来たのか)
サイドミラーに映るバイクに乗った2人の黒の戦士。
おそらくヤマトについて来たのだろう。
(まあいい。こいつらを利用してやる)
戦いにこの2人を巻き込んでしまえば、確実に敵を仕留めることができる。
その安心感を持って走って行くと、〈セカンド〉の覚醒催眠兵器、ハンドレッド10機が行く手を阻む。
「邪魔だー!」
眷属の力でバイクの装甲を強化、一気に加速する。
ヤマト達を敵と判断したハンドレッド達は脳を100%覚醒させ、催眠術をかける。
だがそんな物が吸血鬼の眷属であるヤマトに通じる訳もなく、そのままの勢いでハンドレッドを粉砕する。
それに着いて行くように、黒の戦士達も、ハンドレッドを踏み台にし、その場を脱した。
道路を走っていると、兵士が道路のドン真ん中に立っている。
ブレーキをかけ、一斉に止まろうとする。
だができない。
そもそもブレーキが捻ることができない。
バランスを崩し、横に倒れると、体が投げ出される。
(なんだ、体が、動かない。いや違う、そうじゃない。俺の脳に異常があるんだ)
それに感づいたところでどうにもならない。
女性だと思われる兵士はアサルトライフルの銃口をヤマトの頭に向ける。
「私の能力を教えよう、それは電波、信号をシャットアウトすると言う物。生物は脳から信号が送られ、それを元に動いている。もし信号が送られなければ、動けない。喋ることすらもなぁ」
アサルトライフルのトリガーを弾こうとした。
次の瞬間。
「その程度の能力で俺を封じられると思っているのか?」
悪魔の声で、振り返ると、腹に吸血針を刺され、血が吸われて行く。
「俺は最強だ。信号を送られずとも、この様に動けるのだ」
血を吸い切り、死体を上に高く投げると、上を向いて、口から膨大な光線を放つ。
光線は死体をチリへと変え、消滅させた。
これによって頭に信号が送られ、2人は立ち上がると、向き合う様にして、見つめる合う。
「俺は、やっぱりあんた達を許せない」
「突然なにを言い出すのかな?」
「個人的に調べさせてもらったよ。あんた達、サイコキラーなんだろ。正義を語って人を殺してるんだろ。次は誰を殺すつもりだ! 罪人を裁くのはあんた達じゃない! それが分からないのか!」
ヤマトの言動は黒の戦士、いや、セイギには戯れ言にしか聞こえない。
「やれやれ、あまりヒーローを困らせるなよ。他にも悪はいるんだろ、今は協力して、戦うべきなんじゃないか?」
「まともぶるな! もしこのテロが終わったらまた殺戮を繰り返すんだろう! ここで止めてやる! お前達の偽りの正義を!」
怒りの炎が燃え上がり、ストロンギストはヤマトを破壊しようとする。
だが、セイギに静止させられ、破壊をやめる。
「やめろストロンギスト。こいつは俺が生き地獄に送らないといけないらしい」
「分かった」
相棒の言葉を信じ、コクリと頷くと、正義の殺人の中に入った。
一方その頃、遊園地では、遊び感覚でウェポンが兵士と戦闘を行っていた。
周りには剣で刺された雇われ屋の遺体が散らばっている。
「刃を持つ武器を生成できる。なるほど。戦ったことはないが、分かるぞ。これは刃の暗示、お前はブレイドの子どもだな」
「その名を呼ぶな。能力者にしたあのバカ親のせいで、どれだけつらい目にあったか」
「分からんな、能力があることでなぜ不幸になる? まあ人間の価値感など知ったことではないがなぁ」
悪魔にとって能力は重要であり、必要不可欠な物。
それで不幸になるなんてまずありえない。
「光栄に思え、お前だけに用意したスペシャルプレゼントだ!」
ウェポンは次元の裂け目からがアーサー王が使っていたとされる伝説の剣、エクスカリバーを取り出す。
それに応戦するように、兵士は次元の裂け目からランスロットが使っていたとされる魔剣、アロンダイトを取り出す。
お互い大きく振りかぶると、剣の力を解放する。
「エクス、カリバー!」「アロンダイトー!」
ほぼ同時に放たれた閃光と暗黒。
ぶつかり合い、火花を散らす両者。
「例え優れた武器を使おうが、使いこなせなければ意味がない!」
技量の違いが響き、段々と兵士が押されて行く。
「ウヲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
叫びを上げ、気合いを入れ直す。
「それがどうしたー!」
だがその程度の事で勝敗が逆転することはなく兵士は閃光に包まれ、消し炭になった。
「お前の様な中途半端に産まれた存在にオリジナルを超えることはできない。やはり戦うならデビル同士でなければな。ハハハハハ」
笑いを上げ、その場を離れようとする。
しかし、ようやく到着した雇われ屋達が、道を塞ぎ、ハンドガンの銃口を向ける。
「せっかく敵を葬ってやったと言うのに。これでは骨折り損のくたびれ儲けだ」
呆れた様子で、ウェポンはイージス艦に搭載されているミサイルを乱射し、邪魔者達を蹴散らして行くのだった。
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