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第25話加速した先へ
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次の日、ヤマトは学校から仕事のため出られず、ヤキモキしていた。
仕事内容は学校内を見回り、犯人を捕まえること。
外に出てまで犯人を捕まえろとは言われていない。
とっ、校長が慌ててこちらに向かって歩いて来る。
寝ないで探索を続けていたせいか、すでに時間は朝7時を過ぎていた。
「おはようございます。なにかありましたか?」
「大変なんですよ! 生徒が家で殺人犯に次々と殺められているんです!」
「なんですって!?」
急いでデバイスでネットニュースを確認すると、この学校の生徒がなに者かに殺害されていることが書かれている。
しかも侵入した形跡がなく、能力者の仕業だと示唆されている。
「どうしましょう。まさか住所まで特定して生徒を狙うなんて・・・・・」
「では仕事内容を変更しますか?」
ヤマトの言葉に校長は目を丸くする。
「それは、どう言う意味ですか?」
「今俺がやらせていただいている仕事だと学校内までしか移動できません。なので仕事内容を変更する必要があります」
「します! 生徒達の命が第一ですもの!」
「分かりました。本来は追加料金が発生するんですが、生徒さん達のためです。免除させていただきます」
「ありがとうございます!」
校長の感謝の言葉を受け、外に出ると、ヘルメットを急いで被り、赤いバイクに乗り込む。
(殺人犯、お前を絶対に捕まえてみせる。首を洗って待っていろ)
決意を固め、学校を出て、道路を走る。
青信号を通過し、デバイスで確認したある家に向かう。
(今回の事件、きっとあの子が関わっているはずだ)
走って行く方向に、霧が発生し、それに応じて透視する。
そこにいたのは、大剣を構える、ジャイアントだった。
ブレーキをかけ、警棒を取り出し、スナップで引き伸ばす。
「お前は、切り裂きの殺人鬼達! お前は黒の者に消されたはず」
「俺、仲間、消された。許さない」
ジャイアントは大剣を振りかぶり、ヤマトに突進して行く。
(単純だな)
不敵な笑みを浮かべながら、バイクのアクセルを捻り、突進を回避し、眷属の力で警棒とバイクを強化、ジャイアントに突っ込んで行く。
そのスピードは一気に120キロを超え、さらに加速して行く。
エンジン音で気づいた頃にはジャイアントの巨体が軽々と大きく吹き飛ばされる。
ブレーキをかけながらUターンをすると、バイクを停車し、降りる。
「お前の、攻撃、覚えた。俺には、もう、通じない」
立ち上がるジャイアントを尻目に、ヤマトは自分のドーピング剤を首に注射する。
「イッツ、デッドタイム」
血管が浮き出て来た瞬間、警棒を振りかざし、一気に加速、さらに眷属の力で肉体の強化を行う。
それに対し、ジャイアントは大剣をあたかもレイピアの様に剣先をヤマトに向け、暴れ出す衝動を吐き出す。
しかし、大剣を踏み台にされ、警棒を頭に叩きつけられる。
兜を破損させ、頭蓋骨が陥没し、悲鳴を上げながら倒れ込むジャイアントを確認する。
ヤマトは急いでバイクに乗り込むと、エンジンをかけ、猛スピードで走らせる。
(また復活されても厄介だ。早くあの子に会って伝えないと)
走る中で、ジャイアントが霧になって追いかけて来るのがサイドミラーで分かる。
「お前、絶対、ボスに、近づけない」
決して、この男を彼女に会わせるわけにはいかない。
その考えとは裏腹に、ヤマトはテルカワ家に向かって行った。
「いただきます」
「はい、めし上がれ」
祖母が作った朝食を食べるキリア。
今日の献立は卵かけご飯、ジャガイモの炒め物、インスタントの味噌汁だ。
醤油の塩っ気と、卵のとろみに魅了されながら卵かけご飯を食べるキリアに、祖母は安心する。
(キリアちゃんの能力はとても怖いけど、こんなかわいい子を保護施設に入れるなんて、私にはできない)
キリアは祖父と祖母と生活しているが、能力者と言う者は、差別されることがほとんどで、家族が保護施設に送ることが多い。
保護施設では能力者の選別が行なわれ、能力のレベルが低ければ能力専門の学校に行く。
そして能力のレベルが高ければ、ミユとランの様に雇われ屋や軍に引き渡される。
キリアの人格の具現化はレベルが高く、本来学校には行けないのだが、ストロンギストに能力を破壊されたことによって、能力が使えない劣等生として扱われている。
祖父も祖母も、決してキリアを保護施設に入れまいと、奮闘しているのだ。
とっ、チャイムの音が鳴り響く。
「こんな時間に誰かしら。キリアちゃん、ごはん食べててね。おばあちゃんお客さんとお話しをして来るから」
「はーい」
祖母は席を外すと、玄関に歩いて行く。
「はーい、今行きますよー」
玄関を開けると、真剣な表情で待っていたヤマトの姿があった。
制服で雇われ屋なのがすぐに分かり、慎重になる。
「なにか御用でしょうか?」
「突然の事ですいません、雇われ屋のキカギヤマトと申します。あのー、キリアちゃんは今いらっしゃるでしょうか。学校から依頼を受けておりまして、生徒を殺害している犯人を探しています」
気づいてしまった。
キリアの能力はまだ終わっていないと。
「調査した結果、キリアちゃんの能力である人格の具現化と合致しました。ただしこれは彼女に責任はありません」
ヤマトの話を聞いて、キリアの祖母は自分の孫の危機を感じた。
仕事内容は学校内を見回り、犯人を捕まえること。
外に出てまで犯人を捕まえろとは言われていない。
とっ、校長が慌ててこちらに向かって歩いて来る。
寝ないで探索を続けていたせいか、すでに時間は朝7時を過ぎていた。
「おはようございます。なにかありましたか?」
「大変なんですよ! 生徒が家で殺人犯に次々と殺められているんです!」
「なんですって!?」
急いでデバイスでネットニュースを確認すると、この学校の生徒がなに者かに殺害されていることが書かれている。
しかも侵入した形跡がなく、能力者の仕業だと示唆されている。
「どうしましょう。まさか住所まで特定して生徒を狙うなんて・・・・・」
「では仕事内容を変更しますか?」
ヤマトの言葉に校長は目を丸くする。
「それは、どう言う意味ですか?」
「今俺がやらせていただいている仕事だと学校内までしか移動できません。なので仕事内容を変更する必要があります」
「します! 生徒達の命が第一ですもの!」
「分かりました。本来は追加料金が発生するんですが、生徒さん達のためです。免除させていただきます」
「ありがとうございます!」
校長の感謝の言葉を受け、外に出ると、ヘルメットを急いで被り、赤いバイクに乗り込む。
(殺人犯、お前を絶対に捕まえてみせる。首を洗って待っていろ)
決意を固め、学校を出て、道路を走る。
青信号を通過し、デバイスで確認したある家に向かう。
(今回の事件、きっとあの子が関わっているはずだ)
走って行く方向に、霧が発生し、それに応じて透視する。
そこにいたのは、大剣を構える、ジャイアントだった。
ブレーキをかけ、警棒を取り出し、スナップで引き伸ばす。
「お前は、切り裂きの殺人鬼達! お前は黒の者に消されたはず」
「俺、仲間、消された。許さない」
ジャイアントは大剣を振りかぶり、ヤマトに突進して行く。
(単純だな)
不敵な笑みを浮かべながら、バイクのアクセルを捻り、突進を回避し、眷属の力で警棒とバイクを強化、ジャイアントに突っ込んで行く。
そのスピードは一気に120キロを超え、さらに加速して行く。
エンジン音で気づいた頃にはジャイアントの巨体が軽々と大きく吹き飛ばされる。
ブレーキをかけながらUターンをすると、バイクを停車し、降りる。
「お前の、攻撃、覚えた。俺には、もう、通じない」
立ち上がるジャイアントを尻目に、ヤマトは自分のドーピング剤を首に注射する。
「イッツ、デッドタイム」
血管が浮き出て来た瞬間、警棒を振りかざし、一気に加速、さらに眷属の力で肉体の強化を行う。
それに対し、ジャイアントは大剣をあたかもレイピアの様に剣先をヤマトに向け、暴れ出す衝動を吐き出す。
しかし、大剣を踏み台にされ、警棒を頭に叩きつけられる。
兜を破損させ、頭蓋骨が陥没し、悲鳴を上げながら倒れ込むジャイアントを確認する。
ヤマトは急いでバイクに乗り込むと、エンジンをかけ、猛スピードで走らせる。
(また復活されても厄介だ。早くあの子に会って伝えないと)
走る中で、ジャイアントが霧になって追いかけて来るのがサイドミラーで分かる。
「お前、絶対、ボスに、近づけない」
決して、この男を彼女に会わせるわけにはいかない。
その考えとは裏腹に、ヤマトはテルカワ家に向かって行った。
「いただきます」
「はい、めし上がれ」
祖母が作った朝食を食べるキリア。
今日の献立は卵かけご飯、ジャガイモの炒め物、インスタントの味噌汁だ。
醤油の塩っ気と、卵のとろみに魅了されながら卵かけご飯を食べるキリアに、祖母は安心する。
(キリアちゃんの能力はとても怖いけど、こんなかわいい子を保護施設に入れるなんて、私にはできない)
キリアは祖父と祖母と生活しているが、能力者と言う者は、差別されることがほとんどで、家族が保護施設に送ることが多い。
保護施設では能力者の選別が行なわれ、能力のレベルが低ければ能力専門の学校に行く。
そして能力のレベルが高ければ、ミユとランの様に雇われ屋や軍に引き渡される。
キリアの人格の具現化はレベルが高く、本来学校には行けないのだが、ストロンギストに能力を破壊されたことによって、能力が使えない劣等生として扱われている。
祖父も祖母も、決してキリアを保護施設に入れまいと、奮闘しているのだ。
とっ、チャイムの音が鳴り響く。
「こんな時間に誰かしら。キリアちゃん、ごはん食べててね。おばあちゃんお客さんとお話しをして来るから」
「はーい」
祖母は席を外すと、玄関に歩いて行く。
「はーい、今行きますよー」
玄関を開けると、真剣な表情で待っていたヤマトの姿があった。
制服で雇われ屋なのがすぐに分かり、慎重になる。
「なにか御用でしょうか?」
「突然の事ですいません、雇われ屋のキカギヤマトと申します。あのー、キリアちゃんは今いらっしゃるでしょうか。学校から依頼を受けておりまして、生徒を殺害している犯人を探しています」
気づいてしまった。
キリアの能力はまだ終わっていないと。
「調査した結果、キリアちゃんの能力である人格の具現化と合致しました。ただしこれは彼女に責任はありません」
ヤマトの話を聞いて、キリアの祖母は自分の孫の危機を感じた。
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