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第22話百相パペット
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火炎放射はあの左手に取り付けたパペットから吐かれた。
そう思ったスパークは、パペットに強烈な電撃を放つ。
「チェンジ」
パペットから発声られた低い声で見た目が変わる。
その見た目はまるでディフォルメされた雷神だ。
パペットはシンバルを鳴らして電撃を放つ。
電気が反発し、打ち消し合う。
しかしそれでスパークの攻撃は終わらない。
拳に電気を集め、敵の腹に攻撃を仕掛ける。
それを理解しているかの様に、パペットの見た目がディフォルメされたゴーレムに変化する。
「ゴー」
パペットの右腕が巨大なレンガの腕となり、拳を唸らせる。
しかしスパークの力が上回り、砕け散って行く。
「『破壊してやる!」』
トドメを刺せる。
そう思った次の瞬間、コサメが電気の殺人のページを開き、スパークを戻した。
本の中で叫びを上げるスパークを心配しながら、ブラッドは雇われ屋の彼女を見て、そして怒りの表情を浮かべる。
「雇われ屋のあなた、どうして私達に攻撃したの?」
その言葉に恐怖したのか、緊張した様子で身構える。
「あっ、あの。これが仕事なので・・・・」
「仕事? 市民を殺すことが仕事なのかしら」
「ヒェ!? そっ、それは、今回の仕事はこの町に爆弾魔が暮らしているから、殺害して来いと・・・・・」
「爆弾魔?」
「はい、それがあの方にまんまだったので・・・・・」
ウェポンの姿と彼女のデバイスに入っている画像の爆弾魔と合致する。
画像を観たウェポンはあの戦いを思い出した。
「あの時のか」
それは30年前、ウェポンとストロンギストであったジャスティス、そしてジャスティスに取り込まれたソウルの3体のデビルが戦った。
いわゆる最終決戦で爆弾を取り付けたドローンを発進させ、爆発させたことにより、100人以上が死んでいった。
おそらくそれが爆弾魔の由来だろう。
「過去の戦いは俺にとって実績だ。この町で戦いはしないと思っていたが、まあ良い、戦ってやる」
「ここでやるの? かなり悪目立ちするけど良いのかしら」
ブラッドの言う通り。
ウェポンがここにいるだけで市民から嫌な視線を送られていると言うのに、ここで戦闘をした場合、たとえ勝ったしても、ただの殺人犯として見られるだけ。
さらにスパークの闘争心を煽るわけにはいかない。
「分かった。ここで1番人がいない場所を教えてくれ。そこで戦う」
「えぇ、ここから結構遠いけど、山があって、そこなら・・・・・」
「そこで良い、戦うには申し分ない場所だ」
そう言って、次元の裂け目から青い刃の短剣を取り出す。
「それは?」
「まあ見ていろ」
コサメの質問に、ウェポンは短剣で空を斬る。
すると、山へと続く次元の裂け目が2つできた。
「パペットの使い手、戦いの準備はできた。全力を尽くし、俺を倒してみろ」
パペットの使い手は動揺しながらも、仕事だと割り切り、唾を飲みながら次元の裂け目に入る。
「これを頼む」
「はっ、はい」
ウェポンも持っていたエコバッグをコサメに渡し、短剣を次元の裂け目に貯蔵する。
そして小走りで山への道に入って行った。
そこはピクニックやキャンプができるレジャースポット。
川原でどちらも攻撃を仕掛けようと構えている。
「最初から飛ばして行くぞ」
ウェポンが次元の裂け目から取り出したのは、英雄クーフーリンが使用していたとされる槍、ゲイボルグだ。
それも何千本も次元の裂け目から出てくる。
射出されたゲイボルグはまるでイワシ大軍の様にパペットの使い手に襲いかかる。
するとまたパペットが見た目を変え、今度は鏡の鎧を身に付けた騎士に見た目が変わる。
そしてゲイボルグの攻撃目標を変更し、なんとウェポンに襲いかかった。
ならばとゲイボルグのルーンを暴発させ、消滅させる。
「なるほど。お前の能力は何通りもあるのか。これは帰る時間が遅くなりそうだ」
「帰る? あなたには死んでもらわないと困るんですけど・・・・・」
ビクビクと表情を強張らせるパペットの使い手にさらに殺意が湧き、次元の裂け目から佐々木小次郎の愛刀、物干し竿を8本取り出し、触手で持ち、回転させる。
「死んでもらいたいのは俺も同様だ。伝説がダメならば、次は技をくらわせてやろう」
ピタリと回転をやめ、クラウチングスタートの様に、手を川原につき、走り出す体勢に入る。
「八刀流・見様見真似・秘剣・燕返し!」
神速の速さで繰り出される一刀につき3連撃。
合計24連撃が同時に彼女を襲う。
だがパペットは攻撃を反射し、ウェポンを大きく吹き飛ばす。
「ぐをー!?」
痛みに悶えながら今更自分が間抜けなことをしていると気づく。
相手の能力はパペットの見た目によって変わる。
その能力は何個あるのか。
場合によっては勝つのに時間がかかるかもしれない。
「面白い。面白いぞ! だがなぁ、ゲームは1時間遊んだら15分ほど休憩しなきゃーならない」
「すいません、意味がよく分からなかったんですけど・・・・・」
「さっさとお前を殺して、帰りたいって意味だ」
皮肉の言葉の正体を明かしつつ、触手を鎧に巻きつけ、ウェポンはパペットの使い手を睨みつけた。
そう思ったスパークは、パペットに強烈な電撃を放つ。
「チェンジ」
パペットから発声られた低い声で見た目が変わる。
その見た目はまるでディフォルメされた雷神だ。
パペットはシンバルを鳴らして電撃を放つ。
電気が反発し、打ち消し合う。
しかしそれでスパークの攻撃は終わらない。
拳に電気を集め、敵の腹に攻撃を仕掛ける。
それを理解しているかの様に、パペットの見た目がディフォルメされたゴーレムに変化する。
「ゴー」
パペットの右腕が巨大なレンガの腕となり、拳を唸らせる。
しかしスパークの力が上回り、砕け散って行く。
「『破壊してやる!」』
トドメを刺せる。
そう思った次の瞬間、コサメが電気の殺人のページを開き、スパークを戻した。
本の中で叫びを上げるスパークを心配しながら、ブラッドは雇われ屋の彼女を見て、そして怒りの表情を浮かべる。
「雇われ屋のあなた、どうして私達に攻撃したの?」
その言葉に恐怖したのか、緊張した様子で身構える。
「あっ、あの。これが仕事なので・・・・」
「仕事? 市民を殺すことが仕事なのかしら」
「ヒェ!? そっ、それは、今回の仕事はこの町に爆弾魔が暮らしているから、殺害して来いと・・・・・」
「爆弾魔?」
「はい、それがあの方にまんまだったので・・・・・」
ウェポンの姿と彼女のデバイスに入っている画像の爆弾魔と合致する。
画像を観たウェポンはあの戦いを思い出した。
「あの時のか」
それは30年前、ウェポンとストロンギストであったジャスティス、そしてジャスティスに取り込まれたソウルの3体のデビルが戦った。
いわゆる最終決戦で爆弾を取り付けたドローンを発進させ、爆発させたことにより、100人以上が死んでいった。
おそらくそれが爆弾魔の由来だろう。
「過去の戦いは俺にとって実績だ。この町で戦いはしないと思っていたが、まあ良い、戦ってやる」
「ここでやるの? かなり悪目立ちするけど良いのかしら」
ブラッドの言う通り。
ウェポンがここにいるだけで市民から嫌な視線を送られていると言うのに、ここで戦闘をした場合、たとえ勝ったしても、ただの殺人犯として見られるだけ。
さらにスパークの闘争心を煽るわけにはいかない。
「分かった。ここで1番人がいない場所を教えてくれ。そこで戦う」
「えぇ、ここから結構遠いけど、山があって、そこなら・・・・・」
「そこで良い、戦うには申し分ない場所だ」
そう言って、次元の裂け目から青い刃の短剣を取り出す。
「それは?」
「まあ見ていろ」
コサメの質問に、ウェポンは短剣で空を斬る。
すると、山へと続く次元の裂け目が2つできた。
「パペットの使い手、戦いの準備はできた。全力を尽くし、俺を倒してみろ」
パペットの使い手は動揺しながらも、仕事だと割り切り、唾を飲みながら次元の裂け目に入る。
「これを頼む」
「はっ、はい」
ウェポンも持っていたエコバッグをコサメに渡し、短剣を次元の裂け目に貯蔵する。
そして小走りで山への道に入って行った。
そこはピクニックやキャンプができるレジャースポット。
川原でどちらも攻撃を仕掛けようと構えている。
「最初から飛ばして行くぞ」
ウェポンが次元の裂け目から取り出したのは、英雄クーフーリンが使用していたとされる槍、ゲイボルグだ。
それも何千本も次元の裂け目から出てくる。
射出されたゲイボルグはまるでイワシ大軍の様にパペットの使い手に襲いかかる。
するとまたパペットが見た目を変え、今度は鏡の鎧を身に付けた騎士に見た目が変わる。
そしてゲイボルグの攻撃目標を変更し、なんとウェポンに襲いかかった。
ならばとゲイボルグのルーンを暴発させ、消滅させる。
「なるほど。お前の能力は何通りもあるのか。これは帰る時間が遅くなりそうだ」
「帰る? あなたには死んでもらわないと困るんですけど・・・・・」
ビクビクと表情を強張らせるパペットの使い手にさらに殺意が湧き、次元の裂け目から佐々木小次郎の愛刀、物干し竿を8本取り出し、触手で持ち、回転させる。
「死んでもらいたいのは俺も同様だ。伝説がダメならば、次は技をくらわせてやろう」
ピタリと回転をやめ、クラウチングスタートの様に、手を川原につき、走り出す体勢に入る。
「八刀流・見様見真似・秘剣・燕返し!」
神速の速さで繰り出される一刀につき3連撃。
合計24連撃が同時に彼女を襲う。
だがパペットは攻撃を反射し、ウェポンを大きく吹き飛ばす。
「ぐをー!?」
痛みに悶えながら今更自分が間抜けなことをしていると気づく。
相手の能力はパペットの見た目によって変わる。
その能力は何個あるのか。
場合によっては勝つのに時間がかかるかもしれない。
「面白い。面白いぞ! だがなぁ、ゲームは1時間遊んだら15分ほど休憩しなきゃーならない」
「すいません、意味がよく分からなかったんですけど・・・・・」
「さっさとお前を殺して、帰りたいって意味だ」
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