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第5話瞳に映る頭蓋骨
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「死神ネットに接続」
ミユの左目に瞳にドクロマークが浮き出ると、声に気づき、切り裂きの殺人鬼達の3人が襲いかかる。
しかしランが念動力で動きを封じる。
「殺害するターゲット、この場にいる切り裂きの殺人鬼達」
「おい、あいつらに攻撃を集中しないか。呪文がマジで怖いんだけど」
「なにを言っているんだお前は。あの様なこけおどしを怖がってどうする」
「殺害方法、心臓麻痺」
その言葉が発せられた瞬間、この場にいる切り裂きの殺人鬼達全員が心臓麻痺を起こし倒れる。
が、遺体が消滅すると同時に再び復活する。
「くっ。私の能力でも倒せないなんて」
ミユは頭痛に顔を歪ませ、左手で頭を押さえる。
ミユの能力は死神ネットにアクセスし、キーワードを言う事でターゲットを様々な方法で死亡させる事ができる。
その代わり能力を使用すると脳に大きな負担がかかる。
なぜ彼女が死神ネットにパソコンなしでアクセスできるのかは不明だが、この能力を利用し、色々な仕事を担当している。
「やれやれ、これでは我々の長所を生かせない」
「俺は降りるぜ。もうこいつらと戦うのはまっぴらだ」
「私も降りる。この様な者達に勝てるわけがない」
全員戦闘を放棄すると、霧が晴れて行く。
それと同時に姿が消えた。
「この仕事は長くなりそうだ」
ヤマトは警棒を折り畳み、ため息を吐きながら、惨状をこの目に焼き付けた。
彼は殺人鬼。
彼は悪魔
彼らは正義の断罪を繰り返し、今も逃亡中。
「ストロンギスト、こいつの通帳のパスワードを教えてくれ」
『3167だ』
銀行の前で40代ほどの男性はパスワードを本の中の相棒に教えてもらい、銀行に入る。
通帳を機械に投入し、言われた通りのパスワードを入力する。
すべての金を引き出し、財布に入れ、バッグに詰める。
外に出ると、遅い昼ごはんの事を考える。
(今日はなにを食べ様かな。コンビニ弁当も良いけど、ファミレスも捨てがたい)
悩みながら道を歩いていると、スパゲッティのチェーン店を発見。
(よし、今日はあそこにしよう)
信号機のところで止まり、青信号になると、横断歩道を渡る。
「ちょっとあなた」
誰かに呼び止められた気がして後ろを振り返る。
そこには白バイの男性警察官が立っていた。
「なんですか?」
「最近能力者の殺人事件が多発しているんです。外に出ず、家で待機してください」
「いや、ここには観光に来たんですよ。あなたも気をつけた方が良い。俺は欲に正直なんです。邪魔をされるとプツンとキレてしまう。そんな障害を持っているんですよ。分かるでしょう。この目が証拠です」
見て分かる通り、左目の瞳が左に泳いでいる。
それを分かっていて警察官は呼び止めた。
顔立ちがあの殺人鬼と合致している。
(あのヤマダセイギがこの町にいるなんて。絶対にここで捕まえてやる)
頭の中で考えを巡らせると、捕まえる方法を考える。
「もしかして警察官さん。俺を捕まえる。そんな事を思ってません?」
「そうだヤマダセイギ。お前はこの何十年の間に何百人の人を殺して来た。署に一緒に来てもらう」
「俺は食事をするんですよ。邪魔をするなら、消えてもらいましょうか」
ヤマダセイギと言われた殺人鬼の言葉に答える様に〈正義の殺人〉と言う本をバッグから取り出し、怪物を召喚する。
黒い姿をしており、白い2本の角。頭の真ん中にイナズマの様な白い傷。すべての者を威圧する白い複眼。胸下に埋め込められている白き宝石。背中にはカブトムシを思わせる羽。腕から放出する白いビームカッター。足と一体化しているギアが搭載された白く鋭いレッグトリガー。
「バッ、化け物!?」
「ストロンギスト、頼む」
「分かった」
ストロンギストと言われた化け物は警察官の首を掴み上げる。
「破壊」
その言葉を言い放った途端警察官のすべてが消滅した。
「どうする? 人に見られた可能性があるが」
「記憶を消す能力でもみ消してくれ」
「分かった」
ストロンギストは記憶操作でこの場にいる人間の今起きた事の記憶を消す。
そしてヤマダセイギは〈正義の殺人〉にストロンギストを戻す。
「ありがとな」
『当然の事だ。誰にもセイギを殺させない。俺はそう誓ったのだから』
「さすがは俺の相棒だぜ」
彼らは正義を語り、悪人を殺戮するサイコキラー。
店に入ると、案内された席に座る。
「なぜ人間は障害者と言う言葉を作ったのか知ってるか?」
『知らないな』
「それは人の一障を害なす者と書いて障害者だかららしい」
『なるほど。筋は通っているな』
「そうして人間は障害者を分類し、差別し、追いやって行く。悲しい話だ」
『俺はセイギを良き相棒と思っている。裏切る様な事は絶対にしない』
「分かってるよ。そう言えばトランスフォーム、この町、かなり都会だから犯罪が多いと思うんだ。その時はよろしくな」
『おう、任せておけ!』
セイギの頼みに〈変身の殺人〉と言う本の中にいるトランスフォームが可愛いらしい声で返事をする。
こうしてランチタイムを楽しむセイギなのであった。
ミユの左目に瞳にドクロマークが浮き出ると、声に気づき、切り裂きの殺人鬼達の3人が襲いかかる。
しかしランが念動力で動きを封じる。
「殺害するターゲット、この場にいる切り裂きの殺人鬼達」
「おい、あいつらに攻撃を集中しないか。呪文がマジで怖いんだけど」
「なにを言っているんだお前は。あの様なこけおどしを怖がってどうする」
「殺害方法、心臓麻痺」
その言葉が発せられた瞬間、この場にいる切り裂きの殺人鬼達全員が心臓麻痺を起こし倒れる。
が、遺体が消滅すると同時に再び復活する。
「くっ。私の能力でも倒せないなんて」
ミユは頭痛に顔を歪ませ、左手で頭を押さえる。
ミユの能力は死神ネットにアクセスし、キーワードを言う事でターゲットを様々な方法で死亡させる事ができる。
その代わり能力を使用すると脳に大きな負担がかかる。
なぜ彼女が死神ネットにパソコンなしでアクセスできるのかは不明だが、この能力を利用し、色々な仕事を担当している。
「やれやれ、これでは我々の長所を生かせない」
「俺は降りるぜ。もうこいつらと戦うのはまっぴらだ」
「私も降りる。この様な者達に勝てるわけがない」
全員戦闘を放棄すると、霧が晴れて行く。
それと同時に姿が消えた。
「この仕事は長くなりそうだ」
ヤマトは警棒を折り畳み、ため息を吐きながら、惨状をこの目に焼き付けた。
彼は殺人鬼。
彼は悪魔
彼らは正義の断罪を繰り返し、今も逃亡中。
「ストロンギスト、こいつの通帳のパスワードを教えてくれ」
『3167だ』
銀行の前で40代ほどの男性はパスワードを本の中の相棒に教えてもらい、銀行に入る。
通帳を機械に投入し、言われた通りのパスワードを入力する。
すべての金を引き出し、財布に入れ、バッグに詰める。
外に出ると、遅い昼ごはんの事を考える。
(今日はなにを食べ様かな。コンビニ弁当も良いけど、ファミレスも捨てがたい)
悩みながら道を歩いていると、スパゲッティのチェーン店を発見。
(よし、今日はあそこにしよう)
信号機のところで止まり、青信号になると、横断歩道を渡る。
「ちょっとあなた」
誰かに呼び止められた気がして後ろを振り返る。
そこには白バイの男性警察官が立っていた。
「なんですか?」
「最近能力者の殺人事件が多発しているんです。外に出ず、家で待機してください」
「いや、ここには観光に来たんですよ。あなたも気をつけた方が良い。俺は欲に正直なんです。邪魔をされるとプツンとキレてしまう。そんな障害を持っているんですよ。分かるでしょう。この目が証拠です」
見て分かる通り、左目の瞳が左に泳いでいる。
それを分かっていて警察官は呼び止めた。
顔立ちがあの殺人鬼と合致している。
(あのヤマダセイギがこの町にいるなんて。絶対にここで捕まえてやる)
頭の中で考えを巡らせると、捕まえる方法を考える。
「もしかして警察官さん。俺を捕まえる。そんな事を思ってません?」
「そうだヤマダセイギ。お前はこの何十年の間に何百人の人を殺して来た。署に一緒に来てもらう」
「俺は食事をするんですよ。邪魔をするなら、消えてもらいましょうか」
ヤマダセイギと言われた殺人鬼の言葉に答える様に〈正義の殺人〉と言う本をバッグから取り出し、怪物を召喚する。
黒い姿をしており、白い2本の角。頭の真ん中にイナズマの様な白い傷。すべての者を威圧する白い複眼。胸下に埋め込められている白き宝石。背中にはカブトムシを思わせる羽。腕から放出する白いビームカッター。足と一体化しているギアが搭載された白く鋭いレッグトリガー。
「バッ、化け物!?」
「ストロンギスト、頼む」
「分かった」
ストロンギストと言われた化け物は警察官の首を掴み上げる。
「破壊」
その言葉を言い放った途端警察官のすべてが消滅した。
「どうする? 人に見られた可能性があるが」
「記憶を消す能力でもみ消してくれ」
「分かった」
ストロンギストは記憶操作でこの場にいる人間の今起きた事の記憶を消す。
そしてヤマダセイギは〈正義の殺人〉にストロンギストを戻す。
「ありがとな」
『当然の事だ。誰にもセイギを殺させない。俺はそう誓ったのだから』
「さすがは俺の相棒だぜ」
彼らは正義を語り、悪人を殺戮するサイコキラー。
店に入ると、案内された席に座る。
「なぜ人間は障害者と言う言葉を作ったのか知ってるか?」
『知らないな』
「それは人の一障を害なす者と書いて障害者だかららしい」
『なるほど。筋は通っているな』
「そうして人間は障害者を分類し、差別し、追いやって行く。悲しい話だ」
『俺はセイギを良き相棒と思っている。裏切る様な事は絶対にしない』
「分かってるよ。そう言えばトランスフォーム、この町、かなり都会だから犯罪が多いと思うんだ。その時はよろしくな」
『おう、任せておけ!』
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