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バラダザ編
第24話 禁断の戦士
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Z3+のテストを行い始めてから数日が経った。
スペックはもちろん安全性も含め調整を繰り返す。
Z3に搭載されていたAIは〈スー〉と言う名前をつけられ、如鬼の要望で搭載することになった。
〈スー〉の活躍で機体の運用が思った以上に早くできたことは光炎も驚きを覚えたが、それ以上に如鬼とのシンクロ率がさらに上がっていることが1番の驚きだ。
信頼度も高まっているのは良い、しかし彼女の精神が耐えられるかどうか。
心配が積み重なる。
そんな中怪人科の上司が、表情を強張らせながら試験場に入って来た。
「どうされたんですか? そんな怖い顔をして」
光炎の落ち着いた様子に、上司はため息を吐く。
「自衛隊のお偉いさんが君達に新たなZシリーズを開発したからテストしてほしいそうだ。まったく、開発の権利は警察にある。製造はできないはすだが」
「………おそらくZ2の戦闘データを元に開発した物だと思いますが。無断で私達のZシリーズを名乗るのは癇に障りますね」
Zシリーズは警察のトップの許可なく制作することは許されていない。
なぜなら軍事的に使用されたり、最悪戦場に配備される可能性があるからだ。
自衛隊に限ってそんなことはないと思うが。
彼女はテストを中止し、如鬼と共に自衛隊が待つ会議室に向かうのだった。
場所を移動して会議室。
「お待ちしてました」
自衛隊の兵士を引き連れた軍服を着た女性が挨拶すると、光炎は険しい表情で席に座る。
「事情は上から聞いています。なぜあなた方の兵器のために私達のZ3+を試験に利用する必要があるんですか?」
直球に嫌がる発言をすると、軍服の女性は自信あり気に笑み浮かべる。
「戦わせたいんですよ。幻のZシリーズの強化型と現最強のZシリーズをね」
「幻のZシリーズ? まさか! でも設計図は消去したはず?」
幻のZシリーズとは元々2つの案があったZ3の没案である。
没にした理由は戦闘力と機動性が高いものの、その代償として装着者にかなりの負荷を掛けてしまい、最終的に死に至らしめる。
それを強化して制作した自衛隊に沸々と怒りが込み上げてきた。
「あれは危険な戦闘マシンです! 今すぐ機能を停止してください!」
「ふん、強化型である幻のZシリーズ、我々はZD呼んでいますが。人間への負荷を改善していないとでも思っているんですか?」
軍人の女性は鼻で笑いながらZDのデータを光炎に見せつける。
「こ、これは!?」
そこに描かれていたのは、かつての没案とは明らかに改良されたシステムやさらに向上された性能だった。
「どうです。これでも戦闘マシンと呼べますか」
「なるほど。あなた達の技術でZDの欠陥を無くし、強化を行なったことは素晴らしいと思います。ですが私達警察の許可なくしてZシリーズを製造できませんよ」
相手は何かしら言い訳を用意しているのだろうと、そう疑いを掛けつつ瞬きを1度する。
そんな時だった。
光炎のスマホから着信音が鳴り始め、画面を確認すると幕昰から連絡が来ていた。
「もしもし光炎です」
『堕天使が現れた! すぐに来てくれ!』
「分かりました! すぐに向かいます! ではまた後で!」
連絡が切られると、女性の方へ視線を向ける。
「申し訳ありません。堕天使の排除に行かなければなりませんので、話はまた」
「丁度良いです。ZDの活躍を見せれる絶好のチャンス。逃す訳にはいきません」
手を1回叩き、ニヤリと笑みを浮かべる軍人に光炎は「勝手にしてください」と冷たく遇らいながら如鬼と共にZトレーラーへ向かうのだった。
運転を開始して数十分後、人狼を思わせる堕天使ワーウルフ・ダークエンジェル達に人々が襲われる姿を見て唾を飲む。
「頼んだわよ。如鬼、スー」
「はい。Z3+、使いこなしてみせます」
Z3+を装着した如鬼に、車を止め司令室で待機する。
ヘッドパーツはあまり変わらないがサーチャーの機能をグレードアップ、スーの会話機能に音声を追加、軽量化したことで運動性は向上しつつ装甲の防御力を上げるため予算を度外視し、最新の加工金属、ガーディアンを使用、青いボディの左肩パーツにZ3+と印字されている。
武装した白バイに乗り込みハッチが開くと、一気にアクセルを回し、変わるの戦士は現場に出動した。
その道中、自衛隊の軍用車両が彼女の横を走って来る。
「あれがZDが乗った車なのかなぁ?」
『おそらくそうだと思うよ。でも仲間が増えることは良いことじゃん』
「そうだけど………」
何か嫌な予感がする。
さっきの話でそう思いつつ如鬼はヒヤ達が戦っている現場まで白バイを走らせた。
到着しバイクを止めると、そこにはワーウルフ・ダークエンジェルが人々を襲っている光景があった。
アサルトライフルである〈バスター〉を白バイから取り出し、攻撃を開始する。
トリガーを弾き撃ち出される銃弾を食らい、堕天使はすぐさま爆散した。
『次! あいつを狙って!』
「うん!」
スーの分析を的確に行動に移し、次々と敵を倒して行く。
すると軍事車両からパワードスーツを装着した者が降りて来る。
その姿はZ3+とよく似ているが塗装が黒の迷彩で、ヘッドパーツの角部分が変更され、より短くなりよりメタリックになっている。
「如鬼現人、現場へ到着しました」
如鬼現人、如鬼の義理の兄であり自衛隊の兵士。
ZDの装着者で正義感が強く、20代後半ながら今までのZ2での戦闘経験と冷静さを買われ、今ここに立っている。
片手用4連装ミサイルランチャー〈ワイバーン〉を男性の兵士に渡され、右手に装備し起動用のケーブルを腰の接続タップに繋げる。
ワーウルフ・ダークエンジェル達が新手に気付き、2人のザーガからターゲットを変更、ZDに向かって牙を向ける。
「ファイヤ」
トリガーを弾き、撃ち出される4機のミサイル。
自動追尾し4体の堕天使に激突、爆散した。
だが生き残っていた者が爆炎をすり抜け、首を狙って牙を向けて来た。
それでも現人は左拳で強烈なアッパーを食らわせ、空中で爆散させるのだった。
スペックはもちろん安全性も含め調整を繰り返す。
Z3に搭載されていたAIは〈スー〉と言う名前をつけられ、如鬼の要望で搭載することになった。
〈スー〉の活躍で機体の運用が思った以上に早くできたことは光炎も驚きを覚えたが、それ以上に如鬼とのシンクロ率がさらに上がっていることが1番の驚きだ。
信頼度も高まっているのは良い、しかし彼女の精神が耐えられるかどうか。
心配が積み重なる。
そんな中怪人科の上司が、表情を強張らせながら試験場に入って来た。
「どうされたんですか? そんな怖い顔をして」
光炎の落ち着いた様子に、上司はため息を吐く。
「自衛隊のお偉いさんが君達に新たなZシリーズを開発したからテストしてほしいそうだ。まったく、開発の権利は警察にある。製造はできないはすだが」
「………おそらくZ2の戦闘データを元に開発した物だと思いますが。無断で私達のZシリーズを名乗るのは癇に障りますね」
Zシリーズは警察のトップの許可なく制作することは許されていない。
なぜなら軍事的に使用されたり、最悪戦場に配備される可能性があるからだ。
自衛隊に限ってそんなことはないと思うが。
彼女はテストを中止し、如鬼と共に自衛隊が待つ会議室に向かうのだった。
場所を移動して会議室。
「お待ちしてました」
自衛隊の兵士を引き連れた軍服を着た女性が挨拶すると、光炎は険しい表情で席に座る。
「事情は上から聞いています。なぜあなた方の兵器のために私達のZ3+を試験に利用する必要があるんですか?」
直球に嫌がる発言をすると、軍服の女性は自信あり気に笑み浮かべる。
「戦わせたいんですよ。幻のZシリーズの強化型と現最強のZシリーズをね」
「幻のZシリーズ? まさか! でも設計図は消去したはず?」
幻のZシリーズとは元々2つの案があったZ3の没案である。
没にした理由は戦闘力と機動性が高いものの、その代償として装着者にかなりの負荷を掛けてしまい、最終的に死に至らしめる。
それを強化して制作した自衛隊に沸々と怒りが込み上げてきた。
「あれは危険な戦闘マシンです! 今すぐ機能を停止してください!」
「ふん、強化型である幻のZシリーズ、我々はZD呼んでいますが。人間への負荷を改善していないとでも思っているんですか?」
軍人の女性は鼻で笑いながらZDのデータを光炎に見せつける。
「こ、これは!?」
そこに描かれていたのは、かつての没案とは明らかに改良されたシステムやさらに向上された性能だった。
「どうです。これでも戦闘マシンと呼べますか」
「なるほど。あなた達の技術でZDの欠陥を無くし、強化を行なったことは素晴らしいと思います。ですが私達警察の許可なくしてZシリーズを製造できませんよ」
相手は何かしら言い訳を用意しているのだろうと、そう疑いを掛けつつ瞬きを1度する。
そんな時だった。
光炎のスマホから着信音が鳴り始め、画面を確認すると幕昰から連絡が来ていた。
「もしもし光炎です」
『堕天使が現れた! すぐに来てくれ!』
「分かりました! すぐに向かいます! ではまた後で!」
連絡が切られると、女性の方へ視線を向ける。
「申し訳ありません。堕天使の排除に行かなければなりませんので、話はまた」
「丁度良いです。ZDの活躍を見せれる絶好のチャンス。逃す訳にはいきません」
手を1回叩き、ニヤリと笑みを浮かべる軍人に光炎は「勝手にしてください」と冷たく遇らいながら如鬼と共にZトレーラーへ向かうのだった。
運転を開始して数十分後、人狼を思わせる堕天使ワーウルフ・ダークエンジェル達に人々が襲われる姿を見て唾を飲む。
「頼んだわよ。如鬼、スー」
「はい。Z3+、使いこなしてみせます」
Z3+を装着した如鬼に、車を止め司令室で待機する。
ヘッドパーツはあまり変わらないがサーチャーの機能をグレードアップ、スーの会話機能に音声を追加、軽量化したことで運動性は向上しつつ装甲の防御力を上げるため予算を度外視し、最新の加工金属、ガーディアンを使用、青いボディの左肩パーツにZ3+と印字されている。
武装した白バイに乗り込みハッチが開くと、一気にアクセルを回し、変わるの戦士は現場に出動した。
その道中、自衛隊の軍用車両が彼女の横を走って来る。
「あれがZDが乗った車なのかなぁ?」
『おそらくそうだと思うよ。でも仲間が増えることは良いことじゃん』
「そうだけど………」
何か嫌な予感がする。
さっきの話でそう思いつつ如鬼はヒヤ達が戦っている現場まで白バイを走らせた。
到着しバイクを止めると、そこにはワーウルフ・ダークエンジェルが人々を襲っている光景があった。
アサルトライフルである〈バスター〉を白バイから取り出し、攻撃を開始する。
トリガーを弾き撃ち出される銃弾を食らい、堕天使はすぐさま爆散した。
『次! あいつを狙って!』
「うん!」
スーの分析を的確に行動に移し、次々と敵を倒して行く。
すると軍事車両からパワードスーツを装着した者が降りて来る。
その姿はZ3+とよく似ているが塗装が黒の迷彩で、ヘッドパーツの角部分が変更され、より短くなりよりメタリックになっている。
「如鬼現人、現場へ到着しました」
如鬼現人、如鬼の義理の兄であり自衛隊の兵士。
ZDの装着者で正義感が強く、20代後半ながら今までのZ2での戦闘経験と冷静さを買われ、今ここに立っている。
片手用4連装ミサイルランチャー〈ワイバーン〉を男性の兵士に渡され、右手に装備し起動用のケーブルを腰の接続タップに繋げる。
ワーウルフ・ダークエンジェル達が新手に気付き、2人のザーガからターゲットを変更、ZDに向かって牙を向ける。
「ファイヤ」
トリガーを弾き、撃ち出される4機のミサイル。
自動追尾し4体の堕天使に激突、爆散した。
だが生き残っていた者が爆炎をすり抜け、首を狙って牙を向けて来た。
それでも現人は左拳で強烈なアッパーを食らわせ、空中で爆散させるのだった。
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