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破壊編
第1話コンビネーションアタック
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ヒグラシヤクオ、48歳、仕事は工場でできたジュースが入ったペットボトルが入ったダンボール箱をトラックで運ぶと言う物だ。
今回もダンボール箱をトラックに積み、後ろのドアのカギを閉め、トラックに乗り込み、工場を出る。
「マスター」
バッグに入っているデビルフェイスのデビルが話かけて来る。
「どうした」
「近くにデビルの気配だ、ハズレの部類だが、いやな予感がする」
「分かった。とりあえず警戒はお前に任せる」
そう言ってデビルフェイスからデビルを召喚し、隣の席で外を確認させる。
ジャスティスを思わせる姿だが、背中に鎖を大量に背負い、ステータスや能力が違う。
名はブレイク、破壊を暗示する者である。
ブレイクは窓を開け、そこから上に登り、後ろ、前、左、右を確認する。
すると右にロボットが立っていた。
トラックから飛び降り、ロボットに向かって行く。
ロボットはそれを見て、逃げ出す。
「逃すか!」
ブレイクは破壊のエネルギー弾をロボットに向けて放つ。
これをくらえば、確実に相手は死ぬ、
しかしロボットはエネルギー弾を軽々と躱し、能力を発動する。
「・・・・・・!」
ブレイクが声を出そうとするが、出ない。
(なんで、なんで声が出ないんだ)
パニック状態になるブレイク。
その隙にロボットは逃げる。
(逃すか!)
ブレイクはロボットを追いかけるが、なにも聞こえないのはなにか違和感を感じる。
とっ、十字路に差し掛かり、一旦足を止め、右、左、前を確認する。
耳が聞こえない以上、目が頼りだ。
車やバイクに轢かれても大したことはないが、隙が生まれ、ロボットを逃してしまう。
なにも来ないのを確認し、先に進む。
ロボットを見失う事なく、破壊のエネルギー弾を放とうとする。
その時だった。
背中に痛みを感じる。
「・・・・・・・!」
強烈な痛みに叫びを上げようとするが、なにも聞こえない。
倒れこみ、動けなくなる。
すると能力が解除されたのか、すべての音が戻って来る。
ロボットが高笑いを上げる。
「やりましたよ。私達がオオアタリに勝ったんです」
「あぁそうだな」
もう1人のデビルがロボットに近づく。
顔はまるでスズメバチの様で、黒いフードを被り、腕には長い針が生えており、黒いズボンを履いている。
「お前らなに者だ・・・・・」
「私はサイレント、無音を暗示する者です」
「俺はスティング、毒針を暗示する者だ」
「私達はハズレの部類のデビルです」
「サイレントはただ音を消すだけ、俺は毒針が強いがステータスが貧弱」
「そこで私達のマスターは手を組み、遺産を山分けする事にしたのです」
「俺達は今まで7人のデビルを倒してきた」
「つまり最強のコンビと言う事です」
「ちなみに俺の毒はデビルなら5分で死ぬ、解毒剤なんてない」
「これで終わりなんですよ、あ・な・た・は」
サイレントの言葉にブレイクは笑う。
「なにがおかしいんですか、あなたは死ぬんですよ」
「死ぬ? 俺は死なねえよ。俺の名はブレイク、破壊を暗示する者。この意味、お前らなら分かるよなぁ」
簡単に立ち上がるブレイクにサイレントとスティングはその答えを理解する。
「まさか、毒素を分解したのか」
「そんな、それじゃあ俺達の攻撃は」
「無意味だったって事だ。残念だったなぁ。他のオオアタリには通じたんだろうが、俺には通じねぇよ」
「一体、お前はなんなんだ」
「通りすがりの破壊者だ、覚えておけ」
サイレントとスティングは恐怖し、その場を逃げようとする。
「無駄だ」
ブレイクはなにかを引っ張る様に手を振る。
すると逃げていたはずの2人が逆に近づいてしまう。
「今お前達から〈逃げる行為〉を破壊した」
「「そんなのあり!?」」
2人の頭を掴む。
「破壊」
そう言った瞬間、サイレントとスティングのコンビは破壊のエネルギーを浴び、消滅した。
「さて、帰るか」
ブレイクは急いで〈破壊の殺人〉の位置を確認する。
「以外と遠いな。よし走って行くぞ」
こうして独り言を言いつつ走り出した。
50分後、ヤクオのトラックに追いつき、乗り込む。
「デビルはどうなった?」
「楽勝だったな。破壊者の前に敵は打つ手なし。そんな感じだったぜ」
「そうか、なら良いんだが」
「なんだ、嬉しくないのか」
「嬉しいさ。だけどこのままお前を家族に隠してて良いのかと、そう思っただけだ」
「別に良いんじゃないか。どうせデビルトリオにはバレてるんだからよぉ」
「そうだな、ブレイク、一応言っとくが・・・・・」
「デビルトリオは仲間だから攻撃するな、だろ、それぐらい分かってる」
「なら良いんだ」
安堵するヤクオは信号が青になったので、アクセルを踏み、前進した。
ヤクオが帰って来ると、〈破壊の殺人〉からブレイクが飛び出し、自己紹介してから、デビルトリオと会話をする。
「でっ、もう1人デビルが増えたわけよね」
妻のミエカがため息を吐いてからそう言うと、ブレイクが近づいて来る。
「悪いな、俺みたいなヘンテコな奴を家に上がらせてもらっちまって」
「仕方ないじゃない、お父さんのデビルなんだから。大体お父さんがデビルフェイスなんか持って来るのが悪いんだから」
「それは間違いだ。小包があって、開けたら2冊のデビルフェイスが入ってた」
それを聞いてヘルプが「それって本当」と質問してくる。
「本当だ。何度も言っているじゃないか、なっキシタ」
「そうだよヘルプ、俺達が悪いわけじゃない。すべてゲームマスターが悪いんだ」
「そうね、人間って言うのはタダな物には目がないものね」
その言葉に、ヒメは頭を抱えるのだった。
今回もダンボール箱をトラックに積み、後ろのドアのカギを閉め、トラックに乗り込み、工場を出る。
「マスター」
バッグに入っているデビルフェイスのデビルが話かけて来る。
「どうした」
「近くにデビルの気配だ、ハズレの部類だが、いやな予感がする」
「分かった。とりあえず警戒はお前に任せる」
そう言ってデビルフェイスからデビルを召喚し、隣の席で外を確認させる。
ジャスティスを思わせる姿だが、背中に鎖を大量に背負い、ステータスや能力が違う。
名はブレイク、破壊を暗示する者である。
ブレイクは窓を開け、そこから上に登り、後ろ、前、左、右を確認する。
すると右にロボットが立っていた。
トラックから飛び降り、ロボットに向かって行く。
ロボットはそれを見て、逃げ出す。
「逃すか!」
ブレイクは破壊のエネルギー弾をロボットに向けて放つ。
これをくらえば、確実に相手は死ぬ、
しかしロボットはエネルギー弾を軽々と躱し、能力を発動する。
「・・・・・・!」
ブレイクが声を出そうとするが、出ない。
(なんで、なんで声が出ないんだ)
パニック状態になるブレイク。
その隙にロボットは逃げる。
(逃すか!)
ブレイクはロボットを追いかけるが、なにも聞こえないのはなにか違和感を感じる。
とっ、十字路に差し掛かり、一旦足を止め、右、左、前を確認する。
耳が聞こえない以上、目が頼りだ。
車やバイクに轢かれても大したことはないが、隙が生まれ、ロボットを逃してしまう。
なにも来ないのを確認し、先に進む。
ロボットを見失う事なく、破壊のエネルギー弾を放とうとする。
その時だった。
背中に痛みを感じる。
「・・・・・・・!」
強烈な痛みに叫びを上げようとするが、なにも聞こえない。
倒れこみ、動けなくなる。
すると能力が解除されたのか、すべての音が戻って来る。
ロボットが高笑いを上げる。
「やりましたよ。私達がオオアタリに勝ったんです」
「あぁそうだな」
もう1人のデビルがロボットに近づく。
顔はまるでスズメバチの様で、黒いフードを被り、腕には長い針が生えており、黒いズボンを履いている。
「お前らなに者だ・・・・・」
「私はサイレント、無音を暗示する者です」
「俺はスティング、毒針を暗示する者だ」
「私達はハズレの部類のデビルです」
「サイレントはただ音を消すだけ、俺は毒針が強いがステータスが貧弱」
「そこで私達のマスターは手を組み、遺産を山分けする事にしたのです」
「俺達は今まで7人のデビルを倒してきた」
「つまり最強のコンビと言う事です」
「ちなみに俺の毒はデビルなら5分で死ぬ、解毒剤なんてない」
「これで終わりなんですよ、あ・な・た・は」
サイレントの言葉にブレイクは笑う。
「なにがおかしいんですか、あなたは死ぬんですよ」
「死ぬ? 俺は死なねえよ。俺の名はブレイク、破壊を暗示する者。この意味、お前らなら分かるよなぁ」
簡単に立ち上がるブレイクにサイレントとスティングはその答えを理解する。
「まさか、毒素を分解したのか」
「そんな、それじゃあ俺達の攻撃は」
「無意味だったって事だ。残念だったなぁ。他のオオアタリには通じたんだろうが、俺には通じねぇよ」
「一体、お前はなんなんだ」
「通りすがりの破壊者だ、覚えておけ」
サイレントとスティングは恐怖し、その場を逃げようとする。
「無駄だ」
ブレイクはなにかを引っ張る様に手を振る。
すると逃げていたはずの2人が逆に近づいてしまう。
「今お前達から〈逃げる行為〉を破壊した」
「「そんなのあり!?」」
2人の頭を掴む。
「破壊」
そう言った瞬間、サイレントとスティングのコンビは破壊のエネルギーを浴び、消滅した。
「さて、帰るか」
ブレイクは急いで〈破壊の殺人〉の位置を確認する。
「以外と遠いな。よし走って行くぞ」
こうして独り言を言いつつ走り出した。
50分後、ヤクオのトラックに追いつき、乗り込む。
「デビルはどうなった?」
「楽勝だったな。破壊者の前に敵は打つ手なし。そんな感じだったぜ」
「そうか、なら良いんだが」
「なんだ、嬉しくないのか」
「嬉しいさ。だけどこのままお前を家族に隠してて良いのかと、そう思っただけだ」
「別に良いんじゃないか。どうせデビルトリオにはバレてるんだからよぉ」
「そうだな、ブレイク、一応言っとくが・・・・・」
「デビルトリオは仲間だから攻撃するな、だろ、それぐらい分かってる」
「なら良いんだ」
安堵するヤクオは信号が青になったので、アクセルを踏み、前進した。
ヤクオが帰って来ると、〈破壊の殺人〉からブレイクが飛び出し、自己紹介してから、デビルトリオと会話をする。
「でっ、もう1人デビルが増えたわけよね」
妻のミエカがため息を吐いてからそう言うと、ブレイクが近づいて来る。
「悪いな、俺みたいなヘンテコな奴を家に上がらせてもらっちまって」
「仕方ないじゃない、お父さんのデビルなんだから。大体お父さんがデビルフェイスなんか持って来るのが悪いんだから」
「それは間違いだ。小包があって、開けたら2冊のデビルフェイスが入ってた」
それを聞いてヘルプが「それって本当」と質問してくる。
「本当だ。何度も言っているじゃないか、なっキシタ」
「そうだよヘルプ、俺達が悪いわけじゃない。すべてゲームマスターが悪いんだ」
「そうね、人間って言うのはタダな物には目がないものね」
その言葉に、ヒメは頭を抱えるのだった。
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