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図書館編

第2話壊れる事を望む

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血が流れ、デビルは一旦後ろに下がる。
「お前は一体なんなんだ!?」
「俺か、俺はシン。ただの改造人間だ」
かつてシンは日本軍の兵士だった。
だがアメリカ軍に拉致され、改造人間にされた。
その時戦争が終わりを迎えたため、記憶を消され、日本に返された。
それから何十年も経過し、警察官になったシンは結婚し、子どもにも恵まれた。
しかしフォックスの1人、ゼロに皆殺しにされ、思わず変身、怒りからゼロを殺害する。
罪を背負ったと思ったシンは出頭し、10年以上牢屋に閉じ込められた。
だがフォックスキラー部隊に入隊する事になり、釈放された。
そして今、軍隊で戦っている。
「お前は俺達にやられる、その前に名前を聞いてやろう」
「デビルでもないお前に・・・まあいい。俺の名前はスプラッタームービー、スプラッター映画を暗示する者だ」
スプラッタームービーは次元の裂け目からショットガンを取り出し、シンに向けて撃つ。
しかし弾はシンの体に吸収され、左腕がショットガンに変化する。
シンはショットガンを構え、撃つ。
銃弾をまともに受けたスプラッタームービーは仰け反りながら、叫びを上げ、殺意をムンムンにし、次元の裂け目から鉤爪を取り出し、装備、襲いかかる。
そこに不意打ちと言わんばかりに、後ろからスリープの電撃ドロップキックが飛ぶ。
背中を貫き、引き抜き、床に着地する。
「俺は・・・・・戦う・・・・・マスターが壊されるその日まで・・・・・戦い続ける」
「お前のマスターはどこにいる」
シンの質問に、スプラッタームービーは笑う。
「この図書館だ、俺のマスターはこの図書館全体なのさあ」
「なにバカなウソを・・・」
「ウソじゃない。マスターには意思がある。俺に言うんだ。早く壊してくれってな」
「それならあなたのやり方じゃ誰も壊してくれないわよ」
「なに」
「だって死人が出る図書館にまともな奴なら誰も近寄らない。イコール誰も壊しに来ない。後壊すのに膨大な金がかかる。だったら放置した方が良い。そうなっちゃうのよ。分かる?」
「理屈だけを並べやがって。殺してやる。お前達を殺してやる!」
逆上したスプラッタームービーにスリープは背を向ける。
「なめるなー!」
スプラッタームービーの攻撃が来る。
それを予測していたと言わんばかりに、スリープはためにためた電気と共にスプラッタームービーに回転蹴りを繰り出した。
左足に命中し、大きく吹き飛ばされる。
回転しながら棚に激突し、スプラッタームービーは立ち上がろうとする。
そこにガルガと兵士が銃口を向ける。
終わりだジッエンド
銃を連射し、スプラッタームービーを蜂の巣にする。
(ごめんなマスター、あんたの願いは叶わないかもな)
そう思いながらスプラッタームービーは粒子になって消えた。
それを見たガルガは高笑いを上げ、それに3人は苦笑する。
スリープは通信機の電源を入れる。
「こちらAF、作戦は成功、入り口で全員を待つ」
『分かった。すぐに向かう』
『分かった。すぐに向かう』
『おつかれ様でした』
通信機を切り、図書館の外に向かった。

その後図書館はどうなったかと言うと。
リフォームし、運営を再開した。
つまり図書館の意思は尊重されなかった。
そもそも本当に図書館に意思があるのかどうか、それは誰にも分からない。
巷では亡霊が住み着いているんじゃないかと噂されている。
それでも本を読みたいと言う人々が集まって来る。
スマホで検索しても分からない事を調べるためである。
他にも絵本を子どもに読み聞かせたり、ラノベを読みに来たり、いろんな理由で来る者達がいる。
図書館は必要なところなのだ。
だからこそスプラッタームービーのやっていた事は否定される。
これで良かったのだ。
そう言うしかない。
物語に終わりがある様に、事件にも終わりが来る。
爪痕を残し、大切な人を亡くした人を残し。
不完全のまま終わりを告げるのだ。

夜。
ヘルプ、ブレイド、スパークはとある図書館が使える様になったニュースを見る。
「デビルの仕業だって包み隠さず言ったわね、このアナウンサー」
「隠しても仕方ないだろう。もう私達デビルの事は認知されている。誰もウソだとは思うまい」
「デビルを悪者にして軍隊の評判を上げる。ますます私達の肩身が狭くなるわね」
デビルトリオの寂しそうな顔に、キシタ、ヒメ、コサメが、同時にため息を吐く、
「ブレイド。お前が心配する必要はない」
「ヘルプ。ずっとあなたと一緒にいられる様、私、頑張るから」
「スパーク。私達友達でしょ。だから協力して行こうよ。ねっ」
「キシタ」
「ヒメ」
「コサメ」
6人の友情が深まる中、父は自分が持つデビルフェイスを見て、(こいつはまだ出す時じゃない)と悟った。
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